7月某日。
僕は東京の大学を訪れた。
友達に会うために。
待ち合わせ場所である、その大学を立てた人の像がある広間。
コーラを飲んでいると、不意にあいつの懐かしい声が。
「よお、落ちこぼれ」
「うるさいな」
僕らは笑い合い、共に懐かしいあの場所へ向かった。
もともと彼――本橋良哉は神奈川県の中学にいた。
僕は東京の中学。
僕らは従兄弟でもない。
親族でもない。
親族でもない。
何の接点も無い・・・・。
なぜ僕らが出会ったか。
それは「あの事件」がきっかけだろう。
ぼくらの夏を奪った事件。
あれが僕らの人生を変えたといっても過言ではないだろう。