小説『パラレル』
作者:モン吉()

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本橋と出会わなかったらどうなっていただろう。
ぼくはあいつと出会わなかったら、もしもの世界「パラレルワールド」を想像した。
「あの事件」の恐怖におびえ続ける毎日を送っていたのか。
そう思うと冷や汗をかいた。
さて。
そろそろ「あの事件」について話そうと思う。

中二の夏休み。
僕らの学校は、週に一度、「全校登校日」というものがある。
全員が登校し、集会をしたり、配布物を配ったり。
その日は部活も無いから、この日は結構楽しみだったりする。帰宅部には関係ないが。
休みが始まってから初めての全校登校日。
長い長い校長の話を終え、ホームルームも終え、僕らは下校した。
友達と下校中、ある一通のメールがきた。
ぼくは、何も怪しむことなく(当然だが)メールを開いた。
このメールが「あの事件」の始まりだとしらずに。
メールの内容はこういったものだった。

『初めに、このメールは、この学校の全校生徒に送られます。
本題に行きます。
このメールを受け取った人は、このメールを今日中に、2人に送ってください。
一度送ったのにまたメールが来た人は送らなくて結構です。
このメールを今日中に送らないと、1時にあなたの家を放火します。
家族にこのメールを送った場合、あなたの家は放火されず、あなたの家族も無事です。
最後に一言、
「ゲームは始まったばかり」』

「なんだこれ、チェーンメール?」
「そうじゃない?」
ふざけた内容だ。馬鹿馬鹿しい。
「お前、これ送る?」
そいつが聞いてきた。
「や、送らない。俺こんなの信じねぇし。」
「そうか。」
そいつとはその先で別れた。
家に帰ったらねてしまい、おきたのは11時だった。
ちゃんと寝室に行ってねよう。
そう思ったのだが、あのメールのことが忘れられず、弟の修也と、兄の直也に言ってメールした。
弟には、「うち、放火されちゃうの?怖い」
兄には、「おまえ、馬鹿?こんなの信じるん?」
といわれた。
でも、不思議な安心感に僕は襲われて、ベットに着き次第、眠ってしまった。
放火事件がおこったのはその日の1時だった。

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