小説『パラレル』
作者:モン吉()

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本橋良哉。
そいつの名前を聞いたのは、あるテレビ番組をみてからだ。
「この人はどんな人でしょうか!」
という企画で、世界記録を持っているおっさんや、空手6段の美少女高校生など、いろいろな人が出ている中、某有名塾の模試で一番をとった!・・・というので、本橋は出ていた。
そのときは、特にそいつのことは気にとめなかった。

ノートパソコンを開いてみた。
なにを思ったわけではないが、「中学 放火」と調べてみた。
すると、日付は昨日、今日更新されたページやブログが一万件以上でていた。
「ちょwwwチェンメでほんとに放火ってwww」
「俺らもやってみようかなw」
「新しい発想。犯人に敬意を表す!」
などとおろかな発言が。
そのなかで一つ。
「お前らは愚か者だ。
悪人に敬意を表したり、悪人の真似をするのは。
馬鹿がこの世を腐らせる」
という興味深い発言があった。その発言には、
「はぁ、何言ってるのこいつwww」
「はいはい、乙乙」
「厨二確定w」
などと馬鹿な発言があった。
この世も腐ってきたな。
そう思ってパソコンを閉じた。

朝、起床。
携帯の電源を切っていたため、メールが来ていること気がつかなかった。
メールを確認。
そして絶句。
来ていたメールは12件。全てチェーンメール。
中には、「無差別にこのメールを送信」「全国の中学生へ」
などとあった。
大きなため息をつき、部活へ。

どうして皆、こんな馬鹿なことを考えるのだろう。
本当、この世は疲れる。

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