小説『パラレル』
作者:モン吉()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

「チェーンメールって送らなくても大丈夫なんじゃなかったっけ?」
部活帰りの途中、クラスの山田が話しかけてきた。
「そのはずだけど?」
「じゃあなんで放火なんて・・・」
「あのなぁ、放火は、チェーンメールが原因じゃない、ただのいたずらさ!
現に、死者はでなかった。メールのあの内容だと、殺そう、と送信者がいっているように感じられたぜ。」
「おまえの客観だ。」
「なんだと。」
いますぐお前を消してやろうか。
危ない思考が頭をよぎった。
「じゃあ、またな」
山田が遠ざかる。
二度と話しかけるな。

翌日のニュース。
「都内で連続放火、原因はチェーンメール?」
と報道されていた。
どうやら、犯人は見つかったらしい。しかも二人。
犯人達に事情聴取をしたところ、
インターネットで知り合った人が、たまたま同じ学校の人で、このようないたずらを二人で思いついたらしい。
二人の中学生は事情聴取後、書類送検された。
取り合えず一息。
部活でもその話で話題一色。
みんな笑う。
や〜すごかったねぇ。怖かった。チェンメ、送っておいてよかったよ。
そのような声が、同学年や、後輩達から聞こえた。
みんな、事件が終わったと知らずに。

-3-
Copyright ©モン吉 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える