小説『Blood of the scarlet.』
作者:樹緑()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>


気がついたら…そこは戦場だった…。

誰もが実際には存在しないような色鮮やかな武器を持ち。

人とも物の怪とも取れる、人型のようなものに遠慮なくそれぞれの武器を振るっていた。

しかし、数が多く一人…また一人と倒されていく…。

残るのは丸腰の自分と黒髪のポニーテールの少女だけだった…。

それでも諦めずに少女は得物の薙刀を振るい、自分はただ逃げ惑い…。


そして……。


そこで自分の頭に攻撃が…。




ドテッ…。

「痛っ…、な、なんだ夢か…」

周りをいくら見渡してもあるのは雑に積み重ねた漫画や雑誌のみ。
どう見ても夢の景色とは一致しない。
そして、どういうことか自分のベットから転げ落ちたらしく頭が痛む…。

「ごはんだよ〜」
「わかった、すぐ下りる」

お世辞にも綺麗とはいえない階段を下り。
すぐ横のリビングに入る、中にはすでに妹と母が椅子に座ってこっちを見ていた。

「お兄ちゃん早く座って座って、早くしないと学校に遅れるよ!」
「へいへい、わかったから先にお茶とらせろ」
「はい、どうぞ」

妹の桜花がお茶のビンをこっちに渡す。

「今日は天気は良いらしいわね、桜が楽しみだわ」
「そーなのかー、ウチも桜は楽しみだけど新しい学校も楽しみだな〜」
「んじゃ、入学式に早々遅刻はしたくないし早めに出るか?」
「そうだねー、んじゃ、ウチがトイレ行ったら家を出ようか」
「あれ?俺のトイレの時間は…?」
「男の子が小さいことを気にしない気にしない」
「まぁ、いいか。学校にもトイレはあるさ」

そして、兄妹はそれぞれの準備に取り掛かる。



〜数分後〜
「今日の9時からが入学式だからね!遅れないでよお母さん!」
「はいはい、ちゃんと行きますよ」
「んじゃ、桜花行くぞ!!」
「うん!!」
「いってらっしゃい、学校を思いっきり楽しんできなさい」
「「いってきまーす!!」」

兄は空色の、妹は桜色の自転車にまたがり学校に向け走り出す…。

-1-
Copyright ©樹緑 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える