小説『Blood of the scarlet.』
作者:樹緑()

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びゅうびゅうと風を切り裂き。
自転車に乗り走る兄妹が二人。



「お兄ちゃん」
「ん、どうかしたか?」
「これから行く学校楽しみだね〜」
「まぁ、楽しみだけどさ。そういえば桜花はどこの部活に入るかは決めたか?」
「ううん、まだ決めてないよ!とりあえずは体験入部ができるようになってから考えるよ」
「そうか…、まだ学校生活は始まっちゃいないし十分楽しもうじゃないか」
「そうだね、お兄ちゃん」



桜の花びら舞い散る、桜並木の道を空色と桜色の自転車は走る。
時間に余裕がある二人はゆっくりと桜を見ながら進む…。


これから、二人が行く学校というのは『○○私立日暮高校』というごく一般的で何の変哲もない高校である。
『日暮高校』は男女の数がほぼ同じの共学で部活動も活発である。
新入生は強制入部という校則があるぐらいであって、部活動での表彰も珍しくはないらしい。



「さすが、部活動推進校、部活の数も結構あるみたいだな」
「体育系のばっかりって思ってたのに文科系も結構あるらしいね」
「んでも、俺は適当に部活に入ってそのまま幽霊かな」
「お兄ちゃんったらー、せっかく部活ができるチャンスなのに最後までサボるつもり?」
「そう言う桜花はどうなんだ?」
「ウチはちゃんと最後まで参加するつもりだよ?」



話をしているうちに桜並木を抜け。
学校のある団地へと続く緩やかな斜面を登り始めて、数分後。
ようやく学校の正門へと着いた。

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