小説『ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士』
作者:涙カノ()

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少しきりが悪いかもしれないけど80000を超えた記念話です
出来栄えは…甘めにお願いしますww

=番外編 10月31日 男編=

=第50層 アルゲード=

これは本編とまったく関係のないお話…って俺はなに言ってるんだ?
10月31日は普通の日本人だとあまり関わりは少ないのかもしれないけどハロウィンだ。
今日の朝、俺が起きると目の前にウィンドウが開かれており『どちらを選択しますか 仮装/菓子』という選択肢があった。
おそらく仮装して菓子をもらうか、仮装せずに菓子をあげるかということだと思うので
俺は仮装する趣味もないし、この世界では料理は十分出来るので俺はお菓子を作ってる。
シュークリームとかショートケーキとかまぁ、いろいろだ。

「…たく…うちの女子様たちは全員菓子もらいに行ったのかよ〜」

なぜそんなことが判るのかというと凛々の自由として借りている女性の部屋にノックしに行ったら
「「「「着替えるから入るな!!」」」」という声が飛んできたからだ。珍しくシリカも敬語じゃなかったし…
菓子への執念の恐るべし…

窓から外を見ると仮装したプレイヤーでいっぱいだった。
その理由は、今回のイベントが実に効率のいいものだったからだ。
菓子を一定数あげる、もしくはもらうことをすればレベルが1〜5あがるからだった。
仮装の完成度、菓子の完成度によって1だけだったり5あがったりするのがそれで決まるためみんな張り切ってる。
あがる数字は最終的に決まるのだからどちらも一瞬たりとも気が抜けない。


「トリック・オア・トリート」

「はいはーい…なんだ、キリトか」

「なんだってなんだよ」

キリのいいところまで菓子を作るとノックする音と共に「菓子くれないと悪戯するぞ」という決まり文句が聞こえてきたので
あけてみるとそこにいたのは『黒の剣士』ことキリトだった。

「…で、お前の仮装は吸血鬼か…」

「お、よくわかったな」

俺が当てたとおりキリトは吸血鬼だった。口に牙のアタッチメントをつけ珍しく上着は表面はいつもどおり黒だが中は赤という…まぁよくみる吸血鬼だった。

「ところで早くくれよ、じゃないと悪戯だぜ?」

「男からの悪戯受けたって何もうれしくない!!…ほれ」

そんな男の絡みなんて画面前の皆様も見たくないだろ…俺も見たくないし実践もやだ!!
というわけでシュークリームを1つ渡す。

「サンキュ。……やっぱり美味いな…」

「食べるの早ッ!」

まさか1口で食べられるとは思わなかった…

「また普通のときご馳走してくれよ、じゃあな」

去り際になに言ってんだと思いながら次の人を待つ。


「「「「「「「トリック・オア・トリート!!」」」」」」」

「帰れ」

「おいおい、そりゃないだろぉ!?」

次にきたのは一応親友であるクライン率いるギルド【風林火山】だった。全員が非リア充でありながら二十歳を普通に超えているという残念集団だ。

「一気に7人もきて対応できるかぁ!!!」

「なら…「悪戯はいいかから、ちょっと待ってろ。すぐ作るから」…おう!」

そんなわけでメニューからレシピを選択する。それは酒のつまみになりそうないわゆるポテチだ。
さらに味をかぼちゃ系にし一工夫。油で揚げる、なんて行為もすぐ終わるからものの2,3分で作れた。

「ほら、7人分。味はわからないけど」

「「「「「「「おぉー!!」」」」」」」

えぇい、うるさい。人の部屋の前で騒ぐな!ドア開けてるから声聞こえるんだよ。
ドタドタとそのまま帰っていく風林火山。うるさいのでそのままドアを閉める。
あ、ちなみに全員ねずみ男とかいうおっさん臭漂う仮装でした。


「トリック・オア・トリート」

この声を聞いてすぐさま正体を確かめたいが仮装を見たら笑ってしまうだろう。
なので一応質問を。

「…もしかして…ヒースクリフ…さん?」

「あぁ、その通りだよ。リクヤくん」

あの人の仮装なんて見たくない!!…せめて普通であることを祈りたい…
そう手を合わせる気持ちで祈りながらドアを開けるとそこには…

いつもの赤い鎧の凛々しいお方ではなく
青い鎧、しかもボロボロ…を装着しいつもボス戦では大活躍の剣、そして盾は持っておらず
顔はなぜか顔色の悪いペイントがされており頭の左右に大きなネジをつけ…
おそらくフランケンシュタインの仮装をしたヒースクリフさんがそこにたっていた。

「ぎゃあああああああああああああああああ!!!???」

「な、なにごとかね…」

俺の叫び声にヒースクリフさんも一瞬ビクッてなったのがわかった。

「hvねgbヴぇらそpvべr!?」

相手が驚かれても俺は驚くのをやめるほど人間は出来てないから動揺しすぎて何言ってるのかわかんなくなってきた。

「1回落ち着こうか…」

「スゥ…ハァ……はぁ!?」

深呼吸もしてもなお俺はやっぱり驚きを隠せなかった。

「…そんなに驚くことか?」

「す、すいません…でも…手入りすぎでしょ!?」

「なかなかの出来栄えだろう?」

「そ、そうですね…もう悪戯された気分ですよ…」

「私にはそんな気分はないのだがな…それでは本来の目的をもらおうか」

あわてて俺はケーキを取り出しヒースクリフさんに手渡しする。
正直好みなんてまったく判らないけどそのまま受けてとってもらうことができヒースクリフさんはそのまま去っていった。

「な、なんていうインパクトだよ…あれはでかすぎるって…」

何か、一瞬で人物像が壊れた気がする。


「トリック・オア・トリート」

「その声は…っと…やっぱりゴドフリーさんか」

俺と血盟騎士団のフォワード隊隊長のこの人とはちょっとした縁があるのだ。詳しくは本編でこれから書こうwwby作者

「キョンシーっすか…」

そこには見事キョンシーに変身したゴドフリーさんがいた。

「どうだ?…そういえば…さきほどこの部屋から青い鎧の男が出てきたのだが…お前の知り合いか?」

「え!?い、いやぁ…(言えない…あなたのところの隊長だなんて言えない…)」

「まぁ、答えるのが難しいのなら言わなくてもいいぞ」

「あ、ありがとうございます…あ、これ」

そういい俺はかぼちゃクッキーを渡す。
こういったものがすきなのかは判らないが結構喜んでくれて「ガッハッハ」と気持ちいい笑いをしながら去っていった。
ああやって気持ちのいい人はなんだかすがすがしい。
そう思いながら扉をまた閉める。


「Trick or Treat」

「…発音いいな、エギ……だれだ!!」

俺がエギルだと思い扉を開けるとそこには包帯グルグル巻きのプレイヤーがそこにいた。
全身に巻いてるものだからエギルの持っていた褐色の肌も見えない。

「エギルだよ!!見てわかれよ!!」

「判るわけないだろ!」

包帯グルグル巻きで誰かを判別しろなんて無茶にもほどがある。
このままだとけんかになりそうだったのでパンケーキを渡し、帰らせる…


「…もうヒースクリフさんでインパクトやっぱりでかすぎたよ…
それにしてもやっぱりなのか女子来ないな〜やっぱ嫌われてんのかな〜…」

そんな考え事をして少しむなしくなった。










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