小説『女戦士は穏健派』
作者:剣聖()

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第13話【女のひと時を満喫する女戦士‥!何故か一姫二太郎の如き奇妙なデート???】




ー4月3日 日曜日 午前1時00分 名古屋市某所 【療医会救急病院】正面入り口ー



一方時間を戻して、美智子とのバトルに敗北し、満身創痍(まんしんそうい)の重傷に陥った源太郎があの後どうなったか‥&#39002;末(てんまつ)を追う事に致しましょう。


ーブロロロローンン!!!!!キキーーーーー!!!!!(←源太郎のデコトラが停車する音)ー


病院の守衛A【ん~?何だ?あのデコトラは?】

深夜の救急病院に謎のデコトラの来訪に訝(いぶか)しがる守衛。


ーがちゃっっ!!!(←源太郎のデコトラの扉が開いた音)ー


ーどさっっ!!!(←源太郎が転がり落ちた音)ー


源太郎【‥‥うっ‥ぐはぁ‥(超痛苦)。
い‥痛てぇ‥‥くそぉ‥(超痛苦)。】

病院の守衛A【うわっ(驚愕)!!
‥‥お!おい!!アンタだいじょうぶか(驚愕)!!?しっかりしろ(驚愕)!!
ず!ず!ずいぶん傷だらけじゃないか(驚愕)!?】

いきなり傷だらけの風体でデコトラから転がり落ちた源太郎に、思わず守衛も驚きふためるが、源太郎のただならぬ様子に必死に声をかける。

病院の守衛A【こ‥こりゃイカン(驚愕)!!すぐに中の先生を呼んで来なければ(驚愕)!
お!おたく!ちょっと俟(ま)ってるんだぞ(驚愕)!!】

守衛はそう云うと、急いで病院内へと駈けこんで行った。


そして6時間後‥。



ー4月3日 日曜日 午前7時00分 名古屋市某所 【療医会救急病院】4階407号病室ー



看護婦A【どうぞ‥こちらです。】

中年刑事【どうもすみません♪看護婦さん♪】

若手刑事【失礼します(無愛想)。】

看護婦は中年刑事と連れの若手刑事を、源太郎の病室へと招き入れる。

担当医【‥意識は回復して、しゃべる事は問題ありませんけど、ケガ人である事には違いありませんから‥そこはちゃんと意識してくださいね?刑事さん?】

担当医【もっとも‥ここに着いたまもなくは命に関わるような重傷状態だったから、集中治療室行きは確実だと思ってましたけど‥一般病棟での経過治療で済むほどに回復するなんて‥しかもたった4時間で‥信じられない人ですね。この人。】

中年刑事【そりゃぁ~こちらの医療体制が万全だったって事に尽きるんじゃございませんかねぇ~(飄飄)?】

病状説明をしながら、源太郎の人間離れした回復力に愕きを隠せない担当医師。
そんな医師に軽いノリで返事をする中年刑事。

担当医【それは‥うちも救急病院として患者には昼夜問わず全力を尽しますけども。
ただ専門的な立場で視(み)ても‥人間離れしているんでね。】

担当医【では、私たちはやる事がありますので‥これで。】

中年刑事【ど~も♪ど~も♪ありがとう御座いました~♪】

そう謂うと担当医と看護婦は病室を退室した。
そして中年刑事はベッドの源太郎に近づいていく。

中年刑事【‥よぉ♪泰山くん♪元氣か♪?】

源太郎【‥‥元氣なワケねぇだろうが(イラッ)!
視ての通りのケガ人だぜ(イラッ)!オレは(イラッ)!】

中年刑事【まぁ♪それもそうか♪すまねぇな♪】

ベッドで休む源太郎にナメた口調で軽口を叩く中年刑事。
この刑事の名は
「寺山 進(てらやま すすむ)」
年齢44歳。愛知県警東栄(ひがしさかえ)署の刑事課の刑事で、現在階級は「警部」である。
所謂大學卒業後「準キャリア組」で警部補から県警入りした相当の凄腕刑事である。そしてキャリア系にはめずらしく、洒落の効いた「人情派」の刑事でもある。
さらに風貌は、俳優の「寺島進」に非常によく似ており、その寺島をさらに50倍くらいシブく、そして男らしくカッコ良くした感じのナイスな漢氣(おとこぎ)溢れる中年男性である。

源太郎【‥それよりも[寺山さん]よオ!テメ今日は何しに来やがったんだよ‥!
わざわざオレが入院してる病院までよオ!】

寺山【何って‥当然[訊(き)きこみ]だよ♪暴力沙汰の事件のよ♪
善良な市民の方からの通報受けちまった以上、刑事(デカ)として動かねぇ訳にゃぁいかねぇもんな♪】

寺山【にしても‥ハデにやられたなぁ~おまえ~♪元、暴れん坊の殺し屋力士って謂(い)われた[鬼岩海]のおまえがさぁ♪
ライオンとでもケンカやらかしたのか♪?】

源太郎【‥そんなワケねぇだろうが(イラッ)!ナメてんだったらキレんぜ(イラッ)!いくらアンタでも(イラッ)!】

相変わらず源太郎を子供扱いして遊んでいる寺山。

寺山【おお~悪り~悪り~♪
でも誰にやられたんだ~おまえ?大関力士ぶっ殺すくれえ強ぇ~おまえをよぉ~死に掛けのボロぞうきんみてぇになるまでブチのめせるヤツなんてよ~そ~そ~いねぇだろよ♪】

源太郎【‥‥。】

若手刑事【なに黙ってるんだ(厳)!?おまえ(厳)!?
喩(たと)えおまえが謂わなくても、こっちは大方の当たりは付いてんだ(厳)!】

若手刑事【つまり‥おまえのカッコ悪い&#39002;末と謂うものがな(嘲笑)!】

源太郎【‥あああっっっ(激怒)!!!!!?????
テメ(激怒)!このヤロウ(激怒)!!!!!どう謂う意味だ(激怒)!!!!!そりゃぁ(激怒)!!!!!?】

寺山【ま~~ま~~~ま~~~~♪♪そう亢奮(こうふん)しなさんなよぉ~~源ちゃ~~ん♪♪ケガ人なんでちゅから~~ネ♪♪】

寺山【紹介すんの忘れてたけど、コイツは新米の
[川下]
ってんだ♪態度でけぇけどイイ奴だから赦してやってくれ♪なっ♪
‥ホ~ラ!♪川下!♪おめぇもキチっと謝っとけや!♪】

ダンマリを決めこみ始めた源太郎を挑発するように問い詰める若手刑事。それにキレてくって掛かる源太郎。そんな2人を脱力させるように停めに入る寺山。
この若手刑事の名は
「川下 智久(かわした ともひさ)」。
年齢28歳。寺山と同じく、愛知県警東栄(ひがしさかえ)署の刑事課の刑事で、現在階級は「警部」である。
所謂大學卒業後「準キャリア組」で警部補から県警入りした将来有望な若手刑事である。性挌は良く謂えば真面目、几帳面。くだけて謂えば、聊か融通の効かない処もある。
さらに風貌は、ジャニーズ・アイドルの山Pこと「山下智久」に非常によく似ており、その山下をさらに30倍くらいカッコ良く、イケメンにして美麗にした感じのナイス・ガイである。

川下【‥ふん(無愛想)!!】

源太郎【けっ‥(イラッ)!!!!!】

寺山【まったくよぉ~やれやれなヤツラだぜぇ~♪】

素直じゃない2人に呆れる寺山。

源太郎【ちっ‥(イラッ)!
ひやかしに来やがったんなら帰ってくれよ(イラッ)!オレはこの通りケガして参ってんだよ(イラッ)!】

寺山【なぁ~そうしてやりたいのはヤマヤマなんだぜ~こっちも♪
けどよ~こっちも訊(き)くモン訊いとかねぇとな~帰れねぇんだってば♪】

寺山【おまえブッちめたの一体誰か‥?教えてくれよ♪?】

源太郎【‥アンタ等に教える義理はねぇよ!】

川下【おまえ(厳)!!あくまで協力しない氣か(厳)!!?
そんな理窟(りくつ)が通るとでも‥(厳)!!】

寺山【まぁ待てや(叱)!!!川下(叱)!!!
いちいち病院で喚(わめ)いてんじゃねぇよ(叱)!!】

川下【‥すいません(無愛想)。】

お伺いを立てる寺山に、さらに口を閉ざす源太郎。
それにくって掛かる川下。そんな川下をきつく諫める寺山。
‥しかし源太郎が口を閉ざしたくなる氣持ちも判かる。自分を病院送りにした相手は、自分をトラウマから救ってくれた美智子なのだから‥。
義理堅い源太郎故の行動なのであろう‥。

寺山【んじゃ♪こう~しようぜ♪泰山♪こっちからお伺い立てて訊いてやる♪
‥‥[幸瀬美智子]って女の人だろ♪?おまえブッちめたの♪?】

源太郎【‥‥てめぇ(驚)!!なんでそれを(驚)!!】

美智子の名前を出して訊いてきた寺山に完全に動揺する源太郎。

川下【知ってて当たり前だ(無愛想)。その程度の事(無愛想)。警察をナメるなよ、チンピラめ(無愛想)。
それにしても‥女に痛めつけられるとは(嘲笑)‥】

寺山【は~~~~~い♪待っ~~~~~た待った♪♪そこまでよ~~~ん♪川下く~~~~ん♪
もういい加減にしろって!オマ!ややこしくなんだから!オレが良いっつうまで引っこんでろ!】

コミカルに川下を制止する寺山。
所謂女である美智子にコテンパンにされるとは不様な‥と謂う旨の事を川下が源太郎に謂おうとした為であろう。

寺山【悪り~い悪り~~い泰山くん♪氣にしねぇでくれよん♪♪
・・・で、間違いねぇだろ♪?オレの謂ってる事♪?】

源太郎【‥‥あぁ、間違いねぇよ。
だが!!!これだけは謂っとくぜ!!!美智子さんは何ら悪くもねぇし!責任もねエ!ブッちめられるような事をやりやがった、オレ達[名古屋剛走会]が全面的に悪りイんだからな!!!】

源太郎【美智子さんをパクる様なマネだけはすんじゃねぇぞ!!!
判(わ)かったか!!?ヤブ刑事(デカ)!!!】

寺山【‥あいあい♪判かってますよぉ~源太郎くん~♪
もう既にオレ達おまえ以上に幸瀬さんって女の人の事把握しちゃってるし、通報ってヤツも
[オレ達!泰山源太郎って頭おかしいデブに殺されそうなんですよ!]
ってさ♪おまえの舎弟が直直(じきじき)に署まで駈けこんで来て苦情謂いやがったから動いてんのよ♪
OK~♪?】

源太郎【ちっ!!!あのクソども‥(イラッ)!!!】

寺山【だから♪余計な心配しなくたって大丈夫だからよ♪幸瀬さんの迷惑になるこたしねぇから♪
ただチョット、事情だけは本人から訊いとかないといけねぇからな♪そんだけ♪】

コテンパンにされたとは謂え、自らの理不尽にて荒事に美智子を巻き込んだのが発端であると謂うのを責任に感じている源太郎。故にその上美智子を警察沙汰にまで巻き込むまいと熱くなって必死に檄を飛ばしつつ寺山にお願いをする源太郎。
寺山も源太郎のそんな篤い義氣(ぎき)を感じとったのか、自分たちは美智子の事とは関係なく源太郎の尻拭いで捜査に動いているんだ‥と謂うことを、ジョークを交えつつアピールした。

源太郎【‥信じていいんだろうな(怪)?寺山さんよ(怪)?】

寺山【あぁ!!漢(おとこ)の約束だぜ!!
オレ様とインディアン♪産まれてこのかたウソ吐かないアルよ~♪】

源太郎【ちっっっ(イラッ)!!!!!クソ胡散臭(うさんく)せぇ(イラッ)!!!!!
やぶったら怖ぇかんな!!!オレとの漢の約束をよ!!!!】

寺山【OK♪OK♪
じゃっ♪邪魔したな♪じっくり養生しろよ♪】

源太郎【‥ふん!】

ふて腐れつつ念を押して「美智子に迷惑はかけないな?」と訊く源太郎に、怪しげな??返事をし応える寺山。
その後寺山と川下両刑事は源太郎の病室から退室した。
‥‥しかし‥それにしても「インディアン」って‥(呆)?

寺山【元氣そうでよかったじゃねぇかよな♪泰山♪
なっっっ♪川下♪】

川下【まぁ、自分には関係ないですけど。あんなチンピラの事なんか(無愛想)。
‥それよりも、その[幸瀬]って女‥何者なんでしょうね‥?吾吾(われわれ)警察でも手を付けかねていた、荒くれ者の泰山をあそこまで叩きのめせるなんてね‥(無愛想)。】

角界の暴れん坊と謂わしめられた「鬼岩海」こと源太郎を、ここまで完膚なきまでにブチのめせる美智子の闘士としての実力に、疑問と驚愕の2つの入り混じった複雑な心境を憶える川下。

寺山【さあ♪さしずめ全能の神さんが遣わした美しき[女戦士]様なんじゃござんませんの~♪泰山の悪行三昧を視かねた天の神さんがよぉ~♪
謂うなれば![FF13(エフエフ・サーティーン)]の[ライトニング]様みてぇ~なよ♪】

美智子を「FF13」の「ライトニング」と喩える寺山。
まぁ、たしかに「強さ」と「美しさ」においては美智子とライトニングは共通点では御座いますけども、「性挌」に関しましては、男勝りな氣の強いキツイ性挌のライトニングとは違い、美智子は多少天然がブレンドされていつつも、淑やかで奥ゆかしく心優しい倭撫子(やまとなでしこ)の如き性挌ですからねぇ。
尤(もっと)も、バトルの最中の美智子はライトニングに負けないくらい凛凛しくはありますけどもね。

川下【はぁ(無愛想)!!!?
どう謂う意味ですか(無愛想)?それ(無愛想)?】

寺山【どう謂う意味って‥アレだよ~!♪おまえも写真持ってんだろ~?♪
[死刑台のエレベーター]って映画のお姉ちゃんにそっくりな超美人じゃね~かい♪この幸瀬って女♪
美人で強くってプラス!メガ優しい性挌なら、もぉ~オレ好み♪♪♪】

寺山【オレ♪現在独身‥バツイチだけど♪そして彼女いないから早速眼ぇ付けとかなきゃな♪この娘♪
‥‥だが!大きな問題もある!!この美智子ちゃんに現在彼氏がいないか‥あるいは既にどいつかの人妻だったりするか‥それが重大な問題なんだよぉ~~!!!
なぁ~♪川下くん♪】

川下【‥‥‥知るわけないでしょ(無愛想)。そんな事(無愛想)。】

川下(‥ヴァカか?このオッサン??マジで???)

捜査対象者である美智子に対して、チャンスあらば自分の女にしようと目論む寺山に、明らかに呆れ返った態度をみせる川下。
まあ、公務員として警察官としてあるまじき行為ですからねぇ。
‥ん?いや!ある意味それらしいのか‥!!?判かりませんけど。

寺山【‥おい!オメ!謂っとくがこの美智子ちゃんは譲らねぇからな(必死)!!
この娘の皇子様(おうじさま)はこのオレだ(必死)!!判かったな!!?】

川下【‥スキにすりゃぁいいでしょうが(無愛想)。
第一オレには付きあってる女いる事知ってるでしょ(無愛想)?寺山さん(無愛想)?】

寺山【ぁ‥‥!そだったね♪ゴメンね♪川ちゃん♪】

川下【‥‥(無愛想+呆)。】

川下(‥ときどきこの人にゃツイて行けねぇって‥マジで思っちまう。)

引き続き呆れる川下。

川下【それよりも‥ここの病院には泰山の他に[薬師丸]のヤツも入院してますけども‥鉢合わせして面倒くさい事にはなりませんかね(無愛想)?
連中ヴァカの見本みたいなヤツだから、他の入院患者の迷惑とかになりませんかね(無愛想)?】

寺山【あ~~それなら心配いらねぇよ♪
薬師丸なら今日の朝にゃぁ退院するって謂ってたし♪泰山は‥視ての通り、美智子姫にコッぴどくやられちまって、しばらくはベッドでお寝んねしとかんとイカンから、2人が会う事ぁねぇだろ~ぜ♪】

川下【なら良いんですけどね(無愛想)。】

寺山【よっっっっっし!!!!!♪♪♪♪♪
んじゃ!早速幸瀬美智子さんに逢(あ)いに行きますかぁ~♪♪】

寺山【‥と!その前に!朝メシまだだったから喰っとこう♪♪
ここの近くにラーメン屋あったろ?そこの名物で[ニンニク塩ラーメン]ってのがあったから、それ喰ってから逢いに行ってやるぜ♪♪
ニンニクでコカンの漢パワー補給だぜぃ!!!!♪】

寺山【川下!!!♪おまえにもおごってやるから!!♪[ニンニク塩ラーメン]♪
だから付き合えよぉ~!!!♪♪】

川下【‥‥(呆)。】

川下(‥朝からラーメン‥しかもニンニク入りかよ‥。)

ほぉ‥奇しくもと謂うか、源太郎のいる病院に舎弟である「薬師丸」も治療を受けていたようだ。故に鉢合わせを危惧する川下に心配ないと説明する寺山。
そして2人の刑事は病院を出た。
美智子に逢うべく「ニンニク塩ラーメン」‥??を食べに‥。


さて、時間は現在に戻って‥美智子と太一たちはと謂うと‥。



ー4月3日 日曜日 午後5時10分 名古屋市東区新栄(しんさかえ) 『ホテル・プリズム・ナゴヤ』514号室ー



処(ところ)変わってここは、美智子と太一が宿泊しているホテルの一室。
どうやら2人と薬師丸を含めた3人は、「味噌カツデート」の為、出かける仕度(したく)をしているようだ。

太一【ねぇ~どうだい(心配)?薬師丸くん(心配)?
ぼくの挌好変じゃないかなぁ(心配)?大丈夫かな(心配)?】

薬師丸【あぁ~~~?
イイんじゃねぇの?知んねっけど?】

太一【まじめに訊いてるんだよ(心配)!キミ~(心配)?
ぼくの挌好のせいで美智子さんに羞(はじ)をかかせる訳には行かないじゃないか(心配)!】

薬師丸【あぁっ(イラッ)!!?だ~か~ら~知んねぇって(イラッ)!!!
だいち、てめぇの事なんだから、てめぇで判断しろよ(イラッ)!!そんくらいの事よぉ!!】

太一【たしかに‥そう謂われればそうだよね(自信)!ありがとう、薬師丸くん(自信)!
‥よし!こんなにオシャレな挌好のヤツは他にはいない(自信)!今日もキマってるぞ(自信)!太一(自信)!】

薬師丸【たくっ‥!】

3Pに変更になったとは謂え、美智子と初のお出かけと謂うことでオシャレにも熱が入る太一。それをウザったそうに適当にあしらう薬師丸。

一応太一のファッションチェック‥どうぞ。


ヘアースタイル:ごく普通の短髪を「オール・フロント」にしている(カラーはノーマルブラウン)。

服装(上半身&下半身):上半身はアウターは「コットン製薄手のテーラー・ジャケット」カラーは「ダークレッド」を着用。
インナーは「薄手のフード付きTシャツの無地」カラーは「オレンジ」
下半身は「ダークレッドのノーブランドのビンテージ・デニム」着用。

服装(腕):左手に「チチズン社製のこげ茶色のレザーストラップ・タイプの腕時計」を装着。

アクセサリー:右手薬指に「シルバーリング」を装備。

シューズ:カンガルー皮製の「ホーキンスのトレッキング・シューズ(カラーはダークレッド)」を着用。


どうやらガンバってめかし込んだんですねぇ太一くん。

ちなみに薬師丸の服装は、お馴染み「名古屋剛走会」の特攻服の上着を脱いだスタイルになってるようだ。
上半身は、表に紫の文字で「FUCK!!!!!YOU!!!!!」と、裏には「海賊旗版のドクロマーク(←ONE PIECEに影響されたのかな?)」が毒毒しい紫色でプリントされた「赤黒い長袖ロング丈Tシャツ」。
下半身は「名古屋剛走会」仕様の「紫の特攻服のズボン」に「赤黒い軍用ブーツ」をブーツ・インに着用。
ヘアースタイルは「金髪の長髪を真上におっ立てツンツンヘアー(←ハードジェルやハードスプレーたくさん使ってるんだろうなぁ)」です。

いっぽう美智子の方は‥。



ー洗面所室内ー



ーシュッ♪シュッ♪(←美智子がルージュを唇に塗る音)ー


美智子【‥‥ん~~~できた♪】

美智子【肌にはチョットだけ[リキッド・ファンデ]まんべんなく塗っといたし♪ルージュは[サーモン・ピンク]と‥ウチのいつものカラーで決まりやし♪アイラインも[ブラウン]をチョッピリ薄く‥これもウチのいつものんで決まりや♪】

美智子【ヘアー謂うか髪型♪今回は[ポニーテール]で行こ♪
こうして髪って叮嚀(ていねい)にひっつめると、ええ艶が出てキレイやわぁ~♪やからウチ結構ポニーテール好きやねん♪】

美智子【ファッション謂うか服装♪今回はこれで決まり♪いつものウチらしいから♪
‥さて♪古久保さんたち随分俟たせてしもたさかい、そろそろ行ってあげんと♪】

張り切る太一とは裏腹に普段通りに身だしなみをキメた美智子。彼女の「普段通り」とは‥‥もうすぐ判かりますのでこうご期待♪

いっぽう太一と薬師丸‥。

薬師丸【よぉ~美智子さんまだかよ~。ちょっと遅くね?】

太一【まぁ、そうだね。
でもアレだよ~キミ。こう謂う場合は女性は仕度に余念がない方が良いわけなんだからさ。俟っててあげなよ♪】

薬師丸【それもそうだよな♪たまにはいい事謂うぜ♪アンタ♪】

若干ヤキモキして美智子を俟つ太一と薬師丸。
すると‥。


ーがちゃっ!(←美智子が洗面室の扉を開けた音)ー


美智子【すみません‥お俟たせしました(恐縮した笑顔)。】

太一【あっっっっっ‥‥‥(惚)!】

薬師丸【おぉぉぉぉっっ‥‥(惚)!】

身だしなみと身支度を終え、洗面室から出てきた美智子。同時に歓声をあげる太一と薬師丸。

皆さま♪お俟たせしました♪では‥

美智子の「ファッションチェック」です♪
どうぞ♪


ヘアースタイル:サラつや黒髪のロングヘアを「ポニーテール」で美麗に束ねている(束ねているシュシュのカラーは、ダークレッド)

服装(上半身&下半身):上半身は「薄手のタートルネック・セーター」カラーは「レッド」を着用。
ウエストに「ダークレッドのエナメルベルト」を着用。
下半身は実にフィット感と光沢抜群の「PVC製シャイニー・レギンス」カラーは「ダークレッド」を着用。

服装(腕):右手に「クロノス社製の赤いレザーストラップ・タイプの腕時計」を装着。

アクセサリー:首元に長さ50cmくらいの「赤いルビーのゴールドチェーン・ネックレス」を装着。
バッグは「馬革製(ホーススキン)ダークレッドのレザーシステム・リュック」を装備。

シューズ:「馬革製(ホーススキン)ダークレッドのレザー膝下タイトブーツ(先端4Eと幅広タイプで、脚への負担が全く無さそうな優れもののブーツで、脚なじみも抜群でダッシュもハイジャンプも軽軽(かるがる)できそうなブーツのようだ。ヒールは5センチくらい。)」をブーツ・インさせて着用。

メイク:到(いた)ってナチュラル・メイク。


太一(さ‥幸瀬さん‥‥(惚)♪
こうして視てると、さながら女子大生のようだ‥(惚)♪とても30代には視えないよ‥(惚)♪)

完全にウットリ状態の太一♪
プププ♪

薬師丸【いやぁ~ステキじゃんかよぉ~美智子さんよぉ~♪
なんつっか~お嬢様が通ってる女子大の女子大生みてぇだぜ~♪
初初(ういうい)しくってカワイイぜぇ~♪♪】

美智子【まぁ(照)♪カワイイだなんて‥うれしいです(照)♪薬師丸さん(照)♪
でも残念ながら私、32歳のオバさんですから‥全然初初しくないんですよ(照)。ごめんなさいね(照)。】

真っ向から譽(ほ)めちぎる薬師丸に、照れてはにかむ美智子♪
実際に視たらカワイイと思います♪年齢に関係なくこう謂う女性♪私もそう思います♪

薬師丸【んな事アねぇよ♪氣にすんなって♪オレん中ぢゃあ32なんざ、ステキなお姉さまってレベルの年齢なんだからよぉ~♪
仮に10代とか[JK(女子高生の意)]なんかでもよぉ~制服着てねぇと[どこのオバはん??]って感じのヤツゴマンといやがんのよ!】

薬師丸【それから較(くら)べりゃぁ~美智子さんがヴィーナスに視えちまうぜ!♪
だってルックスがよぉ~♪ケタはずれに抜群ぢゃん♪顔も♪ボディも♪】

美智子【そんな‥[ヴィーナス]だなんて‥‥うれしいけど照れます(照笑)。】

さらに照れはにかむ美智子♪
プププ♪

薬師丸【いや~ホントだぜぇ~♪美智子さんよ~♪
なっ♪太一さん♪アンタも同感だろ♪?】

太一【え!えぇ!!もちろんですよ(惚)!♪実年齢より軽く10歳は若く視えますよ(惚)♪
ぼくなんか幸瀬さんに視惚(みと)れちゃって‥(惚)♪まったく言葉が出ない有様でしたよ(惚)♪
ぼくってキレイな人の前ではカチンコチンに固まってしまうんだな~って再確認させられました‥(惚)。】

美智子【お2人とも‥‥ありがとうございます‥(感檄)!本当に(感檄)。】

太一の贈る素直な賛辞の詞に、美智子は応えるように素直に歓び礼を謂う。

薬師丸【それに~美智子さんさ~ブーツ2足持ってたのかい?
さっきまで履いてたの[ショート・ブーツ]だったろ?色は同んなじみてぇだけど?】

美智子【あっこれは~同じブーツなんですよ♪2WAYタイプのものになってまして♪
さっきは丈を2つほど折り曲げてショートにして履いて、今は既存の膝下の状態で折り曲げず、ブーツ・インさせた状態のタイト・ブーツとして履いているんです(微笑)♪】

薬師丸【へ~~オサレなブーツなんだね~~♪】

太一【それと‥胸元のネックレスですか(惚)?それが非常にステキですよね(惚)。
カジュアルな服装なんだけど、その真紅(しんく)の宝石が胸元に輝いてるおかげで‥その‥氣品が滲(にじ)み出てるなぁ~って‥思いますよ(惚)。ぼくは(惚)。】

太一【これほどのコーディネートだから、結構高価なんじゃないかと思いますけど‥‥やっぱりそうですか(惚)?】

美智子【古久保さん‥そんなに鄭重(ていちょう)に譽めて戴けるだなんて‥思わず感檄致します(感檄)。
でも、実はこの服装全然高価な物なんかではないんです‥(謝)。全部ネット通販の[Amasan(アマサン)]で購入した安物なので‥‥すみません(謝)。】

美智子【しかし‥たかだかこんな、普段着にチョット毛の生えた程度の服装でこんなに絶賛してもらえて‥‥良いんでしょうか?】

太一【いいですとも(真剣)!もちろん(真剣)![チャネル]だろうと、[Amasan]だろうと、幸瀬さんがステキな事に変わりはないんですから(真剣)。】

美智子【感謝します‥古久保さん(感檄)。
ちなみに~これは[ルビー]なんです♪この宝石♪鮮やかな程に赤赤と、キラキラと煌(きら)めいて光輝くようすが‥視惚れてしまいそうなんです♪本当に♪】

美智子【と謂っても!もらい物なんですけど♪15年前に知人の女性からのね♪】

引き続き美智子のファッションを譽める太一と薬師丸。譽め方にも2人の性挌が現われているようですねぇ。
尤も、15年前に美智子にネックレスをプレゼントしたと謂う女性の存在も氣になるところではありますが。

薬師丸(それと♪窮(きわ)め付けは、あのレギンスだな♪
美智子さんのムチムチお尻とムチムチ太ももが強調され過ぎてて‥超パッッツパツぅ~(淫)♪おもいっっっっきり(檄淫)!股間擦りつけてぇなぁ~~~~~めっっっっっちゃクチャ(檄淫)♪♪♪
オレもぉ~アソコがイッちゃいそぉ~(檄淫)♪ガマンできねぇ~(檄淫)♪)

太一(ホントだなぁ‥‥美しく鍛えぬかれた幸瀬さんの豊かなヒップと太ももを、艶艶(つやつや)と、艶光(つやびか)りさせるように艶(つや)めかせる様に丹念にラッピングしている‥あのレギンス(淫)♪
魅了(みりょう)されない方がムリだなぁ(淫)♪)

美智子【?】

妙な「アイ・コンタクト」を送りつつ美智子のレギンス姿にご満悦になりながら、不純な妄想に悦に浸る太一と薬師丸♪それに氣づかない美智子♪
プププ♪
すると。

薬師丸【うっっっっし!!!
んじゃ!そろそろ行かね?遅くなんねぇウチによ♪】

太一【それもそうだね♪
じゃぁそう謂うことだから、出発しますか?幸瀬さん?】

美智子【そうですね(微笑)。判かりました♪
古久保さんが誘ってくださる[味噌カツ]のお店‥とても樂(たの)しみですわ(満面の微笑)。】

太一【歓(よろこ)んでもらえてうれしいです(微笑)。
‥ちょっと緊張もしますけど(微笑+緊張)。】

美智子【フフフフ‥(受容の微笑)♪】

薬師丸【オレも樂しみでしかたねぇ~ぜ!!♪恃(たの)むぜ!太一さんよぉ~!♪】

太一【あ‥ありがとう(苦笑)。】

太一(‥コイツに謂われると、なんか微妙だな‥。)

薬師丸がしびれを切らしたように出発を促がす。
そして、招待される味噌カツのお店に対し、期待をする美智子に対しては若干緊張を憶え、同じく期待する薬師丸に対しては微妙な感情が涌く太一であった。



ー4月3日 日曜日 午後6時00分 名古屋市中村区名駅(めいえき)界隈 JR名古屋駅前近郊ー



さて、名古屋随一の繁華街「名駅界隈」に到着した美智子たち。
では少し眼を向けてみましょう。

太一【さて♪この近くなんですよ(微笑)。例の味噌カツ専門店は(微笑)。】

美智子【そうなんですか~♪なんだかワクワクしますねぇ~(微笑)♪
しかし‥このあたりって名古屋の中心街だけあって、人通りが賑やかですね~(満面の微笑)♪】

薬師丸【そらそうだぜぇ~!!♪ここと[栄]つったら名古屋ぢゃ1・2を争そう超繁華街なんだぜ~!♪
オレも中坊ジブンは、ココでしこたまワルさしたなぁ~なつかし!!♪】

美智子【なるほど~♪大阪で謂えば[難波]や[梅田]みたいな物なんですね(微笑)。】

太一【東京で謂えば‥[六本木]とか[渋谷]あたりでしょうね(微笑)。】

自分の地元名古屋を東京都民の太一と大阪府民の美智子にアピールする薬師丸。

美智子【そう謂えば‥薬師丸さん中學生時代にこの街で悪さをしていたって謂ってましたよね(微笑)?
それは一体どう謂うことです(微笑)?】

薬師丸【おっと‥よけいなクチすべらしちまったか♪♪
まっ♪アレよアレ♪ガキん時のこったから、もう時効だと思うぜ♪ジコウ♪】

薬師丸【だが!どうしても知りてぇ~ってんなら‥‥条件があんぜ♪】

薬師丸の悪い武勇伝について訊いて来ようとする美智子に、変な条件提示を始める薬師丸。

太一【え~~!なんだい!?条件って!?
なんだかキミの出す条件にロクな物は無いからなあ‥(苦笑)。】

美智子【‥私もそれは同感です‥(苦笑)。
初対面で[オレのオンナになれ]とか[100万円払え]とか謂われましたから‥薬師丸さんには(苦笑)。】

薬師丸の条件に以前身をもって知らされた胡散臭さを過ぎらせる美智子と太一。

薬師丸【心配すんなって♪今度のはそんな無理難題謂やしねぇよ♪
条件ってのはさ‥美智子さんのよ‥[大阪弁]が訊きてぇ~なって♪】

美智子【!?
私の‥‥[大阪弁]を‥ですか(驚)??】

何と♪
薬師丸の条件とは美智子の「大阪弁」であった。

太一【!?
それは名案だよ!♪薬師丸くん♪ぼくもね~ちょうど幸瀬さんの大阪弁が訊きたいなぁ~ってね♪思ってたんだって(嬉笑)!】

薬師丸【なぁ~いいだろ♪?美智子さん♪
太一さんだって、こう謂ってんだしさ~♪】

美智子【まぁ‥そのくらいの事でしたらお安い御用ですけど‥(苦笑)。
でもなんや‥急に大阪弁でしゃべれ謂われてそうするのも、なんか落ち着かへん氣しますね~(微笑)。】

薬師丸【とか何とか謂って!もうスッカリ大阪弁になってんぢゃんか♪♪ノリノリで♪
美智子さんのこう謂うトコが大スキなんだよなぁ~オレ♪♪】

太一【キミの冷やかしはさて置きさ‥やっぱり良いですねぇ♪幸瀬さんのような美人の話す大阪弁は‥実に包容力がある様に思いますね(微笑)。】

美智子【もぉ~お2人とも~(微笑)!そない冷やかさんといてください~(微笑)!
と‥謂う訳やさかい、中學時代にどんな悪さしたんか訊かせてもらえますね(微笑)?薬師丸さんっ(微笑)?】

薬師丸【あぁ~そうそう~~それね♪それ♪
‥‥う~~~~~ん???なんだっけか~~~~????
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。】

薬師丸【美智子さん♪ワリイ~~♪忘れちまったぜ!!♪
なんつったって、遠い昔の事だからよぉ~思い出せって方がムリだな♪オレ都合の悪いこたみんな忘れちまうタチだから♪】

美智子【あら‥もぉ~♪都合のえぇ人やわぁ~ホンマに(微笑)。】

太一【て謂うか‥‥キミ、元から話すつもりなんか無かったくせに(微笑)。】

冷やかしまぎれに美智子の大阪弁を譽める太一と薬師丸に、またしてもはにかむ美智子。
お返しとばかりに薬師丸に武勇伝について訊こうとする美智子に、昔の事は忘れた等とあからさまにとぼける薬師丸に、美智子と太一も呆れるように観念してしまった。

すると!

薬師丸【‥!?
ん~何だあれ?ずいぶん人が集まってっけどよ~?】

太一【‥ホントだね~スゴイ人だかりだなぁ!アイドルの[ゲリラ・ライブ]かなんかかな~?】

JR名古屋駅の南側周辺に、結構な人だかりを視つけた薬師丸。

美智子【ええホンマに‥。あないな人だかりやったら、よっぽど人氣アイドルさんが来てはるんちゃいますやろか?
氣になるのでしたら行ってみません(微笑)?近くに?】

太一【そうですね。氣になるのは事実ですからね、行ってみましょう(微笑)。】

薬師丸【‥とか何とか謂ってよ~~ホントは[KKB38]か[谷町奈南]とかを期待して視に行くんぢゃねぇ~のぉ♪?
美智子さん連れておきながらよぉ~どスケベ兄さんよぉ~♪♪】

太一【ちがうよ(焦)!!!純粋に氣になるから視に行くだけさ(焦)!!
‥なに謂ってんだよ!】

美智子【フフフフ(受容の微笑)。】

美智子に促がされ行ってみようとする太一に、からかうようにチャチャを入れる薬師丸。そんな2人を微笑ましく思う美智子。



ー4月3日 日曜日 午後6時5分 名古屋市中村区名駅界隈 JR名古屋駅前南側広場近郊ー



例の場所には「演説台」とボクシング用の仮設のリングが設置されている。
壇上にはガラの悪そうな、いかにもヤクザっぽい「大阪のオッサン風の中年の男」が演説をしている。

ガラの悪そうな大阪のオッサン風の男【えっへん!!!!!
名古屋の皆の衆!!!!!今からや!!!吾が最愛の自慢の息子でもあり!今世紀最強の漢でもある!
[寒駄 降奇(さむだ こうき)]
が!王者の戦いを披露するので!しかと眼に焼きつけるのじゃぁ!!!!!】

ガラの悪そうな大阪のオッサン風の男【ほなら!!!!出て来いやぁ!!!!!
吾が息子で!最強の漢!降奇よ!!!!!】

降奇【っっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
‥フン!今日もいてもうたんで!!!】

中年の男の大大的に派手な紹介でリングに入場した、ガラの悪そうな大阪のチンピラ風の若い男。
彼の名は
「寒駄 降奇(さむだ こうき)」
元WBA世界ライトフライ級チャンピオンだった元プロボクサーだ。だが、世間に波紋を呼んだ「ボクシング八百長事件」の責任をとる形で防衛戦敗北後引退。
現在は「ストリートファイター」を称し、東京・大阪・名古屋の3都市にて路上で辻挌闘を巡業しているようである。

薬師丸【‥なんだぁ~誰かと思やぁ元ボクサーの[寒駄]ぢゃねぇかよ~~。
ケッ‥!期待して損しちまったぜ!】

太一【寒駄って‥誰だい?薬師丸くん?】

薬師丸【知んねぇの??太一さん??‥‥まっ!別に知っとく必要もねぇけど。
何年か前にさぁ~居たろ?ボクシングのライトフライ級でチャンプ獲ったのはイイけど、それまでの戦績がぜ~~~んぶ八百長だったってコトが発覚しちまってさ。ボクシング協会追放されかかったヤツ!】

太一【あーーー!!!!たしかに~!!訊き憶えがあるよぉその話し!!】

美智子【はい!ウチもそのニュースは何となく知ってます!
確かその寒駄さんって謂うボクサーの方、その時緊急会見しはって
[ワイのボクシングがニセもんかどうかは、次の防衛戦で証明したる!これで不様にワイが敗けたら、お前らの謂う通り八百長やったと謂うことや!]
‥って謂わはって‥初防衛の相手さんをWBAが主導で選んだ人と防衛戦しはったんでしたよね?】

薬師丸【で♪結果は~1Rのボッコボコのタッコタコのフルボッコで♪しかもTKO負け♪
結局、自分自身で八百長だったとリングで証明する形で協会を追われやがったってワケさ♪意氣まきやがったのわイイけどもよ~♪】

薬師丸【で、追い出されたにも拘わらず、ジブンからボクシング視限(みかぎ)った事ぬかして、今度は[ストリート・ファイター]なんざ氣取りやがったとさ‥!
‥ヴァカ丸出しだろ?】

あからさまに寒駄をこき下ろす薬師丸。
私はこの構図に何かしらの奇縁を感じずにはいられませんが‥氣のせいでしょうかねぇ~?
プププ♪

太一【な~~んだ♪じゃぁ別におもしろいエンターテイメントって訳じゃなさそうだね。
時間のムダだから味噌カツ食べに行きましょう♪幸瀬さん。】

美智子【えぇ‥はい。】

薬師丸【おっと♪いや~俟ちなって♪
どうせだから、このヴァカのヤラセ視て行こうぜ♪2人ともよ♪】

太一【え~!でもヤラセなんでしょう?これ?
ヤラセの挌闘技なんかおもしろいとは思わないけどな~‥。】

美智子【ウチは別にどちらでも‥。
薬師丸さんと古久保さんがそれで満足でしたら‥。】

太一【ま~‥ぼくも幸瀬さんさえ良ければ‥別にね。】

薬師丸【んじゃ!決まりな♪
‥んで、寒駄の横で時代錯誤(じだいさくご)な調子で演説ぶちかましてんのが、ヤロウの親父で
[寒駄 脂弄(さむだ しろう)]
視ての通り‥ヤクザにしか視えね~だろ?三下のよ?】

美智子と太一【‥は‥ははは‥(汗)。】

薬師丸に促がされる形で寒駄の興業を視る事になった美智子たち3人。
あっと♪いけない♪紹介が遅れる処だった♪
壇上のガラ悪い中年男は
「寒駄 脂弄(さむだ しろう)」
所謂、寒駄降奇の父親である。
‥‥別にどうでもイイけど‥(呆)。

脂弄【皆の衆よ!!!
そして!愚かにも!この降奇に挑んで来くさりけつかる対戦相手を紹介する!!!
こいつじゃ!!!】


ーパラパラパラパラパラ~~~~~♪♪(←ファンファーレが鳴ってる音)ー


ージャジャジャン!!!!!(←BGMの鳴ってる音)ー


挑戦者【いくぅぜぇ!】

おおっとぉ!
脂弄の号令によって挑戦者として紹介され、出てきたのは、同じくボクサーっぽい「中南米風の男」だったぁ!
‥何となく風貌がラン○エダに似ているのは氣のせいでしょうか?

降奇【おい!ゴラぁ!!ワレかい!!?
ワイにカマされに来たんわ!!??】

挑戦者【いくぅぜぇ!】

降奇【ワラぁ!!何が[いくぅぜぇ!]じゃ!!おんどら!!!おんなじ事ばっかし謂いやがって!!!
ワレが行くんはのぉ!!あの世じゃ!!ゴラぁ!!!】

降奇(おい、親父。
こんな感じに煽っときゃえぇんやんな?)

脂弄(バッチリや!降奇ぃ!
いつもながらに迫真の演技じゃい!お前は俳優としても食っていける資質があるのぅ!)

降奇は、なにやら挑戦者と舌戦を繰りひろげた後、脂弄に奇妙なアイコンタクトを送り、怪しげなやり取りをする寒駄親子。
やっぱしこれもヤラセ?

太一【なんだか随分ヒートアップしてる感じだね?バトルの前だから?】

薬師丸【こんなの[ヤラセ]に決まってんじゃんかよ~~太一さん。視え透いた感丸視えだぜ!
ボクシングくびになってからも、ま~~だヤラセおっ始めやがるたぁ‥懲りねぇやローだな。】

太一【ふ~~ん‥幸瀬さんもそう思われます?彼らの事?】

美智子【う~~ん‥ウチとしてはなんとも‥。
ま~ともかく、バトルが始まってみん事には‥って事やないでしょうか?】

ヒートアップしていくヤラセ?興業に薬師丸は批難囂囂(ひなんごうごう)。
太一は美智子に答えを求めるも、美智子も答えに困っているようだ。
すると!


ーカーーーーーン!!(←ゴングがなった音)ー


降奇【来いやぁ!!!ゴルウぁ!!!】

挑戦者【がっでむ!!】

どうやらストリート・ファイト興業が開始されたようだ!

‥その一方で覆面パトカーらしきクリーム色のセダンが道路脇に停車した。

寺山【ん‥‥なんだ~!あの人だかりは~?】

川下【どうやら‥‥なんかボクシングみたいな視せ物やってるみたいですね(無愛想)。
で‥やってる張本人は‥寒駄のヤツとヘンな外人の2人の様ですね(無愛想)。】

セダンに乗車していたのは東栄署の寺山と川下であった。

寺山【寒駄ぁ~~‥‥あぁ、そう謂や最近この界隈で噂んなってたなぁ~。アイツ八百(やお)ボクを廃業してから、ストリートファイト紛(まが)いな事を3大都市でやらかしてやがるって。】

川下【あぁ例のタレこみね‥ガセじゃなかったんですね。】

寺山【ねぇみてぇだな~あれ視るところよぉ~‥‥‥ん!!?
‥おっ(嬉驚)!!!おおおっ(嬉驚)!!!!!アレは(嬉驚)!!!!!?】

川下【なんなんですか!?いきなり?】

寒駄のパフォーマンスに2人も呆れつつ、急に何かを発見した寺山のようだ。

寺山【オレの愛(いと)しの美智子姫じゃねぇかよぉ~~♪♪アソコにおわすのはぁ~~♪♪】

川下【‥こんなトコに幸瀬がぁ(無愛想)???マジで謂ってるんですか(無愛想)??】

寺山【ヴァッカヤロウ!!てめ!!お前にはあの神神(こうごう)しいオーラが眼に入らんのか!!?
美智子姫が醸し出す[清楚(せいそ)]で[sexy]なオーラをよ!!♪
ホラ!♪あそこにいる、ひと際美麗さを放ちまくっとる美女を視よ!!♪】

川下【どこですか~まったく(無愛想)。その女神とやらは(無愛想)?】

川下(第一[清楚]と[sexy]って‥意味真逆じゃねぇかよ。そんなの併(あわ)せ持てるワケねぇだろが?
アフォも大概にしろよ‥このオヤジ。)

思いがけず路上で美智子の姿を発見し、テンションアップの寺山。
そしていい歳してと呆れる川下。

寺山【あそこだよ!!あ・そ・こ!!薬師丸のヤツと~~~なんだ~あのいかにも[冴えない君]みたいな男の間で挟まれる感じで立っているのが彼女だよ!!
判かるだろ??もぉ!?】

川下【‥‥あぁ!アレか~!
たしかに居ましたね~幸瀬。】

川下【それで‥どうします(無愛想)?寺山さん(無愛想)?
寒駄引っぱって来ます(無愛想)?一応この辺一帯[集会活動禁止区域]なんでね(無愛想)。】

寺山【ん~~~~~~~~~~いやぁ~俟ちな‥♪
偶然とは謂え‥こんなトコに美智子ねぇさんが居やがるってえ事はだ!なんか面白ぇ事が起こるってぇ前触れの筈だ‥♪
暫(しば)らく様子視てやろ~うぜ♪川下♪】

川下【‥判かりました(無愛想)。】

川下(いったい何企んでんだ?サッパリ判かんね‥この人?)

条例違反をしている寒駄親子を引っぱろうと進言する川下を制止し、静観を決めこんだ寺山。
何を企んでの事か‥結構タヌキですね。
では、リングの方へ眼を‥。

挑戦者【うつべしぃ!!うつべしぃ!!】

降奇【どぅあふぉ!!!!オラぁ!!!!
ワレぇのパンちゃまったく効かんのぉ!!!そんなもんいくらでも受けたるわい!!!!】

おや?いつになく防戦状態の降奇。

太一【なんだか寒駄選手防戦一方だよね?調子悪いのかな?】

薬師丸【へっ‥!!!!何だかなぁ~!?】

美智子【え~~と‥。】

太一【?
どうしました?幸瀬さん?】

美智子【なんか~あの挑戦者の外國の方‥最初から力の全く入ってへんパンチばかり寒駄選手に打ちこんではる‥。
ウチにはそう謂う風に視えて仕方ないんですけど‥?】

薬師丸【さっすが美智子さん!寒駄のペテンなんざ一目瞭然(いちもくりょうぜん)って感じですよねぇ~♪】

美智子【まぁ~ウチも確証があって謂うてる訳ではないんで‥。
あくまで、そない視えるような感じがすると謂うことで。】

太一【そうですか~。じゃぁこれも出来レースの可能性高しって事ですね‥。】

遠慮がちな態度とは裏腹に、降奇の戦況を的確に視抜き説明する美智子。
薬師丸が謂うように、彼女の様な「1流闘士」の眼と謂う物は節穴ではないようだ。

降奇【おい!!!外公!!!!
オノレに真のノックアウト級のパンチと謂うもんを教えたる!!!!】

降奇【ウオらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
[闘拳パアアアアアンチ]!!!!!】



ー降奇の必殺技!!!!!ー



ー【闘拳パンチ】ー



ー発動!!!!!ー



ーパッコオオオオオン!!(←パンチが炸裂した音)ー



挑戦者【お~~~まい~がぁ~~~~~!!】

降奇【どや!!ゴラぁ!!畏(おそ)れ入ったかい!!】

おおっとぉ!
降奇の必殺技「闘拳パンチ」が炸裂し、挑戦者ダウンでKOのようだ。
‥ふぅ‥。

脂弄【見事じゃぁ!!降奇ぃ!!
皆の衆よ!!結果は視ての通り寒駄降奇の圧勝じゃぁ!!!
この通り身の程知らずのアフォんだらぁを1撃の下に沈めたって終わりじゃい!!】

降奇【これが!ワイの実力じゃぁ!!!
文句あるヤツぁ何時でも来いや!!誰の挑戦でも請けて立ったる!!】

降奇のKO勝利にリング上で息捲(いきま)く寒駄親子。
‥ふぅ‥。

太一【へぇ~彼、随分と威勢が良い人と謂うか‥大きく出ちゃってるねぇ。
よっぽど強さに自信がある人なんだろうか‥?】

美智子【そうですねぇ~。不自然なところや違和感は多多視受けられますけど、表面的には圧倒的KOでの勝利を視せ付けた訳やさかい‥スゴイ人‥なんですやろか‥?】

薬師丸【おいおい!!なに謂ってんだよ!2人とも!あんなクソなめた八百長に感心してる場合かよ!?
‥いい加減あんな詐欺ヤロウ野放しにしてっと胸クソ悪りいからよぉ~~オレがお仕置きしに行ってやんぜ!!!】

太一【ちょ!ちょっと!や!薬師丸くん!!?】

そう謂うと薬師丸はリングの方へと行ってしまった。

太一【幸瀬さん‥(心配)!!彼行っちゃいましたよ(心配)!?どうしましょう‥(心配)?】

美智子【まぁ古久保さん、心配は要りませんのでご安心ください(微笑)。なんかあったらウチが停めに入りますよって(微笑)。】

美智子【せやけど‥‥あの寒駄降奇さん謂う人、ホンマにあないな圧倒的強さが本物の人なら‥ウチとしてもチャンスがあれば是非に手合わせさせて貰いたい思います(悦笑)。1闘士として(悦笑)。】

太一【幸瀬さん‥(神妙)。】

太一(‥幸瀬さんって強い人とのバトルに関する話題になったら、本当に良い笑顔をするなぁ‥。
ホントに根っからの[闘士]ってヤツなんだろうね‥判かんないけど、オレには?)

常に強敵を慾(ほ)っしている故に、バトルと強者闘士(つわものとうし)の話題になると満面の微笑で心躍らせる美智子。
そんな美智子に感心しつつも、まだ彼女の深層まではたどり着けない太一。
すると!

降奇(よぉぉぉし!オヤジ!!
いつもの様に大大的な号令かましたってくれ!!)

脂弄(おっっっっっし!!!まかせとけ!!吾が息子よ!!!)

脂弄【よぉぉ訊けいぃ!!!!!皆の衆ぅぅ!!!!!
吾が子!寒駄降奇わぁ‥‥



【天下無敵だとでも謂いてぇのかぁ!!!!!?
いつまでもザケてんぢゃねぇぞ!!!!この浪花(なにわ)のペテン師親子がよぉ!!!!!】



おおっとぉ~!
なにやら寒駄親子の勝ち鬨(どき)を遮るように怒声が響いたぁ!!
‥誰かは大体判かるけど?

脂弄&降奇【!!!???
だ!!!誰ぢゃいぃぃぃ!!!???ワレぇ!!!???】

薬師丸【よく訊いたぜぇ!!!このアフォヤロウ親子がぁ!!!
オレ様は[名古屋剛走会]副総長の
[薬師丸 保衛]
様だぁ!!!!!】

薬師丸【天に代わっておめぇらに教えに来てやったぜ!!!ホントの強さってヤツがどう謂うモンかって事をよぉ!!!!】

太一【‥‥なんか彼‥随分目立ちまくるやり方で行っちゃいましたね‥薬師丸くん(汗)?幸瀬さん‥(汗)?】

美智子【同感です‥ウチも‥(汗)。なんもあないにハデに注意に行かんかったってもよろしいのに‥(汗)。】

美智子【でも、ウチも謂うてしまった以上は自分の言葉に責任持ちます。何か危険や問題起こりそうになったら‥制止に行きます薬師丸さん達。】

大大的に且つハデに!!!!!寒駄親子の事謂えねぇだろ??って感じで登場し、成敗宣言をした薬師丸。
そんな子供丸出しの薬師丸に呆れながらドン引きする美智子と太一。

次回はついに「薬師丸VS寒駄親子」の対決開始か?
美智子の出番はあるのか?
寺山、川下両刑事はどう出る?
こうご期待!!!

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