小説『約813の問題児が異世界からくるそうですよ?』
作者:tasogare2728()

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第三章 邪神とはどのような存在なのか?



数刻後――
「あーもう、一体何処まで行ったんですか!?」
黒ウサギは二人を探して早くも半刻が経った頃だった
「(しかも、このあたり一帯は特定の神仏がゲームテリトリーにしています、もしも彼らの口車に乗せられてゲームに参加させられていたら……)」
そう考える黒ウサギ――彼らの身が危ないのは明白だった。それから、森のユニコーンに黒ウサギが二人の消息話を聞いている途中に

ズドォォォォオオォォン!!
突如――大地を揺らす地響きが森全体に広がった。
すかさず大河の方向を見ると、かなたには肉眼で確認できるほど巨大な水柱と黒いエネルギーの柱がいくつも立ち上がっている。通常のゲームなら、あり得ない現象であった。




『舐めるなよ!!この野郎!!』
龍嗣は全力で目の前の邪神の相手をしていた。空の一部が黒く染まっている。大方彼女のせいだろう。目の前には、龍嗣と対照的な黒い長い髪に白いワンピースに黒い翼をはためかせた邪神だ。まぁ、なんでこの状況下というと――
「おいおい、本気出すなよ〜邪神さま」
『うるさい!!』
ズドォォン!!
パシュンッ!!
「さっきからそれは効かないって」
龍嗣めがけて黒い玉が放たれるが龍嗣は闇を司るスキル『闇夜に肘鉄砲(ダークエルボー)』を使ってそれを消した。どうやら、岸辺に気配を感じた、大方捕まえにきたのだろうと考える――龍嗣は視線をやると考えた通りではなかったもの淡い緋色に髪を染めた黒ウサギがそこにいた。黒ウサギは十六夜の相手をしている。

『フン――その戯言が貴様の最後だ!!』
余裕の表情で蛇神の相手をしている十六夜、龍嗣が向かわなくても問題なさそうだ。
視線を戻すと――目の前には怒髪天の邪神様
「(ん〜殴るのは気が引けるからな…)」
散々やっといていまさら何を言うのだろうかと思う
「そんで、降参する?」
『しないわよ!!負けるわけにはいかないのよ!!負けたら、あげるものなにもないんだから!!』
「ふ〜ん、なら、強いと思ったんだけど、そればバカ○スの中だけか――」
先ほどよりも巨大なエネルギー球体が生成される。隣で蛇神が戦っているにもかかわらず、もう問答無用みたいだ。

『これで、最後よ!!』
まさに小規模の太陽レベルに圧縮された質量のものが落ちてくる――そこから、得体の知れない龍のようなものが現れ
「はぁ・・・だから、その類は聞かないって…」
少しため息つきながらも闇を司るスキル『闇夜に肘鉄砲(ダークエルボー)』と重力を司るスキル『躯重量(グラビト)』で反重力を形成し、波動を司るスキル『大把乱(グリップカオス)』で相殺した
バラララララ〜
エネルギー粒子の破片が落ちてくる

龍嗣は上から見下ろしているその邪神様にいった。
「これでもまだやる?」
『・・・う、うぅ・・・』
泣きそうになる邪神に子供かと思う
「まぁ、とりあえず、降りて来い」
龍嗣に促され降りてくる邪神様
「とりあえず、俺の勝利ね?OK」
『ん・・・』
頬に涙を浮かべながら心底悔しそうに下にうつむいてうなずく邪神
「まぁ、泣くなって、何もとりゃしないから」
『ホント?』
「ほんとだよ」
『けど、負けたし、挑戦させたからには何か上げないとって世界に決められているし…』
「そっか〜・・・」
悩む龍嗣、ここで何かをもらっておかないと色々とヤバイのだろうと思う
『なにか、欲しいのある?何もない私だけのコミュニティだけど』
「名前は?」
『元々はあった、けど今は名前も旗印もないだから土地もないの――だから、何もないのよ』
士郎はその言葉に絶句する――負けたらこうなるということ、龍嗣から見ればいくら邪神といえど目の前にいるのは一才違い?の女の子だ――自身に問いかけ再び悩み始める。そんな中、龍嗣はこのときどうすればいいか、答を知るスキル『模範記憶(マニュアルメモリ)』を使うと
「(――ふざけてやがる)」
答えは、面白くふざけていた。そう"仲間にしろ"って事が答えだったのだ。


「(まぁ、現状そうするしかないだろうな)――おい、いっしょに来る気はあるか?」
『あなた、気は確か?』
顔をかしげて聞いてくる邪神様
「一応な、弱小コミュニティー、ノーネームだけど、これから大きくなる予定だけど来る?」
ちなみに、盗み聞きしたことなのだが――どうやら、黒ウサギに呼ばれた理由はどうやらコミュニティの再建みたいだ。

それから、少し考えるスサノオ
『わかったわ――元コミュニティーダークレイブンズのスサノオは今日このときを持ってあなたの傘下に入るわ』
「お、んじゃ、よろしく――それでさ・・・名前はなんて呼べばいい?」
『スサノオでいいわよ、ご主人様』
「そうか、じゃあ、スサノオよろしくな、あとご主人様って呼ばなくていいよ」
『あらそうなの?よろしく――貴方の名前は?』
「俺は、九十九龍嗣だ、よろしく」
『ん、よろしくね――』
そういうと、握手を交わす二人――と同時に、龍嗣の心拍数が上がった。
無理もない初めてなのだから、落ち着いて彼女を見ると、中々かわいらしい感じの子だった。
「んじゃあ、行きますか(面白くなってきたぁぁぁぁぁぁ!!)」
龍嗣は黒ウサギと十六夜のところに向かった

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