小説『約813の問題児が異世界からくるそうですよ?』
作者:tasogare2728()

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第四章 いじめよくない




「やっほ〜黒ウサギ」
「キャッ!!
突如、後ろに現れて驚く黒ウサギ、そして、十六夜の隣に逃げるように飛ぶ
「お、龍嗣じゃねぇか、どうだそっちは終わったか?」
十六夜が話しかけてきた
「あぁ、問題なくな――そっちはどうだ?」
「もちろん、ぶっ飛ばしたぜそんで水樹の苗って奴をもらった」
『えぇ、これで他所のコミュニティから水を買う必要もなくなります、みんな大助かりです』
ちょっと興奮気味の黒ウサギ
「ふ〜ん、良かったじゃん」
何事もなく言う龍嗣
「そんで、お前は何か手に入れたのかよ?」
「手に入れたって言うか、あっ」
そういうと自身が何をやったか気づき――慌てて『腑罪証明(アリバイブロック)』を二回使って、彼女を連れてきた
「おぉ〜きれいな姉ちゃんだな〜」
彼女は、龍嗣の後ろに逃げるように隠れる
「あぁ、彼女を手に入れた」
 ・
 ・
 ・
しばしの沈黙の後
「「エェッ!?」」
黒ウサギと十六夜が驚いた、それを見かねた龍嗣
「おい、スサノオ、ちゃんと挨拶しろ」
そう促すと
『・・・スサノオです』
挨拶を聞いた黒ウサギの表情が固まった
「ス、スサノオさんって・・・元コミュニティーダークレイブンズのあの?」
驚きながら問うと
「あぁ、そのダークレイブンズ?のな」
コクリ
何も言わずにうなずくスサノオ

「ってか、マジかよ、早速面白いもの手に入れたみたいじゃねぇか龍嗣、まったくうらやましいぜ」
うらやましそうで面白そうな顔をする十六夜
「まぁな」
にっこりとしてやったり見たいな顔をする龍嗣
「もしかして、隷属させたのですか?」
恐る恐る聞いてくる黒ウサギ
「隷属?なぁ、スサノオそういうことなの?」
コクリ
龍嗣の問いにうなずくスサノオ
「みたいだ」
「あ、あり得ないですわ――邪神を隷属させるなんて」
「まぁ、いいじゃねぇか、スサノオ、おいで」
そういうと、隣に来ると特に嫌がることなく龍嗣に猫のように腕を絡めてくる――
「さてと、手に入るもの手に入ったんだし、帰ろうぜ?」
「あ、はい」
そういうと
「あ、黒ウサギ、お前、地面走っていく?」
「えぇ、まぁ」
「そう、なら、俺とスサノオは先に帰っているわ――」
「えっ、あの、どうやって?」
「じゃね〜」
龍嗣は黒ウサギの返事も聞かずに『腑罪証明(アリバイブロック)』を使って、一気に久遠と春日部のいるところまで跳躍した
「(あぁ〜かかわると面倒だな〜)」
あの二人にかかわるとろくなことはないのは明白だった。触らぬ神にたたりなしなのである。

そう考えながら回りを見渡している。
「とりあえず、何かあるといけないから食料でも手に入れましょうか」
スサノオが提案してきた。
「そうだな〜ところでどうする?」
「お金は?」
「特にないわ〜」
当然である、この世界にはじめてきたのだから
「あら〜・・・どうする?」
スサノオが再び聞いてくると
「なぁ、この世界って商店側にゲーム申し込んでってできる?」
「えぇ、問題ないわよ?」
「そ、じゃあ、わらしべ長者みたいに行きましょうかね〜」
二人は町の中をゆっくりと歩いていく




それから、手ごろなお店を見つけた。
「ん〜これも食べてみたいな〜」
と考えていると、現れたのは気前のよさそうな店主だった
「そこの見かけない顔のお兄ちゃん、どこのコミュニティーだい?」
「ここに来てはじめてさ、けど、食料がなくてな」
「へぇ〜って、後ろにいる嬢ちゃんかわいいじゃねぇか、おじさんとギフトゲームでもやってみるかい?」
「チップはどうするんだい?」
「そうだな〜そっちは、ノーレートでいいぜ、こっちはそうだな、店棚の欲しいの二つ、それでまけてやるぜ」
「おい、ノリがいいじゃねぇか、それに乗ったぜ」
それから、勝負が始まる――勝負はいたって簡単、三枚のコインを全部トスして、それを全部当てるって勝負だった。龍嗣は問答無用で『模範記憶(マニュアルメモリ)』を使って答えを導き、問答無用でその勝負に勝った。

「お、運がいいじゃねぇか兄ちゃん、ほらよっと」
梨二つもらう龍嗣――それから、龍嗣はそれを元手に次々と他の店にゲームを申し込んで行く。勝ち取ったものを元手にして勝って勝ち取ったものと元手にして〜っと雪だるま式に繰り返しやっていくと8回目になるころには重力を司るスキル『躯重量(グラビト)』を使わないともてないくらい大きな荷物になっていた。それから、楽しそうにスサノオと世界のことについて聞いたり話しながら集合場所である噴水広場に向かった

それから到着したのは日が暮れた頃だった。そこでは、突然の展開に嵐のような説教と質問が飛び交っていた。
「「「ムシャクシャしてやった、今は反省しています」」」
口裏を合わせて言う三人に激高する黒ウサギ
状況を察するに、どうやらコミュニティーに勝負を挑んだみたいだ。
「だまらっしゃい!!」
とツッコミをいれながら、三人がしかっているのを遠目に見ながら
「かかわると面倒だし――少し待つか」
「そうね」
龍嗣は動作音を消すスキル『忍び体(サイレントニンジャ)』を二人で使って、その場から立ち去り時を見計らって戻ることにした


それから数刻の後
「・・・・・・・。ああもう、好きにしてください」
丸一日振り回され続けて疲弊した黒ウサギは言い返す気力も残っていないが
「それにしても、先に帰るって言ってた龍嗣さんはどちらにいかれたんでしょう」
周りを見渡してみると

「お〜い、黒ウサギ〜」
どこから取り出したかあるいは、手に入れたのかわからない巨大な袋目いっぱい入るまで何かを入れた当の本人がやってきた
「りゅ、龍嗣さん!?そんなに大量にどこで手に入れたんですか!?」
「どこでってなぁ〜ま、手ごろなゲームやって雪だるま方式でやったらこうなった」
どう考えても人が持てる大きさではないのは明白だった。その多量の荷物に驚いている三人
「・・・・・・龍嗣くん、その隣の子はどちら?」
「ん?隷属だっけ?の女の子、名前はスサノオ」
「さらっととんでもないこというのね」
「まぁ、彼女も勝負に勝って手に入れた」
「へぇ〜箱庭って凄いのね」
そう驚く久遠さん
「あぁ〜黒ウサギ、おい黒ウサギ」
「なんでしょう?二回呼ばなくてもわかってますよ」
「知ってるわ、あえてだよ、この荷物全部食料系と後は雑貨系なんだけどさ――邪魔だから、持って帰っててくれないか?」
「・・・えぇ〜と」
困った顔をする黒ウサギ――予定外のことだったみたいだ

「どうしましょうね・・・」
「まぁ、いいや――その様子だとこれからどこか行くんだろ?ついていくよ」
「えぇ、これからギフト鑑定に――あ、ジン坊ちゃんは先にお帰りください、ギフトゲームが明日なら;サウザンドアイズ;に皆さんのギフト鑑定もお願いしないと、この水樹の事もありますし」
「;サウザンドアイズ;?コミュニティの名前か?」
十六夜が黒ウサギに聞いた
「YES、;サウザンドアイズ;は特殊な;瞳;のギフトを持つもの達の郡体コミュニティで超巨大な商業コミュニティです、幸いこの近くに支店がありますし」
「へぇ〜ギフト鑑定ってのは?」
「勿論、ギフトの秘めたちからや起源などを鑑定する事です、自分の力の正しい形を把握していた方が引き出せる力はより大きくなります。みなさんも自分の力の出処は気になるでしょう?」
特に拒否することもない龍嗣――それから、6人と一匹は;サウザンドアイズ;に向かった。

-4-
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問題児たちが異世界から来るそうですよ? Blu-ray 第5巻
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