第八章
――数刻後
「――それで、コミュニティ"ペルセウス"が一部利権を持っていると?」
「えぇ、東側区画の土地の利権を持っているわ」
「ふぅ〜ん、近々襲撃しに行くか?」
「ゲームやりなさいよ?ちゃんと?」
「わーってる、わーってる、さてと…そのさっき言ってた宛、まさかこことはな?」
不敵に笑う龍嗣――現在いるのはコミュニティサウザンドアイズ二一〇五三八〇外門支店
「さてと――手っ取り早く閉店ガラガラいきますか〜」
「ども〜」
「どうも、あなたがた――黒ウサギは?」
「あぁ、ちょっとこちらの都合が悪いのでね、置いてきました」
「では、入ることは――」
できないと女性店員が言いかけていたとき
「というわけよ、白夜叉に用があるから、少しいれないさい」
いつの間にか、二人は店の中に入っていた
「(あらあら、険悪な雰囲気だこと)」
「(そうね〜って、いつまでこんなことしているのかしら?)」
「(さぁ、頃合を見てからじゃないの?)」
龍嗣とスサノオは、天井に張りつくことができるスキル『逆転掌訴』を使って張り付いている。
視線の先には、コミュニティ"サウザンドアイズ"の幹部でコミュニティ"ペルセウス"のトップ、亜麻色の髪に蛇皮の上着を着た線の細いルイオスだった。
そして、険悪そうな二人。無理もない、現状ルイオスが仲間を金銭で譲れと侮辱全開発言しているのだから
「フン――して"ペルセウス"を継ぐルイオスお坊ちゃんが私に何用だ」
「それはあなたの方が知っていると思いますがね」
聞いてて腹の立つ口調のルイオス
「レティシアのことなら隠す気もないのう、先に双女神の旗に泥を塗るような真似をしたのは貴様らだ、一度は開催を引き受けたギフトゲームなど、本来なら降格ものだぞ」
「(そうだそうだー、期待を裏切るのは良くないぞー)」
「ええ、自覚しています、ですからこんな姑息で陰険で小物臭い、何処かの誰かの嫌がらせにも涙を飲んで黙々と対応しているじゃないですか」
まるで上司のパワハラはんたーい、と盛大な皮肉を込めてルイオスが笑う、そして、ヒクヒクと青筋と立てる白夜叉
「それに、参加予定だった者たちにも納得してもらった上での中止です、最低限のマナーは守ったつもりですよ」
「(最低の最低限だろうな)」
「ああ、そうかい、しかし、肝心のレティシアだが、もうここにはおらんぞ、フフン、二手ほど遅かったな」
「それぐらいわかっているさ、どうせ行き先の見当は付いていますから、所有者の過去ぐらいきっちち把握しているよ」
慌てる様子の無いルイオスを前に、白夜叉は顔を怪訝そうに歪ませる
「……ならば、何故私の元に?」
「すぐにでも向かって連れ戻しに行けばよかろう」
「部下を向かわせてるから、ほどなく見つけるでしょう」
茶菓子を口に含んで謎の余裕を見せるルイオス――その不気味さに高笑いが出てきそうなのを抑える――そして、道化は道化らしく飛び出した
「よっと」
ルイオスが茶菓子を載せていた皿を投げたのを踏み砕く龍嗣
「「ッ!?」」
驚くルイオスと白夜叉
「九十九龍嗣――お主、ここに何故おる?」
「おやおや、白夜叉様、少しここは話させてくださいな?」
そういうと、龍嗣は白夜叉に目配りをする。
「――さてと、コミュニティ"ペルセウス"のリーダー、ルイオスさま、いいかな?」
「おいおい、小僧――ここにどうやって入った?」
「どうやって?特に困ったことはしていないですよ――さてと、本題と行きましょうかな?」
「その前にコミュニティの名前でも名乗ってもらわなきゃ交渉に応じないぜ」
「――ダークレイブンズ、そういえばよろしいかな?」
「ハハハッ!!笑わせてくれるぜ、あのコミュニティは潰れたはずだろ、何をいまさら?」
気味悪いくらいの高笑いのルイオス
「そうですよ、潰れたんですよ、それを取り返すんですよ、ルイオス殿」
「お前、挑戦するというのかよ!?この俺に!?笑わせるぜ!!」
「大笑い結構――さて、こちらが要求するのは、たった二つ――そちらにあると言われているダークレイブンズの三角帽子とマントその他一式、それと、いや面倒だ――スサノオ、こいつに取られたものを洗いざらい吐き出せるか?」
「えぇ、問題ないわ」
「そうですか、では――こちらは、彼女スサノオを賭けましょうかね〜」
「「ッ!!正気か貴様!?」」
白夜叉とスサノオが言う
「おいおい、挑戦権も糞もなく、俺に勝負など――まぁ、いい受けて立つぜ!!」
その途端、龍嗣の口元が不敵に笑った。無理もない、ここまで清々しく誘導させることが上手くいくとは思ってもいなかったのだ。
「さて、白夜叉様?あなたのフィールド、貸してもらえるかな?それと、"主催者"よろしくお願いしますね」
ニッコリと微笑む龍嗣
「まぁ、よかろう」
納得する白夜叉
そういうと、記憶にない場所が流転を繰り返し、足元から4人が呑み込まれていき、白い雪原と凍る湖畔――そして、水平に太陽が廻る世界が現れた。
そして、ルイオスと龍嗣の手元に"契約書類"が現れる。
ギフトゲーム名 "星と人間"
プレイヤー一覧 ダークレイブンズ・ゲームマスター 九十九 龍嗣
ペルセウス・ゲームマスター ルイオス=ペルセウス
クリア条件 ペルセウス側のゲームマスターを打倒
敗北条件 プレイヤー側の降参
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します サウザンドアイズ白夜叉 "印"
「さてと――よいのか?お主?」
「あぁ、問題ないさ」
不敵に笑う龍嗣に嫌な気配ががしてままならない白夜叉
「さてと、適当になぶってあげますか――」
「おやおや、それはつまらないですね・・・」
そういうと、龍嗣はスキルをを使う
「いいだろう、本気を出してやる!!」
これまたスキルが通用した
「目覚めろ――"アルゴールの魔王"!!」
獰猛な表情で叫ぶルイオス
『ギャアアアアアァァァァァ!!!』
現れたのは、体中に拘束具と捕縛用のベルトを巻いた乱れた灰色の髪の女性
『ギャアアアアアァァァァ!!』
開幕と同時に、上空から、巨大な石の塊が降ってくる
「(アルゴール、石化のアレか)」
と考えながら、軽々しく避ける
「いや〜飛べない人間って不便だよねぇ、落下してくる雲もよけられないんだから」
「えぇ、不便ですねぇ、けどこんなことも出来るんですよ」
ルイオスに向かってニッコリと笑う龍嗣に対して、白夜叉、ルイオス、スサノオまでもが背中に嫌な冷や汗をかく
「や、やれ!!アルゴール!!」
そういうと、襲いかかってくるゴーゴンの怪物
「――」
ズガガガガガガガガガガア!!
一瞬にして、そこで何かが起きた――次の瞬間には、アルゴールの魔王は全身に刀傷をつけながら吹き飛ばされる
そう龍嗣は、一瞬のあいだに、スキル『見囮刀』で刀を精製し、『足度違反』で剣速を上げ、その状態で『健脚の抜き足』居合切りをし、『二重走』一振りで二回斬りに増やし、『二の腕三の剣』追加攻撃を加え、そこから『定滅多標的』でメッタ斬りにして、『多手多様』で全方位同時斬撃化、『狙数増』で攻撃を一撃残らず命中させた。
「不快だ――」
見下すように、それも静かに威圧感たっぷりでルイオスにいう龍嗣
「な、なんだこいつは!?アルゴール!!やつを殺せぇぇぇ!!」
謳うような不協和音と共に、褐色に光る光線が龍嗣を包み込んでいく
「――黙れ」
そういうと、龍嗣は反射のスキル『屈折した愛情』を使い、文字通り反射させた
ビコンッ!!ギュィィィィン!!!
「な、なんだこいつは!?馬鹿な!?そんな、ありえない!?」
そういうと、ルイオスとアルゴールの目の前から龍嗣が消え
「うらぁ!!」
ズガァァアン!!
『ギヤアッァアアアアアアア!!』
パワーチャージのスキル『小臼歯』と乱れ撃ちのスキル『溜息呵成』でアルゴールを吹き飛ばした。
そして
「そこまでじゃ!!」
白夜叉が仲裁に入った――
「おや、まだ、彼は負けていませんよ?」
ファイティングポーズで挑発する龍嗣
「――いや、もう決着じゃ」
「な、なんだと、まだ俺は!?」
「諦めろルイオス殿――勝負はもう終わった」
「それで、判定はどうなんだ?」
「このゲーム、挑戦者九十九龍嗣の勝利じゃ」
そういうと――
「さてと、洗いざらい頂きましょうかね――ルイオス殿」
「は、あ、あげるわけないだろう、な、名無しのくせに――そもそも、下級のお前らに与えるものなど――」
ズバンッ!!
「ヘッ!?」
突如、ルイオスの左腕が石化して吹き飛んだ
「ア、アルゴール貴様何をしている!?」
その行動に、現実が見れていないルイオス――見てみれば、目の色が赤色から青色に変わっている
「何をしている?少し、操らせてもらっただけですよ」
『ギャアアアアァァァァァァァッ!!』
「次は、どこがいいかな?右腕?左足?右足?選択権は貴方にありますよ?」
ニコニコしながらさらっと外道的なことをする、その顔に一片の慈悲もなく、浮かんでいるのは凶悪な笑顔
「い、いやだ、そ、そんなのいやだ」
「そうですか、なら――ちゃんと恩恵頂きましょうかね」
そういうと、龍嗣の下に、三角帽子と黒と紅の桜紋様のマントが現れた、その他にも利権書などなどが現れた
「では、いただきますね」
そういうと、龍嗣は利権証を回収しそれから、桜の紋様のマントを羽織、三角帽子を身につける――その姿はさながら魔術を特化させた魔王を彷彿とさせる。三角帽子からはみ出た銀色の長い髪と広いつばからギラギラと見つめる紅い瞳が何とも言えない恐怖を与える。そして、二、三発龍嗣が殴った後に
空間が元に戻り、同時にルイオスは真っ先に白夜叉の部屋から逃げ出すように出て行った。
「まぁ、座れ」
白夜叉に言われ座る龍嗣
「ね、言ったでしょ?問題ないって」
「そういうことではない――私が言いたいのは、何故ルイオスが勝負を貴様に挑んだのか?きっちりと説明してもらわないと、いくら泥を塗ったやつだからといって、ボコボコにしてここから飛び出していったそれだけで大問題なのじゃ」
「えぇ、そのことについてはちゃんと説明しますよ、簡単に至極当然にわかりやすく言えば、誘導のスキル『右手をご覧ください』を使って文字通り彼を勝負するように誘導しただけですよ」
「では、彼にどうやってアルゴールの魔王を使わせた、まさかお主、それもスキルというのか?」
「えぇ、そのとおり敵の全力を引き出すスキル『真拳勝負』を使いました」
その言葉を聞いて、ホッとしながらも、何処か苦虫を噛み潰す白夜叉
「それに、彼には見せていませんが――ノーネームに襲撃してきた"ペルセウスの連中"は、今頃石化していますよ」
「何!?どういうことじゃ!?」
「――これまたスキルで、先ほど反射させた光線をうまい具合に彼らに降り注がせたんですよ――彼らの頭上に」
「それは、誠か?」
「えぇ、それに――もし考え通りなら、そろそろ来ると思いますよ?黒ウサギ達が」
「ぬ、そうか、いやはやすまないな、間接的にだが恥辱を注いでもらって」
「別にいいですよ、ムカついてただけですから」
「そうかそうか、それでなにか言いたそうだな」
「えぇ、まぁ――」
そういうと、士郎はペルセウスからかっぱらったダークレイブンズの土地の利権証を出す
「とまぁ、ここにダークレイブンズの土地の利権証があります」
「あるのぉ」
「単刀直入に、コレを預かってていただきたい」
「・・・何故じゃ?」
「えぇ、ああは言ったものの一応コミュニティ"ノーネーム"には隠しておきたいんですよ、色々とあってね」
「影として動くってわけか?」
「そういうことです、引き受けていただけますか?」
「もちろんじゃ――その土地の利権、この白夜叉自らが預かっておこう」
「ありがとうございます」
ニコリと笑う龍嗣――そんな中
「さてと、奴隷はちゃんと座っててもらわないとね」
「まて、お主!!」
ドサッ!!
白夜叉が静止するのを振り切って、ルイオスがそこに現れた
「な、何をするんだ!?」
恐怖に怯え切った目でこちらを見つめてくるルイオス
「何を?言わなくてもわかってんじゃないの?いいからそこに"黙って座ってろ"」
そう言うと、顔を恐怖で歪ませながら、そこに正座するルイオス
それから、先を見越して客室に向かい、龍嗣は、『逆転掌訴』で天井に張り付いていた。
「――"ペルセウス"が私たちに対する無礼を振るったのは、以上の内容です、ご理解いただけでしょうか?」
「う、うむ。"ペルセウス"の所有物・ヴァンパイアが身勝手に"ノーネーム"の敷地に踏み込んで荒らした事、それらを捕獲する際における数々の暴挙と暴言――確かに受け取った、謝罪を望むのであれば後日」
「結構です、あれだけの暴挙と無礼の数々、我々の怒りはそれだけではすみません、"ペルセウス"に受けた屈辱は両コミュニティの決闘をもって決着をつけるべきかと」
黒ウサギの狙いはそれだと明白だった。多分、何割かは捏造が含まれているだろう
「"サウザンドアイズ"にその仲介をお願いしたて参りました、もし"ペルセウス"が拒むようであれば"主催者権限"の名の下に」
「いやだ」
「……はい?」
「いやだ――決闘なんで冗談じゃない、それにあの吸血鬼が暴れまわったって証拠があるの?」
「それなら、彼女の石化を解いてもらえば」
「駄目だな、アイツは一度逃げ出したんだ、出荷するまで石化は解けない、それに口裏を合わせないとも限らないじゃないか?そうだろ?元お仲間さん?」
嫌味ったらしく笑うルイオスに龍嗣とスサノオはいらつく
「そもそも、あの吸血鬼が逃げ出した原因はお前たちだろ?実は盗んだんじゃないの?」
「な、何を言い出すのですかッ!そんな証拠が一体どこに」
「事実、あの吸血鬼はあんたのところにいたじゃないか」
黒ウサギは黙り込む――言い返せないのだ
「まぁ、どうしても決闘に持ち込みたいというならちゃんと調査しないとね……もっとも、ちゃんと調査されて一番困るのは全く別の人だろうけど」
「そ、それは・・・」
視線を白夜叉に移す――彼女の名前を出されてはノーネームとして手が出せない
「まぁ、いい――取引だ」
ルイオスが言った
「吸血鬼を"ノーネーム"に戻してやる、その代わりに僕は君がほしい、君は生涯、僕に隷属するんだ」
「なっ!?」
絶句する黒ウサギ
「(――はぁ、そろそろ見てられなくなったな)」
「一首の一目惚れって奴? それに"箱庭の貴族"という箔も惜しいし」
二度目の絶句
「ねえ、黒ウサギさん?このまま――」
ルイオスがそういった時
チャキッ!!
「「「「「ッ!」」」」」
「マスター黒ウサギの侮辱はそこまでにしてもらおうか、ルイオスくん?」
突如、三角帽子に黒いマントを羽織ったやつがルイオスの喉元に刀を突きつけていた。よく見ると、足も石化している
途端、ルイオスの顔が恐怖で顔が不自然までに歪む――先程まで黒ウサギたちの見せていた余裕はどこに行ったのだろう。
「や、やめろ・・・やめてくれ」
懇願するようにいうルイオス
「おい、お前、何者だよ」
いつでも戦闘態勢に入る十六夜と飛鳥、黒ウサギも戦闘態勢に入る
「あらあら、そうね、この姿を見せるのは初めてだったかしら?」
出口側のところにいたルイオスに刀を突きつけている奴と同じ服装のやつがいった
「この声は!?」
「まさか!?」
そういうと、二人は顔を現した――
「龍嗣さん!?スサノオさん!?」
突如の登場に驚いている3人
「さて、ここで質問です――君は、こう言いました、"どうしても決闘に持ち込みたいというならちゃんと調査しないとね"――言いましたね?」
「あ、あぁ、言った――言ったから離してくれ」
「え、いやだ、なんで離さないといけないんだい?」
「そ、そりゃ、質問に答えたじゃないか」
「それで終わるわけないでしょ?」
「そ、そんなばかな」
そういうと、目の前の空間が歪みそこから、コミュニティーペルセウスの兵士と思われるやつがひとり現れた。
「ってぇ、確かルイオス様に言われて、ノーネームを襲撃してたら石化されて・・・ってここ何処だ?」
周りを見わたす兵士――そして、ルイオスに気づき
「る、ルイオス様!?」
「さぁ、ここで質問です、今そこにいる兵士はなんて言ったのでしょうか〜?三秒で答えてね〜」
「くっ・・・"俺に言われて、ノーネームを襲撃してたら石化されて"だ」
「じゃあ、問題です白夜叉――今、このルイオスは罪を認めたましたね?」
「う、いきなり振るかお主――あぁ、こやつはいま襲撃のことを認めたな」
「ですね〜認めましたね〜白夜叉様――コミュニティ"ペルセウス"の今の映像出せますか?」
「お主――何が言いたい?」
「そのままの意味ですよ〜」
そういうと――コミュニティ"ペルセウス"の一部の区画が映し出される
「あぁ〜もうちょっと広範囲でお願いできない?」
「まぁ、よいが」
そして、映し出されたとき――その場にいたスサノオ以外が絶句した
「「「「「ッ!」」」」」
コミュニティ"ペルセウス"はアルゴールの魔王によって石化されていたのだ
「な――どういうことだ!?アルゴール」
「どういう事なんでしょうね〜まぁ、私にもわかりませんが〜」
ヘラヘラとした態度でいう。どう考えても主犯格は龍嗣だということは明白だった。
「さてと、ルイオス=ペルセウス――君は今二つの岐路に立たされている、ひとつはコミュニティペルセウスvsノーネームとのゲームか、もう一つはそっち対ノーネーム代理としてこの僕とスサノオのコミュニティ、いや新生ダークレイブンズとの全面戦争?さて、どっちがいいかな?」
「な、なら、前者を取る――け、けど、俺らと戦うには、まず最初に二つのゲームが」
「そうか、なら手続きを踏まないとね〜わかった、慈悲でも恵んでやるよ」
「慈悲――だと・・・」
そして、満面の笑みで龍嗣は言った
「コミュニティーダークレイブンズとコミュニティーノーネームはここに正式に同盟を組んで、あなたがたペルセウスに決闘を申し込む――ちなみに、」
付け加えて
「今、"ゲームを行った"ばかりだから、一週間だけ待つよ――けど、その間、こちらがほしいレティシアに傷つけたらそれが即刻開戦合図だとして、君のところに宣戦布告をするよ」
凄みのある声音で言う龍嗣
「――精々、トラウマに苛まれながら頑張ってね〜」
ものすごい明るい声でそこからから逃げ惑うように走り逃げていくルイオスに言った。龍嗣本人も高笑いが抑えれていない。そして、ルイオスが消えて見えなくなったと同時に
「イェイ!」
してやったぜ、みたいな顔をする龍嗣
「イェイじゃないですよ!!このおバカさん!!」
「オフッ!!」
黒ウサギに思いっきりハリセンで叩かれる龍嗣
「一体、どういうことなんですか!?きっちりとこの黒ウサギに説明してください!」
「どういうことってな、特にないけど」
「ち・が・い・ま・すー!!なんで、あんなに貴方にルイオス様が怯えているかです」
「なんでって…その話は後だ――」
龍嗣は何かを感じる――自分だけに向けられている嫌な視線。突き刺すようでそれも獲物を狙うような視線だった。
全員、一気に外に飛び出した。