「あ、」
気がつくと歌っている彼の周りには人だかりができていた。
周りを見回していると、歌っていた彼とばっちり目が合う。
あたしは、気恥ずかしくなって笑ってごまかしその場から逃げた。
さっき周りを見回したとき、アイカとリサはいなかった。
おいてかれた…
あたしは道の真ん中でがっくりと肩を落とす。
あたし合コンの場所知らないのに…
あんましここにもいたくないし…とりあえず出るか…
もう一度、人だかりを見てもっと聞いていたいという思いを抑え込み歩きだした。
「あれぇ〜?アレ、りょうこじゃね?」
「どこどこ?」
「あ、ほんとじゃん!」
「どこだよ?!」
後ろから聞き覚えのある、そしてもう二度と聞きたくないと思った声たちが聞こえてきた。