「どれどれ〜?」
アイカはあたしとリサの言葉も無視してケータイの画面を見た。
「……」
リサは無言のまま座った。
そのまま顔を上げようとしない。
「…リサ…?」
「これ…」
あたしと、アイカは同時に声をかけた。
「りょうこ…あたし…騙された…」
リサはうつむいたまま、スカートを握りしめる。
「騙されたって…」
「レイプされかけた…」
リサのその一言にあたしとアイカは絶句する他なかった。
数秒間の沈黙の後アイカが口を開いた。
「されかけたって…?」
「…この前、はじめて瞠の家行ったの…そしたら、」
リサは小刻みに震えだした。
「4人くらい男がいて…瞠はロープで縛られて…」
「え?瞠はグルじゃないの?」
思わずあたしは聞いた。
「分からない……好きだった…信じてた…」
最後の二言は本当に消え入りそうなくらい小さな声で。
「そっか」そう言ってアイカはリサをだきしめた。
リサの小さな嗚咽があたしの胸に突き刺さったた。