小説『teen’s』
作者:RiYO()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>


「どれどれ〜?」

アイカはあたしとリサの言葉も無視してケータイの画面を見た。

「……」

リサは無言のまま座った。
そのまま顔を上げようとしない。

「…リサ…?」

「これ…」

あたしと、アイカは同時に声をかけた。


「りょうこ…あたし…騙された…」

リサはうつむいたまま、スカートを握りしめる。


「騙されたって…」

「レイプされかけた…」

リサのその一言にあたしとアイカは絶句する他なかった。


数秒間の沈黙の後アイカが口を開いた。

「されかけたって…?」

「…この前、はじめて瞠の家行ったの…そしたら、」

リサは小刻みに震えだした。

「4人くらい男がいて…瞠はロープで縛られて…」


「え?瞠はグルじゃないの?」

思わずあたしは聞いた。


「分からない……好きだった…信じてた…」

最後の二言は本当に消え入りそうなくらい小さな声で。


「そっか」そう言ってアイカはリサをだきしめた。

リサの小さな嗚咽があたしの胸に突き刺さったた。



-40-
Copyright ©RiYO All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える