世界には色んな人がいる。善人、悪人。賢者、愚者。達人、凡人。 だからどうしたと思うこともあるかもしれないけれど、自分がなにに属するのかと考えたことがあるだろうか。自分がどんな人間であるのかと、客観的に捉えられるのか。 僕には出来ないけれど、他の大多数の皆さんは出来ているのだろう。少なくとも、出来ていると勘違いをする程度には出来ているに違いない。 ならば僕は、愚者ということになる。 中村幸之助。十八歳。 僕は愚者である。