小説『みん』
作者:喰原望()

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 世界には色んな人がいる。善人、悪人。賢者、愚者。達人、凡人。
 だからどうしたと思うこともあるかもしれないけれど、自分がなにに属するのかと考えたことがあるだろうか。自分がどんな人間であるのかと、客観的に捉えられるのか。
 僕には出来ないけれど、他の大多数の皆さんは出来ているのだろう。少なくとも、出来ていると勘違いをする程度には出来ているに違いない。
 ならば僕は、愚者ということになる。

 中村幸之助。十八歳。

 僕は愚者である。

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