小説『ロウきゅーぶに転生したら性別が逆転してしまいました。』
作者:あき缶()

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あの後、夏陽に職員室まで連れていってもらい今俺は6-C の教室の前にいる。

緊張するな〜転校生って

篁先生がここで待っているように言ったので仕方なく待って いるが如何せん長い。

「HRを始める前に新しい友達を紹介するよ。」

「みーたん、

そのてんこーせいってだれ?だれ?

男の子?女の子?」

「その辺は本人に聴こうな。

真帆」

ひときわ元気が良い子がいるな〜

嫌いじゃないけどな、どっちかっていうと好きかな、そういう子

「じゃあ入ってきてもらうね。

白兎汐梨(はくとしおり)ちゃんだよ。」

篁先生に呼ばれたし行くか。

ドアを開けて教室の中に入った。

そして教卓辺りで正面を向く。

いかにもお金持ち学校ですという机が一番に眼に入ってきた。

それにしてもきれいな学校だな。

「じゃあ汐梨ちゃん、挨拶お願いね。」

「えっと白兎汐梨(はくとしおり)です。

帰国子女でフランスから来たばっかなので色々と教えてくれると嬉しいです。

あっちなみにこんな格好をしていますが性別は女です。」

若干テンパったがとりあえずは当たり障りのない自己紹介が言えたので良しとしよう。

「じゃあ、汐梨の席はあそこな。

ここからは自習〜だから好きにやって良いぞ。

にゃははははは」

と篁先生が言ったとたんに…っていうか何その笑い方。

チビッコ達が押し寄せてきた自分も十分にチビッコだが。

危うく押しつぶれそうになりながらも何とか自分の席に辿り着いた。

体力が大幅に削られたが…

「帰国子女って本当?」

「ナニ人?ナニ人?」

「髪の毛きれー」

「何処に住んでたの?」

転校生って本当にこんなふうになるんだ。

はじめて知ったな。

そこの子にニンジンみたいに言うなって言いたい。

めっちゃ言いたい。

あとそこの子俺はフランス人だって言っただろ。

ヤバイなつぶれてしまいそうだ。

しかし大変なんだな転校生って言うのは。

「何で男子の制服着てるの?」

痛いところを突かれたな。

どうしよう夏陽はバカだったからなんとかなったけど……

「そこら辺でやめとけよ。

汐梨が困ってるだろ。」

まさかのここで救いの手が…

って夏陽じゃん!?

「夏陽!?同じクラスだったのか?

奇遇だな。」

「まあな」

「夏陽〜

お前知り合いだったのか!?」

「ああ、そうだぜ。

それがどうかしたのかよ。

真帆」

「転校初日で迷ってたところをたまたま体育館に通りかかったときに助けてくれたんだよ。

そんなことより君の名前は?」

「三沢真帆、真帆かまほまほって呼んで」

「分かったよ。

真帆」

女の子の名前をファーストネームで呼んだことないから緊張した〜。

「ところで慧心学園って男子バスケットボール部は有るけれど女子バスケットボール部って有るのかな?」

疑問だったことを聞いてみることにした。

もしも女子バスケットボール部がなくて男子バスケットボールでマネージャーみたいなことになるのは悲惨なことになりそうだしな。

「おっ、"しおりん"ってばバスケしてたの!?」

「その"しおりん"っていうのは?」

「何言ってんの"しおりん"の愛称に決まってんじゃん。」

何だろうこの子は一体。

すごく斬新な愛称だ。

素直にそう思った。

これからの日々は退屈しなさそうだ。

「そんなことよりバスケしてたのバスケチョーうまい?。

ねぇチョーうまい?」

「チョーうまいってほどではないと思うけどバスケしてたよ。」

若干、真帆に押されぎみにそう答えた。

「汐梨はバスケすげぇうまいぜ。

何せ朝に勝負したからな。」

「夏陽は黙ってろよ!」

「何だと!!」

えー、いきなり喧嘩始めちゃったよどうすれば良いんだろう。

「私はこのクラスの学級委員の永塚紗季です。

よろしくね白兎さん。」

「よろしく永塚さん。

それよりあれは止めなくて良いんですか。」

「大丈夫よ何時ものことだから」

何時ものことってあれが…

普通に喧嘩してるようにしか見えないのだが…

あれが何時ものことなのか。

「しおりん〜バスケしようよ」

真帆が夏陽との喧嘩を終えてこちらに戻ってきた。

顔を汚して。

何で顔を汚してんの!?

夏陽はというとどっかに消えていた。

真帆の言い方だと女子バスケットボール部は実在するみたいだ。

「うん、やろう」

「それでこそしおりんだ」

良くわからないけど一応同調しておこう。

「真帆、白兎さんが困ってるでしょ。

少しは自重しなさい。」

「別に大丈夫だよ永塚さん。

そんなことよりも俺のことは汐梨って読んでくれ。」

「わかったわ汐梨。

じゃあその代わり私のことは紗季って呼んでね。」

「分かったよ紗季。」

「じゃあ、しおりんも学校が終わったら体育館に直行だ。」

顔を綻ばせがら言う真帆。

本当にバスケが好きなんだな。

「うん、楽しみだね。」

だから笑顔で俺はそう返した。

-3-
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