小説『都市伝説.com』
作者:海猫()

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「おわっ!?」

「もぉ! 宝楽ってホントいい奴!」

「それはいいから、離れろって!」

 斎姫が抱きついてきたせいで、クラスメイトが何事かとこっちを見てきてる。妙な誤解を招きたくなくて、斎姫を引き剥がそうとするが剥がれない。

 だが、唐突に斎姫と引き剥がされた。

 間に割って入って来たのは、頬を膨らませた愛実だった。

 ああ、すっげー嫌な予感がする。

「イチャついてんじゃないわよっ! 宝楽は私のだって言ってるでしょ!!」

「いつ、あんたのものになったのよ? 勝手ばっか言ってると、捨てられるわよ」

 またいつもの口喧嘩が始まった。

 俺はさっさと自分の席に戻って、頬杖を突くと、大きなため息をつくのだった。そのうち、俺に飛び火してくるんだろうが、一先ずそれまでは、傍観者になったって、文句を言う奴はいないだろう。

 こうして、俺は再び日常を謳歌するのだった。





                                                        『路地裏の魔王』終

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