小説『ソードアートオンライン〜2つのスキルを持つ蒼の剣士〜』
作者:レイフォン()

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第33話 今までと新年


俺達、『蒼光の軍勢』のギルドホームにはクライン達『風林火山』、レイヴン達『青龍連合』ケイタ達『月夜の黒猫団』、ディアベル達『クルセイダーズ』…計5つのギルドに+リズが集まっている。
『血盟騎士団』は来ていない。忙しいらしくてな。


さて、俺達が何で集まっているのかというと……後4時間もしないうちに新年を迎える。
去年は忙しくて新年を祝う事が出来なかったが、せっかく知り合い達がギルドを創り、こうしているのであれば集まって新年を迎えようではないかという事となり、うちのギルドホームに集まっていると言うわけだ。
ちなみに言うと…『青龍連合』はレイブン・ガロン・イリナの他にも俺達の知り合いだけが来ている。
『青龍連合』は結構数が多いしな。知り合いだけを呼んだ方がいいと言う事になり、3人と他の知り合いを呼んだと言うわけだ。


「にして…確かに去年は忙しくて新年を迎えた事に気付かなかったな…」


「おお、お前もかレイヴン。実は俺もだ」


「俺達もその頃はレベルを上げたり、してたな〜」


「俺は引きこもっていたな…はぁ」


「俺とアスナは簡単に新年のあいさつをして、すぐにレベル上げに行ってたっけ?」


「ええ。後はお金を貯めるためとか言ってモンスターとか狩りまくっていたわねレンは」


「あは…あははははは」


懐かしいな。こうして全員が生きている事が本当に喜ばしいことだ。
このゲームが始まってから知り合った全員が生きている……これはある意味凄い事であろうな。
それも生き残っている全員が攻略組という、な。


「しっかし、こうして見ると本当にこの1年と少し…色々あったな」


突如、クラインが言い始める。


「俺がレンとアスナちゃんと出会ったのはこのゲームが開始された日だったな」


「ああ。俺とアスナが動作の確認をするために街を走っていたらクラインは俺達をβテスターと間違えて」


「それで私達にレクチャーしてくれって頼まれた時は驚いたわね」


「いやぁ〜あれは俺の黒歴史に近いかもな…あはははは!」


笑うクラインであったが、


「けどよ、それがあったから俺は今まで生き残れたと思う。2人には感謝しているぜ」


「どういたしまして」


ダン


拳と拳をぶつける俺達。


「俺とレン達が初めて会ったのは第1層攻略会議の時か」


「ああ。今思えばあの攻略があったからこそ他のプレイヤー達が他の階層を解放するために攻略するようになったんだよな」


「ええ。まあ、一部第1層の時の事を根に持ってうるさくしているのがいるけどね」


「…キバオウ君のことか。彼にはひどい事をしたと思っているよ」


落ち込むディアベルに


「そんなことはないってディアベルさん!」


ヴォルが言う。


「確かに始め、ディアベルさんがβテスターだった事を聞いた時は驚いたけど、俺はそれでもディアベルさんを尊敬しているぜ!」


「ヴォル…」


ヴォルは第1層の時にもいたからな。そう思う人がいる事がディアベルにとって救いの1つなんだろう。
キバオウの場合はそれが悪い方向に進んでいると思うけどな。


「次は私かしら?」


リズが手を上げる。


「そうだな。始まりは第3層アルハードで店を開いていたリズにアスナが声をかけてからの付き合いだな」


「懐かしいなぁ〜。確かあの日は雪が降っていたっけ」


「そうね。私が見た事のない鉱石をもってきたのは今でも覚えているわ」


呆れたリズは思い出しているのかやれやれと首を振る。


「それから私達は今の付き合いを始めた……本当に懐かしいわね」


「この2人が持ってくる鉱石には驚きよ。こいつら、他の誰も持っていない武器を持っているからねぇ」


じとーと俺達を見るリズ。


「そのおかげでリズは儲かったよな」


「そうね。私達は常連だもの…ねぇ」


「うぐっ」


本当の事で何も言えないリズ。


「私達が3人が同時に揃って一緒に攻略したのは確か…」


「第10層の時だな」


「ああ。俺とガロン、イリナはあれから3人パーティーを組み、一緒にギルドを作ったんだよな」


そっか。そう言えばこの3人。あれからパーティーを組んでギルドを作ったんだっけか。


「そして私の気苦労の始まりでもあるわ」


「あ、あははは…すいません」


「……すまん」


「全く」


この2人と組んでから苦労しているんだなイリナ。……何と言うかどんまい?


「レン、今…私の事見てどんまいとか思ったでしょ」


「……何でそう思う?」


「勘よ」


……女の勘って怖いな。


「そして、次は俺達か?」


「そうだな。デスゲーム開始4カ月経過した頃にケイタ達とは出会った」


「私達がレンとアスナに鍛えてくれって頼んだ時ね…今の私達がいるのは2人のおかげだもの」


ニコリと笑うサチ。それにつられ、他のメンバーも頷き、笑う。


「その後、ケイタ達を鍛え始めた頃に25層攻略が始まったんだよな」


「ええ。あの時はキバオウが馬鹿な事をして多くのプレイヤーを失う事となった事件があったわね」


「まあ、その事件があったからこそ軍は今、攻略に参加もしないで軍部を強化する事に専念しているからな」


自業自得とはこの事だ。


「そして、氷炎の龍<Frost and Flame Dragon>を倒すクエを終わらせた後に…」


「俺とアスナは結婚し、夫婦になった」


「それも綺麗な氷がある場所で」


「あれは忘れろと言われて忘れられない場所だ…」


あの時の事をアスナの両親に話したらどうなるかね?
アスナは知らないらしいがアスナの両親は一時期、俺とアスナを結婚させるという話があったらしいしな。
まあ、それについてアスナが知ることはないかもしれないけど。


「そして、その後…」


「俺達『五虎(フィフティ・タイガー)』と」


「私達『シュヴァリエ』」


「俺を入れた2つのギルドを助け、ギルドを作った……」


「その作ったギルドはすぐに有名になったよな」


「そうだな!俺はぁレンとアスナちゃんがギルドを作った事にびっくりだったけど」


昨日のように思えてくるな。


「そして、最後は俺達……」


「ギルド『クルセイダーズ』が攻略組へと入った」


「あれには本当に驚いたぜ。まさかディアベルと再会するとは思っていなかったしな」


けど、ディアベルが生きてて良かったと思っているさ。


「そうそう!忘れちゃいけないのはコバルよね!」


「おうよ!俺のもう1人の相棒さ、なあコバル?」


俺の足元でまるくなっていたコバルを呼ぶと


[オォォォン!]


俺の膝の上に飛び乗ってきた。


「今では大きさも少し変わったもんな」


「不思議よね〜」






と、話をしていると時間が来た。


「カウント10秒前!9!」


『8!』


『7!』


『6!』


『5!』


『4!』


『3!』


『2!』


「「1!」」


『0!』



パンパンパパン!


『Happy New Year! 』


新たな年を迎える俺達であった。






――――――――――――


今回はこんな感じになりました。
SAOも後1話ぐらいでアニメが終わりますね。
2クールだったらALO編も楽しみですね。何たってキリトの妹も出てくるんですから!

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