小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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アンケートの結果

ユイはカイト&アスナの娘として出します。

ご協力ありがとうございました。



では、本編をお楽しみください。


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SIDEカイト


俺たちは今、迷宮区に通じている森を歩いている。


いよいよ、ボス攻略。やれることはやったし、間違いなく俺はココにいるプレイヤーたちの誰よりもレベルが高い。

第一層のダンジョンで普通にやっていても、レベル25まではたぶん届かないと思う。



「カイト?聞いてるのか?」

「ん?あぁ、わりぃ。聞いてなかった。」

「ちゃんと聞いとけよ。俺たちの役割についてだぞ?」

「悪かったって。でもどうせあれだろ。あぶれたんだから取り巻き退治じゃねぇの?」

「なんだ。ちゃんとわかってんじゃん。」

キリトが関心している。

「で、具体的には?」

「あぁ。俺が取り巻きの持っている武器を剣技で跳ね上げるからすぐにスイッチして攻撃。これを繰り返す。」

スイッチとは、まぁ要するに交代しながら敵をたたく技術・・・・?のようなものだ。

するとココでアスナが爆弾を投下した。

「・・・・・・・・・スイッチって何?」

はい!ちゅどーん!!

キリトが唖然として固まってしまった。

「も、もしかしてパーティー組むのこれが始めてか・・・・・?」

キリトが掠れた声で聞くとアスナが無言で頷いた。


・・・・・・・・・・・・・これは前途多難な気がするぜ・・・・・・・

















――ボスの部屋前――


キンッ!

と甲高いが迷宮区に響く。

ディアベルが剣を地面につきたてた音だ。


「さて、ココがボスの部屋だ!最後に一つだけ言っておく・・・・・」

一呼吸置いて

「勝とうぜ!!」


オオォォォォ!!!


パーティーメンバーの士気がすこし上がった。


「こういうのをカリスマって言うのかね?」

俺がキリトに問う。

「さあな。けど、こういう奴には今まで会った事が無いな。」

キリトもなのか?俺も会った事が無い。

俺のほうは実際に会う人の絶対数が少ないだろうから当然といえば当然なのだが。

そうこうしている間に時間が来たようだ。

「じゃあ行くぞ!!」

ギイィィィィ・・・・・・

扉が音を立てながらゆっくりと開く。


俺たちがゆっくりと中に入ると、部屋の奥のほうに赤い光が二つあることに気が付いた。



―――グオォォォォォ!!


そんな叫び声と共に部屋が一気に明るくなった。



ドシーン!

「グオォォォォォ!!」

ボスが奥から飛び出してきて、叫んだと同時にHPバーが四本現れた。

「全員!突撃ぃぃぃぃぃぃ!!」



ウオォォォォォォォォ!!!!



そして第一層ボス攻略が開始した。




SIDE OUT



SIDEキリト



「キシェアァァァァァァ」

「セアァァァァァ!」


ガキイィィン!

俺の剣技(ソードスキル)がボスの取り巻き――ルイン・コボルト・センチネルの武器を跳ね上げる

「スイッチ!!」

俺の声に反応してアスナが飛び出す。

「三匹目!!」

アスナは初心者かと思っていたが物凄い手だれだった。

早すぎて剣先が見えない!!

「お〜い!こっちは終わったぞ〜」

「え!?」

カイトの声がした。

振り向くとやはり周りに三匹はいたはずのセンチネルが居なくなっていた。

ボスの取り巻きだけあって決して弱くは無いはずだが・・・・・・・

ん?カイトに何かが足りない・・・・・・あ。

「カイト、リオはどこ行ったんだ?」

「あぁ、アイツ戦闘になると逃げるんだよ。」

・・・・・・・・・役にたたねぇじゃん。

「まぁ・・・・あれだ。可愛いは正義だ。うん。」

「達観してんじゃねぇよ・・・・・・」

「D,E,F隊!センチネルを近づけるな!」

俺たちがいろいろと喋ってる間にセンチネルがリポップしたらしい。

「行くぞ、カイト!」

「了解!!」


















あれからどれくらい経っただろうか。

もうかれこれ40分は戦っている。


「グオォォォォォ!!」

突然の叫び声。

振り返ってみるとボスの体力の最後の一段が赤くなっていた。


情報じゃこの後武器を曲刀カテゴリの“タルワール”に持ち替えるはず・・・・・・


「グオォォォォ!!」


もっていた盾と斧を捨てて腰についているタルワールに持ち替え――――っ!?


ボスが持っていたのはタルワールではなく・・・・・

「(ノダチ!?βテストと違う!!)」


「下がれ!俺が出る!!」

――っ!?ディアベル!?

「だめだ!全力で後ろに跳べ!」

だが俺の叫びは届かない。

「グオォォォォ!!」


ボスが柱を飛び回り、剣技(ソードスキル)でディアベルを斬る。

「ぐあぁぁぁあぁぁ!」

「ディアベル!!」

俺は急いでディアベルに近づく。

HPバーがどんどん減って行ってる。

「なんで一人で・・・・・」

俺がポーションを飲ませようとしたがディアベルがその手を止める。

「お前も・・・・・ベータ上がりなら分かるだろ・・・・・?」

―――っ。もしかして・・・・

「・・・・・・ラストアタックボーナスのレアアイテム狙い。お前もベータ上がりだったのか。」

「ふっ・・・・。頼む。ボスを倒してくれ・・・・・」

ディアベルの体が光り始める。

「・・・・・・・・みんなの為に・・・・・」

パリーン・・・・・・

ディアベルの体がポリゴンとなり儚く散っていった・・・・・・



・・・・・・・・ディアベル・・・・・あんたはベータテスターなのにみんなを見捨てなかった。

みんなを率いて立派に戦った・・・・・!

俺に出来なかったことを、あんたはやろうとしたんだ!


「グオォォォォォォ!!」

『うわぁぁぁぁぁ!!』

俺はボスのほうを見る。

「私も。」

アスナが来てくれた。

「ありがとう。」

「おいおい。俺を忘れるなよ。泣いちゃうぜ?」

カイトまで。

「そんな軽口を叩く余裕があるならまだ大丈夫だ。」

「そこは素直にお礼を言うところだろ?」

それもそうだな・・・・・

「・・・・・・・・行くぞ、二人とも」

『おう!/うん!』

「手順はセンチネルと同じだ!」

『了解!!』


「グルルル・・・・・」

ボスの剣が光を帯び始める


「グルアァァァァ!!」

ボスが飛び出してきた。

俺はそれに合わせて剣技(ソードスキル)を発動させた。


「うおおぉぉぉぉぉ!!」



ガキイィィィン!


ボスの武器が跳ね上がった。

「スイッチ!」

「はぁぁぁ!」

アスナが飛び出した。

――っ!ボスの硬直が解けた!!


「アスナっ!」

「――っ!」

「グルオォォォ!!」

俺の呼びかけに反応してアスナがボスの攻撃を避けた。

だが、完全には避けきれずに身につけていたフードつきのローブが消えた。


「せあぁぁぁぁ!!」

アスナの攻撃が当たりボスが吹っ飛ぶ。


「―――っ」

俺は息を呑んだ。


アスナって名前から女だとは思っていたが、まさかこんなに美人だったとは・・・・・・

「なにボーっとしてんだよ!行くぞ!!」

カイトが叫ぶ。

「うおぉぉぉぉ!」

また俺が武器を跳ね上げる。

「スイッチ!」

「おらぁぁぁぁ!」

今度はカイトの攻撃。

「グオォォォォ!?」

ボスがひるんだ!

「アスナ!カイト!最後の攻撃、一緒に頼む!」

『おう!/はい!』


俺たちの連続攻撃がボスに当たり、最後の俺の攻撃でボスがポリゴンとなって消滅した。




「や、やったぁぁぁぁぁぁ!!」

『ワァァァァァァァァァァァ!!!』


みんなが喜びあっている。


「はぁ・・・・はぁ・・・・・」

「お疲れさん、キリト。」

後ろからカイトの声がした。

「お疲れ様。」

「見事な剣技だった。Congratulation.この勝利はあんたのもんだ。」

振り返ってみるとアスナとエギルも一緒に居た。

「いや・・・・・」

そんなことは無い。と言おうとするが・・・・

みんなの笑顔を見ているというのが馬鹿らしくなってきた。

歓声の中で突然・・・・

「何でやっ!?」

キバオウが叫んだ。

「何で・・・・・何でディアベルはんを見殺しにしたんや!」

「見殺し・・・・・?」

カイトが呟く。

「そうやろが!お前はボスの使う技しっとったやんけ!最初からあの情報を教えとったらディアベルはんは死なずにすんだんや!」

雰囲気が険悪になっていく。

「ちょっと待てよ!」

「カイト?」

カイトが突然叫んだ。

「キバオウさん、あんたはボスが持ち替えた武器が本当に曲刀にカテゴライズされてると思ったのか?」

「な、なんやと?」

「曲刀って言うぐらいだから刀身が曲がってるんだろ。でもあの武器は曲がってなかった。」

「だ、だから何や!」

「それに気が付いてキリトは叫んだんだ。だからキリトのせいじゃない。」

「ぐっ・・・・」

カイト・・・・・・お前、俺を庇って・・・・・・

「まだ文句が有る奴はいるか?口論なら俺がしてやるぞ?」

『・・・・・・・・・・・・・・・・』

「無いならもう行かせてもらう。」

その言葉の後にすぐ・・・・・

「キュウゥゥゥゥ!」

「おっと!」

リオが戻ってきて頭に飛び乗った。

「キリト!さっさと行こうぜ!」

「あ、あぁ・・・・」


俺はカイトに連れられて門の近くまで行った。


「まって!」

アスナが呼び止めた。

「アナタ戦闘中に私の名前呼んだでしょ。」

その質問にはカイトが答えた。

「どこで知ったか?――か?それならお前のHPバーの下に追加でHPバーがあるだろ。
その横に何か書いてないか?」

「キリトにカイト・・・・これがあなたたちの名前?」

「あぁそうだよ。俺はキリトだ。」

「俺がカイト。よろしくな。」

俺が答える。

「・・・・・・・・ふふっ、なーんだこんなところにずっと書いてあったのね。」

可愛らしく笑うアスナ。

「・・・・・・・・君は強くなれる。だから誰か信頼できる人にギルドに誘われたら断らないほうがいい。」

「ソロプレイには絶対的な限界があるからな。」

俺の言葉の後にカイトが続く

「じゃあ、あなたたちは?」

俺たちはその質問には答えない。

俺は無言でメニューを操作してパーティーを解散した。


そして、第二階層へと足を踏み入れた。




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あとがき


どうも、クロコトです。

最後のほうがすこし無理矢理な感じがしますが、これで第一層攻略完了です。

ビーターと言う言葉は出回りますが差別的な意識はそれほどひどくはありません。

キリトは時々カイトと一緒にパーティーを組むことがあります。

次回からはまた使い魔の森に戻ります。

いろいろと頑張って使い魔を増やします。

その後はキリトのヒロインが登場です。

・・・・・・・・さて、どうやって生き残らせようか・・・・・

それより、カイトをギルドに入れるか入れないか・・・・・・迷っています。

入れるなら血盟騎士団にしようと思ってます。

そのほうがアスナとの絡みも多くなりますし・・・・・・

まぁ、そのときになったら決めればいいですよね。


では、「こんな使い魔出してくれ!」というのがありましたら教えてください。

出来る範囲でやろうと思います。



では、今回はこの辺で。

感想待ってま〜す!

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