小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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この度この小説が殿堂入りを果たしました!


皆さんのおかげです!ありがとうございます!!


僕の小説を面白いと読んでくれる方が沢山いる事が何よりの驚きです。

これからも末永くよろしくお願いします!!


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SIDEカイト


俺はまた『使い魔の森』に戻ってきた。

「さて、今度はドコにしようかね〜?」

俺はたくさんある扉のどこに入るべきか悩んでいた。

「キュウゥゥゥ!」

リオが今引っかいている扉は【砂漠地帯(推奨レベル40)】

「だからそこは駄目だって言ってるだろ?死んじまうって」

「キュウゥゥゥ・・・・」

しょんぼりするリオ。

「だから次はココにしよう」

俺が指をさしたのは【火山地帯(推奨レベル30)】

今のレベルよりすこし高いがはじめて入った時だってこれぐらいの無茶をしてたんだ。今更だろう。

「キュウ〜・・・・・」

なんか露骨に嫌がってんですけど!?

「そんないやそうな顔するなよ。さぁ行くぞ!」

俺は嫌がるリオを無理矢理抱きかかえてドアノブをひねった。


が、しかし。

「あれ?開かねぇ」

押しても引いても横や上、下にもスライドさせられない。

「キュ!キュウゥゥゥゥ!」

「のわっ!ちょっとリオ!?」

リオが暴れて俺の腕から逃げ出し、またリオは砂漠地帯の扉の前で止まってしまった。

「・・・・・・・・他の扉はどうなんだ?」

疑問に思った俺は他の扉も開けてみた。

だがやはり他の扉もすべて開かない。

唯一つを除いては・・・・・

「後はこの扉だけ・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・入らなきゃ駄目か?」

「キュウ!」

おぉ・・・・リオの周りに華が見えるぞ・・・・・

「わかったよ。じゃあ入ろうか。」

俺はリオを頭に乗せて扉を開けた。


「・・・・・・・・やっぱり?」


ゴオォォォォォォ!


俺は吸い込まれていった。



















「のわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「キュウゥゥゥゥゥゥゥ!」


ドシーン!

また、街の上に落ちてしまった。

「いててて・・・・・・毎回こうなのかな・・・・・・?」

「キュウゥゥ・・・・・」


毎回こんな事があるならローズと一緒に来るぞ・・・・・・アイツ飛べるし。


「キュウ!キュキュウ!!」

リオが俺の袖を引っ張っている。

「はいはい。行こうってか?分かったよ。」

俺はリオに連れられて砂漠へと向かった。
















「のりゃ!」

パリーン!

俺は今≪デザートウルフ≫と言うモンスターと戦っているのだが・・・・・・

「ワオォォォォォン!!」

「ちぃ!!キリがねぇぞ!!」

あいつらが遠吠えする度に仲間が10体ぐらいやってくる。

回復するヒマも無いし、やたらと強いので2体倒しただけなのにもうHPバーも赤に突入してる。

「こうなったら・・・・・・・」

俺は指を口にくわえて思いっきり吹いた。



ピイィィィィィィ・・・・・・・


2秒後。

「ギャオォォォォ!!」

「ローズ!!」

スキルを使ってローズを呼んだ。

「とうっ!」

俺は思いっきりジャンプしてローズの頭に飛び乗った。


「ローズ!【ブレス】だ!!」

「グルアァァァァァァァ!!!!」


ボオオォォォォォォ!!!


ローズの口から大きな炎の球が吐き出された。

そして、


ドガアァァァァァァァァァン!!



「おぉー!すっげー!!!」


ブレスが落ちたところを中心に直径一キロぐらいが吹き飛び、クレーターになっていた。


「ローズ、このまま低空飛行でPOPしたモンスターを倒しながらあっちに向かってくれ。」

俺が指差した方向には巨大なピラミッドがある。

ココから目測で100kmは離れているのにはっきりと見えているので、相当大きいと思う。

「ガウッ!」

俺たちはそのピラミッドに向かった。


























――ピラミッド前――


「おぉ・・・・・・・でけぇ・・・・・・」

ピラミッドは近くで見ると頂上が見えないくらい大きかった。

「ん?入り口がある?入れってことか・・・・・?」

入り口は大きくなっているローズが翼を広げても大丈夫なくらい広かった。

ちなみに俺の今のレベルは41。

推奨レベルはクリアしているが・・・・・・

「ピラミッドだしなぁ・・・・・出てくる敵ってやっぱりゾンビやミイラなのかな・・・・・・・?」


俺はゾンビやミイラなどがとんでもなく苦手なのだ。

絶叫マシーンやお化け屋敷とかは大丈夫なのだが、ゾンビ系のホラー映画は絶対にムリだ。

バ○オ○ザードなんて見たら失神してしまう。

「いざとなったらローズに焼いてもらおう。うん。それが良い。」

「ガウッ?」

「さぁ!行こう!ココまで来て帰るなんて選択肢はありえないだろ!」

俺は無理矢理テンションを上げて入っていった。























「オォォォォォォ!」

「ギャアァァァァァァァ!キモイィィィィィィィィ!!」

やっぱり!ゾンビだったぁぁぁぁぁぁ!!


ムリ!ムリィィィィィィ!


「ローズ!【ブレス】で焼き払え!早く!!」

「グルアァァァァァ!!」

ボオォォォォ!

ドガアァァァァァン!

ゾンビたちは跡形も無く吹き飛んだ。

「よし!さっさと行くぞ!!」

この隙に俺はローズの背に乗って急いで奥へと向かった。
























――ピラミッド最深部【裁きの祭壇】――


「何だココ・・・・・?」

ものすごく広いぞ・・・・・?

ローズがすっぽり入っても余裕がある。

ココから別の部屋に通じる扉は無いようだ。

つまり・・・・・・

「ココがダンジョンの一番奥か・・・・・・」

つまりボス部屋。

俺が暫く固まっていると・・・・・


ゴゴゴゴゴ・・・・・・・


「な、なんだぁ!?」


突然ピラミッドが揺れだした。


「ん?あ、あれ・・・・・動いてないか・・・・・・?」


俺の目の前にあったウル○ラ○ンが入ってんじゃねえか?と思うくらいの大きい棺桶の蓋がだんだんとずれていっている。


ギラリ・・・・・


「ひっ!」

棺桶の中から赤い光が俺をがっつり捕らえている。


『誰だ・・・・・・私の眠りを妨げるものは・・・・・・・』

「ヒィ!?な、ななななななな何でしょうかぁ!?」

俺は非常にテンパッて思わず返事をしてしまった。

『お前か・・・・・・小さき者よ・・・・・』


ギギギギギ・・・・・


「ひぃぃぃぃ!コワイィィィィ!!!」


だんだんとずれていき5mほどに隙間が広がった!


『我の睡眠の妨害!その罪、万死に値する!!』

HPバーが四本出現して、バトルが始まった。

死ぬの!?俺ココで死んじゃうの!?

ココで俺の恐怖が一周まわり、逆に冷静になった。

「よし!ローズ!【ブレス】!」

「グルアァァァァァァ!!」


ボオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

ドガアァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

今までで一番大きい炎の玉が炸裂した。

『グヌオォォォォォ!』

棺桶魔人(仮)がもだえる!

HPバーが一気に2本減った。

「よし!効いてるぞ!!もう一回だ!!」

「ガルアァァァァァ!!」

ローズがもう一回【ブレス】を出そうとしたそのとき

『させぬわぁぁぁぁぁぁ!!』


ボシュウゥゥ!

棺桶魔人(仮)が棺桶のスキマから手を出して何か黒い球を打ち出した。

「ガア!?」

その黒い球がローズに当たり、口に溜めていた炎が消えてしまった。

「な!?ローズ!どうした!?」

『これでもうその技は使えぬ!万策尽きたな!!』

どうやらさっきの技は、相手のスキルを封じる技だったようだ。

「ちぃ!ローズ!物理攻撃で俺の援護をしろ!」

俺はローズの頭から降りてエネルを構え突撃した。

『甘いわ!消し飛んでしまえ!』

棺桶の隙間から無数の手が伸びてくる

「ローズ!援護だ!!」

「ギャオォォォォ!!」

ローズの爪が相手の手を引き裂く!

『ヌ・・・・グオォォ・・・・・』

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

俺は棺桶魔人(仮)の棺桶の隙間に≪朧流槍術・極纏直刺(きょくてんちょくし)≫を放った。


この技は槍の先にだけ力を集中させ貫く朧流槍術の奥義だ。

初代はこれで大理石にも穴を開けたという。

流石に俺はそこまでではないが、コンクリートになら穴が開く。


なぜこの場面でこの技かというと、砂漠で≪デザートウルフ≫と戦っているときに

剣技(ソードスキル)とどっちが威力が高いか比べてみたところわずかにこっちのほうが威力が高かった。

それに、放った後の硬直が無いのですぐに次の技につなげることができる。


『グヌオォォォォ!?』

棺桶魔人(仮)が怯み、大きな隙が生まれる。

HPバーも最後の一段が赤くなっている

「ラストォォォォォォ!!」

俺は5連撃剣技(ソードスキル)≪バースト・ストライク≫を放った。



ドガガガガガ!!!



『グワァァァァァァァ!!』


相手のHPバーが一気に0になった。

『ば、馬鹿な・・・・・我が・・・・負けるなど・・・・・・』

ガラガラ・・・・・・

棺桶が崩れていく。

『・・・・・・・・強き者よ・・・・・・我を倒した褒美をやらねばな・・・・・・どれ。こっちに来るのだ・・・・・』

俺は言われるがままに近づいていった。

『・・・・・我を倒した強き者よ・・・・・そなたにはわが城にある宝と・・・・・・』

ふと、奥から何かが近づいてくるのが分かった。

『こいつを授けよう・・・・・』

奥から出てきたのは、頭が犬、体が人間の生き物。

右手には天秤を持っていてフワフワと胡坐(あぐら)をかいて浮いている。

俺はこいつを知っている。

引きこもっている時にやっていたことは大体読書だった。

読んだ本の中にはエジプト神話もあった。

こいつの名前は―――

「―――アヌビス」

『何なりとお申し付けを主よ・・・・・』

アヌビスがそういう。

『我はもう時間のようだ・・・・・最後に一つ。そなた、名をなんと申す?』

「俺はカイトだ。」

『カイト・・・・・カイトか・・・・良い名だな。』

「・・・・・・・ありがとな。」

『ではカイトよ・・・・・さらばだ・・・・・』


パリーン・・・・・


棺桶魔人(仮)がポリゴンとなって散っていった。

「・・・・・・・・ありがとな・・・・・」

俺は撃破報酬を受け取り、テイムしたアヌビスに≪ファラオ≫と名づけた。

『主よ。ココはもう崩れ始める。早くココから逃げましょう。』

「・・・・・・・・・・あぁ、分かった。」

俺は崩れていくピラミッドから急いで脱出を始めた。


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あとがき

どうも、クロコトです。

今回テイムしたビーストはアヌビスです。

イメージはペルソナ3のやつかな?


次回もその次もおそらく『使い魔の森』からお送りします。

感想にもらった使い魔の案ですが



yukiseed様の案から

イビルジョー,アマツマガツチを


ふかやん様の案から

ケルベロス,ヒュドラを採用させていただきます。


いつでも使い魔を募集しているので

「こんなの出してくれ!」という要望がありましたらお知らせください。

出来る限りやらせていただきます。

あと、できればでいいのでどんな環境に出して欲しいかも教えていただくとありがたいです。



上で紹介した四匹はもう考えてあるので大丈夫です。


では、この辺で。

さよなら〜


―追記―

今回使った朧流の技は『史上最強の弟子ケンイチ』から引っ張ってきました。

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