小説『ソードアート・オンライン〜『猛獣使い』の少年〜』
作者:クロコト()

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SIDEカイト


「ん〜!うまいな、このケーキ」

「ですよね!気に入ってもらえてよかったです!」

俺たちは風見鶏亭でご飯を食べていた。

それにしてもどうやら俺は目立ちすぎたようだ。

周りからの視線が痛い。

それは俺が相変わらずフードを深くかぶってるせいでもあるんだがな

「シリカ。これ、飲んでみるか?」

「?何ですかそれ??」

俺が出したのは一本のボトル。

「これは『レインボーワイン』って言って、カップ一杯分飲むと全ステータス値が二つ上がるんだ」

「そ、そんなレアなアイテムを頂くなんて!!」

「俺は別に使わないし、寝かせておいても味がよくなるわけじゃないからな貰ってくれると助かる」

ちなみに、アスナにもしっかりと許可を取った。

その代わりにまた今度ヤることになったんだが・・・・

何をやるのかは察してくれ///

「そ、そうなんですか・・・?じゃ、じゃあ一杯だけ・・・・」

「うんうん、遠慮なんかしちゃだめだぞ?」

俺がボトルを触ると机の上に一杯のカップが出てきた。

その中には虹色の液体が。

「あんまり美味そうな色はしてないけど結構美味いから」

「そ、そうなんですか?・・・・あ、ほんとだ。美味しい・・・・」

気に入ってくれたみたいだな。よかったよかった。

「明日出発するから武器の重さになれといてくれ。あと、47層の説明、要る?」

「は、はい。欲しいです」

「ん。じゃあ後で部屋に行くから。着替えて待ってて」

「はい。分かりました」

その後数分間俺たちは談笑と食事を続け、お互いの部屋に向かった。



SIDE OUT



SIDEシリカ


「・・・・・・ふぅ・・・何とかできたかな?」

私は自分の部屋でカイトさんに貰った短剣でソードスキルの練習をしていた。

そして、難なく六連撃ぐらいを出せるようになったところで、扉をノックする音が。

「は〜い。カイトさんですかぁ〜?」

「あぁ、カイトだ。開けてくれるか?」

カイトさん!?私今下着だけ!!

「ちょ、ちょっと待っててください!!」

私は急いで服を着て、出来る限り部屋を掃除して扉を開けた。

「ど、どうぞ・・・」

扉の向こうには相変わらず黒いローブを着たカイトさんが。

「ドタバタしてたけど掃除でもしてたのか?」

ぎゃあ。どうやらしっかり聞こえていたらしい。

「ち、散らかっていたものですから・・・あ、あはははは・・・・」

「ふ〜ん。来るのが速かったかな?」

「い、いえ別に!!私がいけないんですから!!」

私はその後、ミラージュスフィアと言うアイテムで47層の説明を受けていた。

説明を始めて数分。

もうすぐ終わるって時になって急にローズが唸りだした。

「んあ?扉の向こうに・・・・ローズ。行って来い!」

「ガウァ!!!」

カイトさんの命令に従ってローズが扉に向かってブレスを吐いた。

でも宿屋って破壊不可能だからどうせ・・・・


ドゴォォォォォン!!!



「え・・・・えぇええええええええええええ!?!?!?」

「はあぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?!?」

ローズのブレスでドアが消し飛んじゃった!?

な、何で!?

「ローズ!?何やっちゃってんの!?今この部屋は最大のセキュリティを失ったぞ!?個人情報の漏洩だぞ!?」

「ガウ?ガウガウ?ガウガウガ??」

「『え?個人情報?食えんのそれ??』みたいに言うなぁぁぁぁぁ!!!!」

「ど、どうしよう・・・・」

「シリカ、このままドアが直らないようなら俺の部屋を使え」

か、カイトさんの!?

「で、でもカイトさんは?」

「俺はあれだ。こっちの部屋で寝るよ」

「だ、ダメです!カイトさんは自分の部屋で寝てください!!」

「たぶんだけど・・・・これ、出入り自由だぞ?」

「えっ!?そ、それじゃあ・・・・」

私、襲われちゃう!?

「だから俺がこっちで寝るって言ってるだろ?」

このとき、あることが閃いた。

効果音は『ピコーン♪』かな。

「じゃ、じゃあカイトさんも自分の部屋で!一緒に寝ましょうよ!」

「え゛!?そ、それは・・・」

「ドア・・・・無くなっちゃったなぁ・・・・」

「是非一緒に寝させていただきます!!」

ふふふ・・・・・かかりましたね?

これで私がカイトさんより早く起きれば!!と言うか、カイトさんより遅く寝付けば!!

このフードの中が分かる!!

このモヤモヤした感じに終止符を打つことが出来るのです!!

「じゃあ、俺の部屋に行くか」

「あ、はい。分かりました」






次の日の朝



「ん?あ、おはよう。よく眠れたか?」

カイトさんが椅子に座って新聞を読んでいた。

結局昨日はカイトさんより早く寝付いちゃったし・・・

幼い身体がこーゆー時だけ恨めしい!

「・・・・・・・・・・カイトさん・・・フードの中を見せてください!!」

もう、変化球で攻めるのはやめ!!

何事も直球勝負です!!

「いやだ。見せたくない」

「そこを何とか!!モヤモヤするんですよぉ!!」

「じゃあずっとモヤモヤしとけ」

冷たい!カイトさんの反応が冷たいです!!

「・・・・・・ドア・・・」

「呟いてもダメだ。フードの中は見せられない」

ぶぅ〜・・・・・あ、こうも頑なに見せたくないって言うって事は、もしかして?

「『閃光』のアスナさんとはうまくいってますか?」

私はちょっと探りを入れてみた。

「あぁ、楽しくやってるよ・・・あ゛」

やっぱり!!

「やっぱり『百獣王』のカイトさんなんですか!?」

「・・・・・・・違う。人違いだ」

さっきまでの冷静な声音とは一転、ものすごい焦りの色を含み始めた。

「ローズって名前にも聞き覚えがあると思ったんですよ!」

キャー!憧れの『百獣王』に会えるなんてー!!

そして一緒に寝ちゃった!同じベッドで一緒に!!

「私って二人目の女ですか!?キャー!!」

「ちょっとまてぃ!!人聞きの悪いことを言うな!!」

カイトさんが新聞を投げ捨てて抗議の声を上げた。

「だってそうですよね?一緒のベッドで・・・キャー!!」

「違う!それはその・・・あれだ!え〜っと・・・なんだ!?」

頭がいいと噂のカイトさんもこの状況には流石に焦るようだ。

「もうごまかしは聞きませんよ?さぁ!そのフードを取って顔を見せてください!!」

「・・・・・・・・・・・・・はぁ、分かったよ。ほら、これでいいか?」

カイトさんはローブをはずし、アイテムストレージにしまった。

あわわわわ!!な、なななななな何で!?

「何で上半身裸なんですかぁ!?」

「こーゆー装備なんだよ。不思議と寒くないし、特殊効果も有るしな。はずしたくない」

カイトさんは頭を抱えながら言った。

どうやら私みたいな反応は初めてじゃないようです。

「しゃ、写真!写真とっていいですか!?」

「ダメ」

ぎゃあ。一言で蹴り飛ばされちゃいました。

「そ、そこを何とか!」

「・・・・・・売らないって約束するならいいぞ?」

「売るわけないじゃないですか!!」

これは私だけの宝物にするんだから!!

「・・・・・・一枚だけな?」

「っ!!はいっ!!」

私はその言葉に心から笑うことが出来た。

この日、カイトさんの写真を撮りまくった私が、ニヤニヤが止まらなくなったのは言うまでも無い。





SIDE OUT




SIDEカイト


うがぁ……ばれた……。

どうしよう?俺の目的は、シリカに話さないほうが絶対にいい。

怯えさせるのは流石に可愛そうだ。

「あ、私、四十七層の街の名前知らないや……」

「じゃあ、俺がやるよ。転移、フローリア」

青白いライトエフェクトが、俺達を包んだ。

その次の瞬間には、俺達の視界は花で一杯になっていた。

「うわあぁぁぁ……!すごい綺麗……」

「ココはフロア全体が花畑でな。よくデートにくるんだぜ?」

見渡す限りカップルばっかだ。

うわっ。あんな所でキスしてるよ。見られてないと思ってんのかね?

「い、いいいいいい行きましょう、カイトさん!!」

シリカが顔を真っ赤にしながら言う。

「ははは。初心だな。分かったよ。行こうか」

俺はシリカの手を軽く握り、引っ張っていった。

「…………」

そのときのシリカの顔は、茹蛸のようだったとだけ言っておこう。



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あとがき


どうも、お久しぶり。クロコトです!

パソコンが復旧し、名城大学に落ちたストレスを文章にしてぶつけてみました。

ヤケクソで書いたので、何時もに比べると非常に短いです。

では、感想をよろしくお願いします。


あ、それと。

友人が小説家になろうの方で『白のキャンバス』と言う小説を書いています。

ぜひ、読んで、評価してあげてください。



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