小説『愛されたくて愛されたくない』
作者:水士()

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こうやって沙耶と桜井さんと遊ぶのは何回目だろう。
始めは新鮮だったカラオケも飽きるほど通っていた。
「どうしたの?知花ちゃん考え事して」
沙耶が聞いてきた。
「ううん、なんでもないよ」
「そっかなら良いんだ。早くプリクラ撮ろう?」
沙耶が小首を傾げながら言った。
桜井さんも後ろに心配そうに見ていた。
「うん行こっ!」
私達はプリクラを撮ってボウリングをした。
さすがに毎日出歩いていると色々な遊び場所をしるようになった。
「あーさすがに疲れたねぇ」
沙耶が言った。
「じゃあなんか飲み物買って来るね。沙耶は何が良い?知花も」
桜井さんが言った。
「私は甘いジュース!」
「知花は?」
「お茶で・・・・」
「分かった。二人とも待ってて」
沙耶と二人きりになった。
「ねぇ知花ちゃん。どうしよう?けんたの事で相談したいんやけど、私けんたの事が本当に好きになってきてるんやけどどうしよう?」
沙耶が言った。
止めて・・・・
嬉しいはずなのに胸が痛んできて桜井さんと私も寝たよてっ言いたい。
なんで?
こんなに苦しいの?
私は震える声を抑えて聞いた。
「そうなの?なら嬉しい事じゃない。でも本命の彼氏さんと別れる気はないんやんなぁ?」
沙耶から帰ってきた言葉は疑問でいっぱいの発言だった。

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