〜第6話 夏休みの前日〜
ここは龍哉達の学校の教室であり、帰りのHRを行っているのだが
「起立!」
その一言でクラス全員が立ち上がる。そのクラスの一人一人の表情は、『早く終われ』と言いたいと言いたいような、苛立った表情をしている。
そして日直から神の言葉が放たれる!!
「さようなら!」
そして全員の表情が歓喜の表情に包まれる。
「「「「さよーならーー!!」」」」
そして最後に小萌先生の閉め一言。
「はーい。さようならですー。皆さん事故には気をつけて、規則正しい生活を過ごすんですよー?」
そして始まる!!
そう!
『夏休み』が!!!
学園七不思議の幼女先生小萌先生の締めの一言が終わるや否や、俺と当麻、小萌先生、そして俺達のクラスメイト(当たり前だが)の吹寄 制理(ふきよせ せいり)以外は全員フルスロットルでそれぞれの家に帰っていった…。
そして吹寄はそんなクラスメイト達を見て呆れながら
「まったく。あやつらは小学生か、ちょっとは高校生としての威厳をだな…」
そうして制理はなんかぶつぶつ独り言を言いだした。
制理は、黒髪を腰まで伸ばしたロングヘアで、普段は前髪であまりわからないがオデコが広い。あと美人でスタイルも良くて(色気はないが)、しょっちゅうネットで健康グッズに手を出している健康オタクだ。
俺は何となく制理に話し掛けた。
「よぉ制理! お前は帰らないのか?」
そして制理は俺と当麻に気づいたのか独り言をやめてこちらに話し掛ける。
「……なんだ貴様達か、私も今帰るわよ。貴様達こそ我が校の恥をさらさないように夏休みを過ごしなさいよね」
「……へいへい。わっかりましたあ〜」
当麻が面倒そうにそう言うと今度は俺に話し掛けてきた。
「それから龍哉。貴様は特に我が校が誇るLEVEL5なんだから死ぬ気で生活しなさい」
突然死ぬ気で生活しろと言われるとなんか恐ろしいフラグが立ちそうで怖いんだがな……けどまあ、あの対上条属性の鉄壁女とも言われる制理から名前で呼ばれる事は正直嬉しい!
「ああ! 任せろ!」
満面の笑みで龍哉は答えた。そしてそれを聞いた吹寄も 大丈夫そうね と言いながらのんびりと帰っていった……。
そしてそれを見送った二人は、
「……俺達も帰るか」
「そうだな、それにあいつとの『約束』もあるしな」
そうして二人はある人物と約束した場所へと向かった……。
現在は通学ラッシュの時刻、俺達二人はファミレスの前まで来た。
そして俺と当麻はハイテンションでファミレスの中へと入っていった…
店の中に入ると入って近くにある六人用のテーブルがあり、そこには龍哉達が交流する約束をしたLEVEL5の超電磁砲の御坂 美琴と、彼女のルームメイトである白井 黒子、そして黒髪のショートヘアで頭に花柄のヘアピンを大量につけている少女と、これまた黒髪のロングヘアーで髪に白梅の髪飾りをつけた少女が椅子に座っていた。
そう、俺が黒子のケータイに連絡して、事前に打ち合わせをしていたのだ。美琴は店に入った俺達に気づいたのか こっちこっちと言いながら手を振っていた。
龍哉達は美琴達が座っているテーブルの空いている席に適当に座った。そうして龍哉は挨拶の代わりに美琴に話し掛ける。
ちなみに俺は窓とは反対側の端の席に座っていて、隣には黒子、その隣には花だらけの少女が座っている。
そして手前に座っている美琴が少し険しい表情で俺に話しかけてきた。
「……3分遅刻よ」
「いや〜悪い。終業式が思ったより長引いてなぁ」
まったく。あのクソ校長の話しときたら長ったらくてまともに聞けたモンじゃないぜ。 何人か貧血で倒れたし……ホントどこの世界の校長も変わんないんだな・・。
それを聞いた美琴は理由が理由なので許してくれたので、早速自己紹介タイムといきますか。
「なあ美琴。誤解も解けた事だし、お互い自己紹介といきましょうか!」
……まあ全員知っているのだが初対面なので初めて会う感じにしなければいけない。ま、知ってるといっても、神様の言ってた通りだんだんと原作の記憶が喪失してきてるんだけどな。
そして俺の席の隣に座っている黒子から自己紹介を始めた。
「神凪さま方とは前に一度対面しているのでご存知かと思いますが、わたくしの名前は白井 黒子といいます。 第七学区の風紀委員ジャッジメントに所属しており、寮のお姉様のルームメイトですの。グフフ! ちなみにお姉様との関係ですが日々進展しており、しまいにはあぁんな事やこぉんな事まで ゴハ!?」
美琴から左ストレートが黒子の顔面に入った。うわ痛そう
「い、いきなり何します「それじゃあ次行くわよ。」無視ですかそうですか!?」
見事にスルーされた黒子であった……。
そして次は頭が花だらけの少女が自己紹介をする。どうやら緊張しているようだ。
「は、初めまして!! 私の名前は初春ういはる 飾利かざりといいます!
白井さんと同じく第七学区の風紀委員に所属いていますがよ、よろしくお願いします!」
それを見た当麻は手前に座る飾利に話し掛ける。緊張してるのが見え見えだな。
「ハハ。もしかして緊張してんのか?」
「あ、すいません。つい緊張してしまって……」
「まあ、別に気にしなくていいぜ? これからも長い付き合いになるしな、こちらこそよろしくな」
そうして当麻は飾利に手を差し出した。 やっぱり当麻は優しい奴だなぁと俺は何となく思った。
「はい! こちらこそよろしくお願いします!」
そうしてお互いに握手を交わす。どうやら緊張はもう取れているみたいだ。
その光景を見て、黒ロングヘアーの女の子が飾利に話し掛けた。
「よかったね〜初春! 怖そうな人達じゃなくて!」
「はい! 本当によかったですよ佐天さん!」