小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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若獅子タッグトーナメント…の前日





――第3者 SIDE――


―――天神館

「御大将。お呼びでしょうか」

「おれは明日、タッグマッチトーナメントに出るぞ
島。お前はおれのサポートをしてもらうからな」

「な…!御大将はこの間、大会には興味がないと
おっしゃってましたが?」

石田の言ったことに島は驚き、問う。

「出世街道を歩むには、柔軟な意見調整も必要だ」

「どうしてまた急に…」

「源義経も出ると聞いてな…カリは返す!」

「なるほど…しかしそれがし、もう他の方と
ペアを組む約束をしてしまいましてな」

組むことはできない…そう言おうとする島だが、

「そんなものは取り消せばいいだろう」

石田は一刀両断する。

「そういうわけにはいきません」

「いくさ。おれは島しかパートナーを
任せられる人間がいないんだ
だからお前はおれのために他を断れ」

「…頭の痛い事をおっしゃる…」

島は本当に頭を押さえている。

「だがそれでもおれの言う通りに動く。
おれには過ぎた家臣だな、島」

「…申し訳ありません、川神一子殿…」

島は携帯を取り出し、川神院にいる一子へと連絡を入れるのであった。





――――島津寮

「うわーん、どうしよう!大和――っ」

バタバタバタ!

「どうしたんだワン子?」

「なんだ、どうしたんだ一子」

部屋から大和と忠勝が出てきた。

「あっ、大和、タッちゃん!じ、実はね…」

一子から話を聞いた2人は驚いた。

「何だって?」

「パートナーをドタキャンされた?」

2人は互いに顔を見合い、一子を見る。

「うん、相手何度も何度も謝ってて
本当に申し訳なさそうだったわ」

「…確か島だったよなワン子が組もうとしたのは」

大和は一子が組もうと約束していた人物の事を思い出す。

「うん…それはもういいんだけど、誰か出てくれる人見つけないと
ソロじゃ出られないわ…」

一子が悲しそうな表情を見た忠勝は、

「…出てやろうか?」

「え?」

「ゲンさん?」

大和と一子は忠勝を見る。

「それ、俺が出てやろうか?」

「い、いいの、タッちゃん!?」

「たいした戦力でもないがな」

「ま、盾ぐらいにはなってやるさ」

忠勝の言葉を聞いた一子は。

「…っ、うわぁい、ありがとうタッちゃん」

嬉しがっている。

「さすが俺達のゲンさん!」

「俺達のとか言うなボケ!…恥ずかしいチーム名とかは勘弁してくれよ」

「うん、強敵だらけだからこの名前にするわ
チャレンジャーズ!」

それを聞き、大和と忠勝は笑みをこぼす。

「…お前らしいな。いいんじゃないか」

「ああ、ワン子らしいチーム名だな」

「えへへ、よろしくねーっ」

「…ああ」

ここに強敵達に挑む『チャレンジャーズ』が結成されたのである。




―――多馬大橋


そこではガクトと長宗我部が橋のしたで寿司を食ったりしていた。

その後、力比べをしていたが、その声に橋を偶然通っていた小笠原と甘粕は聞いて気味悪がって逃げていった。




―――住宅地では


鉢屋は依頼主である福本育郎と共にトーナメント参加者を闇討ちしていた。
特に狙っているのは海外の選手達である。




―――九鬼財閥ビル

「有力な参加者を闇討ちする輩がポツポツ出てきているな」

「ご命令通り放置していますが…良かったのでしょうか」

「闇討ちされるような奴は赤子同然よ
参加者をふるいにかける手間も減る…よいではないか」

「とはいえ、九鬼ガスポンサーをする大会です
その名に泥が塗られないよう後処理をしておきましょう」

「はっ。相変わらず心配性だなハゲるぞ
(さて全ては明日だ…どのような結果になるか楽しみだ)」



その頃の信也は燕の家に来ていた。


――第3者 SIDE OUT――




「いや〜ごめんね?トーナメント前日に」

「いや、気にしないでくれ。トーナメントはシングルじゃなくてタッグなんだし」

俺は燕に呼ばれて松永家に来ている。話は明日から始まる予選と本選の事だ。

「俺は燕が何が目的で俺と組みたかったのかは聞かないからな」

「!?」

ふっとした時に、俺は燕に言う。いくら俺と燕が許嫁の関係だからと言ってそれだけで、俺と組もうとするとは思っ

ていなかった。俺が強いから組もうとも思っていない。
何かする事があってその事に俺と組んだ方が効率がいいと思ったんだと考えている。

「…気づいてたんだ」

「まぁな。別に俺じゃなくても義経達の誰かと組むとか考えるだろう」

「それもそっか」

「ああ。まぁ燕のする事に文句を言うつもりはないさ。自分の好きなようにしなよ」

「……ありがと、信也」

ギュゥ

むっ?いつの間に俺の隣に移動して……まぁ、いいか。






「〜♪我ながらいい図面ができたぞ
!おっといつもよりも距離が近いじゃないの。
信也君が燕ちゃんの婿さんになってくれたら色々と楽しそうなんだけどね。まぁ一応許嫁同士だけど…。そのためにもあいつに帰ってきてほしいな。燕ちゃんの晴れ舞台になるからね」






「とにかく、目指すは優勝だな」

「もちのろんだよん!頑張ろうね!」




それぞれの想いが交錯し、時は刻まれていく―――。

-49-
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