小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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パートナー探しとチーム結成





さてさて、今日は期末も終わり夏休み直前の登校日なのだ。
普段であれば、生徒達は夏休みの過ごし方などを話し合っているはずなのだが…
原因は昨日の若獅子タッグトーナメントの話である。

我がクラス…2-Fも同じである。

「じゃあ椎名はタッグマッチ系はでない系なんだ?」

「まぁね。あまり興味ないし
信也が組もうっていうなら組むよ?」

京が口元に手を当てて俺に言う。

「俺はでるとしたらファミリーの誰かとは組まないぞ」

「…え……しん、や…」

京がこの世の終わりのような表情で俺を見る。

「勘違いするな。たまにはファミリー以外の人と組むってことだ」

そう言うとホッとする京。

「じゃあ誰と組むの?義経?弁慶?…それとも……燕先輩?」

「それはお楽しみだ」

「ブゥー」

頬を膨らませる京。

「それに今回の大会は…」

「ただ強ければ勝てるってわけでもないぜってことさ!
だから俺も出る!モノに釣られてな!」

「パートナーは?」

「そうだな。1人じゃ出れないしな」

「まだ決まってないんだよなぁ――京、俺と出ないか?」

「信也がもし組みたい人と組めなかった時のためにパス」

「となると…あたいは誰と組もう系かなぁ」

他のクラスでも若獅子タッグトーナメントのパートナー探しが激化しているのである。
ちなみに噂では燕はパートナーのお誘いは全て断っているらしい。
俺は俺でファミリー以外から組もうと言うのは来ない。義経とかきそうな気がしたけどな。

「じゃあクリはマルギッテと出るのね」

「もちろんだとも!姉妹のような自分とマルさんの連携力は凄いんだぞ!」

「どう凄いの?」

「えっ…と…とにかく凄い!チーム名は大江戸シスターズだ!」

「大…なんだって?」

「いい名前だろ!自分が昨晩考えたんだぞ、えっへん」

「(ここ江戸ではないし…)」

「(ドイツ語を基準に考えればいいのに…)」

クリスに対してツッコミ所が多いが、皆は何も言わなかった。

「当然、優勝を狙う!当たったら覚悟しろ」

「おっと、それはこっちのセリフよクリ!」

「…で、犬は誰と組むんだ?まゆっちか?」

クリスはワン子が誰と組むのかを聞くと、ワン子は答える。

「うん、はじめはそれで声かけようと思ったらね
昨夜、その前に天神館の島さんから川神院に連絡があったの」

「東西交流戦でお前が討ち取った相手だな」

「うん…薙刀と槍同士、アタシと組まないかって
アタシ、交流戦ではその人のスキを見て勝ったけど…普通にやってたらどうなってたか…
それぐらいの人だったから、組んでみるのも勉強になるかないーって
アタシの腕を見込んでくれるってのもあるしね!」

「少し心配かも…腕は立っても人柄とか大丈夫かな?」

モロの言葉を聞き、静かに反応するゲン。

「島右近は、天神館の中でも父親のように慕われている温厚な実力者らしい」

「同じ学年で父親のようにというのも、なんだかユニークな話だがな」

「俺は別に組むのも全然ありだと思うぞ」

「あ、大和もそう思う?分かったわ」

ゲンはそんなワン子を静かにみている。

「じゃあ勉強のために組んでみよーっと」

「ん、どうしたのゲンさん」

大和はそんなゲンの視線に気づき、問う。

「いやなんでもねぇ…Zzz」

ゲンは再び、眠った。

「フーム…そうかそうだよな天神館とも組めるんだよな」

ピンポーン!

「こいつは閃いたぜ!」

その中、キャップは何か思いついたのか鞄を持って飛び出していくのであった。

…そういえば、ユキはどこに行ったんだ?クラスのどこにもいないけど…。




――Sクラス――

「ではユキは不死川さんと出るんですね」

「うんっ、僕は心がいいんだ」

「ヒョホホ。そこまで言われたからには出てやるのじゃ」

「私は出た所で瞬殺必至…私の分まで頑張って下さい」

「任せといてよーん!でも嬉しいな、心と出られて!」

「お前…」

小雪の言う事に嬉しそうにする不死川。小雪は何故か知らないがSクラスの不死川とタッグを組みに来ていた。
2人は別々のクラスだが、どうやら交流があったようだ。

「いざという時、盾にできるからねー」

「そんな理由かー!ふざけるでないわー!相方がKOされれば負けというルールなんじゃぞ」

不死川は小雪のあんまりな言い方に涙目になりながら反論する。

「大丈夫だよ心、しぶとさはあると思うから!」

…笑顔でひどい事を言う小雪である。

「舐められとるのう…これはあれじゃな
此方の活躍を見せて考えを改めさせるとしよう」

「チーム名は決まったんですか?」

「うん、小雪と心だからKKインパルス」

由来は小雪のKに心のKでKKである。

「にゅわっ、そんな名前だったのか」

「あはは。今決めたけど良い感じだね」



「ユキは心とか…俺は九鬼英雄と出てみるぜ」

「フハハ、最近は仕事仕事で溜まっているからな
ここらで我も体を動かしてリフレッシュしたいのだ」

「あずみと出ればいいのに」

小雪は英雄が準と出ると聞いて疑問を思ったのかそう言った。

「しっ…!参加資格は25歳以下の男女だろ」

「あ、そっか!」

シャキン!

「聞こえていますよ井上さん、学園の生徒なら出られるんです。
まぁ私は雑務が多いので出られませんが」

準の首元に短刀を当てながら言うあずみ。

「従者に頼りすぎも過保護な気がしてな
ま、あずみが出られないのであれば丁度いい機会だ
ここらで男の1匹どこらへんまでいけるか試してみるさ」

「肩の古傷は大丈夫なのですか?」

「フハハひどい無理をするわけではない。案ずるな」

「…準、お願いしますね」

「安心しろ。俺がついていれば大怪我させないぜ」

「…頼みましたよ?」

武器を仕舞うあずみは準にお願いをする。

「おう!大船に乗った気でいろって!」

「頼みましたよ?」

準に圧力をかけながら言うあずみ。

「目で語るな!分かってるっての」

「そっちのチーム名はー?決まったの?」

「皇帝たる我がいるゆえ、フラッシュエンペラーズ!」

「なるほど、ハゲだからフラッシュと」

「ほらぁ、なんかこれ悪口っぽいじゃん英雄」

「よいよい。そのうちカッコイイと皆が思うわ」

「本当かなぁ?」



「源義経は弁慶と与一、誰と出場するのだ?」

「うん。それなんだが…」

「少なくとも私は義経とは組まないよ」

「あれま。そりゃまたなんで?」

準は以外だなっと言わん表情で弁慶に問う。

「コンピで戦う場合近距離スピード型の義経は、
遠距離射撃型の与一と相性がいいから
どうせなら義経には優勝して欲しいからね
私は違うチームで出て義経の敵を倒しておくよ」

「フハハハ!けだるい弁慶がやる気ではないか」

「まぁこの祭には参加しないわけにはいかないし…
繰り返すけどやる以上、義経には勝って欲しい」

「天晴な心意気。まことな忠臣だぞ弁慶」

「しかし与一が義経と出るとは思えません」

「うっ…確かにそこが問題だが」

マルギッテの的確な言葉に落ち込む義経だが、

「なんとか組んで貰う!ある時の命令として」

「頑張って義経。応援してるよ…ゴクゴク…ぷはぁ」

「ん、となると弁慶は誰と出るのだ?」

英雄は、義経が与一と組むのであれば誰と組むのか気になる。

「さてどうしようかなぁ。ま、そのうち決めるよ…ただ…さっきも言った通り…
どうせなら勝ちたいからね。慎重に選ぶよ」



――校外――

由紀江は同じ1年のSクラス所属の小杉に呼び出されていた。

「黛さん、貴方タッグトーナメントの相方決まってる?」

「い、いえ…今の所は」

由紀江の言葉を聞いた小杉はにやりとする。

「そう…だったら提案があるわ
私と組まない?一緒に優勝を目指しましょう!」

「む、武蔵さんとタッグですか?」

「水上体育祭での身のこなし…流石剣聖の娘だったわ
あのキレのある動きとプレミアムな私が組めば…
うん、これはもうV(ヴィクトリー)ロックオンよ」

「武蔵さん…」

「で、答えはどう…?私の戦友になってくれないかしら」

「せ、戦“友”!?」

由紀江は小杉の言葉に大きく反応する。

「そう戦友」

「つまりこれを機会にお友達というわけですね…っ」

「?ま、まぁそうなるのかしら」

[まゆっち、キタ!大チャンスだぜ]

「はい!言われるまでもありません」

「あの、黛…さん?」

小杉はストラップと話す由紀江に若干驚いている。

「私で良ければ喜んで!友達になりましょう!」

「!!いい答えね!賢明かつプレミアムな判断だわ
私はね…転入してきた九鬼紋白に初日でやられてクラスのリーダーの座を譲ったの…
でもこのままじゃ終われない…私は守りたい、自分のプライドを!」

「武蔵さん…お気持ちは分かりました」

「ふふ、コンビ名も既に考えてあるのよ
ザ・プレイミアムズ!これしかないわ!」

「…」

「あれ!?反応薄っ!」

小杉は由紀江の反応の薄さに驚いている。




――九鬼財閥ビル――

「揚羽様!8月2日にお休みを頂けないでしょうか!」

「タッグトーナメント…出る気か小十郎」

「はい!活躍を見せて我が名を高めます!」

「…誰と出る?しっかり相手は選んだのか」

「ステイシーさんが協力してくれると!」

「うむ、あいつは実践向けのタイプ。頼りになるだろう」

「…いきなりの休暇願を申し訳ありません。揚羽様の執事として恥ずかしくない男になりたくて…」

揚羽はそれを聞いて、拳を握る。

「もう遅い、十分恥ずかしいわたわけ!」

ズドォォォン!

「ごふあ、揚羽様ァ!!」

「やるからには勝ってみせよ小十郎」

「はっ!気合がより入りました、必ずや!」

「…うむ」





――多摩川付近――

「あーあー、相方どうしようかなー」

羽黒はパートナーを探していた。

「あん?なんか騒ぎになってる系」

羽黒は何かの騒ぎを聞き、そこへ向かう。

向かった先には…

「ったくどいつも弱い弱い!誰かウチの相手になるヤツいねーのかぁ?
一緒にタッグマッチ出て暴れられるようなヤツはよ!」

そこにいたのは板垣天使。

羽黒はそれを聞き、笑う。

「…へぇなかなか骨系がありそう系なヤツ系じゃん
おいお前!威勢がいいじゃん!?あたいとも戦ってみようぜ」

「へへっ、いいぜかかってこいよ!」

「早速行くぞオラァ!」

「このゴルフ護身術の防御は完璧だぜぇ!」

……数分後、羽黒と天使はタッグを組み、『地獄殺法コンビ』が誕生したのであった。




――多馬大橋――

ここでは、ムサ苦しい戦いが行われている。

ガクトと長宗我部宗男が力比べをしている。

2人は、ぶつかりあうことで互いの力がいかに凄いものかを実感しあっていたのである。

タッグを作り、ここに『400万パワーズ』が誕生。





そして、信也はと言うと…



――川神学園・屋上――

「あー静かでいいな〜」

俺は屋上で寝っ転がっている。

「本当だねぇ」

するとそこへ燕が現れた。

「よぉ燕」

「やっほぉー」

軽く挨拶すると燕は俺の隣に座る。

「燕、聞いたぜ?タッグマッチのお誘い全部断っているんだってな」

「うん。だって私、話が上がった時から組む人決まっているもん。信也は?」

「俺はファミリー……仲間に誘われたけど断った。たまにはファミリー以外の人と組みたいって」

俺と燕の視線が交差する。

「組もうかタッグ」

「組もうぜタッグ」

ガシッ!

俺と燕は手を握り合い、タッグを作る事に。

「さて、タッグも組んだ事だし…チーム名はどうするよ?」

「そうだねん……『蜘蛛獅子』なんてどう?」

「『蜘蛛獅子』か…いいかもな」

…蜘蛛は燕で、獅子は俺ってところか?それとも燕の武器『平蜘蛛』に、本気で戦ったことが無い俺達…眠りの獅子の状態である俺達ってところか?

「決まりだね!じゃあ、よろしくね!」

「ああ!」




ここにこのトーナメント最強の『蜘蛛獅子』が誕生したのであった。










――――次の日にもタッグマッチのパートナー探しは続いていた。

福本育郎は天神館、西方十勇士の一人、鉢屋とタッグを組む。




――Fクラス――

「う〜〜〜んまずいよ、これはとってもまずいよ!」

「どうしたんだ京?」

「信也が燕先輩とタッグを組んでしまった」

「何!?……厄介な2人がタッグを組んでしまったな…まさか信也に燕先輩とは…これは強敵だな!戦いがいがあるぞ!」

「…くっ!こうなったら!」

京はクラスを出ていった。





――花壇――

「与一…はここにいないか…」

義経は与一を探して学校内を歩き回ったり外を探したりしていた。

「義経はタッグマッチの目玉だと自覚している、
早くペアを決めないと…」

そう、言っている義経に、

「話は聞かせてもらったッ!」

「!?し、椎名京さん」

義経もいきなり現れた京に驚く。

「与一と同じ天下五弓が、義経をサポートするよ」

「えっ…いいのか?それはとても助かるし心強い!
でも与一は大丈夫かな…」

「約1週間後には大会だよ…?」

「うっ、そうだな。与一にこだわりすぎてパートナーが
いなくて欠席なんて事になったら皆に申し訳ない。よろしく頼む…椎名さん」

その後、京は義経に弓の腕を見せ、改めてパートナーを組んだのであった。

チーム名『源氏紅蓮隊』が誕生したのであった。





なお、

「義経。信也と燕先輩がタッグを組んだの知ってる?」

「…えっ…」

京の言う事に固まる義経。

「優勝賞品の中にペア旅行券があるんだ…もしかしたら2人で行くかも」

「…椎名京さん!絶対に優勝するぞ!」

目に炎を宿す義経。それを見た京は、

「(ククク…義経が信也に恋心に近いのを持っているのは知っているよ。嫉妬パワーで力倍増だよ♪)」

ある意味で黒い女である。




――川辺――

弁慶はパートナーが見つからず、歩くのにだるくなり、寝て、起きてみると見慣れない女性が自分の隣で寝ているのに気づく。

「隣になんか出現している」

「Zzz…むにゃ…あ〜こんにちは」

その人物は…板垣辰子である。

「こんにちは…」

「気持ち良く寝ていたから釣られて寝ちゃったえへへ」

「(…!この女…)」

弁慶は辰子に何かを感じたのかさわさわと、辰子の体をいじる。

「ん〜何々くすぐったいよ…」

「偶然にも見つけた。凄い逸材を」

弁慶は偶然見つけた辰子の戦闘力に気付き、喜ぶ。

「??あれ、そういえば私何してたんだっけ
…あぁそうだ、タッグマッチのペア探しだ」

辰子は思い出したのかその事を弁慶に話す。

「えーとね、私のお姉ちゃんがね。優勝の確率を少しでもあげるために、
姉妹それぞれ別のペアを見つけてこいって…
でもそんな強そうな人いるかなぁ…?何か知ってる?」

「お互いのニーズが一致したね」

そう言って弁慶は素手で大地を叩くと…

ズドォォォォン!

「わわっ?」

軽く、ぐらりと周囲が揺れた。

「私は本気出すとかなり強いよ?」

「あはー。私もそこそこいけると思うよ」

…ここにトーナメント最大の脅威といわれる、『デス・ミッショネルズ』結成の瞬間であった。




――九鬼財閥ビル――


与一は未だにパートナーを決めていない事をヒュームに指摘され、どうするかと思っているとそこへ清楚がいて、清楚がパートナーになると言い、与一はそれを拒否しようとするが、

「つべこべ言わないの!もう決まった事です!」

「おおぅ…」

「もうこうでもしないと言う事聞かないんだから」

「(なんなんだ…葉桜先輩…文化系のはずなのに時折滲み出る、この暴威(オーラ)は…抗えない)」

チーム名『桜ブロッサム』の誕生である。




――板垣家――


板垣家長女の亜巳はクッキー2と長男竜兵は仲間のルディと組んだのであった。




そして、1週間という日付はあっという間にすぎていく。

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