なお、この作品は一般作品として描写を一部修正しています。
この作品は以前小説家になろうに投稿していて、二次規制の時に削除した作品です。
作品の投稿のいきさつにご説明の文章を記載しわ知れてしまったことをお詫びいたします。
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オープニング
ルナSide
私達の小隊は今デストナの国境付近に来ている、半年前に我がフロイアから駆逐した筈の鬼震兵の姿が地元住民から軍に、連絡があった鬼震兵が現れたと事だ、できれば誤報であってほしい。
「冗談なら、達が悪いが、本当ならなおタチが悪すぎるな……?」
「全くだぜ、あんなバケモノどうやって片付けんだよ!」
「ランツ三等兵にレイモンド上等兵っ、私語は謹みなさい!」
「「ハッ、以後気をつけます!!」」
私は二人に怒鳴り付ける、あれからまだ半年しか経っていないし、新たにデストナが戦力を立て直した可能性もある。
鬼震兵…… あの巨人のバケモノを見たら誰でもその恐怖に駆られるに違いない…… 奴には通常の弾丸は通用しないし、そして人間を人呑みにしてしまう…… 特に魔力をもっている者を捕らえ魔力を吸い取る。
思わず、そんな事を想像し、寒気…… いや、嫌悪感に身震いするとにかくアイツ等に捕らえられたら最後は魔力を一方的吸い取られるるのだ。
(うっ、考えても仕方が無いわ…… 逸れよりも情報がただの見間違いや、悪戯なら良いのだけど……。)
「「うぁっ、き、き、鬼震兵だっ!」」
「「う、撃てーっ!撃ちまくるんだっ!」」
たちまち、銃撃戦が始まる、いきなりの襲撃で私は確認していないが、森の中から複数の鬼震兵が現れ一方的にこちらを襲い始めた。
「急ぎ、ロイ小尉の戦車小隊に連絡して、【ワレ鬼震兵ノ攻撃ヲ受ケル、大至急救援ヲ求ム】急いでっ!」
「了解」
通信兵が無線で戦車小隊に連絡を入れる、しかし返っきた返答は、私の願いを打ち砕く物だった。
「駄目です! ロイ小尉の戦車小隊も鬼震兵の襲撃を受けているとの事です!」
そ、そんな…… 戦車小隊も襲撃なんて…… 戦車小隊との距離は余り離れていないのに…… まさかこの鬼震兵は囮で本隊は別に居るの?
「了解しました…… 直ちに我が第89偵察小隊は作戦を中断し安全な後方に交代します、急いで!」
「ロイ戦車小隊の方には何と?」
「我が第97偵察小隊は後方に一次待避、戦車小隊も敵の隙を突いて脱出されたし…… 以上。」
そう通信兵に伝えた時背後から、ランツ三等兵とレイモンド上等兵の断末魔が聞こえる、見上げるとランツ三等兵は鬼震兵に呑み込まれ、レイモンド上等兵は握り潰されていた。
「う、うぁぁぁっ、ぐおっ!」
通信兵が空から舞い降りてきた、飛行型鬼震兵に踏み潰された、恐ろしげな瞳が私を睨み付ける。
「い、嫌ぁぁぁっ!」
「ガァァァッ!」
私は半ばパニック状態で飛行型の鬼震兵に機関銃を乱射した、すると鬼震兵は呆気なく黒紫の血を噴き出ししながら地面に倒れ込む。
(えっ、この銃魔導弾でも混じっていたの?)
鬼震兵が動かなくなったとき、辺りを見回すと偵察小隊で生き残っていたのは私だけだった、咄嗟に私は逃げ出そうとしたが、片腕で身体を掴み上げられる…… そして鬼震兵の裂けた口から牙が見えた。
「やっ、嫌だっ、放して…… 誰か…… 助け…… て……。」
私は逃げようともがくが、首筋に牙を突き立てられる、冷たく赤い液体が首筋から流れでる…… そして意識が朦朧としてきた。
「嫌…… 何で…… 誰か…… 助け…… て…… え、エリックッ助けて……。」
※※※
ロイSide
ちぃ、鬼震兵の奇襲でこちらの状況はかなりマズイ、今俺達の戦車は合わせて四両だ、それを円陣を組ませて歩兵隊を円陣の中に集めて、奴らに対応している魔導式弾は余り余裕が無いから、鉄甲弾や煙幕弾で対応している。
「オイ、ルナ小尉の偵察小隊と連絡は取れたのか?」
「駄目です、応答ありません」
くそっ、こちらもこんなバケモノが居なければすっ飛んで助けに行くんだが、今そんな事をすれば歩兵隊が危ない、歩兵隊の隊長は、さっきの襲撃で真っ先に殺れた、今此処に居るのは新兵ばかりだ、ルナどうか無事でいてくれ…… その時通信兵が歓喜の声を上げる。
「「援軍だっ、援軍だぞっ、第502独立混成中隊が、鬼百合中隊が着たぞーーっ!」」
土煙を上げこちらに向かって来る、戦車隊は……ニコラ・シェーンハイト小尉の戦車隊だ。
「ふぅ、助かっりましたね? 戦車長……あてっ!」
「バカヤロッ、安心るのは敵を全て片付けてからだっ!」
ルナ小尉の安否が不明なのと助けに行けなかった、苛立ちでドライバーの頭をブーツで蹴り上げる。
※※※
ニコラSide
よーし、偵察小隊の護衛に同行した戦車隊は、まだ踏ん張ってたな、戦車隊を鬼震兵達の左側面に周りこませ全戦車の砲頭を左に旋回させて狙いを定める。
「目標、鬼震兵、鉄甲弾、用意…… 撃てっーーっ!」
一斉に戦車の主砲が火を噴き砲弾が鬼震兵達を吹き飛ばす、そして取りこぼした鬼震兵達をノエルのスナイパーライフルやルルンのガドリング砲、そして今年入って来た新人のリリアスがマシンガンの掃射を容赦無く浴びせる後は報告をするだけだな。
「こちらニコラ、司令部応答求む。」
「お客さんは、あらかた片付けた、偵察小隊の救援に、これより向かう。」
すると、ベルセリカ・フォン・メルトマン大尉が応える。
「了解。」
あちゃー、また新人のリリアスがじゃれ始めたか? フランツが止めに入る。
※※※
ルナSide
あれからどの位の時間が経ったのかな? 魔力を吸い取れて時間の感覚も狂ってきた。
「あ…… ああっ…… ぐぁ……。」
ぼんやりと辺りを見ると鬼震兵が集まり始める、その時銃撃が始まり鬼震兵が次々に黒紫の血を吹き出しながら地面に倒れる。
「ぐきゃぉぉぉっ!」
「離れなさいっ、このーーっ!」
見上げると白い魔動装兵の姿が見える、しかし鬼震兵の数も多い、彼女と鬼震兵達との戦いが始まった、しばらくしてから真紅の魔動装兵と黄色い魔動装兵が加勢に加わり、魔動装兵達の優勢が決定的になる。
(私…… 助かったの?)
私を喰らってていた鬼震兵が、打ち倒され白い魔動装兵に抱き抱えられる。
「こちら、魔動装兵白夜、司令部応答願います。」
「生存者を一人発見しました、なお生存者は負傷していますので大至急、医療班の準備をお願いします。」
「了解。」
(ありがとう……。)
言葉を紡ぎ口にする前に私は助かったと言う安堵感から気を失った。
※※※
野戦病院〜
ルナSide
「う、此処は…… 何処?」
「あら、目が覚めたのね?」
美人の女性軍医が私の顔を覗き込みながら、此処は鬼百合中隊の医療センターと教えてくれた、私の着衣は、医療用の寝間着に着替えられていた。
「ルナ・ハーケン小尉ね、私は鬼百合中隊所属のエルフリーデ・クラウゼヒッツ中尉です、今はゆっくり休んで下さいね」
「は、はい……。」
やがて、少し外が騒がしくなったテントにエリックが入って来て、私が寝かされてるベッドまで来ると、その場に両膝を折私を抱きしめ、泣きながら謝りだした。
「ゴメン、救出が間に合わなくて、ゴメン……。」
「エリック…… あの状況じゃあどのみち間に合わなかったわ…… 私は大丈夫だよ……。」
本当は大丈夫何かじゃあ無い…… もう少しで命を落とす所だった…… 例えエリックが助けに来ても私が助かる可能は低かったし、ロイの戦車が鬼震兵に破壊されたかも知れない。
「それでも、助けられなくてゴメン……。」
「ルナ・ハーケン小尉とロイ・ラウエル小尉だな?」
凛とした声に顔を上げると、そこに眼帯をした女の子が立っていたが、彼女の軍服はどうみても、上級士官の物だ、それにこの顔は。
「済まない、自己紹介がまだだったな、私はセルベリカ・フォン・メルトマン大尉、この第502独立混成中隊の指揮官だ、ロイ・ラウエル小尉、済まないが席を外してくれ、ルナ・ハーケン小尉と大事な話しがある。」
大尉からの話し、多分これから調書をとるのだろか?
「ハッ、了解いたしました。」
ロイが敬礼をしてその場を後にし、テントの外へと出て行くとき彼が振り返るのが見えたが、思わず顔を背けてしまった。
「小尉楽にしてくれ、それと余り固くならなくて構わない、少し話しが長くなってしまうのだが、じつは小尉が倒した鬼震兵だが、小尉が仕様した機関銃は通常の装備だった……」
えっ、どう言う事?確かにあの時、鬼震兵に機関銃の弾は効いていたのに?
私の考えている事が表示(かお)に出たのだろ、大尉は複雑は顔をして私にその理由(わけ)を説明してくれた。
「多分、小尉の魔力に機関銃の銃弾が強化又は銃弾自体に魔力が付与された可能性があるな?」
「すると、私には魔力が…… つまり魔動装兵を扱える位に?」
「それは、正直解らない、しかしその可能性は十分にある……。」
私は考え込む…… 私自身にそんな魔力が有るとは思ってもいなかった、もし有るのなら、あのバケモノ達と戦える、なら。
「どうかしたのか? ハーケン小尉?」
私は意を決して、メルトマン大尉に、私の本心を伝える。
「お願いです私を、大尉の中隊に加えて下さい! 必ずあのバケモノ達を駆逐して見せます!」
「駄目だな、そんな考えでは、無駄死にするだけだ、そんな事を考えている内は私の隊には迎えられない。」
「……足手まといには、なりません、お願いします!どうか私を中隊に加えて下さい。」
メルトマン大尉と私は静かに睨み合いをしていた、そして先に折れたのはメルトマン大尉の方だった。
「……私の指揮下に入るからには、勝手な行動で無駄死には赦さんぞ? ハーケン小尉。」
「分かりました、ルナ・ハーケンン小尉、療養が済次第、第502独立混成中隊に出頭いたします。」
メルトマン大尉が無言で踵を返して、医療用テントから出ていく、変わりにエリックが入って来た。
「パステル…… メルトマン大尉とどんな事を話したんだよ?」
「うん、じつはメルトマン大尉の部隊に配属してもらう様に頼んだの…… 私。」
「本気か!? あの部隊は鬼震兵達と戦うのが主な部隊何だ、何でそんな……。」
確かに馬鹿かも知れない…… だけど、私はもう決めた、あのバケモノ達と戦うと…… 決めたから。
「ゴメン…… ロイ…… そして…… えっ!?」
いきなりエリックが私を優しく抱きしめる。
「分かった、もう何も言うな…… 俺も一緒に鬼百合中隊に行く、理由はあの部隊は戦力が不足しているしな、戦車を扱えるボクも君と加われば問題無いさ……。」
ロイは一度言い出したら、絶対に言う事を聞かないから。
「ロイ…… 後で話しをしたいの」
「分かった……。」
※※※※
ルナSide
夜空の下で待ち合わせなんて、これが平和な世界なら、きっと素敵なデートに違いない。
「ルナ、ゴメン少し遅れた。」
「えへへっ、気にしてないよ♪」
ロイの顔を今は直視するのが正直辛い…… だけど私を受け止めてくれるのは彼だけだから。
「私ね…… 本当は怖いんだ…… でも。」
「……もう何も言わなくても君の想いは痛い程判るから……。」
そう言って彼は私の眼に溢れ出た涙を優しく拭って優しく抱きしめてくれた。
「/// ロイ…… ありがとう……。」
「ああ…… 俺には今はこんな事しか出来ないが。」
彼の温もりが伝わってくる、私ももう少し子供だったら、彼に甘えてわんわん泣いていただろう。
「寒いのか? 震えてるぞ?」
「ばか /// でも、ありがとう /// もう大丈夫だよ、また明日ね。」
そう言って俺、私は自分の部屋に戻って言った。
※※※
翌日〜Side
ルナSide
えっと、荷物はこれで全部ね? 鏡を見ると、何時もの私がそこに写っている、長い金髪の髪をポニーテールに纏め上げ軍服に身に纏っている、今日から私は彼と第502独立混成中隊通称〔鬼百合中隊〕の一員になる彼が居るから私は大丈夫だ、一人の魔動装兵として戦って行ける、私が纏う魔動装兵機は【蒼龍】パーソナルカラーが青色の魔動装兵機だ、あの後軍の検査を受け自身の魔力ランクを知ったランクは【?】だった、自分でも正直驚いたまさかそんな魔力が自分の中で眠っていたなんて。
「ううん、考えても仕方が無い、さあ、行こう新しい戦いの待つ所に。」