小説『君の歌声に重ねテト』
作者:ウェル(黒歴史研究所)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>



4月6日

(テトちゃん、いつ帰ってくるかな)

もしかしたら帰ってくるのは1年、2年先かも知れない

いや、もっと先かも知れない

歌声を最初から持っていたミクには分からないが、無かった歌声を手に入れる事はすごい難しい事のように思えた

だけど、テトなら必ず手にいれられる、そう信じている



不意にPCを操作していたレンの声が聞こえた
「なぁリン!この人、ほら、エイプリルフールの時話題になった……」

「なになに?重音テト……?」
リンの声。

って、テトだって!?

「ちょっとレン君!わたしにも見せて!」

すごい勢いでガッつくわたしに
レンは少し身じろぎしながら画面をわたしに見せてくれた


「エイプリルフールのネタとして生まれた重音テトが、UTAUで歌声を手にし、活動を開始。
オリジナル曲 テトでGO! はなかなかの盛況ぶりで……」

わたしはもう走り出していた

わたしとテトが別れたステージを目指して。





30分後

ステージに到着した
全速力で走ったせいで息が切れている

「テトさん? 居るの?」

わたしは辺りを見渡しながら奥に進んでいく

しかし、テトの姿を見つける事ができない

「ここには居ないのかなぁ」

諦めて帰ろうとした時だった
不意に後ろから抱きしめられた
前にミクがテトにしたみたいに。

「ただいま」
懐かしい声。

「……おかえりなさい」

これ以上言葉なんて要らなかった
わたしと彼女の想いは一つ。

『さぁ、歌おうか』


-2-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




memoReal
新品 \1911
中古 \1479
(参考価格:\2222)