あれから数年。
俺は川神のとある小学校に入学した。
平平凡凡を謳う俺としては、非常にのどかな生活を満喫している。
家に帰れば暖かい家族、空き地に行けば気の練習(だいぶ抑えているが)
だが、今俺の目の前で平凡を壊そうと言わんばかりの事件が発生している。
それは・・・・・
「やぁいバイ菌近寄んな!」
「汚いんだよっバイ菌!」
「学校来んじゃねぇよ!」
違う小学校の子であろうか?小石を拾っては、”バイ菌”と呼ばれる女の子に向かって投げつけている。
これは、どう見てもいじめだよな?
仮にいじめじゃなくてもこんな危ない遊びがあるとは思えないし・・・
仕方ない、山中 光太いっきまーす!
「くぅウォォおおオラっ貴様ら!!!何してんじゃボケェェエエィ!!!!!」
とりあえずリーダっぽい奴に向かってメンチビーム+神の世界?で体得した殺気を放つ。まあ殺気は本当に少しだが
「っひぅ! な、なんだよお前!!バイ菌の味方か?!」
「嗚呼?バイ菌だぁ?!テメェらは目でも腐ってんのか!!この子どうみてもハッヒフッヘホー!!とか叫ばねぇだろ!!ああ?てめぇらアンパンと戦ってろ!!」
とりあえずボォーっとこっちを見てる女の子を無視してちょっと強めのデコピンを石投げてた少年3人に放つ
「「「いってぇええ!!!」」」
ここでちょっと説教っぽく行ってみるか
「分かるか?それが痛みだ。だがなお前たちがやっていたのはこんな生やさしい事じゃないんだぞ?たとえばお前!」
「えっ?俺!?」
少年Aを指さす
「そうお前だ。仮にお前がもし明日から友達にやれ”豚”だのやれ”体臭半端ねぇ男”だの●茎だの童●だのさくらんぼだの言われてみろ。どうだ?」
「う゛ぅ・・・・後半3つは分かんないけど嫌だ・・・・」
「だろ?お前達残りの二人にも言える事だ。てかむしろこの子が何かお前たちにしたか?あぁ??」
「し、してないです!!」
「周りの子たちがやってたのでつい!!」
この辺はやっぱり子供って事か。
周りに流されやすいな
「そうか、君たちはそういう奴なんだなエーミール」
冷やかな視線で見つめ続ける。
すると3人のうちの一人がどうやら思う所があったようで
「そうだよな・・・・思えば俺達こいつに何かされた訳じゃないもんな」
「うん・・・皆が言うから従ってしまったし」
「自分に置き換えてなんて考えた事無かった」
え?今の時代の小学校低学年て此処まで頭いいの??
「そうだ。その調子で言ってしまえ!ごめんね!と」
10秒ほどが経過した後、少年Aがおもむろに
「ごめんね・・・・・俺たちが悪かった。」
と、謝りだした。うんうん!その調子だ!
「俺も・・・・」
「僕も・・・・・・」
結局3人仲良く少女に謝って見事仲直りとなった。イイハナシダァー!!
「よしっ!これにて一件落着!!」
わはははあはは、と笑っていると、服の袖がクイクイと引っ張られる。
見ると、そこにはいじめにあっていた少女がこちらを見ていた。
「あの・・・・・ぼくを助けてくれてありがと・・・」
なんか・・・・・たどたどしいけどいいなこういうの!
ちょっと恥ずかしそうに謝ってくるあたりが保護よくを湧き立たせる!
「いやいや、全然気にするな。これからの生活を君が楽しめると分かればこんなのお安いご用さ!」
そう言ってその場を走り去っていく。
「あ・・・・ちょっと名前!」
後ろから何か聞こえた気がしたが、気にせず走る。
だってあれあの場にいたら俺あの子をお持ち帰りしちゃった可能性が高かったんだもん・・・・・・
なんだあの涙目上目づかいは!!!・・・・この時俺の決断はNICE!!だった。
〜とある住宅街〜
あのいじめ現場から走って帰って来たあと、住宅街で奇妙な女性を見つけた。
「あぁ゛ーー!!クスリ!!クスリはどこにアンだよおおおおおおおおおお!!!」
「小雪ィイイイイイイ!!どこに隠れたああああああ!!!」
とりあえずこの近所迷惑よろしくな人を俺は御自慢の力で・・・・・・・
「おまわりさん!あの女の人、クスリとか大きい声で叫んでてなんか危ないん
ですけど!!僕すごく怖い!!」
・・・・・・・・はい!民間人ならだれでも使えるこの国家権力という力を使わせてもらいますかな!!
「ありがとう〜ぼく。ここから先はおまわりさんの仕事だからおうちに帰ろうねぇ〜」
最終的には送って行こうか?って聞かれたけどさほど遠く無いのでだいじょうぶ!と答えたらそっか。と言って『こちらマルタイを捕捉。これから署まで連行する』など無線で話していた。
後日分かった事なのだが、この女性は予想通り麻薬をキメていたらしい。その後、身寄りの無くなった娘が養子として榊原という夫婦に引き取られたようだ。
良い話じゃないか!!