小説『ドラゴンボールN』
作者:プータ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 第二十四話 

 side三人称

 「なんだあれは!?」
 「化け物だ!」

 会場に響き渡る観客の声。会場はいきなり現れた大猿にパニックになっている。

 「あ〜あ、満月見ちゃったんだ」
 
 セロリがあきれて言う。ちなみにセロリは満月を見ないように気をつけているので変身してない。

 「セロリさん!アンタなんでそんなにのびりしてるんだよ!悟空がああなるって知ってたのか!?」

 セロリにウーロンが怒鳴る。セロリはブルマやウーロン、プーアルと一緒に観客席にずっといたのだ。
 ウーロンは不思議に思った。悟空が月を見て変身するのを知っているのはウーロンとブルマ、ヤムチャにプーアルぐらいしかいなかったからだ。

 「そりゃ私も満月見たら大猿に変身するからな」

 そう言って服の下から尻尾を出すセロリ。ふりふりと尻尾をふり、三人に見せ付ける。 
 
 「ぎゃあああ!し、尻尾!」
 「「ひぃい!」」

 三人は眼を大きく見開き驚く。ウーロンは尻尾に過剰反応している。
 当然だろう、下手をしたらもう一匹大猿が増えるのだから。
 
 「ちなみにナスビもあるぞ」

 三人は考えるのを拒否したい気持ちを覚えながらセロリの説明を聞いた。
 一方、ジャッキーとタキシード仮面のほう。

 「な、なんじゃあれは!?」
 「あちゃあ、もう月が出る時間だったか」

 そう言って驚くジャッキーと冷静だが一瞬素がでるタキシード仮面。

 「お主あれが何か知ってるのか?」

 冷静なタキシード仮面がなんにか知っていると思うジャッキー。

 「ええ、あれ悟空ですよ」
 「な、なんじゃと?!」
 「悟空って尻尾がありますよね?あれて俺もセロリも生えてるんですよ」
 「な、なんと!」

 ちなみにこの会話は観客の騒ぎで周りには聞こえていない。

 「俺達はサイヤ人って言う宇宙人なんです。悟空も多分同じ、何で悟空が地球にいるのか知りませんがね。サイヤ人は満月を見ると大猿になってしまうんです」
 「驚きすぎて何を言っていいやら……だが満月が原因なんじゃな?」
 「ええ」
 「おぬしは大丈夫なのか?」
 「私はこうしているので」
 
 そう言って自分のマスクをめくり目隠しを見せるタキシード仮面。
 会話をしている間にも大猿は暴れ建物を破壊している。

 「おぬし!?めかくしをしたまま戦っていたのか!?」
 「ええ今日が満月なのは知っていたので」
 「……まあええ、だったら満月を破壊してもいいかの?あれが無ければ二度と変身はできまい?」

 やはり目隠しで負けたというのが嫌なのだろう。何か含むところがありそうな言い方をするジャッキー。

 「いいと思いますよ?」
 「そうか、なら――!?」

 話している二人に突然踏み付けを行う大猿、だが二人はそれを避ける。

 「私が大猿をどうにかしている間に月を!」
 「うむ!」

 そしてタキシード仮面は大猿に向かう。大降りの大きな拳を避けながら大猿の顎の下へ、そして多少力を込めて持ち上げる。大猿の体は浮き上がり足を振り回している。

 「も、も、もちあがってる」

 ブルマがあっけにとられながらその光景を見て呟く。周りの観客や、リポーターも同じで驚愕の眼を大猿を持ち上げながら飛んでいるタキシード仮面に向けている。
 
 「かめはめ波MAXパワー!!」

 そしてジャッキーは気を体に充実させる。筋肉は急激に肥大化し、体格も先ほどの数倍はあろうかと思えるほどの巨体になった。そして構える。

 「かぁぁ〜」
 「まずい!プーアル!前のように鋏に変化してくれ!」
 「はい!ヤムチャ様!」

 ヤムチャはかめはめ波で悟空を攻撃するつもりだと思い、以前悟空の尻尾を切って戻った時と同じことをしようとする。
 
 「やめな!安心しろって、たぶん殺そうとしてるんじゃない」
 「どうしてそう思うんですか!」
 「めぇぇ〜」

 セロリに止められたヤムチャは不満そうにしながら聞く。

 「そんなことするなら尻尾を切ってるだろうし、それにかめはめ波は大猿の方に向いていない」
 「た、確かに」
 「はぁぁ〜」

 ヤムチャがジャッキーを見ると大猿とは全く違う方向を向いている。
 大猿が顎を持ち上げられながら暴れる。そしてタキシード仮面のいる自身の顎付近に向かってパンチする。それをタキシード仮面は何もせずに受けた。

 「いぃぃぃ!!?そんなことしたら死んじゃうぞ悟空!元にもどれよ!」
 「めぇぇ〜」
 
 クリリンが怯えながらも大猿に講義する。だが大猿は気にせずタキシード仮面を殴りつけ、更には握りつぶそうと顎にいるタキシード仮面に手をむける。そして手が届こうとした時。

 「波ぁぁーー!!」 

 極大のかめはめ波が発射される。それは一直線に月に向かいながら会場一帯を閃光に染める。
 閃光が収まると大猿は消え、月も消えていた。何とか騒動が終わったのである。
 その後、リポーターがお月見ができないなどと言ってジャッキーを攻めたりしたが特に何事も無かった。
 
 
 sideナスビ
 
 賞金もいただき皆と合流した。もうあたりは暗くなってきている。

 「オラこんなに腹減ったの生まれて初めてだ」
 「すごいよだれだな悟空、なら飯でも行くか?皆におごるよ」
 「いく!」

 悟空が下に水溜りができるほどのよだれをたらしながら空腹を訴える。俺は丁度賞金も入ったので皆で飲食店に行こうと誘った。まあ原作じゃあジャッキーがおごってたしな。

 「うむ、ごちそうしてもらおうかのう」
 「ブルマ、俺達もご相伴に預かろうか?」
 「そうねヤムチャ」
 「僕もですヤムチャ様!」
 「俺も今日は腹減ったし」
 
 亀じい、ブルマ、ヤムチャ、プーアル、ウーロンが続く。

 「腹いっぱい食うぞ!」

 舌なめずりしながら言うセロリ。……賞金足りるかなぁ?
 その後、食べに行った飲食店にて165万というわけのわからない料金分食った三人のサイヤ人がおったとな。

-24-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える