小説『ワールドブレイカー(日本消滅)』
作者:真龍 白虎()

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メールの内容はひどいものだった。クリアした人、死亡した人、そして都道府県の消滅が一気に綴られていた。

今、この瞬間静岡県が消滅したとなるとそれはおそろしいメールである。しかし、静岡県が本当になくなったのか信じがたい。ゲームをやっている高校生たちには日本の状況など教えてくれるわけもなかった。

「いったい、日本はどうなった?」

「静岡県はなくなったの?」

ゲームをやっている高校生は不安が募るばかりだった。

俺はメールを見て、一息つき立ち上がった。まだゲームは始まったばかりここで立ち止まるわけにはいかない。また、ゆっくりと歩き始める。さっきのメールでいっそうゲームに集中し始めた。もう後戻りはできない。

少し進んだところに明かりが見えてきた。その明かりはゆらゆらと動いている。徐々にその明かりが何の明かりかわかってきた。

携帯のあかりだ・・・・。

その明かりはこちらに近づきどんどん距離を詰めていく。相手の顔が見える位置まできた。がっしりとした体、半そで短パンとラフな格好。いかにもスポーツマンみたいな男だった。

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