考えていた私に対して、現実は恐怖をあたえた。
コツンッ、コツンッ。
前からかすかだが足音が聞こえてきた。徐々に足音が大きくなっていく。それに対して、私の鼓動も早くなっていく。
私は腰にかけていた拳銃に手をかけた。もうここは生きるか死ぬかの世界。戦いを避けたら死んでしまう。
足音が聞こえてくる方向に拳銃の銃口を向ける。
私は決めた。決めたの。
相手が見えたら撃つ!!
私の手は震えていた。人を殺したことがないから当たり前。
人を殺すのが怖い、怖い。
でも・・・・。
相手の顔が暗闇から出てきた。
バンッ!!
震えていても怖くても、自分の命にはかなわない。私は相手に向かって拳銃を撃った。