小説『短編集』
作者:クロー()

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棒人間くんの人生



棒人間くんは平穏な生活を送りたいと思っていた。

棒人間くんが紙の端にやってきた途端、棒人間くんはすさまじい足音に気が付いた。
なんと、筋肉隆々としたピエロが追いかけてくるではないか。
無意識うちに危険を察知した棒人間くんは、筋肉隆々としたピエロが走ってくる方向から逆の方向に猛烈に走り出した。⊂という汗をいくつも背後に描きながら、ひたすら彼は走った。
やがて筋肉隆々としたピエロが背後からいなくなったことを確信した棒人間くんは、今度はそこから90°ずれた位置から、お腹ぽっこりの白髪ゾンビが追いかけてくることにΣと気が付き、再び走り始めた。⊂という汗をいくつも描きながら。白髪ゾンビを振り切ったと思いきや今度は、凶暴な犬が追いかけてきたからまた棒人間くんは慌ててまたがむしゃらに走った。

しかし、走っていくうちにその凶暴な犬と筋肉隆々としたピエロに挟み撃ちにされ、目の前にあった川に飛び込んでまたも⊂という汗を描きながら必死に、今度は泳ぎ始めた。がむしゃらに泳ぎ始めた。しかしどんどん沈みそうになっていく。どんどん沈みそうになっていく。なんとか岸に辿り着くまでこらえようと泳ぐがどんどん沈みそうになっていく。

なんとかして棒人間くんがしがみつくことができたのは丸太であった。川の先に、滝が待っている。
はてさて、棒人間くんの運命はいかに―――。




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