小説『魔法少女リリカルなのは−九番目の熾天使−』
作者:クライシス()

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 第一話『予定外の世界』

              


 バチバチバチ・・・・バチンッ!!


「・・・・ん?着いたか?」

 先ず目を開けると木がある。

 そして、右を見ても木、左を見ても木、周囲を見ても木が・・・いや、木しかない。

「・・・・・・此処、何処だ?って、何で体が・・・・・小さいんだ?」

 俺、早速ピンチですかね?

 まあ体のことは気にしないでおこう。仕方ない、取りあえずセラフを起動して空から確認するか・・・

「ナインボール・セラフ・・・起動」

 そして俺は黒い光に包まれると、漆黒のセラフになった。

【おはようございます、マスター】

 そこでルシフェルが挨拶をする。

「ああ、おはよう。取りあえず、森から出て現在地を確認する」

 俺は背部に付いているバーニアを噴かし、上昇する。

 上昇すると、意外に街は目の前にあった。

 どうやらここはちょっとした公園らしい。

【マスター、3時の方向に未知のエネルギー反応を確認。エネルギーを解析・・・・・解析失敗】

 なに?ルシフェルでも解析出来ないエネルギーだと?

 俺はルシフェルの言われた方角を見る。すると、そこにはなにかピンク色の光がチカチカと光ったりしていた。

 しかし、俺はもっと別のことに驚いた。

 俺の視線の先には木がある。

 いや、ただの木なら別に良い。だけどその木・・・・・高さが数十mもある。

「でかっ!?新手の生体兵器か!?」

 俺は対象をズームしてより鮮明に見ると・・・なんか、木がウネウネ動いていた。

「気持ち悪い・・・。てか・・・・・女の子?」

 そしてふと視界に入ったピンク色の光を発していたものが女の子だということが分かった。

 どうやらあの木を倒そうとしているらしい。

 さて、此処で俺の選択肢は三つに絞られる。

 先ず一つ目、見なかったことにして街に降り立つ。

 二つ目、あの女の子が倒そうとしている木を破壊する。

 三つ目、木と女の子両方を倒す。

 ・・・取りあえず三つ目は却下しよう。まだ女の子が敵と決まった訳では無い。

 というか、どう見てもあの木が敵だような?

 となると二つ目にした方がいいだろうか?

 でも、女の子に関わりたくない。何故か?つまらない、からだ。動きもぎこちなく、練度も低い。

 それに、刺激が欲しいといっても、俺はただ死にたいのではない。今は余計な危険を招かず、状況を分析するべきだ。

 それと俺は無一文だ!自分の身の回りが整っていないのに戦闘なぞ出来るか!

「金が無いと話に【お金ならありますが?】・・・・何故?」

【オーディン様が必要だろうと言って、日本円にして2000万円をベクタートラップで保管しています】

 ・・・・あ、そう。

「なら少々加勢するのもアリか・・・・って、何だあの光は!?」

 俺が視線を戻すと、女の子がレーザー砲の様なものをぶちかましている。 

 それにより何らかの障壁が割れ、女の子が突っ込んでいった。

【未知の高エネルギーを確認しました。推定威力は一撃でこちらのフィールドの30%が削られます】

「・・・・」 

 威力高っ!?え?一撃で30%も削られるんですか!?

 いやまあ、フィールドエネルギーは回復するから別にそこまで問題じゃ無いけど・・・

【それと、伝え忘れていたことがあります】

 ・・・今度はなんだ?

【マスターは現在、体が小さくなってしまっているので、フォーマットとフィッティングが初期状態になっています。よって、ゼロシフトや
その他サブウェポンが使用不可です】

 前言撤回しよう。俺はこの光景を見なかったことにする。

「宿を探すか・・・ん?空が・・・明るくなった?」

 どうやら何かの結界のような場所に俺達は居たらしい。

 今の明るさからして、昼ぐらいだろう。

 俺はその場を去ろうとしたが、女の子とそのペットらしき者達が俺を見た。

 ・・・・やばくね?取りあえず逃げます!




「ふぅ・・・やっと終わったぁ・・・」

「お疲れ様、なのは」

 ジュエルシードを無事に封印出来て本当に良かった。

 でも、私がもっと注意していたら、こんな事は起きなかったかもしれないのに・・・

「なのはは悪くないよ。あれは・・・仕方なかったんだ」

「うん、ありがとうユーノ君」

 さて、そろそろ帰ろうと思った時、

【マスター!エネルギー反応を感知!9時の方向です!】

「えっ?」

 レイジングハートが何かを見つけたみたい。えっと、9時は確か左だったから・・・

「なのは!あそこ!!」

 あぅ・・・ユーノ君に先を越されてしまったなの。って・・・・え?遠くてよく分からないけど・・・ロボット?

「な、何なの・・・?」

「分からない・・・。でも油断しないでなのは」

「う、うん・・・」

 でも私はとても気になってそのロボットに話しかける為に飛ぼうとしたら

「あっ!待っ・・・・・行っちゃった・・・・」
 
 すごい速さで行ってしまったの。殆ど見えなかった・・・。

「な、何だったんだろうね・・・ユーノ君?」

「分からない・・・でも、魔力は感じられなかった」

【微弱な魔力反応はありましたが、アレからは高エネルギー反応がありました】

 高エネルギー・・・?魔力じゃないの?

「もしかしたら・・・質量兵器の類?・・・・どっちにしろ、逃げたって事は友好的じゃ無いと思うから、なのはも注意してね?」

「うん、分かった」

 でも、ちょっとお話してみたかったなぁ・・・・

 ・・・あ!そろそろ帰らないと!

 私は家に向けて帰る事にしました。









「・・・・あっ。神崎くんを忘れてた」

「別に良いんじゃないかな?あの子、来てすぐに気絶させられたし・・・僕は嫌いだなぁ」

 ・・・ま、いっかな?私も正直、神崎君を好きになれないし・・・。


-3-
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