小説『ダーウィンが来た』
作者:市楽()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 ダーウィンが来た。家に入らなくてもそれが分る時がある。

それはたまたま勝手口から家に入ろうとした時だ。

そんな時はいつもうちの勝手口のところにキャベツとかの葉もの野菜を持った男子小学生が何人かいる。

ダーウィンがうちまで乗ってきたゾウ亀にあげるためだ。

うれしそうにゾウ亀がキャベツや白菜を食べる様子を見ている。

ついおれも一緒にしばらく見てしまう。

モシャモシャとキャベツを齧るその姿についつい目を奪われてしまう。

しかしいつも晩飯の支度をしていたお母さんが豚カツの横に添えようとしていたキャベツがなくなったこと

に、水炊きにいれようと思っていた白菜が消えているのに気が着いて探し回る声で我にかえる。

いつもダーウィンは晩飯の時間を狙ってやって来る。

-2-
Copyright ©市楽 All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える