小説『真剣でD×Dに恋しなさい!S』
作者:ダーク・シリウス()

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風の子供と出会い


翌日、俺が最初にいた場所は土管が置いてあるが他には何もないただの広い原っぱの場所だった。

昨日の内に町を探索してみればホテルがあったが環境と治安が悪い場所だったなぁ・・・・・。


「よし、完成・・・・・と」


ここを拠点にしようと創造の力で作ったテントを組み立て終わった。


「さてと、掛かっているかなぁ〜?」


罠を設置している川に赴いて結果を調べる


「・・・・・お、数匹ゲット。塩焼きにするか」


罠に掛かっていた魚を違う入れ物に移し、焚き火の方へ移動する。


「俺、サバイバルしても絶対に生き残れる自信がある」


『実際にした事があるのだろう?』


「五感を全て遮断された状態で猛獣達がいる場所でな。あれは冗談抜きで死ぬかと思ったぞ。何せ、

幼少の頃にやったんだからな」


『よく、生き残れましたね・・・・・』


「弱肉強食を学んだよ・・・・・」


魚を串刺しにして塩を振り掛けて焚き火の傍に突き刺す。少しして魚が焼く臭いが鼻の中に入ってくる


「ん〜、良い匂いだ」


『僕は匂えないよ〜』


『サマエル。我等は主の心の中にいるのだから当然であろう』


『ははは、そうだったね』


さて、そろそろ食べ頃だろう・・・・・頂きます


「・・・・・ん?」


魚を食べていると赤いバンダナを巻いた子供が近づいてきた。まあ、俺には関係ないな。子供を気にしないで

一匹の焼き魚を完食した。もう一匹の焼き魚も食べるが・・・・・


「・・・・・」


「・・・・・」


ジッと俺を見詰めてくる。腹が減っている訳でもなさそうだが・・・・・。


「・・・・・なあ」


「・・・・・?」


「食いたいのか?」


「・・・・・えっ?」


「さっきから見られていると気に成って食い辛いだけど」


「いや、お兄さんがテントを持っているからもしかして旅の人かなって・・・・・」


旅人・・・・・ね


「一応、そんなところだ」


「っ!じゃあ、色んな所に旅をしているのか!?世界中に旅をすればワクワクする冒険はあるのか!?」


急に瞳をキラキラと輝かせて子供は訊いてきた。


「・・・・・まあ、確かにあるぞ?古代の遺跡とか宝物が眠る洞窟、海底に沈んでいる沈没船とか色々な」


この世界じゃないけどな。そう心の中で呟くと子供は嬉しそうに声を弾ませる。


「すげぇー!俺も早く冒険がしたいぜぇー!」


「なんだ、冒険が好きなのか?」


「俺のお父さんは冒険家なんだ!俺も大きく成ったらお父さんと一緒に冒険に出る夢なんだ!」


「そうか、奇遇だな。俺の両親も冒険家だ。色々な宝物を手に入れて持って帰る時もある」


「おおー!」


「俺も今は旅の途中だ。しばらくはこの場所で休憩するつもりでいる」


と言っても来たばかりだけどな・・・・・


「じゃあ、もっとお兄さんが冒険した話を聞かせてくれよ!」


「それは構わないが・・・・・お前、名前は?」


「俺は風間翔一!お兄さんの名前は?」


「そうだな・・・・・旅人と呼んでくれ」


「旅人?」


「ああ、自由気ままに何も縛られず風のように生きて行く旅人だ」


「自由に生きて行く・・・・・旅人さん!」


「うん?」


「これ、やるよ!」


翔一が巻いていたバンダナを外して俺に突き出した。俺は首を傾げる。


「何故だ?」


「友情の印だ!ここでお兄さんと会ったのはきっと何かの縁だから俺はこのバンダナを渡す!」


「・・・・・」


子供の言葉を聞いて俺はキョトンとした。


「いいのか?」


「ああ!」


「・・・・・解った。友情の印を受け取ろう」


バンダナを受け取り上腕の部分にバンダナを巻いた。


「じゃあ、俺はこれをやろう」


「焼き魚・・・・・?」


「冒険をして川の傍で野宿するなら魚を捕獲して焼き魚にするのが定番だ。まだ子供で初心者のお前は

この魚を食べた瞬間、始めて冒険の一歩を踏む事ができる」


「・・・・・」


「いらないなら食うぞ」


「いや、食べる!」


俺から串に刺した焼き魚を取り頬張り始める。


「うめー!この焼き魚、超うめーぞ!」


「当り前だ。俺が焼いているんだ」


「もう一匹!」


「あっ!その魚を取るな!」


「へへん!何匹も食べれちゃうぜ!・・・・・辛ぁー!?」


「・・・・・そいつには辛いスパイスを振り掛けてある。欲張った罰だな」


空のコップに水を入れて翔一に渡すと奪う様に俺から取って水を飲み干す


「ぜぇ・・・・・!ぜぇ・・・・・!し、死ぬかと思った・・・・・!」


「注意事項その1、自然界には危険な食物が育っている。食べられるか調べてから食べる事だ」


「べ、勉強に成りました・・・・・」


「ならいい。それと、それを最後まで食えよ」


「・・・・・」


冷汗をダラダラと流す翔一にモクモクと焼き魚を食べる俺。しばらく俺は翔一と色々な話をして

1日を過ごした。


「そろそろ帰って方が良いぞ。辺りが暗くなってきた」


「そうするよ。旅人さん、また遊びに来ても良いか?」


「しばらくはこの町に居るつもりだ。たまにいない時もあるがな」


「そうか、それじゃあまた明日!今日は楽しかったぜ!」


翔一は手を振りながら家に戻っていった。


「さて、俺は戻る方法を探しに行くとするかな」


『きっと見つかるよ。皆のいる世界に』


『我等も力をお貸しします』


「ありがとう―――瞬光」


この場から離れ俺はこの町に向かいあの世界に戻る手掛かりを探し出す。多分、

この町には無いだろう・・・・・。世界中に旅をしないといけないだろう・・・・・。

それでもなかったら・・・・・。


「まあ、なんとかなるか」


あいつらが俺を見つけるまで前向きにこの世界で生きよう。

-2-
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