小説『真剣でD×Dに恋しなさい!S』
作者:ダーク・シリウス()

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六月十一日(木)



―――川神学園 3−F 朝のHR



「さて、今日はいきなり転入生を紹介するよ」


ここ3−F、川神百代のクラスに全米格闘王者のカラカル・ゲイルの弟、ゲイツの言葉に

3−Fの生徒達は大いにざわついた


「この時期にいきなり・・・・・?クローンで候?」


「クローンじゃないね、普通の人だよ」


「どーせ、ムサイ男とかそういうオチだ。ソースは私の勘」


「なるほど十分あり得る候」


「いいんだ。私には清楚ちゃんと一誠がいるもーん」


「モモヨ。直感は頼りになるが、決めつけるのは駄目だぞ」


「また何か有り難い事を言われた気がする」


「それじゃ転入生君、軽やかにどうぞ!」


ガラッ・・・・・


教室中の視線が、転入生に注がれた。


「まさかの超美少女が、きっ、きたああああああああああああああああああ!!」


「初めましてー!」


このクラスの男子や百代から大歓声が上がった


「可憐だ・・・・・っ!やったな、皆の衆・・・・・っ!ついに我等3−Fは美少女を手に入れたっ!

悲願達成っ!大願成就っ!」


「おいおい。そこのチミ、美少女は私やユミがいるだろう」


「ひぃっ、川神さんはそれよりも恐怖が勝って・・・・・」


「失礼な。まぁ、そんな事より、目の前にいる一輪の花だ。私は川神百代!よろしくな。友達から始めよう」


「武神だね?西でもその名前は良く聞いているよ」


「ん?」


「私は燕、松永燕。よろしくね、百代ちゃん」


二人はガッチリ握手した。―――その瞬間、百代の顔から笑顔は消えた


「(―――強い!今までそれを感じさせないとは、こいつ・・・・・)・・・・・松永・・・・・と

言ったか。・・・・・あの松永か?」


「うん。一応、武士娘として、決闘とかもしてるよ」


「聞いた事があるで候。西に武具を器用に使いこなす兵がいると。それが確か、松永・・・・・!」


「ゲイル兄さんも、彼女に倒されたんだ」


「それがどうして関東の川神へ?」


「おとんの仕事の都合。これが関東へ来た理由。川神学園を選んだ理由は賑やかで

楽しそうだから、・・・・・そしたらいきなり源義経、武蔵坊弁慶、那須与一だよ。いいよねぇ、破天荒で」


「なるほど、分かりやすいな、燕。では、川神の流儀でお前を歓迎してやろう。決闘だ」


教室内が再びザワついた。


「そ、それじゃあダメッ!いきなりラスボスなんて・・・・・!」


「んー。それって、試合ってことかな」


「もちろん。エンジョイ真剣勝負。ゾクゾクしないか?」


「記録に残るような試合は勝手に承知できないの」


「西の武士娘達は家名を大事にすると聞くで候」


「あー家がうるさい系なのか・・・・・」


「そ、ごめんねぇ」


「ホッ」


「でもね。あくまで稽古って事なら全然いいよ、やろっか!」


「えええっ!」


「―――はははっ!うん、そうだな。これは歓迎稽古だ」


「生半可な覚悟で戦える相手ではないで候」


「心配してくれてありがとーっ。でも、大丈夫。―――私、ちょっとだけだけど旅人さん・・・・・一誠君に

稽古されていて、それなりに戦えるしあくまで稽古だもんね、百代ちゃん?」


「「―――っ!?」」


燕の言葉に百代と弓子が驚愕の色を染めた。


「見ていたよ、百代ちゃんと一誠君の戦い。同じ武士娘として感動しちゃったよん♪」


「そうか・・・・・。お前も一誠と交流を持っているんだな?」


「うん!一誠君に助けて貰った事もあるし私の恩人でもあるの」


「なるほどな・・・・・(一誠に稽古を付けてもらったと言うのが本当なら燕から感じる

この強さは本物だ)」


「それじゃ行こうっか♪」


「ああ、お前の強さを私に見せてくれ。さぁグラウンドに行こう!」


「川神百代と稽古できるなんて武人の誉れだしさ」


「せ、先生っ!決闘でもないのに軽々とHRを中断してもいいんですか!?異議・・・・・っ、

異議申し立て・・・・・っ!」


「大丈夫。レクリエーションだよ。・・・・・フフフ」



―――同時刻 2−F 朝のHR



「お前達、このクラスに転入生が入ってくる事に成ったぞ」


突然の担任の小島梅子の言葉にFクラスがざわめく。


ビシャンッ!


「HR中は静かにしろ!」


教室に鞭が振るわれ一瞬で静かになった。


「質問がある時は挙手!」


「はい!」


「なんだ、川神」


「この時期にこのクラスに転入生ってもしかしてクローンですか?」


「いや、武士道プランとは関係ない生徒だ。それも3人」


「3人?しかも僕達のクラスに転入してくるなんて珍しいね・・・・・」


「熊飼!HR中にケーキを食べるな!」


ビシャンッ!


「あうっ!す、すいません・・・・・」


「先生、質問!」


「言ってみろ」


「転入生は男ですか!女ですか!」


「3人とも女生徒だ」


「「「「「「「「「「オッシャア、オラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」」」」」」」」」」


「制裁!」


間も置かず、梅子の鞭に叩かれた男子達

(熊飼満、大串スグル、源忠勝と風間ファミリーの翔一、大和、卓也以外)


「はぁ・・・・・まったく」


そんな男子に呆れる梅子だが何時までも転入生を待たす訳にはいかないとさっさと次に進める事にした。


「3人共、入ってこい」


―――ガラッ!


Fクラスの扉が開け放たれた。そして、3人の転入生が教卓の隣に移動した。


「「「・・・・・」」」


1人は凛とした容姿と態度に雰囲気を出す足まで伸びた黒い長髪の少女、

もう1人は活発そうで髪がツインテールの少女、最後の1人は腰まで伸びた水色の髪と瞳を持つ少女だった。


「3人共、自己紹介だ」


「はい―――私達は梁山泊から来ました。私は林沖」


「わっちは史進!」


「私は楊志。趣味は美少女の―――」


「あー、それは言わんでいいよ」


と、いきなり芸人染みた行動をする史進と名乗る少女。


「・・・・・梁山泊?中国にあるあの・・・・・?」


「ああ、私達は中国から来た。よろしく頼む」


林沖と名乗る少女がペコリとお辞儀をした。



―――2−S



「・・・・・宇佐美先生」


「なんだ?」


「グラウンドで人が集まりだしているけど決闘をするのか?」


「・・・・・何?」


HR中に宇佐美先生に窓の外に指を指してそう教えると教室がザワついた


「何言っておるのじゃ。決闘の放送が流れておらんのじゃぞ?」


「そう言われてもなぁ・・・・・」


「・・・・・本当だ。ありゃあ、3−Fの生徒達じゃねぇか。しかも川神百代と今日、転入してきた

『松永燕』が戦うみたいだ」


「・・・・・燕が?」


「おや、ご存じなのですか?」


「お前等と似て非なる状況化にいたところ救済した事がある」


「・・・・・一誠さんは困っている人であれば誰彼構わず手を差し伸べるのですね」


「んー、しょうがない。二人の戦いを観戦していいぞ。気に成ってしょうがないだろうしな」


宇佐美先生が頭を掻きながら観戦の了承を告げた。同時に皆は窓にへばり付き、グラウンドで戦っている

であろう燕と百代との戦いを見始める。俺もユキも席に立ちグラウンドを見下ろす


「ヌンチャクと三節棍ときて、太刀に鞭、ハンマーに長刀、あげくに弓矢に槍にスラッシュアックスと

きたもんだ。よくあれだけ武器が扱えるよな」


「面白い戦いだねぇー、見ててたぁーのしぃー!」


「・・・・・豊富な技を前に、川神百代も攻めあぐねているようじゃ」


「確かに、あの技術は見事ですが・・・・・」


「器用貧乏ですねっ。決定力が無いと勝てません☆」


決定力はあるぞ、あずみ。ただ―――使わないだけなんだ。俺と久信さんの最高傑作の

決定力を・・・・・。まあ、使わないみたいだ。


「見よ。どのクラスも窓にへばり付いて観戦しているぞ」


「川神百代とあれだけ戦えてたら魅入るわなぁ」


「・・・・・松永燕さん、・・・・・綺麗な薔薇には棘がありますねぇ」


冬馬は燕のことを知っているようだな?まあ、理由はあれだろうけど・・・・・と、戦いは終わったようだな


『皆さん、暖かい、温かいご声援、ありがとうございますっ。京都から来た松永燕ですっ!

これからよろしくっ!』


突然、燕の声がこの教室にまで届いた。この感じは宣伝をするんだろうな


『何故、私が川神さん相手に粘れたかと言いますと!―――バーン!秘訣はこれです!

松永納豆ッッッ!!!』


―――やっぱり。


『もちろん、これを食べれば強くなれる訳ではありません。しかーし!ここぞという時に粘りが出ます!

皆さんも、栄養満点の納豆を食べて、エンジョイ青春!試食したい人は私が持ってまーす!』


ん、俺は貰ったな。美味しかったぞ。


『皆さんも一日一食、納豆、トウッ!―――以上、松永燕でした!ご静聴感謝します!』


元気で明るい燕の声音が俺の耳に入ってきた。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――昼休み


「今日は蒸しそうだな。それでも俺は屋上で食べるがお前等も来るか?」


「はい。どこまでもお供しますよ」


「スケさん、カクさん、参りましょう・・・・・てか?」


「あははー、僕はおギンだねー?」


「美人だなー」


「いぇーい♪」


「義経も一緒に食べるぞ!」


「いいよね?」


「私もです」


義経、弁慶、マルギッテが同行を求めると当然のように一誠は肯定した。


「勿論だ。それじゃ行こう」


「僕が先陣を切るよー」


と、小雪は教室の扉を開けた。すると小雪の目の前に見覚えがない3人の少女がいた。


「あれ?だーれー?」


「・・・・・此処に旅人さんはいるか?」


「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」


「ん・・・・・?この声・・・・・」


「・・・・・旅人さん・・・・・!」


「・・・・・林沖か?」


「はい、お久しぶりです」


一誠が教室の扉に近づくと3人の少女と対面した。その内の一人の名を呼ぶと深々とお辞儀をした。


「おお・・・・・!ははは、懐かしいな!林沖!史進も楊志もいるじゃないか!なんだ、

お前達もこの学校に転入してきたのか?」


「はい、旅人さんに条件付きで会いに来ました」


「なんだ、その条件付きは?」


「―――旅人さんにより強くしてもらう事です。そして、我が梁山泊の強さを世界に知らせる為にも

旅人さんを梁山泊に招き、総代として受け継いでもらう事です」


「・・・・・マジで?」


「これを」


林沖から1通の手紙を受け取る。一誠は林沖達も屋上に誘い、屋上に向かいながら手紙を開くと

中国語の文字で書かれているが一誠は問題なく読めた。


『この手紙を読んでいるという事は天雄星、天微星、天暗星を継ぐ3人が川神学園に無事転入したと言う事に

なるな。3人がどうしても旅人殿に会いたいと願ってきたものでこの手紙と一緒に条件付きで許可をした。

旅人殿、昔はお世話に成った事を今でも感謝の念を抱いている。そのお礼の一部であるが林沖、史進、楊志を

旅人殿がいる川神学園へ生活させる間は破門にする。そしてお願いがある。学校を卒業するまでの間、どうか

旅人殿の家に住まわしてもらえないだろうか?その間に3人の誰かと婚約するのも良し、または3人を纏めて

赤子を孕ますのも良し。旅人殿の自由にしてくれ』


「・・・・・」


「旅人さん、総代の手紙になんて書いてありましたか?」


屋上に辿り着き、各々と腰を落として座っている一誠達に林沖が訊いてきた。


「お前、この手紙を読んだ?」


「いえ、ですがそれが何か・・・・・?」


「・・・・・3人でこれを読め」


「「「・・・・・?」」」


互いに顔を見合わせて首を傾げ林沖が俺から手紙を受け取り3人は文章を読むと・・・・・

驚愕したと思えば赤面した。


「あれ〜?この人達、顔を赤くしちゃっているよ〜?」


「一誠さん、なんて書かれてあったんですか?」


「・・・・・悪い、俺から言えるもんじゃない」


「はぁ・・・・・・?」


「ただ、こいつらは俺の家に住まわせる事に成った。学校を卒業する間まではな」


「えー、いいなぁー」


「はいはい、今週の土曜に俺の家に招待するからそれで我慢してくれ」


「おっ、一誠さんの家に行けるのか?」


「林沖達と燕、お前達3人とマルギッテ以外は既に誘っている」


「では、お嬢様も?」


「その通り」


「分かりました。私も一誠の家に行きます」


マルギッテの言葉に続き冬馬達3人も首を縦に振る。


「ジャジャーン♪百代ちゃんの参上ー!」


「うん、来ると思ったぞ」


「ああ、見知らぬ3つの気を感じたからな。・・・・・お前達か?」


「梁山泊から来た3人だ。名前は林沖、史進、楊志」


「―――梁山泊だと?」


キョトンとする百代だが直ぐに嬉しそうに笑った。


「ははは、中国の傭兵がこの学校に来るなんてどう言う事なんだ?いや、それはどうでも良いな。

3人共、私と決闘をしないか?」


「すまない、それはまた今度でいいですか?」


「えー・・・・・」


「百代、お前の相手は俺がしてやるからそれで良いだろう?それにこいつらはお前を楽しませてくれる

だろけどもお前がまた一瞬で倒してまた欲求不満に陥るのが嫌だろう」


「・・・・・まあ、一誠となら全力ではしゃげるからいいけどさぁ」


「はぁ・・・・・だったら、ドラゴンと戦ってみる気あるか?」


「なにっ!できるのか!?」


百代が一誠に詰め寄った。首を頷いて肯定する。


「ああ、戦いたくてウズウズしているドラゴンがいるんでな。そいつと戦って解消しているけどたまには違う

相手とさせようと思ってはいたところだ。でも、ドラゴンって最強の生物と称されているだろう?生半可な

実力者じゃあ一瞬で倒されるか殺されるかの2つの選択に成ってしまう。最強の武神のお前ぐらいの強さなら

ドラゴンと戦える。どうだ?」


「ああ!ドラゴンと戦ってみたかったんだ!喜んでそのドラゴンと戦うぞ!」


「旅人さんの所にドラゴンがいるのは既に知っているけど大丈夫なの?」


「大丈夫だ。限度が過ぎない戦いなら許し俺が見てやる。最悪、百代が死にそうになったら止める」


「おいおい、ドラゴンに私が殺されそうになるのか?」


「その確率があるんだよ。ドラゴンを舐めたら百代、お前は死ぬぞ?」


「・・・・・分かった」


「一誠、私もドラゴンと戦いたいです」


「いやー、マルギッテの場合は無理だ」


「なっ!?」


「特に武器がダメだ。木製のトンファーで戦ったら徒手で戦う羽目に成るぞ」


「それほどドラゴンの体は硬いと・・・・・言う訳ですか?」


「ああ、なんなら試してみるか?」


「どうやってですか?」


「こうやってだ」


一誠が右腕を突き出した。次の瞬間、腕に蛇の鱗のようなものが浮かび上がり、爪が鋭利に

伸びて人の腕とは思えないものへと変貌した。


「・・・・・!?」


「いま、俺の中にドラゴンが一匹だけいる。そいつの力を借りて一部だけドラゴンの腕にした」


腰を上げ百代達と少し離れマルギッテを呼ぶ。


「この腕に思いきりトンファーでぶつけてみろ」


「・・・・・」


右腕を前に突き出して防御態勢になった。対してトンファーを手に取り攻撃態勢に入るマルギッテ。


「―――いきます!」


一誠に飛びかかるマルギッテはトンファーを思いきりドラゴンの腕となった一誠の腕に振るった。


バキャッ!


腕に直撃した瞬間、トンファーに罅が入る前に一瞬で粉々になってしまった。


「分かっただろう?トンファーじゃドラゴンの身体に傷つけるどころかダメージすら与えられない」


「・・・・・」


「ドラゴンは硬い鱗を誇る。例え、ミサイルだろうがロケットランチャーでも効かないだろう。

あいつ等の身体に傷つけられる武器と言えば由紀江に渡したエクスカリバーか俺が持っている武器のみだな」


ドラゴンの腕と化となっている腕を元の人間の腕に戻して一誠はマルギッテにドラゴンの事を教える。


「さて、気を取り直して昼食にする前に―――」


「やっほー♪一誠君、やっぱり此処にいたねー」


「私も一緒に昼食を食べさせて欲しいで候」


「今日は暑いねー」


「おっ、丁度いいな。大和達が来てないのは残念だが・・・・・しょうがない」


一誠が徐に腕を天に突き出した。手のひらから魔方陣が出て来て―――そこから大量の水と海に住む様々な

生物が奔流と化となりながら屋上をドーム状に変化していく。


「おお・・・・・!」


「凄い!義経は感激する!」


「今日は蒸し暑いからな。涼しく+水族館を見に行った気分になりながら食べようぜ」


あっという間に水と魚達に囲まれた一誠達。


「一誠!お前、本当に凄いなぁ!」


「こんな芸道ができるのは一誠さんしかいないと俺は思うぜ」


「燕と梁山泊から来た3人のミニ歓迎会をしたかったからな」


「―――嬉しい!ありがとう、一誠君!」


「これが旅人さんの力の一部・・・・・」


「ははは、これは凄いねー」


「わっち等はとんでもない人と出会ったんだなー」


歓喜のあまりに一誠に抱き付く燕と水のドーム状を見て唖然とする林沖と史進、楊志。


「さあ・・・・・楽しく昼食をしよう」


一誠達は水と魚に囲まれた屋上で昼食をする事にした。


「あー、そうだ。お前等、明日は義経達の歓迎会をやるから残ってくれよ」


「「「・・・・・はっ?」」」


「ん?義経達の歓迎会をやるのか?そんな話しは聞いていないぞ?」


「ああ、今言った。もう、歓迎会をする場所は整っているから残りは人を集めるだけなんだ。

そこのところは大和に任せている」


「い、一誠!何時の間にそんな話に・・・・・!?」


「昨日から」


「昨日!?」


「だからお前達は主役だから来いよ」


「はい!」


「はい、燕」


「歓迎会ってどこでやるのかな?」


「ん?俺の家にある庭でするつもりだ」


「わお!一誠君の庭でやるなんて凄い場所だね!」


「だから、3年の百代達もクラスメート達に声を掛けてくれ」


「ああ、分かった」


「うん、たくさんの人を呼ぶね」


「場所は体育館だ」


「分かりました。私達もSクラスの方も声をかけましょう」


「よろしく頼む。代わりに心に残るほどの光景を見せてやるよ」


不敵に笑う一誠に冬馬達は一誠が用意した会場は一体どんなものか興味が湧きあがった。この屋上を包む

水のドーム以上のものを用意しているのだろうと期待する。しかし冬馬達が思っている以上の事を一誠は

用意していた。義経達の歓迎会はいよいよ明日に迫った。

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