小説『真剣でD×Dに恋しなさい!S』
作者:ダーク・シリウス()

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頂点を目指せ!


一誠達が祭りに遊びに来て数時間が経った。現在は夜の6時。中央地区に巨大なスタジアムの

目の前に一誠達は集合していた。


「百代が楽しみにしていた武闘を競うイベントの時間だ。受け付けはあそこのテントにいる係員に話しかけて

申し込めば参加できる。参加したい奴は申し込んで来い」


「自分は参加するぞ!」


「アタシも参加するわ!もしかしたら愛紗って言う人も参加するかもしれないから!」


「愛紗・・・・・?一子、愛紗と会ったのか?」


「私も会ったぞ。あいつは太陽の子メッシ以上の実力者だったな。―――あいつとは一度は戦ってみたい

相手だ」


「へぇ、百代ちゃんがそこまで言わせる人なんだ・・・・・ちょっと、興味があるかも」


「私もです」


「そうか、因みにこのイベントは最初に3つのグループに分かれてバトルロワイヤル。バトルロワイヤルが

終われば直ぐに3つのグループで生き残った3人は更に複数の対戦相手と戦って勝ち残ったら優勝だがこの

イベントの主催者と戦う権利を得る事にも成っている。その主催者と戦うか戦わないか自由だ」


「禁止事項はあるか?」


「相手を殺さない事だな。それ以外なら何でもしても良いぞ」


「よし、早速申し込んで来よう!わくわく!」


『(清楚、お前も行け)』


「(えっ!私も!?)」


『(この国は強い奴が大勢いるからな。俺の兵にするには丁度いい)』


「(もう、そんな事言って一誠君に怒られても知らないからね?)」


『(俺の夢は頂点を目指す事だ。まずはこのイベントに参加して優勝する)』


「(でも、私は戦う事なんてできないよ?)」


『(俺がサポートしてやる。お前の体は俺の体だぞ。逆も然り。俺の言う通りに動けば

最初の戦いは勝てる)』


「(うん・・・・・分かった。じゃあ、登録するね)」


「あと、武器の使用は許されているから控室にある武器庫から好きな武器を選んで戦っていいぞ」


「やった!じゃあ、薙刀もあるのね!」


「姉上はどうなされます?」


「我は見学をする。百代の活躍を見る為にな」


見学するグループと武闘を競うイベントに参加するグループと別れた。


「って、清楚先輩も参加するのか?」


「うん、私も英雄のクローンだから少しは戦いを学ばないといけないから」


「(清楚さんが出るという事は覇王・項羽が出るという事に成ると義経はそう思う。・・・・・強敵だ)」


「(ここで明かす気か?まあ、『準備』はできているから問題は無いけどな)」


「川神百代。同じグループでしたら容赦はしないと知りなさい」


「あはは、お前ともまた戦ってみたかったしなぁー。いいぞ、私も容赦はしないからな?」


「私も参加しよっと。いっぱいコピーしちゃうよー」


「わっちも参加する!」


「私は一誠の護衛として一誠の傍にいる。2人共、頑張れ」


「俺達はスタジアムの会場席に行くとしよう。席に座る場所は予め俺が予約したから安心しろ」


「流石はイッセー、用意周到だね?私との結婚も既に用意しちゃっているとか?」


「まだそれはないな」


「・・・・・ククク、まだね・・・・・」


「ああ、そうだ。マルギッテ」


「はい、何でしょうか?」


「お前の武器を創ろう」


言うなり一瞬の閃光がいきなり発生したと思えば金色の錫杖が発現した。一誠がシャランと錫杖を振るうと

マルギッテの目の前に光が集まりだし一対の武器と化となって完成した。


「これは・・・・・トンファー?」


「正確にいえばトンファーブレードだな」


木製のトンファーと違い刃が付いたトンファーだった。マルギッテはトンファーブレードを手に

取って確認する。


「しかも・・・・・グリップのようなものもありますね・・・・・。銃にも成るんですか?」


「オールラウンダーの武器だ。今回は銃の使用は禁止されているからそれは使うなよ?」


「でも、どうして私にこれを・・・・・?」


「百代クラスの実力者の前では木製のトンファーは紙くずだ。武器を破壊されない為にもマルギッテに新しい

トンファーを渡す。名前は―――オルトロス」


「オルトロス・・・・・私の新しい武器」


「頑張れよ。マルギッテ」


一誠達は参加する百代達と別れてスタジアムの会場席へ赴く。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



――――控室


「へぇ、結構人数がいるわねー」


「ああ、此処にいる全員がライバル同士って事に成る。犬もライバルだな」


「ふふん、負けないわよ?」


「自分もだ」


「武器を使いたい選手はこちらに来て下さーい!」


「アタシは薙刀!」


「自分はレイピアだ!」


『(俺は戟を所望するぞ)』


「分かった。でも、扱い方は知らないよ?」


『(俺がサポートするって言った筈だ。場合によっては俺が出る)』


「(いいの?ヒュームさんやクラウディオさん達がいるんだよ?)」


『(ふん、武士道プランなんて計画に俺を、清楚を誕生させた奴なんかの事情なんて知った事ではないわ。

俺は俺だ。清楚は清楚だ。自由に生きる権利は俺達にある。例え、俺達を生みだした母親でも俺達の

邪魔はさせない)』


「(・・・・・)」


『(清楚、前にあいつが言っていた事を覚えているか?)』


「(え・・・・・?)」


『(俺の肉体の事だ。あいつは俺専用の肉体を創れ、俺を1人の人間として現世にいられる力があると。

―――俺は自分の肉体が欲しい)』


「(項羽ちゃん・・・・・)」


『(お前の中から外の光景を見るのは悪くないが俺も夢の為に肉体が欲しい。―――世界の頂点に立つという

俺の夢を!)』


「(項羽ちゃん)」


『(ん?)』


「(それって一誠君を倒さないと出来ない夢だよね?)」


『(・・・・・)』


「(頑張ってね)」


『(ああ・・・・・)』


清楚は内の中にいる覇王・項羽と会話をしながら武器庫に赴く。武闘を競うイベントに参加するメンバーは

百代、一子、クリス、岳人、マルギッテ、燕、義経、楊志、史進、清楚の10人。―――しかし、


「おや、そこにいるのは武神じゃないか」


「ん?・・・・・あー、板垣亜巳だったか?」


「そうさね。武神も出てくるとはまあ、予想の範囲だ。優勝は私等、板垣兄弟姉妹がするよ」


板垣亜巳、板垣天使、板垣辰子、板垣竜兵の4人が参加していた。


「・・・・そいつは寝ているけど戦えるのか?」


「ふふ、その心配はないよ。同じブロックに成らないように祈る事だね」


「へぇ、自信あり気だな?一見、一瞬で倒せそうな相手だがな」


「―――見た目で判断してはならないぞ。百代」


「っ、橘さん・・・・・」


「その余裕の態度を何時までできるか楽しみだ。私もそれなりに一誠と修行をしている。前回のようには

いかないぞ」


「はは・・・・・!それは楽しみだ・・・・・!」


狂喜の笑みを浮かべて百代は天衣を見詰める。


「質問に答えなさい。優勝すると何か賞品は出るのですか?」


「そんなものは無い。代わりにその年の優勝者には名声と名誉を得られるだけだ」


「今まで優勝した者はいるのですか?」


「私等も今回は初めて参加するだが、一誠の話によると優勝者はいないそうだ」


「優勝者がいない・・・・・?」


「バトルロワイヤルに勝っても次は複数の相手と連続で戦う。体力が消耗して疲労が溜まっている状態で

挑めば誰だって負けるに決まっている」


「なるほど・・・・・。このイベントの攻略の鍵は体力の消耗を出来る限り減らさず勝たないとダメという

訳ですか」


「まあ、私は余裕で勝てるけどな」


「それと、ルールは見たか?」


「ルール?」


「ああ、バトルロワイヤルは場外エリアに出ると失格。または、戦闘不能になれば失格だ。

勝ち抜き戦も同じルールだ」


「場外エリアに出ると失格・・・・・一誠とやった時と同じだな」


しばらくして、武器庫から武器を取りに行っていた一子達が戻ってきた。同時に―――


「選手の皆様!お待たせしました!これよりA、B、Cとグループに分かれてバトルロワイヤルを行います!

番号を言いますので最初にバトルロワイヤルをするAグループの選手は私の所に集合して下さい!」


イベントが始まろうとした。


―――観客席


『今年もやってまいりました!己の名声と名誉を賭けた決闘の始まりです!』


「「「「「「「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!」」」」」」」」」」


『このイベントの実況するのはこの私、毎度お馴染のゴンザレスがお送り致します!皆さん、どうもよろしく

お願い致します!』


「「「「「「「「「「ゴンザレスゥゥウウウウウウウウウウウウウウッ!」」」」」」」」」」


『はい、どうも!それでは、始める前に我等の歌姫達の歌声を聞いてから開始しましょう!

数え役満☆姉妹の登場だぁあああああああああああああああああっ!』


選手入場口に煙が発生する。その煙に三つの影が浮かび上がり煙の中から3人の少女が飛び出してきた。

桃色のロングヘアーで天然の癒し系と思わせる風貌で踊り子の衣装からでも分かるほどの豊満な胸の持ち主の

少女、ポニーテールで活発そうな踊り子の衣装を身に包む少女、紫のショートカットで眼鏡を掛けるクールな

雰囲気を持つ少女が口元にマイクを近づけ口を開く。


『やっほー!今年もやってきたね!武闘大会!』


『そうね!今年こそは誰かが優勝する事を望んでいるわ!皆、頑張ってよ!』


『私達の歌を聞いて優勝を目指して頑張ってください』


『それじゃあ、何時ものあれをするよー!―――みんな大好きー!』


「「「「「「「「「「てんほーちゃーーーん!」」」」」」」」」」


『みんなの妹!』


「「「「「「「「「「ちーほーちゃーーーん!」」」」」」」」」」


『とっても可愛い』


「「「「「「「「「「れんほーちゃーーーん!」」」」」」」」」」


『うん!今年も元気だね!それじゃあ皆!私達の歌を聞いてね!』


「「「「「「「「「「ほわぁっ!ほわっ、ほわっ、ほわっ、ほわぁあああああああああああああああああああ

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」」」」」」」」」」


そして、会場に曲が流れだして3人の少女は歌い始める。


「わあ・・・・・会場にいる皆さんは凄いですね・・・・・」


「うん、まるで七浜スタジアムに来ている気分だよ」


「この国にいる歌手の中であの3人が有名なんだ。しかもあの3人の歌声は不思議な力を宿している。

人の心を癒す力があるんだ」


「歌で民の心を癒す・・・・・。このような方法を義兄上は民を幸せに?」


「英雄、お前のやり方は間違っていないと思う。マルギッテの考えも然り。―――だが、人の本当の幸せとは

何だと思う?本当の自由とは何だと思う?」


「・・・・・」


「武力統制、九鬼財閥による市場の席巻。―――どちらも『支配』と言う名の許で一般の住民を動かす事は

変わりないんだ。市場の席巻をするにはどうしても膨大な金が必要と成る。市場を席巻しても買うのは人間で

金を払わないと購入できない。その上、無職で購入できない人間は飢えて餓死する。マルギッテの場合は

『力』で支配する。そんな支配をされたら遅かれ早かれクーデターが起きる。―――ハッキリ言うと俺は

どっちも好まない。人の心は自分のものだからな」


「では、義兄上はどのような方法で民草を豊かに暮らさせるのですか?」


「人生に楽な事は無い。辛い事、大変な事、そんな事が多い人生の中で俺は『歌』で住民達の心を癒そうと

思っている」


「歌ですと・・・・・?」


「このスタジアムにいるこの国の住民達の顔を見てみろ。あの3人の歌を聞いてどんな表情をしている?」


「・・・・・楽しそうですな」


「ああ、歌は時に人の力と成る。それは想いも同じだ。想いも人の力と成る。彼女達は歌に想いを籠めて

この国の住民達の為に歌っている。『頑張れ』『負けるな』『元気になれ』と・・・・・」


数え役満☆姉妹が最後に決めポーズをした。同時に会場の観客達は大歓声を上げ拍手を送った。彼女達は

観客達に大きく手を振りながら中央のステージから去って行く。


『数え役満☆姉妹の歌を聞いて会場の皆さんのテンションが上がったところで開始しましょう!

バトルロワイヤルを!』


「「「「「「「「「「ほわぁっ!ほわっ、ほわっ、ほわっ、ほわぁあああああああああああああああああああ

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」」」」」」」」」」


『このイベントに参加した人数は約150名!三つのグループに50名ずつ分けてバトルロワイヤルを

行います!では、最初はAグループの試合を始めましょう!50名の参加選手達の入場です!』


再び選手入場口に煙が発生した。立ち込める煙から次々と選手達が現れた。


「早速モモ先輩が出てきたぞ」


「しかもクリスや史進、ガクトに板垣って言う人もいるね。青い髪の人以外が3人も」


「このブロックはもう百代が勝つと思っても良いな。戦いはまだ始まっていないからどうなるかは知らないけどよ」


『選手達が中央のステージに集いました!よって、橋は上げられます。ステージの周りは大量の水に囲まれて

おります。水に落ちた選手は失格、また戦闘不能になった選手も失格でございます。

―――水に濡れた女を見たいかぁー!?』


「「「「「「「「「「見たいに決まっているだろぉー!?」」」」」」」」」」


「この国の住人って変態しかいないの?」


「・・・・・」


弁慶の言葉に一誠は何も答える事が出来なかった。本人達は半分欲望と半分ノリで言っている様なものだが

どちらにしても変態なのは変わり無かった。


『それでは!毎度お馴染の仕掛けを発動して―――試合開始です!』


実況者がそう言うと銅鑼が鳴りだした。一拍してステージがグルグルと駒のように回りだした。


『一定時間に成るごとに回る速度が速くなります!これは全員が失格と成る事もありますので早く

他の選手を倒さないと自分が吹き飛ばされます!』


「うわ、こんな仕掛けの中で戦うなんて大変だね」


「これでも勝ち残った奴はいたさ。問題は次のステージだ」


ステージが回る最中、50名の選手達が誰彼無しに襲い掛かった。岳人は己が鍛え上げた


身体を使って敵を水に吹っ飛ばしていく。クリスはレイピアで選手の体を突き飛ばし、史進は棒で突き、

薙ぎ払い、吹き飛ばす。亜巳、天使、竜兵は選手達を次々と倒していく。一方、百代は―――。


「あっはっはっはっはっはっ!」


嬉々として手加減しているのか1人1人と相手をしていた。


『おっと!これは驚きだ!今年のバトルロワイヤルはどうやら一味違うようだぞぉ!選手達が一方的に複数の

選手達に撃破されていくぅ!』


その光景に実況者が大声を張り上げながら言った。


「まあ、あいつらが出ればそうなるに決まっているって」


「史進は嬉しそうに戦っている」


「あっ、ガクトが竜兵って人と殴り合い始めた」


「クリスは亜巳と言う女と戦っているなー」


「―――でも、勝つのは」


「川神流、大爆発!」


ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!


自分を中心に大爆発を起こした。その衝撃で岳人達は場外エリアまで吹き飛ばされて水の中に沈んだ。


『し、試合終了!勝者は、初参加の川神百代だぁー!』


「あいつなんだよなぁー」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――控室


「やはり川神百代が勝ちましたか」


「当然よ!お姉様は負けないわ!」


「・・・・・川神百代はイッセーに負けたと私の記憶がありますが?」


「あっ、ははは・・・・・」


「やっぱり百代ちゃんは強いねー」


「そうだね、凄いよ」


「次はBグループだけど一体、私達の中で誰が出るんだろうねぇ〜」


「それはこれから呼ばれると理解しなさい」


控室にある巨大なテレビでは気絶した選手を担架で運んだり、水の中に落ちた選手を引き上げている作業を

していた。その中で勝ち残った百代は―――。


「よぉ、勝って来たぞ」


控室に戻ってきた。


「お姉様!おめでとう!」


「ああ、だが、大して面白くは無かったな。皆、私を放っておいて戦うんだから

一気に終わらせてしまった・・・・・」


「そりゃあ、誰も武神とは戦いたくないからでしょ」


「・・・・・ま、バトルロワイヤルが終われば勝ち抜き戦があるからそれで楽しむとしようかな。

ワン子、頑張れよ」


「うん!絶対にこの試合で勝つわ!」


「―――次はBグループのバトルロワイヤルです!番号を呼びますので選手の方はこちらへ!」


スタッフが1枚の紙を持って声を張り上げながら言った。自分か?とスタッフに呼ばれるのを待つ燕達。

少しして


「―――90番!」


「私だな」


「―――91番!」


「義経だ!」



「―――96番!」


「アタシね!」


「―――98番!」


「あら、呼ばれたよん」


マルギッテ、義経、一子、燕の4人が呼ばれた。4人は既に集まっている群衆に赴く。


「・・・・・ねえ、変な人もいるね」


「蝶の仮面を付けている人もいますね。素顔を隠しているのでしょう」


「来ている服の丈が短いわ」


「武器は槍・・・・・。だが、義経は負けない!」


「全員が集まったようなので中央ステージに向かってください!」


燕達はゾロゾロと中央ステージに赴く。50名が戦闘をするステージに辿り着くと周りは自分達を見る

観客が一杯だった


「き、緊張してきた・・・・・」


「ふふ、テンションが上がってきたよん。一誠君も見ている手前、負ける訳にはいかないね」


「ふっ。では、そのイッセーから貰ったこのオルトロスで全ての敵を薙ぎ払います」


「―――ふふ」


「何が可笑しいのです?」


「実は私も一誠君から貰った物があるんだよん♪」


と、1枚のカードを取り出した。カードには黒い籠手と黒い足の鎧が描かれていた。


「黒飛燕」


燕がそう言うとカードが一瞬の閃光を放って燕の手と足にカードに描かれていた黒い籠手と黒い足の鎧が

装着した。


「よし、久しぶりに使うとしますか!」


「それもイッセーが?」


「そうだよん、別れ際にくれた物。マルさんには負けないよ?」


「マルさんと呼ぶのは止めなさい!・・・・・私も負けませんよ」


『では、始めましょう!Bグループのバトルロワイヤルを!』


実況者が言い放った。―――次の瞬間、ステージが幾重にも宙に浮きながら燕達50名の選手達を乗せて

別れ出した。


『今度は自分の足場を利用して相手に近づき落としていってください!相手の足場に乗り移る事も

可能ですが、落ちる可能性もあるのでご注意をしてください!』


「わっ、色々なルールがあるんだね。(一応、飛行能力はあるケド使っちゃあダメかもしれないね。

それにこの武具には更なる力が眠っている。その力は最後にとっておこう)」


『試合開始です!』


―――控室


「えいっ!はっ!ふっ!」


『(もう少し早く振れ。それではふっ飛ばされるぞ)』


「(身体を動かすのは良いんだけど、応援しなくても良いの?)」


『(ふん、俺とお前以外の人間は敵だ。お前は前半の試合で1人だけ戦ってもらわないと困る。

だから出来る限り相手の攻撃を防ぎつつ攻撃をしていきながら生き残る方法を教えているんだ)』


「(うん、でも、私は武道の心得なんて一つもないよ。勝てるのかな・・・・・)」


『(確かに清楚には不向きな事だろう。だが、悪いが俺の夢の一歩を進むにはこのイベントを

優勝しなければならない。協力をしてくれ)』


「(・・・・・ふふ)」


『(何が可笑しい)』


「(一誠君と出会ってから項羽ちゃんは変わったね)」


『(なっ・・・・・)』


「(一誠君がまだ旅人さんとして出会った時、私が謎の英雄のクローンと知り名前を聞くと一誠君は不思議な

力で項羽ちゃんの意識を呼び起こした事を覚えている?)」


『(ああ、衝撃的だったから忘れる筈がない)』


「(項羽ちゃんを覚醒するのに歌がキーワードだったらしいけど今はそんなの必要なくなって

何時でも項羽ちゃんとこうして心の中でお喋りが出来る。だけど、初めて私が覇王・項羽という

 英雄のクローンだと知った時には驚いたなぁ・・・・・)」


『(そうか)』


「(でも、私が覇王・項羽だと知ってスッキリしたよ。もう、悩む事なんて無いからね)」


清楚は額に垂れる汗をハンカチで拭いながら心の中で呟く。その表情は微笑みを浮かべていた。


『(次の試合が始まるまで休憩だ)』


「(うん、分かった)」


戟を地面に置いてベンチに座る。控室に設置されている巨大なテレビにはマルギッテ、燕、義経、

一子しか残っていなく4人が戦っていた。


―――中央ステージ


「はぁああっ!」


「HasenJagd!」


ガキンッ!


一子とマルギッテが足場を利用して一気に近づき鍔迫り合いをした。


「くっ、足場が狭いから思う様に薙刀が振るえない上に制限されちゃって面倒だわ!」


「戦場に良い訳は通用しないと理解しなさい!」


「此処は戦場じゃないわよ!」


「相手と戦っている時点でどの場所でもそこは戦場だ!」


ドッ!


「うぐっ!」


回し蹴りをして足の裏を一子の薙刀の柄を掻い潜り腹部に突き刺して吹っ飛ばした。不意に敵意を向けられた

場所へトンファーブレードを前に出して構えると―――義経が刀を振り下ろしていた。だが、義経の刀は

ブレード部分に阻まれ奇襲攻撃は失敗に終わった。


「っ・・・・・!」


「殺意は無いですが敵意が丸出しで気配が読み取りやすいです」


「義経は負けない!」


「その心意気は買います。ですが、今の私は誰にも負ける気はしない!」


もう片方のトンファーブレードを義経の身体を突き刺そうと動かすが義経が身体を横に動かして回避し、

マルギッテに斬り掛かる。が、


「良くも蹴ってくれたわね!」


「「っ!」」


横合いから一子が薙刀を振るって義経の刀を弾き、猛スピードで擦り抜けながらも再び戻って

今度はマルギッテに向かう。


「はああっ!」


「まるで戦闘機のように動きますね。ですが、実際に乗った事もない貴女と戦闘機を乗った経験がある私には

劣ると知りなさい!」


猛スピードで接近する一子に迎撃と猛スピードで向かうマルギッテ。―――2人が交錯する。

・・・・・その瞬間、


「この時を待っていたよん!」


「「―――っ!?」」


2人の横から燕が足を突き出して―――2人の足場を破壊した。


「わっ!お、落ちる!落ちちゃうぅ!」


「お、おのれぇ!」


重力に逆らえず2人は落下して水の中に沈んでいった。


「よっと」


空中に浮いていた別の足場に掴んで軽やかな動きで乗った。


「す、凄い事をするのだな・・・・・」


「ふふ、私が今まで戦いに参加していない理由は何だと思う?」


「え・・・・・?」


「―――戦いを有利に運ぶために準備をしていたんだよん♪」


言うなり燕は足場から離れて義経に接近した。燕の接近に避ける。


「(戦いを有利に・・・・・?でも、足場から離れてこのまま燕先輩は―――)」


「下に落ちるとでも思ったかな?」


「なっ!?」


燕を見ると他の足場に飛び乗っていた。また燕が義経に接近して義経が避けると義経の真上にあった足場に

足を付け逆さまの状態で義経を見る。


「これで分かったかな?」


「・・・・・」


警戒しながら周囲を見渡すと一定の距離で浮いている足場があった。しかも、真上にいる燕が足場から

離れてもどんな所でも飛び乗れるように設置されていた。


「(義経の足場はこれだけ、対して燕先輩の足場は義経の足場以外の殆ど!

・・・・・これはかなり大変だぞ・・・・・)」


「それじゃあ・・・・・いくよ!」


ダッ!ともの凄い速さで足場から離れて義経に近づく。接近する義経から離れるが燕は下に落ちる事もなく

別の足場に着地して他の足場へ移動し、また別の足場を利用して屈折しながら移動する。


『これは凄い!今までこのルールで行ってきましたがこんな戦い方をする選手は初めてみます!一方のもう

1人の選手は次から次へと足場に跳び乗る選手に手も足も出ません!まるで、蜘蛛の糸に掛かったエサとその

エサにゆっくりと迫る蜘蛛のような2人の選手ですが!もの凄い速さで軽やかに動くその姿はまるで飛燕!

 燕です!』


「(燕・・・・・確かに燕先輩はそんな動きを表現している。燕を斬ったと聞く佐々木小次郎は燕を

斬った際にある技を習得した)」


義経は柄を両手で握りしめる。


「(燕返し・・・・・)」


義経の周囲にある足場を跳び乗り続ける燕を睨むように見詰める。今の彼女はまさしく

燕のような動きをしている。


「(義経に接近した時、燕先輩は宙にいる。―――その時を狙えば!)」


「そろそろ行くよ!」


跳び乗っていた足場を力強く踏みしめ義経の方へ跳びかかった。


「(・・・・・初めてだが、やるしかない!)」


集中力を高めて燕を見る。燕を軽やかに飛ぶ燕として捉えた。


「はっ!」


「っ!?」


一ノ太刀の斬撃を放った。燕は空中で避ける事を余儀なくされ身体を捻りかわすと二ノ太刀が放たれ―――。


「秘剣・燕返し!」


一ノ太刀は突き、二ノ太刀は燕がかわした先に弧を描くように刀を振り下ろし。三ノ太刀は払い。

3つの剣撃が燕を襲った。


ザシュッ!


「くっ・・・・・あっ・・・・・!」


燕の体に一閃の傷が生まれ血が迸った。バランスを崩して燕は水に落下するかと誰もが思った。―――刹那


「っ・・・・・!」


ドガッ!


「うわっ!?」


落ちる最中に燕は足を振り上げて義経の足場を破壊した。2人は足場を失い下に落ちて行く。


「あはは・・・・・。黙ってやられるなんて嫌だからね。一矢は報いたよ・・・・・」


「・・・・・流石です。燕先輩。義経は感服致しました」


―――ドッボオオオオンッ!


水の中に落ちた2人。ステージには誰も選手がいない。結果は・・・・・。


『終了!この試合は引き分けです!凄い、凄い戦いでした!会場にいる観客達から拍手が止みません!』


―――控室


「凄い・・・・・ね」


『(あれぐらいの事ならあいつもできる)』


「(・・・・・そういえばずっと思っていたんだけど)」


『(なんだ)』


「(どうして一誠君の名前を呼ばないの?)」


『(・・・・・別に言わなくともあいつは返事をしてくれるだろうから名前を言う気はない)』


「(もしかして、恥ずかしいとか?)」


『(俺があいつの名前を呼ぶぐらいで恥ずかしがるか!俺は覇王・項羽だぞ!?いずれ俺の妻と成る

あいつの名前ぐらいは言えるわ!)』


「(ふーん、なら一誠君の前で名前を言えるね?)」


『(なっ・・・・・!)』


「(だって、覇王・項羽なんでしょ?一誠君のお嫁さんに成るんでしょ?なら、言えるよね?)」


『(ぐっ・・・・・!)』


項羽が顔を赤く染めた事に見えてはいないが清楚は何となくそう想像した。


「次はCグループのバトルロワイヤルを始めます!100〜150の番号の選手は

私の所に集合して下さい!」


「さてと、頑張るとしよう!」


「負けないからそのつもりで〜」


「辰子。起きろ、私達の番だぞ」


「ん〜・・・・・眠いよ〜」


清楚、楊志、天衣、辰子の出番が来て4人は他の選手たちと共に中央のステージに移動する。


『いよいよバトルロワイヤルはこのグループで終了と成ります!現在、バトルロワイヤルで勝ち残って

いるのはただ1人です!果たしてこのグループから勝ち残る選手がいるのでしょうか!?

それでは始めましょう、バトルロワイヤルを!―――試合、開始です!』


開始宣言がされた。―――刹那、清楚達の足下が激しく揺れ出したと思えばステージに割れ目が

出来て広がるように分離した。


『ステージがランダムに分離していきます!その中で場外エリアに落としてください!なお、ランダムに

分離したステージが元のステージに戻ると少しずつ沈みます!完全にステージが水に沈み仮に生き残っている

選手の皆さんの足に水が触れたら全員失格とされます!』


「時間との勝負にもなるんだね」


『(取り敢えず、傍にいる敵を倒せ!)』


「うん!」


清楚は自分に拳を突き出してきた選手を


「ごめんなさい!」


ドンッ!


「ぐほっ!?」


分離したステージから落とした。


―――観客席


「清楚な清楚ちゃんが頑張って戦っているぜ!清楚だなぁ・・・・・」


「他の皆も怪我しないでほしいよね」


「ああ、そうだな」


「はぁ・・・・・負けちゃったわ」


「しょうがないよ。また勝負すればいいだけ」


「マルさん・・・・・そんなの落ち込まないでくれ」


「ですが・・・・・折角イッセーが新しい武器を創ってくれたのにこの有り様・・・・・

申し訳ございません」


「しょうがないさ。だけど、どうだった?オルトロスは使いやすかったか?」


「はい、軽くて丈夫で、斬撃の他にも打撃もできたのでとても使いやすかったです。まだ使っていませんが

銃としても使えるので凄く頼もしい武器です」


「そっか、そう言ってくれると嬉しい。それと、オルトロスは組み立てる事も出来るんだ」


「これが組み立てられるんですか?」


「ああ、貸してくれ」


指示に従ってトンファーブレード、オルトロスを一誠に渡した。受け取った一誠は

オルトロスを前後に連結した。


「ライフル・・・・・ですか?」


「その通り、言っただろう?オールラウンダーの武器だって」


連結を解除してマルギッテに返す。そして、燕に振り向く。


「それにしても燕、黒飛燕を使うのならあの力も使うと思ってはいたんだけど・・・・・」


「あはは・・・・・百代ちゃんの時に使おうかなって思って使わなかったんだケド、

義経ちゃんにやられちゃったよん」


「燕返し・・・・・燕専用の技だな」


「義経先輩、凄いです」


「よ、義経も一生懸命だったから・・・・・でも、義経も負けてしまった」


「まあ、互角って事だね。今度また戦う事に成る時は負けないよ?」


「は、はい!義経も負けません!」


「それにしても・・・・・辰の奴は寝ているなぁー」


「しかも相手にもされていない。どうしてだ?」


「大方、『寝ている奴は最後に倒す』とでも思っているんじゃないか?」


「それじゃあ、辰を本気にさせようかね」


「マジで?」


「ああ、マジだよ」


「・・・・・まあ、盛り上げるのに悪くは無いか」


一誠の言葉に了承の言葉が含まれている事に気づき亜巳は口を開く。


「―――辰!本気でやりな!」


―――ステージ


「―――辰!本気でやりな!」


亜巳の声が中央のステージまで届いた。丁度、ステージが元に戻って少しだけ沈んでいくところだった。


「なんだ・・・・・?」


「なに・・・・・?」


『(―――気を付けろ、清楚)』


「(えっ・・・?)


『(眠っていた獣が覚ますぞ)』


亜巳の言葉が届いたのか辰子の雰囲気が変わった。


「・・・・・ふぅぅぅ」


「―――気がいきなり上昇した・・・・・!?」


「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」


辰子が雄叫びを上げた。生き残っている選手達や清楚達は突如変わった辰子に驚愕の色を染める。


「な、なんだ・・・・・!?あの少女―――」


ガシッ!


「っ!?」


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


驚く選手の1人の顔を鷲掴みにしてボールのように他の選手達に向けて思いきり投げ飛ばした。投げ飛ばされ

巻き添えを食らった選手達は場外エリアに落ちてしまった。


『な、なんと!さっきまで寝ていた無害そうな少女が一変して凶暴化になったぞぉー!?しかも人1人を

投げるそのパワーは桁違い!まさかの王道的な展開が起きたぁー!』


「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」」」」」」」」」」


「・・・・・まさか、辰子にあんな力があるとは思いもしなかった。パワーだけなら百代を超えるぞ」


『(清楚、あいつに捕まったら最後だと思え)』


「う、うん!」


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」


凶暴化に成った辰子は他の選手を掴んでは投げ、掴んでは投げと繰り返し気づけば天衣、楊志、

 清楚のみとなった。


「あはは・・・・・結局、生き残ったのは私達だけだね」


「さて、こいつをどう倒すかだな・・・・・」


互いに警戒をしながらも辰子に警戒する。分離していたステージも元に戻り。水に沈んでいく最中だった。


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおぁぁああああああああああああああああああああああああああああ

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」


雄叫びを上げる辰子は天衣へ飛びかかる。


「遅い!」


瞬時で辰子の背後に回った。かつて、四天王だった天衣は他にスピードクィーンと呼ばれていた。その速さは

四天王の中でトップクラスだった。だが、百代に敗れ武者修行中に由紀江に敗れ四天王の座を剥奪された。

しかし、現在の天衣の実力は一誠に稽古を付けてもらって以前より格段に上がっている。


「はあっ!」


「うぐっ!?」


速さと勢いがある回し蹴りが辰子の腰辺りに直撃した。場外エリアに吹っ飛ばされそうになるが辰子が一枚の

カードを取り出した。カードは光輝き辰子の手中には棒が握っていた


「ふん!」


ドッ!ガガガガガガガガッ!


ステージに思いきり突き刺して減速し続ける。ようやく止まった頃にはギリギリ場外エリアに

入りそうだった。距離は約3センチ。


「流石だな。棒でステージに突き刺して減速するとは」


「武器は・・・・・これでいい!」


辰子がそう言うと握っていた棒がグニャリと変化して鉄球付きの棒へと変わった。天衣は変化する棒を見て

把握した。


「変化する棒・・・・・。ある意味厄介だな」


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


「あれ、今度は私?」


楊氏に接近する辰子に少し冷汗を流す。辰子からこれと言ってコピーする技や体技などなく鉄球と一対の

青龍刀では相性が悪い。


「吹っ飛べえええええええええええええええええええええええええっ!」


「食らうと痛そうだから却下!」


鉄球をブオンッ!とバットを振るような動作をする辰子から逃げる楊志。逃げた先には

清楚がいて一対の青龍刀を構える。


「恨みは無いけど倒させてもらうよ!」


「ま、負けない!」


戟を前に突き出して防御する。―――その隙に天衣が清楚の横に移動して飛び蹴りをした。


「・・・・・っ!?」


「隙だらけだぞ、もっと周りを見て戦うんだ」


「は、はい・・・・・!」


「うおおおおおおおおおおおおおおぁぁああああああああああああああああああああああっ!」


ガコンッ!


不意にステージがランダムな大きさで分離した。4人は離れ離れになり攻撃が中断した。


『次で最後に成ります!チャンスはステージが水に沈むまでの間!さあ、誰が勝ち残るかぁ!?』


「スピード勝負だ。なら、私が勝つ」


「ふぅ・・・・・ふぅ・・・・・」


「んー、今回はコピーできないなぁー。勝ち抜き戦でコピーできるかな?」


「皆、次で決着を付ける気だね」


『(足が水に触れたら失格だからな。・・・・いや、待てよ?)』


「(どうしたの?)」


『(・・・・・清楚、無理に戦わなくても良い。ステージが水に沈むまで攻撃を防ぐか逃げろ)』


「(どう言う事?)」


『(それは―――)』


「ああああああああああああああああああああああっ!」


辰子がまた雄叫びを上げるとランダムな大きさで分離して離れている清楚達まで届く程の巨大な棍へ変えて

清楚達の足下のステージを破砕していく。


「はっ!?」


「なんて破天荒な!?」


楊志と天衣の分離しているステージを破砕されてしまい、2人は水の中に落ちてしまった。


『おおっと!これは破天荒な攻撃だぁ!今まで誰もしなかった事を彼女はしたぞぉ!

ステージを破壊して選手を落とす発想は誰も考えもしなかった事です!』


「・・・・・!」


「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


一気に2人を落として今度は清楚の足下のステージを破壊しようと根を伸ばす。


『(清楚!あの棍に飛び乗って走れ!)』


「(う、嘘!?)」


『(じゃなきゃ落とされるぞ!―――跳べ!)』


「ええい!」


半ばヤケクソで思いきりジャンプすると棍が清楚の足場を破砕した。その棍に着地して駆けだす。


「っ!?」


「ごめんなさい!」


ブンッ!と戟を辰子に向けて投げ放った。もの凄い速さで辰子に向こう戟は何の障害もなく

辰子の体に直撃した。


「ぐううううううっ・・・・・!」


刃が潰れているがそれでもダメージは免れない。棍を手放して両腕でガードするが少しだけステージを

滑った。そして、少しして足が止まって辰子は戟を掴んで清楚に攻撃をしようと振るうが・・・・・。


「えい!」


ドンッ!


棍の上を駈け走りきった清楚が直ぐ目の前にいて両手を突き出してダメ押しに辰子を押した。

 辰子はそのまま場外エリア―――水に落ちていった。


バッシャアアアアアアアアアアアアアアンッ!


『(当初の考えとは違うが・・・・・。結果良しとしよう)』


『試合しゅうりょぉぉおおおう!勝者は初出場の葉桜清楚です!バトルロワイヤルに残ったのはAグループの

川神百代とCグループの葉桜清楚の2名!果たして次の勝ち残り戦で両者はどこまで食いつくのか

我々はその瞬間を見守ります!』





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