小説『真剣でD×Dに恋しなさい!S』
作者:ダーク・シリウス()

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密会



「ん・・・・・」


とある一室のベッドで兵藤一誠は目を覚ます。


「・・・・・懐かしいな。あれからもう数年か」


『数年』この数年はあいつらと別れた時間の意味。あいつら・・・・・元気にしているかな?


「ま、あいつらだけじゃないけどな」


『主そろそろ時間です・・・・・』


「そんな時間か・・・・・」


『これで最後です』


「かなりの数を潰していくのは面倒だったなぁー」


『密かに潰して行かないとダメですからね』


「ん、それが今日で終わる。一時的だが世界は平和になる」


『主、行こう』


「ああ、―――闇を闇へ更なる闇へ葬りに」


一誠は一室から出て何処かへ赴いた。


―――とある施設


グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


山にある施設に数匹のドラゴンが暴れている。建物を破壊、逃げ惑う人間を一ヵ所に集め捕獲し檻の中へ

入れていく。そんな最中に数台の車が建物から走り去って行く光景を一匹のドラゴンの瞳に映った。

ドラゴンは翼を羽ばたかせ数台の車に移動し車ごと掴み檻の中へ放り込む


『グハハハハ!楽しいなぁ!やっと眠りから解放されたと思えば暴れさせてくれるとはよぉ!』


『少しの間だけだ。お前は直ぐに我等と共に戻るのだからな』


『けっ!まあ、まだまだ壊し尽くしていないからそれまで楽しませてもらうぜぇー!』


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


一方、一誠は地下に潜入していて機密情報やら最重要の書類など見つけ次第、コピーして消去、

または消失していく。


「・・・・・残りはこの部屋のみだな」


無機質の扉を潜り中の部屋に進入する。―――部屋の中には大量に並ばれあるバイオカプセルで一杯の

部屋だった。カプセルの中には人や獣に近い物体が液体に漬けられていた。


「・・・・・さてと、アンタの野望はここまでだ」


一誠の視線の先に電子機器を動かしている1人の若い白衣を着た女性がいた


「・・・・・よくとまあ、私の裏の施設を見つけ破壊し尽くしてくれているわね」


「徹底的に闇へ葬る為だ」


「ふふ、ドラゴン・・・・・この目で見るまではとても信じられなかったわ。あなた、何者かしら?」


「―――なに、ただの迷子の旅人さ」


「そう・・・・・そう答えるのなら力づくで聞くしかないのね」


女性が赤いボタンを押した。すると全てのバイオカプセルの液体が無くなっていく


「何をしているのか教えてもらえるか?」


「全ての生物の中で一番強い生物を作ろうと私はこの研究所に籠もっていた。―――それがたったいま

完成したところなの。あなた、運がいいわね」


「最強の生物・・・・・」


「色々な遺伝子を構築して組み合わせ無から作り上げた私の作品をあのドラゴン達に試させてもらうわ」


「いいぜ、お前の作品とやらを見せてもらおう」


地上にドラゴン達が暴れる映像を見る。数匹のドラゴン達の前に膨大な量の水が湧きでて形を成していく。

そしてその形は―――目の前にいる一匹のドラゴンになった


「スライムか何か?」


「正確に言うと相手の姿をマネする意志を持った生物兵器ね」


「意志、ね。お前の言う通りに動くのか?」


「さあ?まだ調整段階だったし・・・・・」


「おい、完成していないじゃないか」


映像ではドラゴンとドラゴンに成った生物兵器が戦い、暴れ出した。


「ねぇ、あのドラゴンをくれない?お礼に私の右腕として働かせてあげるわ」


「はは、断わるよ。俺の大事な家族だからな」


「ドラゴンを家族と呼ぶなんてどうかしているんじゃない?」


「何とでも言え、それにお前の生物兵器が苦戦しているぞ?」


生物兵器が数匹のドラゴンに囲まれ攻撃されている


「・・・・・ふふ」


「何が可笑しい?」


「私の作品は此処からが真骨頂を発揮するわ」


―――女性が自身に満ちた声音を発した次の瞬間、生物兵器の身体がどんどん大きく成り

全長500メートルまで成長した。


「攻撃をされるほど私の作品は身体を大きく成長し、攻撃力と防御力が上がるように創りあげた。

如何にドラゴンでも負けやしないわ」


「ま、大体そう言う奴は弱点となる核が急所にあるって相場だが?」


「ええ、確かに王道的ね。でも、どこに核がある上にあそこまで成長した作品は絶対的な防御力を

誇っている。あのドラゴン達に勝ち目はないわ。逆に捕獲される」


「―――はっ」


「・・・・・?」


「違うな。あの生物は滅ぼされる。―――こいつらにな」


不意に一誠の体が神々しい光に包まれた。光は大きな塊と化となって一誠から離れ地上に向かった。


「お前等も暴れて来い。俺の家族達よ」


地上に映し出されているモニターの映像に複数の光が発現した。一瞬の閃光が弾けた瞬間―――新たな

数匹のドラゴンが出現した。その映像に女性は目を大きく見開かす。


「どうした、信じられないものを見る表情をしているぞ?」


「・・・・・実際に信じられないものを見ているわ。―――あなた、本当に何者なの・・・・・!」


「―――俺は」


再び一誠の体から神々しい輝きを発した。黒髪の長髪に金色へと変わり頭上に金の輪が現れ、

瞳が蒼に成り、背中に6対12枚の金色の翼が展開した。


「この世界に迷い込んだただの旅人であり大天使だ」


一拍して


ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


生物兵器が数匹のドラゴンの攻撃により研究所もろとも破壊された。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――川神学園


私立、川神学園。神奈川県川神市の代表的な学校で、個性を重んじる為の自由な拘束とユニークな行事・

授業が特徴的。生徒数は多い学校。中間試験は存在せず期末が勝負となる。土日は休み。アルバイトOK.他に

この学校の特徴として、『決闘』システムが挙げられる。教師達に決闘の許可を貰えば決闘をする事が

できる。武器は学校側の方針で刃が潰されたレプリカ。そんな学校にとある学生達が通っていた。

―――現在は昼休みの時間。


「うぉぉぉお!開幕ダッシュ!」


「てめぇ!フライングしてんじゃねぇ!」


学食組は猛ダッシュで戦場(食堂)へと向かった。


「今日は教室で食べるんだ?」


「ああ。クマちゃんに俺の分の朝パンを買って来てもらったんだ」


「ベーカリ・ラクスティのパンはパイのようなサクサクって感じがいいんだよね。添化物を使ってないし

クリームパンの自家製カスタードも絶品だよ」


「へー。そのパン屋ここらじゃ聞かない名前ね」


「宮前区の方だもん。朝一で買って来たんだ」


学校一の食通は、解説すると満足そうに自分の席へ。


「アタシもおべんと、おべんと♪」


「真っ赤なお弁当―」


「おおう。ご飯が七味で染まり過ぎね」


教室に残る組はのんびりと机を寄せてランチ。


「あ、名にこれ色がキレイー」


「切干大根のオムレツです。ヘルシーですよ」


皆、それぞれの昼休みを楽しんでいた。教室に設置されているテレビがニュースを報じていた


『関東地方は、広い範囲で花粉が・・・・・』


昼はニュースを見るならテレビも許可されている。


「何か面白いニュースやらないかしら?」


女子生徒が2杯目の牛乳をグビグビと飲んでいると・・・・・。


『・・・・・此処で臨時ニュースです。以前から非合理的な研究や核の開発を進めていた研究施設が

とある生物によって壊滅されたと、いま情報が入りました』


「・・・・・生物?」


「あの大きな研究所が生物に壊滅って・・・・・」


『その生物は人工衛星で確認ができました。研究施設を壊滅にした生物は・・・・・ドラゴンです』


「ド、ドラゴン・・・・・?」


『アメリカ政府やNASAは壊滅した研究施設に調査するようで何か、ドラゴンが本当に実在する

手掛かりがあればこれはこれまでの歴史を塗り替えるほどの大発見と言う事に・・・・・』


「おいおい、ゲームじゃねぇんだからドラゴンなんている訳ないだろう」


「でも、ニュースに報じる程ですから事実かも知れませんよ?」


「ねぇ、どう思う?」


「偽の情報を報じているのかもしれない。あまり信じられないな」


「うん、僕もそう思うよ」


「そうよねー、ドラゴンなんている訳無いわよねぇー」


「仮にドラゴンがいたら姉さんが嬉々として戦うだろう」


「あはは、大喜びしそうだね」


「あの人なら勝てそうな気がするよ」


「そもそもお姉様に勝てる人がいるのかしら?」


「・・・・・一人だけ勝てそうな人が心当たりある」


「うん・・・・・僕もいま思ったよ」


「・・・・・」


「あの人・・・・・旅人さん・・・・・いま、何処にいるんだろうね」


「旅人さんと別れてもう数年が経つわ。元気に旅をしていると嬉しいわ」


「うん、そうだね・・・・・」


「でも、また会いたいなぁー」


「ああ。そうだな・・・・・」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


とある大きな廃工場で大勢の研究員と仮面を被った全身黒尽くめの人物が誰かを待っていた。すると、

音もなく1人の老執事が現れた。


「―――よぉ、ようやく来たか」


「申し訳ございません。それで、ご用件は?」


「ああ、軍事に関して良い人材を見つけたんでな。そっちに引き渡そうと思ってよ」


「それはありがとうございます」


「能力があればどんな奴等でも使うお前達にとって利益に成る。それと、これはこいつらが設計していた

データのコピーだ」


「ニュースを見ましたよ。今回は派手にやったそうですね?」


「まあ、今回だけは徹底的に潰さないといけない所だったからな。―――で、お前の他に知っている奴は?」


「貴方様の言いつけ通り私しか存じていませんよ」


「ん、それならいい。影からこれからもお前達を支援するつもりだからさ」


「ふふ、そろそろ正体を明かしてもよろしいのでは?」


「―――悪いな。『ネズミ』が隠れている場所では俺の正体を明かすことはできない」


「・・・・・」


「出てきな」


仮面の人物が促す。一拍して仮面の人物の目の前にいる老執事と同じ服を着込んだ金髪の老執事が現れた。


「・・・・・俺を気づいていたか」


「この場所に結界を張っている。誰かが入ってくれば直ぐに解るさ。さて、これはどういう事だ?」


「申し訳ございません。彼に私と貴方様の密会がバレテしまいまして」


「お前、ダメじゃん」


「重ね重ね申し訳ございません」


「お前、何者だ?何故、こいつと密会している?」


「ただのおせっかいさ。俺が闇を殺し、闇に属していた者達をお前達に引き渡し有効に

使ってもらおうとしているだけ」


「見返りは何なんだ?」


「見返り?俺は何も貰ってはいないぞ」


「はい、金銭や物資、なにも彼に渡しておりませんよ」


「・・・・・解らん。お前の行動に理解しがたい事が多い。そして、どうやってこいつと出会い

何時から密会していた事もだ」


「ふっ、それは俺達だけの秘密だ」


「ええ、私と彼の秘密ですよ」


「この事は他の者には知らないのだな?」


「たったいま、一人増えたがな」


「―――クラウディ。お前は裏切っているのか?」


「いえいえ、私は誰とも裏切ってなどいませんよ。私は彼が連れてきた人材達を引き取り私達が

属している場所に働けるように手配するだけです」


「・・・・・なるほど、ここ最近、人材が増えてきたと思えばお前達の仕業だったのだな?」


「その通り、そっちは言い事尽くめだろう?人材が不足しているお前達の財閥に喉から手が出るほど

必要な人材達が入ってきてよ」


「お前は何も利益になっていないようだが何故だ?」


「―――なっているさ」


「なに・・・・・?」


「それじゃあ、クラウディ。俺は帰らせてもらおう」


「ええ、また呼んでください」


「しばらくは無いだろうな。あらかた巨大な闇の組織を屠ってから残りは小さな闇の組織しかない」


「では、その小さな組織もお願いできますか?」


「ああ、了解した」


「・・・・・待て」


「ん?」


「お前の言葉を聞く限り、あの研究員達を連れてきたのはお前だと理解している。

つまりお前はニュースで報じられているドラゴンと何か関係があるのだな?」


「ああ、その通りだ」


「・・・・・!」


「と、言ったらどうする?」


「お前を捕まえる」


「―――ほう、それはどうしてだ?」


「先程から俺と対峙して殺意を発しているのに関わらず悠然と立っているお前はただの人間ではないと

認知している」


「だな。さっきから俺に殺意を向けて来るけど敵意が無いからただの脅しだと気づいているから当然だ」


「クラウディ、お前も手伝え。こいつを捕まえて一緒に連れて行くぞ」


「・・・・・はははっ」


「何が可笑しい・・・・・」


「無理だ。例え、クラウディオの手を借りたとしても俺を捕まえることは不可能だ」


「赤子、調子に乗るなよ?」


「俺が赤子ならお前はミジンコだな」


「っ!」


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


金髪の老執事が瞬時で仮面の人物に拳を突き出す。―――だが、仮面の人物が消失して拳が

壁に直撃して穴を作った。


『言っただろう。俺を捕まえるのは不可能だと、それじゃあな。また何時か会おう』


「くっ、待て!」


「―――ヒューム。彼は既にいませんよ」


「クラウディ・・・・・」


「では、この人達を引き取りましょう。ヒュームも手伝ってくださいね?私と彼の密会を

関わったのですから」


「・・・・・お前について行けばあの男と会えるのだな?」


「今度は何時に成るか解りませんが会えますよ。必ず彼とね」


「・・・・・分かった、俺も一枚噛ませてもらうぞ」


「これからよろしくお願いします。ヒューム」


「ふん」

-7-
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