小説『真剣でD×Dに恋しなさい!S』
作者:ダーク・シリウス()

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準備



「んー・・・・・」


『どうしました?』


「いや、暇だなって思ってよ」


『まあ、何もする事は無いからねー?』


「鍛練はした。今ある本は全て読み切った。飯を作るにはまだ早すぎる。・・・・・暇だ」


『なら、久々に会ってみればいいじゃない?』


「あいつらに・・・・・?」


『うん、もう数年も会ってもいないんだし成長したあの子達を会うのも楽しみでしょ?』


「・・・・・!そうだ、良い事を思いついたぞ」


『なんですか?』


「俺も学校に通う」


『『『はっ?』』』


「ダラダラと生活をする訳にもいかないし学校に通えば楽しい事がありそうだからさ」


『まあ、主がそうしたいのであれば構いませんが・・・・・』


『だけど、イッセーはこの世界の人間じゃないから証拠となるものは無いんでしょう?』


「大丈夫だ、お願いをすれば通わせてくれる筈だ」


『それは一体・・・・・』


「―――川神学園の学長で川神院の総代を務めている人間。川神鉄心にお願いすればな」


一誠は懐かしそうに発し。歩を進める


「今は授業中だろうが鉄心はいるだろう。学校に忍び込んで行くとしますかな」


『あのお爺ちゃん?そしたらあの子達も会えるね』


「ああ、でも、まだ会うつもりはないぞ。―――ふふ、突然現れた俺を見た顔が頭に浮かぶぞ」


『主はそう言う事が好きですね』


『まるで子供だねぇ〜』


『誰に似たんだか・・・・・』


『さあ、思い当たらないな』


心の中にいる三匹のドラゴン達の会話を聞きながら川神学園へと赴く。


―――川神学園


「久しぶりに来たー!」


『主、大声を出したら気付かれますよ?』


「大丈夫、既に気と気配、姿を消しているから気付かれないさ」


『人間は空耳だと勘違いするだろう』


『それじゃあ、行こぉー!』


サマエルの言葉に同意し学校の中に入る。真っ直ぐあの老人の気を探って歩を進めてとある扉の前に立った。

ノックをしないで扉を擦り抜けて部屋の中に入ると一人の老人が席に座っていた。


「(・・・・・おいおい)」


「ふぉふぉふぉ、この子の胸はええのう・・・・・。むむ、この娘の尻も捨てがたい・・・・・」


老人―――鉄心はあろう事かエロ本を眺めていた。俺はその光景に呆れて指を鉄心の額に近づけ


ドゴンッ!


「っ!?」


デコピンした。思わぬ奇襲に鉄心はデコピンした衝撃に頭を逸らした。


「だ、誰じゃ!?・・・・・気が感じられぬ・・・・・一体、どう言う事なのじゃ・・・・・?」


俺を探しているようだが目の前にいる事に気づかない。そろそろ姿を現わすか


「よう、数年振りだな。川神鉄心」


「―――っ、お主は・・・・・!旅人殿・・・・・!?」


「相変わらず元気が良さそうだが・・・・・少しだけ幻滅したぞ」


「むっ!こ、これは違うのじゃ!これは生徒から没収した物で危険な物かどうか確認をしていたのじゃ!」


「ニヤニヤとそれを見ていた奴が何を言うか。説得力が無に等しいぞ、このエロジジイ」


「ぐっ・・・・・!」


「まあ、それはどうでも良いんだ。百代達は元気か?」


「う、うむ。元気にしておるぞ。今もこの学校に通って過ごしている」


「そうか、元気で何よりだ」


「それで、旅人殿はどうして此処に来たのじゃ?ワシに会いに来たかのう?」


「察しがいいな。そう、お前に会いに来たんだ。ちょっと頼みたい事があってな」


「ほう、旅人がワシに頼みたい事とは・・・・・それはなんじゃ?昔、百代が世話になっているからのう。

旅人さんの頼みなら何でも聞くぞい」


「―――暇だから俺もこの学校に通わせてほしい」


「・・・・・いま、何と言ったかのう?」


「俺もこの川神学園に通いたいと言った。その為に鉄心の力を借りたいんだ」


「それはまた・・・・・どうしてだと聞いてもよろしいかな?」


「いや、最近さ、暇なんだ、家でダラダラした生活が嫌だから学校に通って楽しく過ごすのも良いなと

思って。で、俺は旅人だから本人だと明かせる代物が無い。それがないと学校が通えないから百代の

家族である川神院総代で川神学園の川神鉄心に俺をこの学校に通えるように頼みに来たんだ」


「ほほう・・・・・」


「ダメか?ダメなら西の川神学園と称されている天神館に行くつもりだが・・・・・」


「いや、旅人殿の願いを叶えてやろうぞい。お前さんには世話になっているしここらで一つでも返したい」


「ん、感謝するよ鉄心。ああ、それとこれはお土産だ」


「おお・・・・・美味しそうな羊羹じゃ」


「俺の手作りだ。味わって食べてくれ」


「旅人が作った羊羹とは・・・・・ふむ、美味い」


「口に合ったようでなによりだ。それじゃあ転入届を用意してもらえるか?直ぐに終わらせるから」


「うむ。ちょいと待っておれ」


何故かこの部屋から出て行った。鉄心が戻ってくる間に羊羹を食べることにした。うん、不味くないな


「―――待たせたのう。旅人殿、此処でこの学校の転入の準備をしてもらうぞい」


「ああ、解った・・・・・って、お前は・・・・・」


「久しぶりですネ。旅人サン」


「ルーか?・・・・・鉄心同様、変わっていないな」


「これも修行の成果ですヨ」


「まあ、俺も人の事言えないがな」


「それでは、最初に編入するクラスを決めるのでテストをしますがよろしいですネ?」


「ん、解った。全部書けばいいんだろう?」


「その通りでス。テストを書き終えたら―――」


「もう終わったぞ」


「・・・・・もう、ですカ?」


「ああ、どれもこれも簡単な問題ばかりだったな。鉄心、採点をよろしく」


「うむ、解ったのじゃ」


―――数分後。


「旅人殿、お前さんのテストは全て100点じゃからクラスは―――Sクラスじゃ。」


「ん、そうか。それと一つ聞きたい事がある」


「なんじゃ?」


「百代達はどこのクラスだ?」


「モモは3年Fクラス。そして、旅人殿と一緒に遊んだ子供達は2年Fクラスじゃ」


「・・・・・頭が悪いのか?」


「まあ、Sクラスじゃと競争率が激しいからのう。そんなSクラスと違ってFクラスは自由気ままに

過ごせるのじゃよ。事実、Fクラスは学年の中で一番成績が悪い生徒達が集結している」


「ふぅん・・・・・」


「そういえば旅人殿は何年になるのじゃ?」


「2年でよろしく」


「あいわかった。それと制服は用意するのじゃが、学校に多額の寄付をすれば服装が自由に

着て通えるがどうする?」


「当然、服装を自由に着たいからな。寄付するが、いま多額の金を持って来ていないから後日

もう一度ここに来て渡す」


「うむ。旅人殿が学校に通うと知ったモモ達の顔が思い浮かべるぞい」


「ああ、百代達には内緒にしてくれ。驚かしたいからさ」


「旅人殿がそう言うのであれば」


「それとこれから俺の事を旅人と呼ばないでほしい。旅人は偽名だからさ」


「では、名前は何と言うのじゃ?」


「―――兵藤一誠。それが俺の本当の名前さ」


-8-
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