小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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「で、ここがIS整備室ね」



こんにちはもう夜ですね神谷士です



今は、シャルルに学園内の案内中……



あとは……あ、山田先生にシャルルの部屋聞かないと……



「まあ、ざっとこんな感じね……あとは山田先生にシャルルの部屋を聞き出さないとな」



「うん、そうだね。でも良かったの?」



「何が?」



「僕なんかのために放課後全部使って学園の説明しちゃって……」



何を言ってるんだ?この人は



「そんなのいいに決まってんだろ?それって説明いるか?

俺は早くシャルルに学園に慣れてもらおうとしてるだけだよ。同じ男同士仲良くしよーぜー」



まあ女の子なんだけどね



「うん!仲良くするのは全然……むしろ僕からお願いしたいくらいなんだけど

そ、その士は優しいんだね」



「何、言ってんだか……当然だっての

よし!山田先生んとこ行こうぜ」



「うん……!」



職員室に向かう途中山田先生に出会った



「あ、山田先生」



「あ、つ、士君!?///ど、どうしよーーまだ心の準備が……」



ん?なんか、様子が変だぞ?顔も赤いし大丈夫かな



「ああ、先生?シャルルの部屋なんですけど……」



「ああ、お部屋ですね……デュノアさんのお部屋は士君と相部屋になります」



うん……言いたいことが二つ



一つ!呼び方が神谷君から士君になっとる!……それはいいんだけど



二つ!……



「あ、相部屋!?俺、そんなの聞いてないですよ!」



「ええ……今から言いに行こうとしてましたから……」



なんてことだ……



シャルルが嫌な訳ではない



嫌なのは……音楽聴けないじゃん……



「えっ……と、士?僕との相部屋は嫌かな?」



いや、上目遣いはダメだっつの



「いあ、それは全然かまわないんだが……あ、」



そうだ、シャルルが……



「シャルル!」



「ど、どうしたの?急に……」



「お、お前……音楽好きか?」



「………ん?」



「だーかーらー音楽は好き?嫌い?どっち!」



コレは大事なことだぞー



「う、うんまあ、好き……かな?」



「部屋に音楽が流れてるのとか大丈夫?」



「うん……むしろ良いんじゃないかな?」



「先生、失礼します

シャルルと部屋に帰りますんで!」



「え、ええ……お休みなさい」



「お休みです!フハハハハハハ!」



わが軍が勝ったのだ!



シャルルの手を引いて走り出す











「ここが俺たちの部屋だぞ」



着きました!



「はあ……はあ……つ、ついた……の……はあはあ」



「おう、着いたぜ!……ってシャルル!?」



顔面蒼白でした……







「ご、ごめん……つい、嬉しくて」



「も、もう!びっくりしたよ」



俺が出した、リ〇プトンのミルクティーを飲んでいるシャルルに俺は猛省中である



「お、男の人……力強いんだね……」



「何か言ったか?」



「う、ううん!なんでもないよ!」



そうかい……



「じゃあ音楽でもかけるかな……シャルル、ミルクティーおかわりいる?」



「う、うん……もらおうかな」



「ほいよー」



ミニキッチンに俺とシャルルの分のミルクティーを入れに行く途中にある設置型ミュージックプレーヤー「i・pid」に音楽をかける



「i・pid」は設置型のミュージックプレーヤーでサイズが何種類かあり、大きくなるほど音質などがよくなる

ちなみに俺が持っているのは一番大きいやつで大きさは机の半分を占めるくらい



「光る風を追い越したらー、なにーが待っているのかなー♪」



ミルクティーを入れながら口ずさむ



「変わった歌だね……」



「そうか?いい歌でしょ?」



「そうだねー」



おう、分かる人だぜシャルルは!



ハッ〇ー★マテリ〇ルはいいよなー



「つっても、色々あって疲れたしな……そろそろ寝るか」



時刻は11時、良い子は寝る時間だ



「まあ士は山田先生とも模擬戦したしね」



ああ、強力な敵だった……龍騎はあんまり使い勝手が良くなかったな

アドベントは強いし、力もあるんあだけどなー



そうして、夜は深まっていく









翌日―――

「はあ……なんで俺だけ」



手にはダンボール、しかも超重い



なんか、資料として使うからって千冬ね……織斑先生にたのまれちった



シャルルは箒達と訓練中……



まあ、訓練よりマシか……いつもどのライダー使うか悩むし



「どんな関係なんて聞かれーたーらー♪ともだーちいじょーかなーそれも、少し違うかー♪」



小さな声で口ずさむ……うん、いい曲だ





ドッカーーーン!!





ん?



爆発音?音楽聴いてても聞こえてきたってことは大きいぞ……



イヤホンを外し、音の発生地を探る



IS整備室か……この校舎は基本的に人の往来は多くない



ダンボールを置き、走る







「はあ……はあ……」



IS整備室に人だかりはない



やっぱり誰も気づいてないか



煙が出ている一番奥の部屋で間違いないだろう



プシュン―――



よく、映画とかで鳴りそうな音で扉が開く



「おい!大丈夫か!?」



煙で前はあまり見えないが目を凝らすと



「!!」



倒れている

水色の髪色のセミロングと掛けていたであろうメガネと共に



俺、原作「福音」までしか読んでないからなー



誰?この子?



まあいい……

とりあえず保健室にでも運ぶか











「……ん……?…………!?」



「おっ!起きたか?」



そいつが起きた時はすでに6時を回っていた



え?俺?

なんか、保険の先生が急用で席外すから見とけって言われたからずっといましたよ



「気分悪くないか?どこか痛いところは?水飲む?」



「そ、そんなに、一気に……聞かれて、も……」



ああ、失礼しやした



「と、とりあえず……だ、れ?」



おお!俺の事を知らないとは……ふふん

なら教えてやろう



「通りすがりの仮面ライダーだ……覚えておけ」



「か、めん……ライダー?」



そうか……この世界にはライダーいないんだっけ?



「まあ……簡単に言えば、正義のヒーローだな」



「せい、ぎの……ヒーロー?」



「おう!」



どうだ?このドヤ顔……



「そ、そんなの……いない」



………はい?



「そんなのは……テレビ、だけ……

実際には、いやしない」



何だとぅーー!



言ったな



「なら、見せてやるよ!」



なんか、ムキになった俺はドライバーを装着し



『KAMEN RIDE・DECADE』



変身してやった



「それ、は……IS……」



……あ



「と、とにかく!コレは仮面ライダーって言うの!」



「ふーん……」



し、信じてないなーーこのアマ!



な、なら!



『KAMEN RIDE・KUUGA』



クウガに変身する……続きまして



『KAMEN RIDE・RYUKI』



どうだ!



って……めっちゃ見てますやん!



「す、凄い……」



「どうだ?信じてくれたか?コレがISであり仮面ライダーなんだよ」



変身を解除しながら言う



「う、うん!」



はは……目がキラッキラしてまっせ



「お、思い出した……あなたが……男で、ISを動かせる……」



「神谷士だ……よろしくぅ」



「さ、更識……簪です……」



「更識?簪?ははは……変わった名前だな」



「さ、更識を……し、知らないの?」



キョトンとした表情で聞いてくる更識さん



「うん……あれ?もしかして結構、有名人?」



「そ、そういう……わけじゃ……」



あ、そうなん



「ふーんで?更識さんは?なんであんな爆発させちまったの?」



ちなみにあの現場はすでに先生達によって片付けられている



「わ、私は……せ、専用機を……組み立てて……」



「専用機を?……ああ!もしかして4組の代表候補生って?」



「そ、そう……私」



おお!まさかの展開!



こいつはすげーや!



「ああ!君がか!でもなんで専用機を?」



「わ、私……専用機が倉持技研の手違いで……まだで……それで……じ、自分で……」



「おおおおおお!!すげーー!超すげーーー!



マジで?マジで自分で作ってんの!?天才じゃん!神じゃん!」



「そ、そんな、こと、ない……私のほかにも……自分で作った人は……いる、から」



興奮してる俺にあわてた様子で言ってくる更識さん

その表情はどことなく暗い



でも……



「ん?そんなの関係ねえよ!だって俺、その人知らないもん!

そんなことよりだよ!更識さん!

ちょ……マジですげーわ……握手してもらっていい?」



「あ、は……はい」



おずおずと手を差し出してくれる更識さん



「おお……コレがIS作れる人の手か……いまいちよく分からんけど……」



うん、普通の手だよね



「ぷっ……」



「あ、何笑ってんだよ!」



「だっ……て、よく分からない、のに……握手って……はは」



なんか、恥ずかしいじゃねえか



「そ、そんなことより、飯食いにいかね?

時間も時間だしさ……お近づきの印に俺が奢ってやるよ」



笑いながら手を指し伸べる

うん、けが人には優しくだな



「……う、うん!……いく……///」



「よし、決まりだ!」



楽しい夕食の時間になりました



夕食も食べ終わりゆっくりと庭で散歩していた



「あのさ……俺にもIS作るの手伝わせてくれよ」



単純に興味を持っているだけじゃない

今日話していて分かったことは

とりあえずこの子はどこか引けを作ってしまっていること

そして、彼女が作ろうとしているISはおそらく一人で作れるスペックではない



そりゃ……協力もしたくなるさ……



「俺は組み立てとかはよく分からないけどさ……手伝うよ

雑用くらいは……できるでしょ」



「う、うん……そうしてくれると……こちらも、たす……かります」



「よし、きーまり。さっそく明日からな!

そうだなー、第二整備室でいい?」



「うん……!」



「了解!じゃあな……おやすみー」



「おや……すみ」











「あ、シャンプーの替え」



部屋に戻ってきて、シャルルがシャワーを浴びているのに気づき、シャンプーがもうほとんどないことにも気づいた……



「つ、ついに……来てしまったか……この時が……」



開けなくてはならない

女だと分かって開けなければならない

シャンプーを届けるために開けなければならない



い、いざ行かん!



「シャ、シャルルーー、シャンプーの替え持って来たぞー」



そして、開けた先にはやはり原作通りの美少女の姿が……



「えっ……と……ご、ごめん!」



やっぱり女だったーー!



湯気でよく見えなかったけど女ではありましたー!



お、落ち着け、俺!



シャルルがあがってくる……









「な、なんで……男のふりを?」



そして、シャルルは話し出す



改めて聞くとホントふざけた話だ

なんて自分勝手な父親だ



あまりにもシャルルが可哀想すぎる



「はあ〜、なんだか話したら楽になったよ。聞いてくれてありがとね。それと、今まで嘘ついててゴメン」





「……それで?」





「それでって?」





「シャルルはこの後どうなるんだ?」





「士には女だってばれちゃったし、きっと僕は本国に呼び出されるだろうね。後のことはわからない、良くて牢屋行きかな。」



いろいろと大人にも事情があるのはわかるだが



納得なんてできるわけない!



「ふざけんな!納得できるかよ!親なら子供になにしてもいいってのか!?



それは違うだろ!生き方を選ぶ権利は誰にだってあるはずじゃねえか!」



「で、でも」



「それに、IS学園特記事項、本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。ようは最低でも三年間はフランスも手出しできない」



そこで言葉を切り、笑顔で言ってやる



「まぁ、三年もあれば世界情勢なんてコロッと変わってるさ」



「よく覚えていたね。特記事項って五十五項もあるのに」



言えない……こうなるのが分かってたなんて……言えない



「ま、まあな」



「ふふ、士庇ってくれてありがとね……でも」



「何だ?」



「なんで士は僕を庇ってくれるの?なんで僕なんかに手を差し伸べてくれるの?」



?そんなの……



「手を伸ばせるのに伸ばさなかったら、死ぬほど後悔する……

それが絶対に嫌だから手を伸ばすんだ……」



「つ、士……ありがと」



シャルルの目に涙が浮かぶ



そんなシャルルを真正面から抱きしめる



「ああ、気にすんな」



俺の胸の中で嗚咽をもらすシャルルも隠す必要のないことに安堵したのか寝てしまった



この時のシャルルの寝顔はとても安心しきっているようだった

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