小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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休日が明け、やる気も上がらないなか教室につくと女子達がこれまたいつも以上に騒いでいた



とりあえず先に来てた箒に聞いてみる



「よお……箒、どうしたの?なんか、騒がしいけど」



「う、うむ……実は私もよく分からないんだ」



ふーん



すると織斑先生が来た



「席に着け。ホームルームを始める」



そして、山田先生が



「今日は何と転校生を紹介します」



と告げる



これまた中途半端な時期に来たもんだ



お疲れさん



そして黒板の前に立つ一つの人影



「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。みなさんよろしくお願いします」



……なんか、原作知らないほうが良かったような……



シャルが可愛すぎる……



落ち着け俺……とりあえずはシャルルだシャルル



よし、大丈夫



すると女子の一人が



「お、男‥‥?」



と聞いた



「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を「きゃーーーっ!」ってえ?」



「男子、二人目の男子!」



「しかもうちのクラス!」



「美形、守ってあげたくなる系!」



とざわついている女子達を



「騒ぐな!静かにしろ!」



と一喝



「今日は二組と合同でIS実習を行う。各人着替えて第二グラウンドに集合。」



「それから神谷、デュノアの面倒を見てやれ、同じ男子同士だしな。では解散!!」



「君が神谷君?はじめまして僕は「あ〜いいからいいから、移動が先だ。女子が着替え始めるから」って、うわ///」



強引にシャルルの手を取った



「俺らがアリーナの更衣室で着替えるんだ。実習の度に移動だからなるべく早く覚えろ。迷って遅刻なんてなってみろ出席簿が飛んでくるぞ」



「う、うん////」



「なんだそわそわしてトイレか?」





「ち、違うよ///」



ああ……



「子供じゃないんだからいつまでも手を握って案内してたらわるいよな、ごめんごめん」



「だ、大丈夫だよ。気にしないで」





すると前から



「あ!?噂の転校生発見!!」



「しかも神谷君も一緒!!」



するとぞろぞろと女子が湧いてきた



しかも後ろまで



ちっ



囲まれたか!



「おい、走るぞ」



「う、うん!」



そして急いで道を曲がった



後ろで女子が何か言ってるが無視無視



するとデュノアが不思議そうに



「なんでみんな騒いでいるの?」





「そりゃISを操縦できる男って今のところ俺らしかいないからだろ」





「あ、ああ・・・うんそうだね」



「とにかく走れ」
















「「はあ……はあ……」」


何とか振り切ったみたいだけど……てかしつこすぎだろ」



勘弁してくれ……



「ごめんね。いきなり迷惑かけちゃって」





「別に気にすんな……それより助かったよ。やっぱ学園に男一人はキツイからな」



「そうなの?」



「まぁねー。これからよろしくな……おっと自己紹介

俺は……まあ知ってると思うけど神谷士。好きに呼んでいいぞー」



「うん、よろしく士。僕のこともシャルルでいいよ」



「うおっと!時間やばいな、さっさとに着替えちゃおうぜ。……まあ別に俺は着替えなくてもいいんだけどな……」



と着替え始めると





「うわぁ///」



と顔を隠した



「早く着替えないと遅刻するぞ。うちの担任はそれはそれは時間にうるさい人でな」



「う、うん!き、着替えるよ。でも、その、あっち向いてて……ね?」



「いやまぁ、着替えをジロジロ見るつもりはないけどさ。なんでもいいから、とりあえず急げよ」



見てみるとすでにシャルルは着替え終わっていた



「な、何かな?」



「着替えるの超早いな。なんかコツでもあんのか?」



「い、いや別に。ははは〜」



「これ、着るときに裸っていうのがなんか着づらいんだよなぁ。引っかかって」



「ひ、引っかかって?////」





「おう」



「……////」



「ん?そのスーツ着やすそうだな。」



「デュノア社製のオリジナルだよ。」



「デュノア?お前の苗字もデュノアだよな?」



「父が社長をしてるんだ。一応フランスで一番大きいIS関係の企業だと思う」



「へぇ〜、社長の息子なのか。どうりでな」



「ん?どうりでって?」



「いや〜気品つうか、いいとこの育ちって感じがするじゃん。納得した」





「うん……」



ああ……ミスった……



親父さんとはあんまりいい関係じゃなかったよなー



「ま、まあ……行こうぜ

マジで遅刻してしまう」



「う、うん」













「本日から実習する」



「はい!」



二組と合同ということでいつもの倍の人数が集まっている





「まずは戦闘を実演してもらおう。凰!オルコット!」



「「はい!!」」



「専用機持ちならすぐ始められるだろう。前に出ろ!」



「めんどいな〜、なんで私が」



「はぁ〜、なんかこういうのは見せ物のようで気が進みませんわね」



二人ともその気持ちよーーくわかるぞ!!



だってめんどくさいもん



「お前ら少しやる気を出せ。あいつに良いところを見せられるぞ」



織斑先生が二人に呟いたかと思えば



「やはりここはイギリス代表候補生、わたくしセシリア・オルコットの出番ですわね!!」



「実力の違いを見せる良い機会よね!専用機持ちの!」



あれ?裏切り?



するとシャルルが俺のとこに来て



「今先生、なんて言ったの?」



「わからないが……まぁいいじゃんやる気でて」



「それで、相手はどちらに?わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんが」



「ふふ〜ん。こっちの台詞〜。返り討ちよ」



「慌てるなバカども。対戦相手は「ど、どいてくださ〜い」」



あ、空から山田先生が降ってきた



なんだろう?この嫌な予感……



山田先生……俺んとこ来んなやーーー!



ドライバーをすばやく装着し、カードを挿入する



『KAMEN RIDE・DECADE』



ドカーン!



煙が晴れると





ディケイドになり、山田先生を受け止めた

ただ受け止め方がお姫様だっこという形になってしまって



「「「「キャーーーー/////!!」」」」



なにやら女子の黄色い声が上がった





「あ、あのう、神谷くん助けてくれたのは嬉しいのですが下ろしてくださいますか……//////」



山田先生が顔を赤らめながら言った



そりゃそうだ

生徒の目の前でこんな恰好を見られるのは恥ずかしいに決まっている



「あ〜、すいませんでした。今下ろしますね」



「い、いえ!き、気にしないで……」



とりあえず下ろすと士には見えなかったが、若干残念そうな顔をした山田先生であった



変身を解除した瞬間、ビームが横切った





はっ!



見てみるとセシリアがいた



「ほ、ほほほ〜。残念です〜。外してしまいましたわ。」



笑顔で言わないで……



更に横から連結音がしたので見てみると



「士〜〜〜〜」



鈴が双天牙月を飛ばしてきた



とりあえず落ち着いて〜!





バンッ!



銃撃音と共に弾かれる双天牙月





山田先生の射撃によるものだった





「神谷くん怪我はありませんか?」





「ふぅ、はい助かりました、ありがとうございます」



助かった〜



「山田先生は元代表候補だ。今くらいの射撃は造作もない」



「昔のことですよ〜。それに候補生止まりでしたし。」



謙遜までして本当にいい人だ。



こういう人が本当に強いんだよ



そんなことを考えているとセシリア&鈴VS山田先生の試合が始まった



「デュノア、山田先生が使っているISの解説をしてみせろ」



「あっ、はい……」



ようは量産型の中でも操縦しやすくて汎用性も高いと……



山田先生動き良すぎでしょ……



あっという間に試合は終わり山田先生が勝った



「これで諸君にも教員の実力は理解できただろう。以後は敬意を持って接するように」



「せ、先生!」



「か、神谷君とは戦わないんですか!?」



待てや……二組の子



俺がなんでやらねばならん……それにそんなの通るわけn



「ふむ、山田先生……まだいけますか?」



「は、はい!まだいけます」



あ、俺用事を思い出した〜



行ってきます!



そして首根っこを掴まれる



「どこへ行く?」



「いえ……どこへも」



「ふん!さっさと展開しろ」



へーい



再びドライバーを装着し、


「変身」


『KAMEN RIDE・DECADE』



ディケイドになる



「よし、では始め!」



は!?速すぎでしょ!



山田先生は攻撃しようと構えてるし!勝手に空飛ぶのはずるい



くそが!



「おい!離れてろよ!」



全員に怒鳴り



カードを挿入しながら距離を取り……



『KAMEN RIDE・―――



バックルを回す



―――RYUKI』



仮面ライダー龍騎へ変身する。



「また新しい姿ですか……」



恨めしそうに俺を観察する山田先生



「先生は肉の焼き加減はどれくらいが好きですかね?」



「へ?私はレアかな〜」



「残念……俺はウエルダンにしかできないんですよ」



『ATTACK RIDE・STRIKE VENT』



ドラゴンの咆哮と共に俺の右腕にドラグレッダーの頭部を模した手甲ドラグクローを装備する



ドラグクローを構え



「いっけーーー!」



ドラグクローファイヤーを放つ



「くっ!」



苦しげな声を出しつつも反撃をしてくる山田先生



俺の攻撃を避けながらレーザーライフルをぶっ放してくる



今は防戦一攻だがこのままでは飛んでる山田先生が有利になる



さすが、元とはいえ代表候補



「飛べない分はコイツで補う!」



『ATTACK RIDE・AD VENT』



ドラグレッダーを召喚する。

赤い龍型のモンスター。体長は5Mを越え、時速500kmで空を飛ぶその龍は山田先生に襲い掛かる



その攻撃すら避けながらセシリアと鈴に止めを刺したグレネードランチャーを放ってくる



『ATTACK RIDE・GUARD VENT』





ドラグシールドを装備し、それをやり過ごす



山田先生もドラグブレスの火力に耐え切れなかったのだろう



ドラグレッダーからの攻撃を避け地上の俺に格闘スタイルで挑み来る



これが狙いさ



カードを挿入



『ATTACK RIDE・SWORD VENT』



ドラグセイバーを装備する



ドラグレッダーの尾を模した青龍刀のような剣は鈴のものより鋭い



接近戦なら負けられんのですよ



「らあ!」

「はあ!」



刃が交わる



しかし……



「ぐっ!」



折れたのは山田先生だった



一度距離を取るため後方へと飛ぶが



―――決める!



『FINAL ATTACK RIDE・ryu,ryu,ryu,RYUKI』



ドラグレッダーと共に空中に舞い上がり、ドラグレッダーの放つ火球を受けながら敵に跳び蹴りを放つドラゴンライダーキックを放つ



「きゃあ!?」











「うう……負けちゃいました〜」



「いやいや先生も手ごわかったっすよ?」



俺はいま、山田先生を慰めている



皆は実習中で俺と、山田先生は木陰で休憩中



……なんだけど



すっごく落ち込んでらっしゃる



「どうせ、……私なんてダメなんですよ……」



「そんなことないですよ」



「皆からは『真耶ちゃん、真耶ちゃん』と呼ばれて威厳なんてないですし」



「そんなことないですよ」



「実際生徒にまで負けちゃって……もうダメです」



「そんなことないですよ」



「さっきから『そんなのことないですよ』ばっかりじゃないですかーーーーー!!」



お、おいおい!なんか泣き出したぞ!?

やばい!からかいすぎた!?


「ひっく……どうせ、どうせ私なんて……ダメな先生です」



こういうの言うのはあんまり好きじゃないいんだけどな〜



でも、俺にも原因はあるし……



「先生」



しゃあない

ここは一つ言っときますか



「ひっく……な、なんですかぁ……」



「俺は……先生の事ダメな先生だなんて思ったことないですよ?

確かにちょっとドンくさい所はあるけど……それでも先生は先生です



俺、知ってますよ

先生が遅い時間まで俺たちのために資料作ってくれてるのも、生徒の分からないところは丁寧に根気よく教えてるところも……



皆に真耶ちゃんって呼ばれてるのもそれだけ先生を信頼して、信用して、頼ってるんだと思います

だから……泣かないでください



もし、誰かが先生の事を悪く言うんなら、そん時は俺一人でも先生の味方ですよ……

だから……ね?」



「〜〜〜〜〜〜っ!!/////」



山田先生side-



神谷君の話を聞いて照れと嬉しさと感動とそれからそれから……とりあえず胸がいっぱいになりました



涙は不思議と出ません



この人の前では笑っていたい―――笑っていたいです!



そう、決めました



男性と話す機会なんて全然なかったけどこんな男性はたぶん私の前には現れない

生徒だとか教師だとかはもう……関係ないです



………いやいや、ありますぅーーーー!



そ、それに代表候補生の皆さんや、織斑先生まで……で、でも



―――私も頑張ろうかな



そう、思いました



すると自然とわがままが言いたくなり、



「…………は、…………ない……すね」



「はい?」



「だ、だから!わ、私には、頭……撫でてくれないんですね」



そんなわがままを



「私もあれ、してほしいです!オルコットさん達だけズルイです!」



「ず、ずるいって……はあ……」



た、ため息つかれたーーー!?



山田真耶、早くも一生の恋が終わりそうですぅーーーー!



目の端に雫ができてそれが落ちる前に





―――頭に優しくて暖かい手がのせられました



「つ、かさ……くん?」



オルコットさんたちより丁寧に撫でてくれてるのが分かります



そんな彼はやさしい、優しすぎる笑顔でただ私を見つめていました



「こ、これ…は、癖に……なり、そう……で、す///」



小さく彼に聞こえないくらいの声でつぶやきました

-9-
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