小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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「いつまでたっても……通りすがりの仮面ライダーだ!覚えておけ!」


よぉ、皆


神谷だぜ


不安にさせるような展開続きで悪かったな!


でも、俺は……もう迷わない


「さぁ……ショータイムだ!」


俺は左中指に装備された変身リング「フレイム」を掲げた


「やれ」


ジョンの短い指示と共に、代表格の操縦者によるISが舞った


暴れるぜぇ


俺は、走る


「おらっ!」


回し蹴りで牽制し、距離を開ける


エネルギーブレードを振るうISもコミカルに動きながら、避けて蹴り飛ばした


手を弾くように叩く


それでも、ISは絶え間なくブースターを点火し、突進してくる


「危ねっ!」


紙一重で避けるが、すぐに第二陣へと……


「こっちも武器出すか」


ライドブッカーからカードを取り出し、バックルへ


『ATTACK RIDE・CONNECT』


『プリーズ!』


いつもの音声の後に続く、間延びした高い声


同時に、赤い魔法陣が出現


その中に手を突っ込み、取り出す


かなり大型の専用武器を……


手形のついたその銃はかなり大きい


突進してきたISを避けて、銃を乱発


魔力で生成される銀の弾丸に制限弾数はない


「っ!」


気配を感じ、一瞥すると……放たれた大型のミサイルがこちらに飛んできていた


本気出してきたな……


俺は、武器『ウィザーソードガン』をソードモードへ


ミサイルを切り裂いた


「はぁ!」


ミサイルは爆発することなく、俺の隣を真っ二つに通り過ぎて、破裂する


気づけば俺の背後には影が……


ミサイルは囮か


体を転がして、避けるが追いつけない


避けるので精一杯だ


「あっと……危ねぇ。くそ!」


『FORM RIDE・WIZAED・WATER』


『スイー、スイー、スイー、スイー!』


魔法陣が出現


ISは弾かれるように身を退けられ、よろける


それをくぐると同時に、ウォータースタイルへ


本カラーは青へ、頭部の形態は「雫」をイメージするひし形に近い形状へと形を変えた


フレイムのリングも赤から青へ


「っし!」


カードを挿入した


「さぁて、ショーは中盤へ……ってな」


『ATTACK RIDE・LIQUID』


『プリーズ!』


音声の後、俺は液状化する


切り裂かれるはずの体が液状となり、空振りしたISに絡みつき、関節を極める


次々と、倒れていくIS


「ふぅ……お次は……」


手を弾いた瞬間、空からの爆撃を受けた


「ぐおっ!」


背中にもろに受け、倒れこむ


「ったく、やってくれるね〜」


素早く立ち上がり、別のカードを構えた


「飛べるのが、お前らだけだと思うなよ?」


笑いながら、カードを挿入した


『FORM RIDE・WIZAED・HURRICANE』


『フー、フー!フーフーフーフー!』


風を纏った魔法陣が上空に


ジャンプでそれをくぐりると同時にまたも装甲の色を変えた


基本カラーは緑、頭部の形状はカマキリのような逆三角形へ


強風が吹く


それに乗るように、空へと舞った


「はぁ!」


ウィザーソードガンで、次々と切り伏せて行った


全スタイルで最もスピードに特化したハリケーンにISはついて来れない


「ほらほら!」


下からの援護をガンモードで撃ち抜いた


「あまり、調子に乗るなよ!」


そう、怒鳴ったのは専用機に乗ってる茶色い髪の女性だった


目を向けると同時に俺は……いや、グランドが暗闇に包まれる


「私のIS【ジュライ・ヒメラギ】の『ダーク・アンド・ダーク』……特殊ガスで機体の性能を落とす!パオラのようには行かねぇが、無理矢理鎮めてやらぁ!」


「どこまでも、明るく照らしてくれそうな能力が……俺にはある!残念だが、ガスじゃ力不足だ」


『ATTACK RIDE・LIGHT』


『プリーズ!』


その瞬間、辺りは明るく照らされた


「ぐぅ!」


ガスは明かりとハリケーンの風で吹き飛ばされた


ライトの明かりで怯んでいるこの隙に……


『ATTACK RIDE・BIND』


『プリーズ!』


音声と同時に空中に魔法陣が8個現れた


そこから、鎖が飛び出し、拘束する


まずは、この人からだ


手形型のハンドオーサーを起動した


『キャモナ・シューティング・シェイクハンズ!キャモナ・シューティング・シェイクハンズ!』


俺の中指には変身リングが装備されている。なので、ウィザードのウィザーソードガンでの必殺技にはカードは要らないのだ


リングをかざす


『ハリケーン!シューティング・ストライク!フー・フー・フー!』


風が……大気が……銃口へ集まってくる


「いっけーーーー!!」


風の弾丸が貫いた


「ぐわああああああああ!」


落ちていくIS


しかし、地上部隊もいるので俺はカードを隅にいる夏海に風を操りながら、投げた


「夏海!頼んだぜ!」


「任せなさい!」


『KAMEN RIDE・FOURZE』


フォーゼを召喚してもらった


召喚されたフォーゼは背中のパックで空を飛び、俺と並ぶ


「行くか……」


『FORM RIDE・WIZAED・LAND』


『ド、ド、ド、ド・ド・ドン!ドン!ド・ド・ドン!』



基本カラーは黄色、頭部の形状は四角形へと


もちろん、このスタイルに浮遊能力はない


重力に従い、体は落ちていく


しかし……


「フィナーレだ」


『FINAL ATTACK RIDE・wi,wi,wi,WIZAED 』


『チョーイイネ!キックストライク!サイコー!』


落下速度を利用してキック力を増させる


さらに……


『ATTACK RIDE・DRILL』


『プリーズ!』


俺の体が凄まじく回転する


それに続き


『ロケット・オン』

『ドリル・オン』


『ロケット・ドリル……リミットブレイク!』


フォーゼが、右腕に装備したロケットで加速しつつ、左足に装備したドリルを回す


「ライダーダブルドリルキック!」


ってね



「はああああああああ!!」


そうして、激しい爆発と共にIS部隊を倒した


「フィー」


息を吐きながら、変身を解除した


手を弾くように叩きながら、ジョンの元へ歩んだ


「分かったか?これが、俺だ……アンタの指図は受けない。国同士の決定?俺には関係ないね!」


唾を吐き捨てるようにして、叫ぶ


「……さっさと、俺の前から去れ。どうなるか、覚悟しておけよ」


そんなジョンの負け惜しみを聞きながら俺は背中を向ける


「いつだって、相手してやるよ」


皮肉に告げて、グランドを出た


皆もついてくる


傷……深くなくてよかった









士SIDE-OUT


「くそ……」


ジョンは膝をつく


なんだ、あのガキは……!


腹立たしい


こうなれば、アイツの身柄を確保してやる


あの小娘共もだ!


そう決意し、立ち上がった瞬間


近くで倒れていたISが爆発した


操縦者は医務室へ運ばれたため、けが人が出るとすれば自分だけだが


「うおっ!?」


急なことで、驚きが隠せなかった


次々とISが爆発する


「な、なんだ!?誰だ!」


辺りを見渡す


すると、空から


「はいは〜い!」


と、元気な声が……


「そ、その声は……!」


空を見上げる


そこには……



ウサミミした女が先程の声とは真反対の冷たい眼差しを向けていた





「天才美少女、束さんのごとうじょ〜う!」


ウサミミが揺れる


そして……


「あんまり、調子に乗らないでね」


ジョンの背筋が凍ったように伸びた


なんて、明るく詰めたい声だ


こんな声は人生で初めて聞いた


「君みたいなじぃじなんて、一瞬で……バーン♪だよ」


なんて、無垢な笑みだろう


その発言に迷いなどは無かった


「つっくんを泣かせた罪は重いよ……覚悟、出来てるよね」


笑った


にっこりと……嗤った


そして、通路からおびただしい数の特殊装備した部隊が突入してくる


それも三部隊


二つは、アメリカ軍


ナターシャとイーリス


もう一つはIS学園だ


言葉を発したのは千冬だった


「ジョン・ウィリアムス……神谷 士に対する処分は貴様の各小国に対する威圧があったらしいな。この事実を次の定例会議で提出させてもらう」


千冬は、一歩前へ出る


「お前も終わりだな」


「貴様……」


「私の弟を舐めるなよ」


その目は決して揺らがない何かを秘めていた

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