小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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模擬戦での騒動後、今俺らは保健室にいる



というのもセシリア、鈴のおみまいにきたのである



とりあえず二人は所々包帯で巻かれているが、重傷とまではいかなかったらしい



「別に助けてくれなくてよかったのに」



「あのまま続けていれば勝っていましたわ」





まあ、元気ならいいんだけど・・・・・・





「お前らなぁ〜」





「二人とも無理しちゃって〜」



「無理しちゃ……ダメ」



シャルルと簪がそんなことを言った



ちなみに簪とセシリア達はさっき挨拶を交わしていた



セシリアと鈴、シャルは「ライバル、まだ増えるの・・・・・・」と、簪は「多い・・・・・・」と、呟きあっていた



ん?何だ?



ちなみにさっきのシャルルと簪の言葉にも引っかかる



「あん?どういうことだ?」





意味がわからなかったのでシャルルに聞いてみた





「二人とも好きな人に格好悪いところを見られたから、恥ずかしいんだよね〜」



なにかシャルルが呟いたので聞こうと思ったら



「なななな何を言ってるのか、全っ然っわかんないわね!」





「べべっ、別にわたくしは無理なんかしてませんわ」



と思いっきり動揺しながら言ってるがどうしたんだ?



「というか、なんでお前らはボーデヴィッヒと模擬戦をし始めたんだ?」



そんなことを聞いたらタイミング悪く、スポーツドリンクを飲んでる最中だったのでむせてしまった



「お、おい大丈夫か?」



さすがに悪気がしたので二人の背中をさすってやる



「あ、いや、それは・・・・」



「まぁなんと言いますか、女のプライドを侮辱されたから・・・・ですわね。」



「まあ、女子にもいろいろとあるし俺がいちいち気にしなくてもいいのかな?」



「・・・・あ!!もしかして士の、う---!?」



するとすぐさまセシリアと鈴はシャルルの口をふさいだ



「アンタって本当に一言多いわね!」



「そ、そうですわ。まったくです!」



何してんだよ



「やめろって二人とも、さっきからけが人のくせに動きすぎだぞ」



と、なだめる



「そういえば・・・・・・ダッグトーナメント、不本意だけどアンタと組むわセシリア」



「ま、まあ・・・・・・ボーデヴィッヒさんへの借りも返さなければなりませんし・・・・・・致し方ないですわね」



「僕はもう抽選にしようかなー」





「ダメですよ」





と遮る声が

見ると山田先生が



「あ、山田先生どうしたんですか?」





「あ!士君///じ、実はですねお二人のISの状態をさっき確認しましたけど、ダメージレベルがCを超えています。トーナメント参加は認められないことを伝えにきまして・・・・///」



「そんな!?私十分に戦えます!」



「そうです!納得できませんわ!」





すると表情が真剣な顔に変わり



「ダメと言ったらダメです。当分は修復に専念しないと、後々重大な欠陥を生じさせますよ。では私はこれで。あ、あの士くんも頑張ってくださいね///」



と言って山田先生が去って行った





「士って人気者だね・・・・・・」



もの凄いシャルルが睨んでくるが俺は悪くない・・・・・・はずだ





あ、



「わりぃ、俺織斑先生に呼ばれてるから言ってくるわ」



「いって、らっしゃい」



簪・・・・・・なんて、いい子なんだ



あの後皆と別れ、一人織斑先生の所へ向かった







「すいません、遅くなりました」



「かまわん。とりあえず座れ」



「それで話ってのは?」



「ああ、お前に頼みたいことがある」



「ボーディッヒのことですかね……」





「ああ、お前に任せてみようと考えているんだが」



「何で、俺なんですか?」



「気まぐれだ」



何ちゅうこと言ってんだ



「今の俺なら何言っても変わらないかと・・・・・・」





「・・・・・・できないのか?」



とニヤリと笑みを見せた



・・・・・はぁ〜





「わかりましたよ。わかりましたー

やりますよ、やりゃいいんでしょ」



「ふっ、頼んだぞ。」






―翌日―



おはよーございやす・・・・・・神谷士です



いま、ボーデヴィッヒの部屋の前にいます



なんか、寝起きドッキリのレポーターになった気分だぜ



とりあえずノックノック♪



コンコン



・・・・・・ガチ―――



バタン!



・・・・・・ん?



コンコン



ドンドン!



あのアマ……!



俺を一瞬見た瞬間



開きかけたドアを閉めて挙句、二回目からは帰れと言わんばかりの逆ノック



ふざけやがって!



『KAMEN RIDE・―――』



「誰がISを展開してまでして話せと言った馬鹿者」



頭殴られました・・・・・・痛い



「おい、ボーデヴィッヒこいつと少し話してやってくれ」



ガチャ・・・・・・





「きょ、教官がそうおっしゃるのなら・・・・・・」



めっちゃ素直やん・・・・・・



こうして、ボーデヴィッヒの部屋に侵入できました







「で?なんの用だ?」



入れたのはいいけど・・・・・・さっきからめっさ機嫌が悪い



どうすりゃいいんだよ



「あ、あのさ・・・・・・な、なんでそんなに俺を敵視するんだ」



「別に敵視などしていない・・・・・・」



嘘つけ!いま、目離したら喉かき切ろうとするくせに!



「えっと・・・・・・あ、そうそう

お前は千冬姉と俺が兄弟みたいだから気に食わないんだろう?

でも、俺はお前の知らない千冬姉を知っている」



「な、なに!?本当か!?」



「おう・・・・・・兄弟の特権さ」



そして、チラつかせる一枚のアルバム



「そ、それが・・・・・・」



「特別に見せてやるよ・・・・・・千冬姉には内緒だぞ」



そしてアルバムを手渡す



「おお・・・教官の学生服姿だ・・・・・・こんな写真まで・・・・・・私の知らない教官ばかりだ・・・・・・」



おお・・・・・・笑うとやっぱり強烈可愛いな・・・・・・



「ボ、ボーデヴィッヒだってドイツ時代の千冬姉を知ってるだろ?それと同じだよ」



「そ、そうか・・・・・・何故コレを?」



「ん?まあ、人に嫌われんのは誰だって好きじゃない。それは俺も同じで・・・・・・

しかも、その理由に少なからず姉が入ってるんだぞ?それ、は

なんか嫌だろ?」



「う、うむ・・・・・・た、確かに教官のことを・・・・・・」



「な?だから・・・・・・もうチョイ仲良くやろうぜ」



「ふ、ふん!別に馴れ合うつもりはない!・・・・・・し、しかし!す、少しくらいなら見直してやる」



「そりゃどうも」



そう言って部屋を出た



・・・・・・音楽聴きたい









ラウラside−



話が終わり去っていく士を見て若干寂しさを覚えてしまったラウラであった



私は昨日の模擬戦と先ほどの話を振り返り、やはりあの男-神谷 士-は他の奴とは違うということを再確認した



教官の弟分というだけではない何かを感じていた



私の持てるすべての武器の攻撃も簡単に往なされ、停止結界すれも破られてしまった



そんな奴がこんな場所にいるなどとは



私の部隊にいてくれたら・・・・・・・・・はっ!?  な、何を考えているんだ///



そ、そうだあいつさえいれば我が部隊は負けなしのものとなるとか、考えていただけだ///



教官のご指導を頂いている者同士何か通じるものもあるだろうしな///



一人ツンデレしてるラウラが遅刻をし憧れの教官に出席簿アタックをもらったのはまた別の話







士Side-

学年別トーナメント当日-更衣室にて-



あれから、ちょくちょくボーデヴィッヒとは話すようになり

そこそこいい関係にはなった



・・・・・・たぶん



とまぁ、着替えながら一通りの出来事を思い出していた



ちなみに簪は女子更衣室



「へぇ〜。しかし、すごいなこりゃ‥‥‥」





ふと思ったことを言い、改めてモニターを見る。モニターには観客席、それも特別に用意されている席に各国政府関係者、研究所員、企業エージェント、その他等のお偉いさん方がいた



「三年にはスカウト、二年には一年間の成果の確認にそれぞれ人が来ているからね。」



「はぁ〜なんでこんな人前で・・・・・・めんどくさい」



「どうなるのかなー?ボーデヴィッヒさんは、おそらく一年の中では現時点での最強だと思うからタッグを組む人はかなり楽だと思うけど」



なんてこと考えてるんだ・・・・・・



などと話していると対戦表が掲示された



「対戦相手が決まったね」



見てみると



「「えっ!?」」





ラウラ・ボーデヴィッヒ シャルル・デュノアVS神谷 士 更識 簪

        

となっていた



「楽にできそうだよ」



苦笑いしながら言う

-13-
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