小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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気持ちいいーー!!



いやー、風ってやっぱりいいですねーー神谷士です



今は、バイク乗ってますねーー

いやー、風が気持ちいい!



今日は日曜日、天気もよく絶好のバイク日和



今から箒たちとカラオケに行くことになってます……実はこんなことがありまして







数日前



「士ー、カラオケ行こー」



教室でゆっくりしていた俺に2組から来た鈴が唐突に言い始めた



「どした?急に?」



「いやー、最近行ってないじゃん?中学のときはよく行ったしたまにはいいじゃん!」



神様ーーー!なに、勝手なことしてくれちゃってんの!?



……まあ、行くけど



「まあ、いいか……で?いつ行く?」



「日曜日でいいんじゃない?」



「OKOK……でも二人は寂しくないか?」



「え?わ、私は別に……あんたと、ふ、二人きりでもいいってか……その、二人で行きた―――//」



「シャルロットーー、今度の日曜空いてるー?」



「聞きなさいよ!」



ん?なんだ?急に騒いだりして?



「どうしたんだ?みんなで行ったほうが楽しいじゃん」



「そういう問題じゃないわよ!」



「痛い、痛い!」



ちょ、抓るのはやばいから、痛いからーー!



「なになに?カラオケ?」



「ほらー、来ちゃったじゃない!」



「俺が、悪いの!?」



「あんた以外誰が悪いのよ!」



理不尽だー!



「もういいわよ!この際、皆誘うわよー!」



「おっ!いいテンションだー!ってことでシャルロットも行こうーぜー」



「ええ!?このタイミングで誘われるの!?」



あれ……?嫌なのかな?



「えーと……なんか、予定とかあったのか?」



「う、ううん……僕も一度は行きたいと思ってたんだー、日本のカラオケ♪」



「おお!行こうぜ行こうぜ!」



なんて、話していると



「なんだ、嫁よ……えらく盛り上がっているではないか……私も混ぜろ」



ラウラがやってきて―――俺の膝の上に座る



若干、定位置になにつつもある俺の膝の上……



ラウラの嫁宣言のあと事あるごとに俺の膝の上にちょこんと座る



またその時にこう……甘い香りというか……女の子特有って言えばいいのかな?の香りがしてすごく甘い……とても甘いです



そんなこんなで毎回



「なんでアンタはいっつもいっつも士の膝に乗るのよ!」



「そ、そうだよ!うらやま―――じゃなくて、ずるい―――でもなくて、士も疲れちゃうよ!」



「大丈夫だ……嫁は強い

こんなことで根をあげたりはしない」



また始まった……飽きないねー



ラウラも俺が強いとか勘弁してくれ……俺は通りすがりの―――今はいいか



「で?結局なんの話をしていたんだ?」



「今度の日曜日にカラオケに行くって話」



「ふむ、カラオケか……クラリッサから聞いたことがあるな……確か、歌を歌える施設だとか……よし、嫁も行くのだろう?なら、私も連れて行け」



「なんでそんなに上から目線なのよ……えーと、こうなったらとことん誘うわよ……あんたも来なさい!」



「ちょっと鈴さん!?そんなに引っ張らないでください!」



「アンタも来なさい!」



「誘い方が雑ではなくて!?」



「じゃあ、セシリアは無しで……」



「誰も行かないとは行ってません!」



うん、最近セシリアと鈴の仲がいい気がする



気でも合うのかな?



さーて、後は……



「箒も行こうぜ、カラオケ」



「み、皆の前で歌うというのはあまり好かんが……ま、まあ……どうしてもと言うなら行ってやろう」



「よし、決定だな!あとは……あ、簪」



そうそう、簪を忘れちゃいけないよな



「あんたさ、前から思ってたんだけど簪には甘くない?」



「あ、確かに……更識さんとは結構仲よさそうだよねー」



「嫁よ……不倫は許さんぞ……」



「ほ、本当ですの!?士さん!」



「お、同じ日本人なのに……!」



え?皆さん、お怒り?



なんで?



「まあまあ……じゃあ、誘ってくるわ」



そして、4組に向かう







「絶対、簪には甘いわよね?」



「うん……それに、たまに更識さんに睨まれてるとき、気持ちよさそうっていうか何かを感じてるみたいな顔するよね……」



「ま、まさか!?嫁はMというやつなのか!?」



「つ、士さんが!?は、破廉恥ですわ!」



「つ、士ーーー!」



箒が暴走しました









一方、士は4組にて……



「ちーす、簪、いる?」



「「「キャーーー!」」」



教室に入った瞬間すごい歓声に包まれた



なんだ?なんだ?



「やばい!超イケメンじゃない!」



「ちょっと、声かけなさいよ!」



「あ、アンタが行きなさいよ!」



「あのー?」



何?この居心地の悪い感じ……



「は、はい!?ど、どうしたの?」



お、まともな人いたわ……



「あのー、かんざ―――更識さんいる?」



「「「え?」」」



皆がすごい顔しだした



どうしたの?



「つ、つかさ!」



お……いたいたってか、来た来た



「よお簪、ちょっと外出ね?ここじゃ、ちょっと」



「わ、わかっ……た///」



どうした?顔赤いけど……



そのまま教室を出る



去り際に「え!?付き合ってるの!?あの、二人!」とか言ってたけど

そんなわけないじゃん……付き合えるなら付き合いたいねーー



中庭に出て、自販機の前で立ち止まる



「まあ、とりあえず何か買おうぜ……簪は何飲む?奢ってやるよ」



「じゃ、じゃあ……ミルクティー……」



「はいよ……」



お金を入れて、ボタンを押す



出てきたミルクティーを簪に渡し、またお金を入れる



「俺は、何にしようかなー?俺もミルクティーでいいかな?」



迷うけど……いや、あえてここでレモンティーを選ぶのが大人だな……



と、レモンティーのボタンを押そうとした瞬間



ピッ!……ガタンッ!



ん?ミルクティーが出てきたぞ?



俺はレモンティーのボタンすら押してないのに……



犯人は一人だけ……



「簪!」



「つ、士も……同じの、飲んで?」



なんでやねん……



「まあ、いいけどねー」



どっちでもいいや



「(う、うう〜……今のでも、気づか……無い、の?す、好きな人と、同じ物を、飲みたい……のに///つ、士……の、バカ……)」



おお……急に頬を膨らませながら、こっち見てどうしたんだ?可愛いだけだぞ?



「あ、そうそう……皆で日曜日にカラオケ行くんだけど……行こうぜーー」



「……わざわざ、誘いに……来てくれた、の?」



「ん?当然だろ?お前、確かアニメ好きだったよな?ふふん……アニメの歌も練習したんだぜー?折角だし行こうぜー」



「(鈍感な、くせに……こうやって、優しく……微笑むから……好きに、なっちゃうん……だよ?)」



「う、うん……行く……!」



「きーまり♪楽しみしてるなー」



楽しみだー











回想が長すぎた!

なんだ?こりゃ!?



結局、前に家に帰ったときに忘れ物したのに気づいたから一回家に帰ることにして、後から待ち合わせする事になったんだけど……家に帰ってふとガレージみたらなんたってマシンディケイダー

あったんだぜ?神様ナイス!

で、乗ってみたら速いのなんの、超気持ちいいわー









箒+専用機持ち女子side−



士がこちらに向かっている途中の彼女達は気が気でなかった……



周りから寄せられる視線と好きな人に見せる私服にかなり気合いが入っているからである



(ちなみにラウラの私服はクラリッサが用意した)



と、そこで立派ではあるものの五月蝿すぎるわけでもない、シート高が低く白・黒・マゼンタの色をしたバイクがドリフトし気味にすぐ近くで止まる



高く足を振り上げながらバイクを降り、ヘルメットを取って叫ぶ



「すいませーん!ここってバイク止めてもいいっすかー!?……いや、ゴボウ食べてもいいですか?じゃなくて!バイク!止めても!いいですか!?……いい!?あざーす!」



手を払うように叩きゆっくり歩いてくる彼―――そう、神谷 士だ



「いやー、悪い悪い……待たせたな」



「そ、そんなこと(ないぞ)(ありませんわ)(ないわよ)(ないよ)(ない)(ない……よ)!!」



声が重なる……



「そ、そうか……まあ、行こうぜー」



前を歩き始める彼の私服姿があまりに新鮮でなかなか目を離せないでいた……



半袖の重ね着スタイルで茶色のパーカー、その下にはお決まりの変わったTシャツ胸元には「無敵」の文字が……少しだぼついた色の薄いジーンズ、ベルトの中央にはドクロが刻まれている

胸元で光る小さめの十字のネックレスに右腕の人差し指と薬指のシルバーリングはそれぞれ赤と青の小さな宝玉が嵌められている



「(か、格好いいーー!)」



心の中では大絶賛の彼女達のカラオケ大会は今から始まる……

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