小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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楯無さんとの対戦



まず動いたのは俺だった



「行きますよ!」



「かかってらっしゃい!」



色々考えたんだけど、相手は仮にもIS学園最強



どんな攻撃にも対応できないとダメだと思うんだよねー



……だから



「行くぜ……」



走りながらライドブッカーからカードを取り出す



そのままカードを挿入し、バックルを回す



「変身」



『KAMEN RIDE・OOO』



『タ・ト・バ・タトバ・タ・ト・バ♪』



頭部はタカの赤、身体はトラの黄、脚部はバッタの緑という三色のライダー「オーズ」になる



「ふざけた歌じゃない」



「気にしないでください!」



言いながら、楯無さんにトラクローで切り掛かる



楯無さんはその一閃を避け、距離をとる



楯無さんのISは「ミステリアス・レイディ(霧纏の淑女)」



他のISに比べ装甲が少なく、それをカバーするように左右一対で浮いている「アクア・クリスタル」というパーツからナノマシンで構成された水のヴェールが展開されており、ドレスのように楯無さんを包んでいる



水……ねぇ



まぁ、まだ早いか



一枚のカードを取り出し、挿入する



『FORM RIDE・OOO・GATAKILIRTA』



タトバコンボから頭はクワガタ身体はカマキリ脚はチーターの「ガタキリーターコンボ」になる



「へぇ〜、色々変わるじゃない」



楯無さんが特殊ナノマシンによって超高周波振動する水を螺旋状に纏ったランス「蒼流旋(そうりゅうせん)」を構える



俺はチーターレッグのスピードを活かし、一気に接近し右腕のカマキリソードで切り掛かる



「おらっ!」



楯無さんのランスで弾かれるが左腕のカマキリソードでも横薙ぎに払い、チーターレッグで蹴り付けた



「やるじゃない……」



「まだまだ!」



『FORM RIDE・OOO・GATATORADORU』



身体はカマキリからトラ、脚はチーターからコンドルを模した赤に変わり「ガタトラドルコンボ」になる



トラクローで真空刃を放ち楯無さんを牽制し、クワガタホーンから雷撃を放つ



「電気は水を良く通します。これでどうっすか!」



「ぐっ……」



勢い良く近づき、爪先の強靭な爪「ストライカーネイル・ラプタードエッジ」で楯無さんを蹴り飛ばす



「そろそろ、反撃……しようかしら?」



蹴り飛ばされた勢いそのままにランスから四門のガトリングガンを放つ



もらうかよ……



『FORM RIDE・OOO・TAKAGORIBA』



頭は再びタカの赤、身体はゴリラの銀、脚も同じく再びバッタの緑の「タカゴリバコンボ」になる



バッタレッグのジャンプ力を活かして高く跳び、ガトリングの銃弾を避け、ゴリバゴーンで空中から落下する勢いで殴りつける



ランスでその攻撃を受け流すが、俺の攻撃は止まらない



足を使ったりして攻撃をやり過ごすが、確実にダメージを与えた



楯無さんに攻撃を当てるたびに、アーマーから水が弾ける



バゴーンを腕からロケットのように射出する「バゴーンプレッシャー」も当てて距離をとる



「やるわね……それにしてもそんなにビチョビチョになって、士くんは〜……弾けなさい!」



楯無さんが指を鳴らす



パチン



その瞬間、俺の身体は大爆発した



「ナノマシンで構成された水を霧状にして士くんに散布して、ナノマシンを発熱させることで水を瞬時に気化させ水蒸気爆発を起こす『清き熱情(クリア・パッション)……士くん、あんなに私を殴るんだもん……少し、頭を冷やしなさい。私の水でね』



誰もが楯無の勝ちを確信した


















―――この男意外は



「もう冷えてますよ」



『FORM RIDE・OOO・SYAUTA』



『シャシャシャウータ♪シャシャシャウータ♪』



後ろに回った俺は電気ウナギウィップで楯無さんの身体を巻きつけた



電撃を流し込む「ボルタームウィップ」を使いダメージを与える



「きゃぁ!」



更に、タコレッグの脚装甲を8本の触腕状に分裂させて、連続して蹴りつける



「……どういうこと?クリア・パッションは決まったはず……」



「確かにあの一瞬では水を拭くなんてことはできませんし……だから、一部にすることにしました」



「どういうこと?」



「楯無さんは偽者は作れてもなることはできませんでしたっけ?……液状化ですよ」



「!?」



そうオーズ・シャウタコンボの固有能力「液状化」を使い、爆発そのものに紛れた



「面白いことしてくれるじゃない」



手を開き、「さあ?」と言わんばかりに首をかしげる



楯無さんも本気を出したのだろう……無言のままランスを俺に向かって払った



またも液状化しその攻撃を回避、電気ウナギウィップの広い攻撃範囲で瞬時に作った偽者ごと打ちつける



それでも楯無さんは水を操り、水流を浴びせてきた



意味も分からず液状化して様子を見る



その瞬間、俺の身体は楯無さんの方へと引きずり込まれる



「あ?なんだ?」



「私の切り札見せてあげる『ミストルテインの槍』発動!」



こいつはまずい



楯無さんの防御用に装甲表面を覆っているアクア・ナノマシンがランスに集中している



無論、攻撃に使った水もだ……それは液状化している俺をも巻き込んでいく



今ここで、液状化を解除しても『ミストルテインの槍』は発動してしまう



なら……













―――その水を消せばいい



『FORM RIDE・OOO・RATOLARTA』



『 ラ・タ・ラ・タ〜♪ ラトラーター♪』



シャウタコンボから全身黄色一色のラトラーターコンボになり



「うおおおおおおおおおお!」



強力な熱線「ライオディアス」を放つ



河川を蒸発させるほどの熱線であるこれは楯無さんの水ごと蒸発させただけでなく、水蒸気爆発を起こした



「さっきのお返しです!」



楯無さんのシールドエネルギーは残りわずか……だが、俺もコンボを使いすぎてそろそろやばい



勝負、決めるか……



『FORM RIDE・OOO・SAGORZO』



「サゴーゾ♪サゴーゾ!♪」



頭はサイ、身体はゴリラ、脚はゾウを模した全身銀色のサゴーゾコンボになる



「ウオオオオオ!!!」



胸を大きく叩き、ドラミングをする



「オオオオ!ウオオオオオ!」



胸を叩いた瞬間に大きな波動が放たれ、楯無さんはよろけながらも動けなくなる



これこそがサゴーゾコンボの固有能力「重力操作」



なんとか体勢を立て直そうとする楯無さんにサイの角を模した額の角状外骨格「グラビドホーン」で頭突きをかまし、怯んだところにゾウレッグの強烈な一撃を腹に入れる



屈むように姿勢が低くなった楯無さんにゴリラアームで殴りつける



そろそろ、決めるぜ……じゃないと体が……



『FINAL ATTACK RIDE・O,O,O,OOO』



『スキャニングチャージ!』



その場で跳躍し、着地の衝撃と共に銀色の3つのリングで楯無さんを地面に捕縛し、手元に引き寄せて頭突き・ゴリラアームでのフックパンチを同時に叩き込む「サゴーゾインパクト」を叩き込んだ



「ハアアアアア!セイヤッーーー!!」





『勝者―――神谷 士』



「はぁ……はぁ……勝っ……た」



やばい……死ぬかもしれん



そのまま、倒れる

-40-
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