小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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「セシリア、起きてる?」


俺が来てるのはセシリアがいる医務室


「つ、士さん!?……は、入ってもいいですわよ……」


「邪魔するぜ」


扉を開けて部屋に入っていく


セシリアはベットに背を預けて、座っていた


その腕、頭には包帯が……


「よぉ……調子はどう?」


「悪くありませんわ///(つ、士さんがお見舞いに……)」


なんか、顔赤いけど本当に大丈夫か?


「あー、その……セシリア?」


「?どうしました?」


「本っ当、ごめん!!」


思いっきり頭を下げる


首いてー


でも、さすがにちゃんと謝らないと


「ど、どうしたんですの!?お顔を上げてください!」


「いや、マジで反省してる」


頭を上げながら、そう告げた


「もっと速く助けに行ってやればよかったんだ……」


「士さん……」


「もっと上手く助けてやることも出来た……マジで……ごめん」


またも頭を下げる俺に


「やめてください」


どこか優しい声音でそう告げた


「士さん……貴方にはたくさんの事を教えていただきました。そして、それはわたくしにとってどれも最高の言葉として残っていますわ……

今日だって、わたくしのつまらないプライドを貶すのではなく……「大事なもの」だけどと言ってくださいました……

お詫びするのはわたくしの方ですわ……」


そう言ってセシリアは少し潤んだ瞳を向ける


これは………引き込まれる………


「士さん……」


「セシ、リア……」


そうして、2人の影は自然と近づいていき―――


「「―――ハッ!!」」


2人同時に視線を感じて扉に目をやる


「「「「「「ジーーーーーーー」」」」」」


口で言うんかい


箒に鈴、シャル、ラウラ、簪、楯無さんだった


「皆さん!!」


セシリアが叫ぶと同時に皆が凄い勢いで走ってきた


「ちょっと、士!!」


「なにやってるの!!」



鈴とシャルが俺に掴みかかって来た


「いや、その……お見舞いだよ」



「随分と破廉恥な手土産だな……」


「うらやま、しい……じゃなくて!!……ずるい……でもなくて!!……えっち」


簪が一人で暴走してる


箒もそんなに睨まないで


「おい、セシリア……面貸せよ」


「おお、コラ。おお、コラ」



ラウラ!?どこでそんな言葉覚えたんだ!!


またあの副隊長か!?またやつなのか!


楯無さんも……なに下級生にメンチ、キッてるんですか!


「ちょ、ちょっと落ち着いて!」


皆をなだめる


「あの、セシリアと何もやってないって!何もないから!落ち着いて!」


「ムーーーー」


あれ?セシリア?


頬を膨らませて怒ってるの?


「まぁ、何もないなら……」


「別にいいんだけど……」


「本当になにもないよね?」


「おい、どうなんだ」


「おお、コラ。おお、コラ」


ラウラが……俺の知ってるラウラじゃない


楯無さんもなんかネジ外れてるな……


「な?セシリア」


「……士さん。こちらへ」


「ん?」


セシリアが俺を呼ぶ


またも、ベッドに近づいた瞬間


不意に、俺の袖をぐいっと引っ張るセシリア


「うわっと!―――んっ!?」


キス……された……


セシリアに……


時が止まる


「ぷはっ……はあ……はあ」


「セ、セシ……リア……」


ちゃんと声を出しているのかさえ分からない



「……///」


セシリアも俯いてしまっている


「え?何が起きたの?」


シャルが声を出す


「こ、これは……お、お礼ですわ……今日の……」


お礼?


ちゃんと動かない頭を精一杯動かして考える


助けてやったことか?


「あ、ああ……お礼な……うん、お礼……ラウラと同じだよな……うん」


「……///」


ダメだ……セシリアは使えない



ふと、後ろを振り向くと


「ひっ!」


鬼が……悪魔が……

立っていました

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