小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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「士……」


あれから放課後


調子に乗ったことをほざいてるキャロルに世間の厳しさを教えるためにアリーナで俺は体を捻ったりして準備をしている


そんな更衣室でシャルに声をかけられた


「なんだ?」


「あ、あの……あのね」


シャルは俯いてゴニョゴニョと話す


「シャル……」


「え……な、なにかな」


シャルが顔を上げる


「さっきアイツが言ってたのは本当か?」


「う、うん……本当、だよ」


またも泣きそうに目を潤ませるシャル


そんなシャルを俺は抱き寄せる


「知るかよ……」



「え……」


「さっきのがたとえ本当でも、そんなの関係ねぇよ……俺達の知ってるシャルは……シャルロットは優しくて、誰よりも気が使える優しい子だからさ……」


俺は肩をもっと強く抱きよせて



「最悪、俺はお前の事を信じてるよ」


「つ、……士……。ううぅ……ひっぐ……あ、りが……とぅ」


「よしっ!行ってくるな」


「う、うん!」


そのシャルの笑顔はやはり優しかった









「あら?データでは見たけど本当に飛べないISなんて……舐められたものね」



「お前相手に飛んじまったら死んじまうかもしれないだろう……ハンデには十分だ」



手を弾くように叩きながら俺は答える



キャロルのISは丸かった



イメージが丸いのだ



全身が装甲で包まれたようなISで、腕が長い



頭も何かで守られているような格好で俺と同じ全身装甲なのかもしれない


でもこのIS……どこかで……



「ふん。言ってなさい」



ブザーがなる



ちなみにこの試合は専用機持ちの皆も見てくれてるらしい



「……行くぜ」



『FORM RIDE・AGITO・STORM』



アギトのストームフォームへと姿を変えて突っ込む



ストームハルバードをくるくると器用に回しながら



「おらっ!」



体の中心にその突きを当てるが



「あら?その程度かしら?」



「嘘だろ……」


呟きながらも手数の多さを活かし、叩きまくった



風も操り吹き飛ばそうにも上手くコントロールできない


どうなってやがる


一旦、距離を置いた


「硬ぇ……」


「それもそうよね……この機体はシュヴァルツェア・ラファール・カスタムツヴァイク。ドイツとの共同開発の末、フランスが手に入れた技術が満載のISなの……」


ドイツ……


なるほど


言われてみれば右肩と左腕についているキャノン砲とレーザーブレードは姿形が確かにラウラのシュヴァルツェア・レーゲンに似てるな


「このISはダイアモンドより硬いとまで言われてるの……最強クラスの防御力ともね。貴方にこれを破壊することなんて出来ないのよ!」


そう言って彼女はレーザーキャノンを放つ


それを転がりながら避けた俺はカードを挿入しバックルを回す


「なら手数で叩き割ってやるよ!……10秒でな!」




『FORM RIDE・FAIZ・AXEL』


ファイズの胸部アーマー・フルメタルラングが展開して肩の定位置に収まり、複眼は赤、フォトンストリームは銀色のシルバーストリームに変化しファイズアクセルフォームにフォームチェンジする



左手首にあるファイズアクセルのスタータースイッチを押しながら俺は一言


「さぁ、叩き込むぜ」



『Start Up』



その瞬間、俺は音速の世界へと足を動かした


「おらよっ!」


蹴りを胸元に叩き込み、同時に拳もいれる


それでも彼女はよろめきもしなかった


「ああ?」


『FINAL ATTACK RIDE・fa,fa,fa,FAIZ』



わけも分からないまま、ファイズポインターから円錐状の赤い光を放ってキャロルを全方位からロックオンする


これで決める!



「はああああぁ!!」



連続で蹴りを入れた



『Time Out』



そんな音声と共にファイズはもとの姿へと変わったが……



「そんなものなのね……」


声に振り返る


「マジかよ……」


「今のはなかなか良かったわ……でも、足りないわね」


こいつ……!


アクセルの手数でも勝てないんじゃ


「私の番かしら?日本は順番に五月蝿いらしいから待ってあげたわよ」


ふざけたように笑いながら、キャロルが突っ込んでくる


左腕のレーザーブレードをモロにもらい、弾き飛ばされ右肩のキャノンも放たれた


「ぐはっ!」


ゴロゴロと転がり勢いを殺すが壁に激突


立ち上がった瞬間にはまたもキャノン砲の赤い弾丸が飛んでくる


くそ!


『ATTACK RIDE・AUTO VAJIN』



オートバジン・バトルモードを召喚し、俺を運ばせる


「あら?お友だち?……なら一緒に切り刻んであげるわ!」


そう言って左腕のブレードを振りかざす


「ざけんな!」


オートバジンのハンドルからファイズエッジを抜き取る


「うおおお!」


斬りかかるが、右肩のキャノンに邪魔され上手く当てられない


「舐めんな!」


『FORM RIDE・OOO・SYAKIRIRTAR』


ファイズエッジを刺すように投げつけて、怯ませオーズの亜種コンボ


頭部はシャチ、身体はカマキリ、脚部はチーターのシャキリーターコンボへと姿を変えた



「せいっ!」


チーターレッグの素早さを活かして接近し、体を斬りつける


反撃はシャチヘッドの頭部先端から水流を放って避けながら、背中へと回った


「こいつで!」


背中を斬りこもうとした瞬間


「調子に……乗るなああ!」


両肩の肩甲骨辺りに設置されたジェットパックが噴射した



「うわっと!」



避けきれず身を引くが、キャノン砲を喰らい吹き飛ばされる


その衝撃で俺はオーズからディケイドへと姿を戻した


「ふん!そろそろ終わらせましょう」


そう言って彼女は俺へ歩み寄る


「まだだ……!」


使いたくはなかったが……仕方ない、よな


ケータッチを取り出し、コンプリートカードを取り出す


それをケータッチに挿入した瞬間レーザーソードが放たれる


「危ねっ!」


「ちょこまかと!」


攻撃をかわしながら紋章をタッチする


『KUUGA.AGITO』


蹴りを一発だけ当てて、怯ませる



『RYUKI.FAIZ』



右肩のキャノン砲はケータッチを上へ投げてから転がりながら避けて避けた地点でキャッチする


『BLADE.HIBIKI.KABUTO』


「おとなしくしなさい!」


そう言われて、おとなしくするやつはいねぇよ


『DEN-O.KIBA.W.OOO.FOURZE』


よしっ!


最後に「DECADE」をタッチして


ディケイドライバーのバックル部をケータッチと差し替えた


『FINAL KAMEN RIDE・DECADE』


頭部にはコンプリートフォームのライダーカードが配され、肩から胸に装着された装甲・ヒストリーオーナメントには12体のライダーのカメンライドのライダーカードが配置される



「ふぅ……なんとかなったな」



「あら?どんな姿になろうと私の鉄壁には勝てないわよ!」


「そいつはどうかな?」


俺はケータッチを取り外し、『W』をタッチする


『W・KAMEN RIDE・EXTREME』


俺の斜め後ろに仮面ライダーWサイクロンジョーカーエクストリームを召喚する


「さぁ、お前の罪を数えろってね」


言いながら俺はカードを右腰部に装着されたバッルに挿入し叩く


『ATTACK RIDE・KENSAKU WO HAZIMEYOU』


「さ、検索をしようか」


そこで一旦、Wは姿を消す


「あら?折角呼び出したお仲間も帰ってしまっては意味がないわね」


「御託はいいから、速くけりをつけないとお前の負けだぜ?」


両手を軽く広げて挑発した


「ああ、もう遅い」


次の瞬間にはまたWが現れた


その瞬間、脳に電撃のような痺れが発生する


なるほど……


でも、どうする……考えろ……


……まぁ、仕方ないか


更に新たなカードをケータッチに挿入した


そこに現れる紋章をまたもタッチする


『KUUGA・ULTIMATE』

『AGITO・SHINIMG』

『RYUKI・SURVIVE』

『FAIZ・BLASTER』

『BLADE・KING』

『HIBIKI・ARMED』

『KABUTO・HYPER』

『DEN-O・LINER』

『KIBA・EMPEROR』

『W・EXTREME』

『OOO・PUTOTYRA』

『FOURZE・COSMIC』

『FINAL KAMEN RIDE・DECADE・COMPIETE』



ヒストリーオーナメントの12体のライダーのカードは最強のフォームを表し


俺はファイナルコンプリートへと姿を変える


「あら?挑発してきた割には次から次へと姿を変えて……何なの?」


「今から分かるさ」


『KIBA・KAMEN RIDE・EMPEROR』


俺の目の前に本カラーは赤・金色で、背中のマントが勇ましいキバのエンペラーフォームが現れた


「さぁ、|十三の物語(サーティン・ストーリー)を始めよう―――」


右手の小指と薬指をほんの少しだけ折って、胸元で左から右へと流すように振る


するとキバは魔皇剣ザンバットソードを構えて―――





俺に飛びついた


「ディケイド〜!会いたかったです!」


なんて言いながら


てか、お前はエンペラーなんだろ?王様なんだろ?


なんで敬語やねん


その山田先生みたいな声やめろ!


「そうか、それより今はアイツだ……アイツの背中に大きい装置がある。その間を刺せ」


そう、両肩の肩甲骨辺りに設置されたジェットパック……の、間


これが先程、Wのエクストリームに検索してもらった結果のやつの弱点


え?


なんで今、召喚しなかったのかって?


したら面倒なことになるだろ……まったく


「お前は原子結合をISに適するように操作することで最強の防御力を手に入れた……だが」


俺の説明も聞かず、キバは突っ込む


もともと意思疎通が通じるキバに話す必要もないのだが


「鉱石には割れやすいある特定の菱目が存在する……そこを正確に攻撃できれば……」


ライドブッカーをガンモードにしてキャロルを撃ち抜き動きを止める


その隙に……


『ウェイク・アップ!』


キバットがコールすると同時にザンバットのウェイクアップフエッスルを吹く


ザンバットの牙で研いで赤く輝いた刀身


その一撃……ファイナルザンバット斬で


キャロルの弱点である背中を切り伏せた


「きゃ、きゃああああ!!」


その瞬間


キャロルは黒い靄のようなものに取り込まれていた



おいおい、まさかな……

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なのこれシリーズ IS (インフィニット・ストラトス) コレクションフィギュア VOL.2 BOX
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