小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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翌朝


というより、爆発事件があったのは夜中2時


ただ夜が明けただけだが……


「ふぅ……」


俺は大きな和室の隅っこで息を吐いた


部屋の中心では楯無さんが腕を組んで立っていた


その前には20人のボーディガードや料理人、お手伝いさんが正座している


「で?……小学生の集まりじゃないんだから、さっさと出てきなさい。離れを爆破したのは誰?」


『………………』


誰も何も言わない


「私、簪ちゃん、士くん、虚ちゃん、本音にはアリバイがある。同じ部屋で寝ていたからね……」


座っている皆さんの周りをゆっくりと歩き出す楯無さん


「アリバイがあり、かつそれを証明できる人間は言いなさい」


楯無さんは再び正面に立ち、告げた



「よいしょ……」


俺はゆっくり立ち上がり静かに部屋をでる


「士……?」


簪がそれに気づき俺に続いた


「さてと……じゃあ、現場検証と行きますか……」


「え?」


少し離れた玄関で靴を履きながら、俺が告げると同時に簪が驚きの声をあげた


そんなことも気にせず離れへと歩く


「士……離れは、もう爆発した、から……なにも、残ってないんじゃ……」


「いや、そんなことないさ……行こうか」


「うん……」








離れまで歩くと虚さんと本音ちゃんが先に来ていた


「虚さん、本音ちゃんも……どうですか?」


歩きながら聞いた俺に虚さんは右手をかざして答えた


「ダメね……監視カメラも爆発で壊れてるわ。それに爆薬のようなものも出てこなかった。どうやって爆破したのかしら?」


なるほど……


「こっちも〜なにもなかったよ〜」


本音ちゃんも服をドロドロにしながら離れの中から出てきた


「おい、本音ちゃん。ドロドロじゃねぇか……」


「ふぇぇぇ……本当だ〜」


本音ちゃんもあまりに熱心に探していたのか俺に指摘されて気づいたみたいだ……



「うぅ〜、つっちーに変なとこ見られたよ〜」


本音ちゃんがモジモジしながら俺をチラチラ見ている


どうした?


まぁ、でも


「お疲れ、本音ちゃん。あとは3人でやるからお風呂入っといで」


優しく頭を撫でながら言ってやった


「う、うん!……すぐ戻ってくるね!」


そう言って普段では考えられないほどの速さで走り出した


「はえぇ……」


「でも、士君」


虚さんが俺の肩を叩く


「はい?」


「どうする、の?……なにも、残ってない……よ」


たしかに黒焦げになった離れからは何も見つからないかもしれない


でも……


「いや、現場はここなんだ……ってことは絶対になにかある」


俺は確信していた


いや、最近コナ〇見ただけなんだけどね


俺は離れの中に足を踏み入れる


ん?……なんだろう?この匂い


離れに入った瞬間……ではない


奥に入るほど強くなるなんとも言えない匂い


これは……なんだ?


あまりにもかすか過ぎて分からない


「ふぅ……探すか」


今回はこいつにかなり頼ってるな……


『KAMEN RIDE・DECADE』



『FORM RIDE・OOO・TAKATORAZO』


ディケイドになったのは束の間即座にオーズの亜種形態


タカ、トラ、ゾウを模したタカトラゾコンボへと姿を変えた


「士……なにを―――」


「簪も打鉄で探してくれ」


簪が言い終わる前に俺は言葉を重ねた



「いい、けど……なにを」


「ん?ちょっと色が濃い瓦礫」


俺は更に言葉を続けた


「本当にちょっとだけだから気をつけて探してくれな……あ、ハイパーセンサーはフル活用してくれよ」


「わ、分かった……」


簪は俺の言葉に頷くと即座に打鉄弐式を展開した


「士君……私は……」


「虚さんは、監視カメラがどういう配置にあったのか……そして、あることを調べて欲しいんです」


「あること?」


「はい。でも俺の連絡があってからお願いします」









それから虚さんに頼みごとをした俺は作業に取り掛かった


タカヘッドは物体を透視のような状態で見ることが出来る


加え、タカヘッド程度の嗅覚でも気になる匂いのもとは分かった


さらにゾウレッグは地脈に流れる物体をソナーのように標的を感知できる


本当はサイヘッドと組み合わせなければそこまでは出来ないが俺が探しているものはそこまでしなくても見つけることができる


「これか……」


見つけた


その周辺には大量のソレが見つかり、俺は変身を解除してそれの全てをハンカチで包み、ポケットに入れた


この量だと……


虚さんに連絡をとる


「士……!」


電話を切ったタイミングで簪がこちらに向かってきた


ISは解除している


「見つかった?」


「うん……これで、いいかな?」


そう言って両手で広げられた瓦礫


それは


―――濡れていたように……湿っていたように………色が少し濃くなっていた







それは俺がシャトラバで消した瓦礫とは少し違っていた


さすがにダメもとだったけど見つかってよかった


ん?ってことは


かなりの量だな……


よし……次は



「簪……戻ろう。それはハンカチかなんかに包んどいて」


「わ、分かった……」









次に俺達は警備室のような場所で虚さんに声をかけた


「どうでした?」


「出たわ。配置はこんな感じよ」


俺は離れの設計図を見せてもらい、赤い丸印がカメラの位置であることも教えてもらった


「どうっすかな〜………あ、頼んだものは」


「本音が調べてるわ」


すると、襖が開き本音ちゃんが入ってきた


いつになく真剣な表情に俺も気合いが入る


「つっちーが言ってたのをもってたのは、この2人だよ」


2人しかいねぇのか


これは……いけそうだな


心の中で呟き資料に目を通す


その資料は2人の人間の履歴書のようなものだ


そこには若い女性と……





運転手ボブが写っていた









資料は部屋に置き、さっきの広い和室へと向かう


襖を開けるとまだそこには変わらず正座している皆さんの姿が


しかし、1箇所ではなく3箇所に


恐らく、俺達が出て行く前にやってたアリバイがあるかないかの人を分けたのだろう


でも3箇所?


「あら、士くん。お帰りなさい」


「はい。楯無さん、これは……」


俺が尋ねると


「真ん中はアリバイがない人よ。右はある人、左はあるのはあるけど時間が短かったり、確定しているわけではない人ね」


さすが楯無さん


さきほどの資料の2人……運転手のボブとボディガードの攝津 香菜さん


ボブは真ん中……アリバイはないか


攝津さんは左……曖昧な人間と


「皆さん、解散していただいて結構です………あ、ボブさんと攝津香菜さんは残ってくださいね」


俺が告げると


「ちょっと士くん!」


当然のように楯無さんが食いついてくる


「大丈夫です。俺を信じてください」


まっすぐに彼女の赤い瞳を見つめる


綺麗な色だ


「…………ボブと香菜以外は解散しなさい」


楯無さんの一言で皆さんは解散した


広かった和室も人数が減り、より広々としている


「……やっぱり自分は怪しいんですかね」


ボブが呻くように呟いた


「ちょっと!納得いきません!ボブはアリバイがありません!しかし、私は少なからずあります!ボブと他のアリバイがなかった3人とならまだしも。どうして私だけ!」


攝津さんも声を荒げた


「黙りなさい……!」


それは覇者の一喝というやつだろうか


すさまじい怒気を孕んだ声で楯無さんは言った


決して、大きい声ではない


それでも俺は縮み上がったし


前の2人も背筋を伸ばした


「今の私は機嫌が悪いの……怒らせないで」


超、こえぇ


「それで?どういうこと?士くん」


楯無さんは少し緩くなった表情で俺に目を向けた


「はい。お2人に2つ質問しますね」


「正直に答えなさい」


楯無さんは俺に任せてくれたのか協力的だ


「まず、ここの人間は銃を持っていると聞きました。お2人も?」


「当然だ」
「持ってるわ」


声を重ねた2人


「では、銃を見せてください。僕に渡さなくてもいいです……ただ見せるだけで」


「俺の銃はこれだ」


そう言ってボブが懐から取り出したのは150mmを越える大型自動式拳銃デザートイーグルだ


存在感抜群のその銃をボブは誇らしげに見せてくれた


「ありがとうございます……攝津さんもいいですか?」


「ええ……」


そう言って攝津さんも銃を見せてくれる。それはリボルバーだった


護身用には向かないな


S&W M329


S&W社が開発したM29の軽量モデル


スカンジウム合金製のフレームとチタン製のシリンダーを組み合わせたモデルだ


「44口径ですか?」


「え、ええ……一応、ね」


「一応?」


俺が問うと


「45口径にも対応しているのよね……貴方の銃は」



楯無さんが答えた


「は、はい。そうです」


どうやら銃の改造もお手の物らしい


「分かりました、ありがとうございます。では、2つ目の質問です……タバコは吸われますか?」



「ああ。てか、昨日会ったときに吸ってただろう」


ボブは答えた


「そうでしたね……攝津さんは?」


目を向ける


「す、少しだけね……」


目を反らされた


「質問は終わりです。お2人も解散してください」


俺が静かに告げると2人は襖を開けて出てきた


それと同時に反対の襖が開き簪、本音ちゃん、虚さんが入ってきた


「士くん……」


楯無さんが俺に声をかけた


「なんすか?」


「どういうつもり?虚ちゃんにも聞いたわ。現場には何も残ってなかったんでしょう?なのにあんな勝手な真似して……」


怒っている


直感でそれは感じた


「あまり更識家の問題に首を突っ込まないで……士くんには関係、ないでしょう……!」


そう言ってピシャリと大きな音をたてて襖を閉じた楯無さん


俺は目を閉じて天井を仰ぐ


「士……」


簪が肩を寄せてきた


「ふぅ……大丈夫だよ」


そんな簪の頭を撫でた


「………楯無さんはもう協力してくれそうにないな。さっき楯無さんは俺には関係ないって言った……でも俺はそう思わない


俺の周りの人間には笑顔でいて欲しいから……3人とも力を貸して欲しい」


そう言って頭を下げた


すると……


「ふふっ……前も、士……同じこと、言ってたよ」


「私も言われたわね」


「え〜!?私、言われてないよぅ〜」


そして


「力なら、貸すよ……だって、士は私達の為に、動いてくれてる……から」


「私もよ、士くん。何でも言って」


「わ、私も〜!」


そう言ってくれた


信用して、もらってるんだな……俺


「ありがとう……よしっ!なら、準備しますか……」


そうして俺はある人物に連絡を入れた













その準備の途中……


俺は中庭でタバコを吸っている攝津さんに出会った


「どうも」


「君は……ふん!どういうつもりか分からないけど君のせいで私も自由に動けなくなったわ!どうなってんのよ!」


怒声を浴びせられた俺は落ち着いていた


「すいません……」


「まったく……」


ボヤキながら攝津さんはタバコをもう一本取り出し、ジッポーで火をつけた


すると、慌てた様子でジッポーをしまい


「急用を思い出したわ」


「ああ、すいません」


そう言って攝津さんは去っていった


………決まりだな


タバコを吸う、ボブと攝津さん


どちらも俺の考えた通りに行くと犯行は可能だ


そして、俺はこの2人で悩んでいた


昨日のボブもどこか慌てた様子で


そして今の攝津さんも慌てた様子で


俺の前から去った


しかし、昨日の2人を比べることで解決した




犯人は……
















数時間後


時刻はまだ昼


俺と簪、本音ちゃん、虚さんはボブとは別の運転手が運転する車に揺られていた


すると、携帯にメールが


「運転手さん急いでください」


俺が告げると


「了承」


短く答えて車を加速させた






目的地は大きなスタジオだった


そこで俺達を待っていたのは


「やっほー!神谷くん、簪嬢に、本ちゃん、あとは虚ちゃんも」


IS学園整備科に所属している2年生のエース


黛 薫子さん


その人だ


「すいません。突然、変なお願いして……」


「本当よ。こっちも姉を説得するの大変だったんだから〜……姉さん!来たわよ〜!」


薫子さんは大声でその名前を呼んだ


「はいはいはい!おっ!君たちがそうだね〜雑誌『インフィニット・ストライプス』の副編集長を務める黛 渚子よ

今日は派手なことするんでしょう?無理に頼んで知り合いの映画監督に撮影用の道具一式揃えといてもらったから……」


「ご迷惑をおかけしました」


またも俺は頭を下げた


「まぁ、いいんだけどね。たまたま昔取材してたときに仲良くなった人だったから……連絡先が変わってなくてよかったわ」


そう言って眼鏡をクイッとあげた


格好いい……

















その夜


俺達は更識家に戻ってきていた


別れ際、渚子さんは泣いていた


……すいません


そうして居間の襖を開けた


「ちょっと貴方たち!どこに行ってたの!」


楯無さんが噛み付くように迫ってきた


「ちょっと……ね」


「ちょっとじゃないでしょう!本当に!あまり、勝手なことしないで!」


「お姉ちゃん……」


簪が宥める


「虚さん……お願いします」


「分かったわ」


そう言って虚さんは部屋を出た


「今度は何をするつもり!」


「謎解きですよ」

俺は手を弾くように叩いた










「連れてきたわ」


数分後、虚さんはボブと攝津さんを連れて居間に戻ってきた


「ありがとうございます」


俺は礼を言いながら2人に席を勧めた


「すいません。呼び出してしまって」


「そんなことより、早く説明して頂戴」


楯無さんは俺を急かした


「では……今回の離れを爆破させた事件。爆発物も見つからず、防犯カメラも焼けてしまって使い物にならない……防犯カメラはともかく、爆発物が見つからないのはおかしいと踏みました


しかし現場をISを使って調査したところ、2つの証拠を見つけました……簪」


俺が呼ぶと簪はハンカチで包んでいた瓦礫を広げた


「これは離れの瓦礫です。目視で確認するのは困難ですがこの瓦礫、若干ですが凍結したようなあとが見られました。そしてもう一つ」


俺もハンカチを取り出し、広げる


「これも同じ現場から見つけたものですが、火薬です……かなり大型の弾丸の火薬量はあるでしょう


さらに、ボブさんも攝津さんも昨日は医務室を利用したそうですね」


俺が問うと


「ああ、これも昨日坊主に会ったときに……」


「私も少し足をくじいたので」


と答えた


「さて、ここで化学実験です


C3H5(ONO2)3と〔C6H7O2(ONO2)3〕NそれにNH4NO3をあるバランスで加えると、興味深い化学反応を起こすんです」


「な、何を言っているの?」


楯無さんが声をあげた


「即席爆弾ですよ。さっき言った医務室なんかにある瞬間冷却剤の中身は水とNH4NO3……『硝酸アンモニウム』っていう爆薬の原料にもなる物質でしてね

コイツはちょっとやそっとじゃ爆発なんてしませんが加熱するとある性質を発揮するんです

大量の酸素を吐き出して他の物質の燃焼を助ける『助燃性』ってヤツをね!……そこになんらかのショックを与え銃弾の火薬……ニトロ化合物に火をつければ


ドカンってわけです……」


「なら、犯人はボブでしょ!」


攝津さんが言った


「ボブの50口径のデザートイーグルならそれくらいは簡単でしょう!確かに私の45口径でも可能だわ!なら、犯人は―――」


「―――誰が、45口径あれば十分なんて言いました?」


「え?」


「確かに45口径あればいいんですけど……なんでそれを?」


「F〇Iの化学研究班から来たからよ……彼女は」


楯無さんが静かに告げた


「そ、そうよ!それくらいは……」


「では、もう一つ。加熱はどうしたんでしょう?なにか特別な道具、装置を使えばその後は残ります。しかしそんなものは現場になかった……


マッチなんてものではいささか火力不足ですし、せめてライターぐらいの火力があれば……


そこで朝、僕がした質問が意味するんです。お2人ともタバコをお吸いになられるんですよね……


どうやって火をつけるのか……見せてもらってもいいですか?」


俺が尋ねると渋々ながら2人とも同タイミングで自分のライターを出した


ボブは昨日見たのと同じ改造してあるライター


そして、攝津さんはジッポーを


「決まりですね」


俺が言うと


「ちょっと待って!どう考えてもボブのライターの方が大きいし火力がありそうだわ!やっぱり犯人は―――」


「―――まぁ、タバコを吸う習慣なんてない……あっちゃいけないんですが俺達には分からないですよね……楯無さん、火をつけてください。両方ともです」


楯無さんは首をかしげながらもボブのライターに手を伸ばした


そして火付け石を回して火をつける


「つけたわよ」


「消してください……」


楯無さんは手を離して火を消した


次は攝津さんのジッポー


「普通につくじゃない……火力はボブの方が高いわ。やっぱり……」


「では、火を消してください」


俺が告げると楯無さんは負かしげな表情を浮かべた


「あれ?火が消えない」


火付け石から手を離すが火はそれなりの火力で燃え続けている


「これはこうやって消すんです」


俺はジッポーを閉じた


「っ!そうか……」


楯無さんは目を丸くした


「はい。手を離しても消えない火と、手を離すと消える火……爆発することが分かってたとすると、どっちを選びますか?


……そういうことです。自分は爆発に巻き込まれず、火力を加え続け、爆発で吹き飛ばされて現場には何も残らないような装置は……このジッポーライターしかないんですよ


これならアリバイを作れます、彼女が曖昧な立場にいたのは火をつけに行った時は誰にも目が行かないようにしていたからです……


45口径の弾丸を持ち、先程の方法で火力を加えていられる人間……


それは貴方だ!攝津香菜!」


指を指した先には頭を垂れている攝津さん


「証拠は……」


「はい?」


「絶対に私だって示す証拠がないでしょうが!」


髪を振り回し叫ぶ攝津さん


「いえ。偶然見つけたんですよ……まだ、動く監視カメラを」


「え?」


「では、ご覧いただきましょう……本音ちゃん!」


「あいさ!」


そう言って大型スクリーンにはこの屋敷の離れの内装が移った


少しして……


「うそ……」


攝津さんがカメラに写る


その攝津さんは何かごそごそとしたあとジッポーに火をつけてからその場を後にした


「……う、そ……」


「認めてくれました?コレが真実です」


俺が告げた瞬間、スクリーンの映像が爆発した


「カメラが壊れるような位置で爆破させたのに……なぜ!」


攝津さんは両手を握り締めていた


「認めましたね」


「っ!まさか……」


「きっちり録音しました。言い逃れは出来ませんよ」


俺はそう言ったあと少しだけ早送りした


すると


『派手にやってくれたわねー』


と渚子さんが画面に出てきた


『すいません』


そこには俺も、簪も、本音ちゃんも、虚さんも、薫子さんもだ


『ははは、姉さん、ざまぁ。超ざまぁ』


『う、うるさい!』


そんな中、画面の中の俺はこちらを向き


『ジャスト一分だ……夢は見れたかよ』


そうニヤついていた


「だ、騙したわね!」


攝津さんは立ち上がり叫んだ


「画面の中の私もこの監視カメラの映像も全部貴方達の仕業だったの!」


「はい。物的証拠もこれだけあればいいと思ったんですがね……一応」


「証拠は結局あれだけだったのに……」


だからあれだけあれば十分だっての……それに


「証拠がなければ証拠を作ればいい」


俺はそう笑って見せた


「あ、貴方は一体……」


「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」


俺によって弾かれた両手はいい音がした

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