小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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翌日


そして、休み時間


俺は机に突っ伏していた


「あああああああ」


意味もなく出す声


寂しい


「ねぇ!海東さんはどんな専用機なの?」


「今度、見せてよ〜」



クラスの女子は皆、海東の元でキャッキャ騒いでいる


「ごめんなさい。今はメンテナンスに出しているから使えないの」


しかも、あいつ……


俺と話すときは視線だけで人殺せる勢いなのに


女子と話すときは普通じゃねぇか


「はぁ……」


そんなことよりも……


まぁ、これも大事なんだけど


皆が冷たい


海東と同室になったことを聞きつけた彼女等が途端に冷たくなった


その事例を紹介しよう










箒の場合


「お、箒」


「………」


「お、おい……なんだ?怒ってんのか?」


「怒ってなどいない!」


思いっきり殴られた


「怒ってるじゃん」


セシリアの場合


「あ、セシリア」


「あら、女の子と同じ部屋になれて楽しそうな士さん……どうなされたんですか?」


「……いや、そういう―――」


「すいません。わたくし、用がありますの。失礼します」


怒ってるのか?


……怒ってるな


鈴の場合


「り〜ん」


「なによ!この変態!」


なんでやねん


シャルの場合


「シャル、おはよう」


「おはよう、神谷くん」


「え?」


「僕、織斑先生に呼ばれてるから行くね、神谷くん」


「…………」


ラウラの場合


「ラ〜ウラ、飯食おうぜ」


「……………」


「お、おい。無視はやめてくれよ」


「……………」


「……ラウラさ〜ん?」


「………浮気者が」


「…………」


グスッ


簪の場合


「かんざ―――グホッ!」


「バカ……」


え?終わり?







こんな感じです


グスッ


泣きそう


お昼休み……


誰も俺とご飯を食べてくれなかった


専用機持ち以外は皆、友だちと食べてるし


だから俺は



一人屋上でパンをかじることに


「うう……寒い」


さすが10月


寒いな


パンを食べ終わり、ベンチで横になっていたら


「あら、神谷君」


天使が二人、舞い降りた


「え?」


「つっち〜!めずらしく、おひとり〜?」


本音ちゃんと虚さんだ


「二人とも……どうしたの?こんな寒いのに」


体を起こしながら尋ねた


「いや〜、なっち〜と同じ部屋になってから皆がつめた〜いからあっためにきました〜」


「本音……それは私が」


「いやいや〜!かいちょ〜がいない今しかないんだから私だよ〜」


なんか、揉め始めた


でも




「ありがどう〜〜〜!!!」


俺は二人に抱きついた


人ってあったかい……


「ざみじがっだよ〜〜」


情けねぇ


うう……ぐす


な、泣かないもん……


「よしよし。頑張ったね〜つっち〜」


「あら。でも私の方に体は寄ってるわ。私の勝ちね」


「なんですと〜!」


そんなやり取りが心地いい


会話って素晴らしい







そんな三人を影で見つめる六つの影


あの


専用機持ちだ


「少し、厳しくしすぎたかしら」


「すまん、嫁〜」


「反省……しないと」


「布仏姉妹〜!士を〜!」


「箒!?壁が!壁が!」


「僕も言い過ぎたな〜」


彼女達はそそくさとその場を去った





放課後


皆がどういう気前か謝ってきた


その事例を……もういいか


箒の場合


「つ、士!」


箒に肩を叩かれた


「箒……」


「その……昼間はすまなかった……うむ、あれはやりすぎた。そのすまん」


頭を下げる珍しい箒


「ま、まぁ……いいよ。もうやめてくれよな。超、寂しいから」


「す、すまない」





セシリアの場合


「あ、あの〜。士さん?」


「よう。どうした」


「そ、その。すいませんでした……冷たく当たってしまって」


「ああ……気にすんなよ。その代わり、もうやめてな?」


「ごめんなさい」




鈴の場合


「士!」


「あ、鈴」


「ほら、肉まん作ったから食べなさい」


「本当か!?寒いからな〜ありがてぇわ〜………おお!美味い」


「そ、その昼間はゴメンね!」


「まぁ、かの肉まんでチャラな」


「え?」


「いつまでもネチネチ言うのはな〜。だから、もうしないでな」


「うん……」




シャルの場合


「お、シャル」


「士……」


「あ、下の名前で呼んでくれるんだな」


「う、うん……朝は……ちょっと……」


「もしかして、昨日言ってた『そういう日』ってやつか?それなら仕方ないな。もう元気か?」


「あ、あり……ぐす……ありがとう」


「お、おい!泣くなよ」


「だって、あんな態度取った僕に……ぐすっ!……うう」


「もう気にしてないよ」


そう言って頭を撫でてやった


ラウラの場合


「嫁」


「どうした―――って、いきなり飛びついてきたら危ないぞ!」


「す、すまん。しかし嫁に詫びるにはどうすればいいのか分からんのだ!」


「だから、こうしたのか?」


「う、うむ……」


「なら、許してやろう」


「本当か!?」


「ああ、仲直りだ」


なんちゅう笑顔だよ


簪の場合


くい


急に袖をつかまれた


「ん?」


振り向くと


簪がうつむいて袖を掴んでいたのだ


「どうした?」


「ごめん、なさい」


「へ?」


「つ、冷たくして……ごめんなさい」


「い、いや……それは、いいけど……なんでまた急に、あんな態度に?」


「そ、それは……」


「言えないか?」


「……つ、士が……転校生と、イチャイチャ、する……から」


「してねぇよ!?したくても絶対に出来ない感じだよ!?」


「ほん、とう!?」


なんで嬉しそうやねん


「あ、ああ……アイツは俺のことが大嫌いだからな」


「そ、そう……良かっ、た」


よくねぇよ






そうして皆とのけんか?はすぐに解決した


ああ。やっぱり俺は一人じゃ生きてけないわ


そう実感した


そして、部屋の前


一応、ノックをしてから入った


「ただいま〜」


中に入るとベッドに腰掛けている海東が


「なぜ、自分の部屋に入るのにノックしたの?」


呆れたように聞いてくる海東


「い、いや……そりゃ、なぁ?着替えてたりとかしてたら、まずいだろ?」


「はぁ……」


なんでため息?


「今日の貴方……一日、見てたわ」


え!?


なんで!?


何見てんの!


「なんで、あんな態度とられてあんなに簡単に許せるのよ」


腕を組んでその豊満な胸を乗せる海東


「だって……いつまでも、引きずってんのもな……格好悪いだろ?」


「なら、私の事は?」


「いや、別に……仲良くなれるなら、なりたいなと……同じ専用機持ちだし?」


「そう。そういうことね……分かったわ」


「お、おう……」


彼女はそう告げるとベッドにもぐった


「もう寝るのか?」


「ええ。今日は疲れたの……」


「そうか……お休み」


彼女からは何も返ってこなかった






夏海side-


深夜二時


IS学園でも起きている人間は珍しいそんな時間


彼女は一人電話をしていた


『亡国機業』スコールだ


「ええ……そうしてちょうだい。」


電話越しに聞こえる彼女の声に応えながら相槌を打つ


「そうね……あの偽善者の化けの皮を剥ぐわ」


そう言って通話を終了した


月明かりは彼女を明るく照らしている




後書き


すいません。黒猫です


今回も質低いですね


バイトが急に入りまして……今もバイト先で投稿してるんですけど


帰ったら遅くなるので早めに投稿をと


最近ダメですね〜


疲れがたまって


明日からの土日は質が高いのを投稿できたらなと思いますので


よろしくお願いします

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