小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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士が鈴を武器にして倒した『亡国機業』ヘビー


それを確認した千冬は若干の安堵の声で隣の麻耶に言い放つ


「状況を報告しろ」


「あ、はい、敵は全て撤退しました。交戦したISは50kmの洋上でステルスモードに入ったようです」


「……船……、いや、潜水艦か」


「恐らく、そうでしょうね。レーダーではこれ以上の捕捉は不可能です」


「ISで交戦した皆は」


「生徒に若干の怪我人が出ましたが、軽傷です。先生方に被害はありません」


千冬はその言葉を聞き、さらに表情を緩めた


「篠ノ之さんは隔壁の破壊に成功。現在は更識さんが爆発物の処理、先生方でISの準備をしています……ボーデヴィッヒさんは衛星リンクを継続中……、護衛のオルコットさんがミサイルを全部撃墜しました」


そこで麻耶はふふっと笑い


「オルコットさん、二発ほど自分で受け止めてましたよ……友達想いですね』


「あいつも随分変わったな……いい方向に」


「デュノアさんには、周辺を警戒してもらってます。専用機のセンサーが一番高感度ですから」


「ああ。それでいい」


千冬はようやくそこで息を大きく吐き、椅子に座り込んだ


「ふぅ」


「それにしても、なんだったんでしょうか……」


麻耶もまた背もたれに体重を預けた


「恐らく、内通者がいる」


恐らくとつけているものの、千冬はどこか確信めいてそう呟いた



専用機持ちside-


士はひどいダメージで倒れてしまった


全員……特に直接戦闘に出向いた鈴とシャル、楯無もほぼ無傷での帰還に成功


これも士のお陰だと思うと彼には感謝しきれない


昼過ぎに解決したこの事件


その真犯人に気づいたのはラウラだった


彼女が衛星にリンクしているとき、ジャマーがやけに近かった


ミサイルの発射も生徒と教師が交戦しているなか、放たれたものではない


なら考えられるのは内通者がいて、放たれたもの


一般生徒ではそんなことは出来ないし、まして楯無がいないときも狙っていたとするとますますその犯人像は濃くなっていく


「犯人は……海東夏海だ」


テラスでラウラは告げた


集まっていた士を除く専用機持ちも驚きはしなかった


「はぁ……あの転校生ねぇ」


鈴が大きく息を吐いた


「暗いけどいい人っぽかったのにな〜」


シャルも腑に落ちないというよりは残念な感情の方が大きい


「ふむ……しかし、アイツも専用機は持っている」


「討伐、困難……かも」


箒と簪もあくまで冷静だ


「関係ないわ……士くんがあそこまでやられて黙ってられないわ」


「まったくですわ!行きますわよ!」


セシリアの言葉に皆が頷き、向かう





事件があったアリーナへと


犯人は現場に帰ってくる……誰の名言だ






アリーナにつくと先客がいた


それは探していた人物で……未知の相手であった


「海東夏海……聞きたいことがある」


「任意同行ですが……」


「来てもらうわよ」


「拒否権は……ない」


ラウラ、セシリア、鈴、簪


の言葉に彼女はゆっくりと振り返った


それはひどく悲しい顔だ


しかし、愛おしい人をやられた彼女達には関係ない


「さぁ……来てもらうわよ」


楯無が一歩踏み出すと


足元がはじける


「来ないで……」


巨大な銃だ


色は黒とシアン


彼女はそれを何のためらいもなく放ったのだ


「やる気か?」


「数じゃ勝てないよ……」


それでも箒とシャルは落ち着いた声音だ


「いいわ。かかってきなさい……準備も整ったみたいだから、相手してあげる」


彼女は悠々とその銃―――ディエンドライバーをくるくると回し、上手くグリップを掴んだ


どこからともなく取り出したカードは見覚えがあって……


「あ、あれは……!」


銃身側面中央部に設けられたカード挿入口にそのカードを挿入する


そして、銃身をポンプアクションのように前にスライドさせた


『KAMEN RIDE・―――


彼女は唱える


彼からしか聞いたことがなく……聞きたくなかったその言葉


「変身……」


銃を高く掲げて


トリガーを引く


DIEND』



赤、青、緑のディエンドの複数のシルエットが重なる


顔には10枚のライドプレートが装着されて彼女はその姿を変えた


「かかってきなさい……」


銃身は彼女達を捕らえている









士side-


うるせぇな……


目覚めは最悪だった


「あれ?なんで寝てんの?俺」


体を起こして時計を見るともう夕方の4時


なんだ?


ああ、確か亡国機業と戦って……


ふざけた奴だったな……


そばの簡易テーブルに置かれた水を一口飲むと


「つっちー!」


いつにも増して慌てた様子で本音ちゃんが部屋へ入ってくる


「たいへんだよ!なっちーと専用機持ちのみんなが戦ってる!」


「なっ!?」


なんでだよ!


「くそがっ!」


上着を掴んで走り出した


「つっちー!?」


「本音ちゃんは千冬姉に連絡頼んだぜ!」


言いながらも俺は加速し続けた


間に合うか……!








今日二度目だ……このグランドにダッシュで乗り込むの……


そこには夕焼けもあり燃え盛るように倒れこむ皆の姿が……


その中心に佇むは


「海東……いや、ディエンド……!」


基本カラーシアン


その対照的な彼女に対して俺は鋭い視線を向ける


「あら、遅かったわね」


ディエンドライバーの銃身を手前に引きながら彼女は冷たく言い放った


「てめぇ……」


握った拳が震える


「許さん……絶対に許さん……言ったよな。俺の親しい奴は笑顔でいてもらうって……それは例えお前が俺をどんだけ嫌おうと変わらないってな!」


ディケイドライバーを腰に装着した


エンジン音を鳴らしてライドブッカーからカメンライドカードを取りだす


「覚悟は出来てんだろうな……海東夏海ぃ!!」


『KAMEN RIDE・DECADE』


ディケイドになった俺は即座にライドブッカーをソードモードへ


「うおおおおおおお!!」


振りかざして俺は突っ込む


「…………」


無言で彼女は銃口を俺に向けて弾丸を放つ


が……


『ATTACK RIDE・SLASH』



ライドブッカー・ソードモードの刀身を分裂させ横一閃


一気に振りぬいた


弾丸は弾かれて俺は懐に飛び込む


「おらぁ!」


斬り付ける


容赦なんてものはない


海東もディエンドライバーや足を使って防御してくるが


そんなものは関係ない


手数で押し切った


「ちょ、調子に……乗らないで……!」


彼女はドライバーにカードを挿入し前へとスライドする


『KAMEN RIDE・ACCEL』


撃ち出されて召喚されたのは鋭利な形状となった「A」の文字が頭部に見られ、モチーフはオンロードバイク[46]。フルフェイス・ヘルメットのようなマスクと、背部・脚部に装着された車輪が特徴


の仮面ライダーアクセル


「振り切るぜ!」


大型剣「エンジンブレード」を構えて突っ込んでくるアクセル


「はっ!振り切ったらどうなるんだっつーの!」


『FORM RIDE・W・LunaMetal』


体の右側は黄色、左側は銀のW ルナメタルへとディケイドは姿を変え、メタルシャフトを装備する


「はぁ!」


ルナの力を持ってしてメタルシャフトを伸ばして遠距離から攻撃


海東も弾丸を放ってくるがメタルシャフトで弾く


ブンブンとメタルシャフトを伸ばして打ち付けた


海東はそれをもろに


アクセルは……


『エンジン!』


刀身を押し下げることで出現するメモリスロットにエンジンメモリを装填


そのままグリップのトリガーを引き


『エレクトリック!』


刀身に電気エネルギーを纏うエレクトリックを発動


電気を浴びて、返り討ちを食らう


「なら、こいつだ」


『FORM RIDE・W・HeatTrigger』


右側は赤、左側は青のヒートトリガーへ


非常に高い攻撃力を持つ形態だ


装備したトリガーマグナムから高熱弾を放つ


海東はディエンドライバーでアクセルは


『ジェット!』


切っ先からエネルギー弾を射出した


「そんなんで退くかよ!」


それでも銃弾の威力で押し切る


弾丸を放ちながらカードを挿入


『FINAL ATTACK RIDE・da,da,da,W』



『マキシマムドライブ』



トリガーマグナムの銃身を変形させたマキシマムモードに変形させ


「トリガーエクスプロージョン!」


マグナムから超高温の火炎放射を放った


海東を庇うようにして前に出たアクセルはその姿を消す


「まだまだこれからよ」


『KAMEN RIDE・ZANKI』


マスクの縁取り・腕の色は銅色で、体色は深緑の鬼


斬鬼


エレキギター型の音撃弦『音撃弦 烈雷』を構える


「また電気かよ……なら、今度は……


『FORM RIDE・―――』


こいつだ!」



『FOURZE・ ELEK』

『エレキ・オン』



強力な電気エネルギーを含有し、ビリーザロッドを装備するとともにフォーゼ、エレキステイツへと変身する

 
柄から伸びるコード先端に設けられたプラグを左側に刺し込み、電撃剣にし、斬りかかる


斬鬼も同じく斬りかかり、刃を打ち付け合う


雷が辺りを撒き散らした


「やるねぇ……なら、こいつは!」


刀身を振り上げてバランスを崩して胴を切り裂き


プラグを中央に刺し込み、電光弾で乱れ撃つ


隙を見て、カードを挿入した


『ATTACK RIDE・WINCH』

『ウインチ・オン』


音声の後、左腕にNO16「ウインチ」が装備される


ドラム式ウインチユニットでフックはワイヤーで本体と接続されている



『FINAL ATTACK RIDE・fo,fo,fo,FOURZE』

『リミット・ブレイク』



警報のような音がなる


「ライダー電気ショック!」


ウインチモジュールで相手を拘束し、ワイヤーを伝わせてビリーザロッドの電気を流し込んだ


苦しげに呻いた斬鬼は姿を消す


「終わりか?」


「ま、まだよ……!」


『KAMEN RIDE・ORGA』


フォトンストリームの色は金で、眼の色は赤。機動性重視のサイガとは対照的にパワー重視に設計されたライダー「オーガ」を召喚した


硬いんだよな……こいつ


おまけに……


いつの間にか、目の前に現れたオーガは拳を振りかぶっていた


まずい!


『FORM RIDE・KUUGA・TITAN』


大地を司るクウガの特殊形態「タイタンフォーム」へ


両腕をクロスして拳を受け止める


「ぐぅ」


重いんだよな……一発が


タイタンソードを装備して斬りつける


オーガを象徴する武器で、『冥界の剣』の異名を持つマルチウェポン


オーガストランザーを装備


ミッションメモリーをセットすると短剣形態から長剣形態に変形させた


「負けられねぇんだよ!」


思いっきり打ち付けた両刃


何度も、何度も


「いい加減に……しろやぁ!!」


両者が振りかぶって


……打ち付ける




ガンッ!!


鈍い音を立てて、双方の刃が折れる


ここだ……!


『FORM RIDE・KUUGA・PEGASUS』


クウガ・ペガサスフォームへフォームチェンジし同時にペガサスボウガンも装備する



そのままカードを挿入


『FINAL ATTACK RIDE・ku,ku,ku,KUUGA』


高密度に圧縮された空気弾を封印エネルギーとともにペガサスボウガンから撃ち出した


「ブラストペガサス!」


その鋭い銃弾はオーガの身体を貫通させた

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