小説『IS〜インフィニットストラトス―ディケイドの力を宿す者 ―』
作者:黒猫(にじファン)

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タッグ戦のとーじつ


俺は男子の更衣室で一人寂しくそのときを待っていた


一回戦は、各アリーナ全てを使ってやるらしい


まぁ、操縦課は全員参加だしな……


俺の一回戦の相手は、二年生の江藤先輩って人と同じく二年のスミス先輩


「まだかな〜」


もちろん緊張なんてしてない


夏海がいるんだ


負けるわけねぇ


「神谷く〜ん。出番だよ〜」


部活棟の管理を任されている教員の榊原 菜月先生が俺を呼んだ


「は〜い」


行くか……






「よっ!夏海」


グランドに向かう通路で夏海と合流した


「今日は勝つわよ……」


「何言ってんだ……優勝するに決まってんだろ」


俺は皮肉に笑いながら言う


「それもそうね……」


夏海もニヤリと口角を上げた


「さてと……行きますか」


暗い通路に明かりが差し込んでくる


外に出ると同時に歓声に包まれた


すげー人だな


「ロマンはどこだ」


俺は嬉しそうに呟く


「きっと、ここよ」


夏海もディエンドライバーを取り出しながら答えてくれた


なんか、嬉しい


『KAMEN RIDE・DECADE』

『KAMEN RIDE・DIEND』


二つの影はそこで姿形を変えた


『それでは一回戦を開始してください』


試合開始のブザーが鳴る


「まずは……これよ」


夏海は銃身側面中央部に設けられたカード挿入口にそのカードを挿入する


そして、銃身をポンプアクションのように前にスライドさせた


『KAMEN RIDE・KAIXA』


ギリシャ文字のΧ(カイ)を模したデザイン。フォトンストリームの色は黄で、複眼の色は紫のライダー


カイザが撃ち出された


「邪魔なんだよ……俺の思い通りにならないもの全部……」


そう小さく呟いたカイザは、「Χ」を模した形状の剣・銃一体型のマルチウェポン『カイザブレイガン
』にミッションメモリーを挿入し、グリップ下部からフォトンブラッドを帯びた刀身が生成され、ブレードモードが起動


それを構え走る


俺に向かって


「え!?俺!?」


自分を指差すと同時にカイザはカイザブレイガンを振りかざした


「おわっと!」


ライドブッカーをソードモードにして俺は剣戟を防ぐ


「おい!夏海!どうなってやがる!」


夏海の方を一瞥すると


「分からないわ!なんとかしなさい!」


なんでやねん


何で、初戦から味方に邪魔されなきゃならねぇんだ


夏海は夏海で二対一の状況


さっさと援護しないと


「邪魔なんだよ……俺の思い通りにならないもの全部……」


「さっき聞いたわ!」


俺は怒鳴りながらライドブッカーで押し返す


「飛ばしていくぜ!」


こんなのに時間を使ってる場合じゃない


『KAMEN RIDE・FAIZ』


ファイズに変身し、ファイズエッジを取り出した


「おらよっと!」


隙を与えず斬りつけ、蹴りを入れる


『FINAL ATTACK RIDE・fa,fa,fa,FAIZ』


ファイズエッジから放ったエネルギー波でカイザを拘束し、一刀両断した



「ふぅ……」


なんとか姿を消したカイザだが俺はすぐさま、次のカードを挿入する


『KAMEN RIDE・BLADE』


ブレイドに変身


手を弾くように叩き、更にカードを挿入しバックルを回した




『ATTACK RIDE・MACH』


スペードの9……高速移動「ジャガーマッハ」を発動し一気に、夏海に近づく


「待たせたな!」


ライドブッカーでスミス先輩を斬りつけながらカードを挿入する


「待ってないわよ……」


素直じゃないやつめ……


『ATTACK RIDE・THUNDER』


スペードの6……「ディアーサンダー」を発動


電気エネルギーが生成され、ライドブッカーから電撃を放出する


「きゃああ!」


距離を取る先輩


夏海はすかさず銃撃で援護


俺はカードを取り出しながら、走りこむ



『ATTACK RIDE・TACKLE』



スペードの4……「タックルボア」


突進攻撃「ボアタックル」を発動させる


猪にも勝るタックルで江藤先輩も吹き飛ばした


それでも、先輩方はどちらも機動力のあるISで、すぐに瞬時加速で距離を詰められた


「イグニッション・ブースト!?これって難しいんじゃないの?」


夏海は驚きの声を上げた


「二年生にもなれば出来るんじゃない?」


俺は適当に答えながらライドブッカーに手をかける


『ATTACK RIDE・MAGNET』


スペードの8


磁界を操り、任意の対象を引力で引き付けたり、反対に斥力で引き離したりする「バッファローマグネット」を発動させる


これで距離を詰めてきた先輩を突き放す


「夏海!」


「分かってる……」


『KAMEN RIDE・PUNCH HOPPER』


基本カラーは茶、複眼の色は白で右腕側面にはゼクターと連動して力の解放を助長するバッタの脚の形をした特殊兵装アンカージャッキが装備されており、パンチを主体とした戦闘に優れる


パンチホッパーを召喚


「地獄はどこだ?」


「ロマンを探そうぜ」


パンチホッパーの問いかけに俺は答えて二人同時に駆け出す


「せいっ!」


スペードの2「SLASH」を発動し、威力を上昇させて斬り付けた


「ふんっ!」


パンチホッパーも容赦なく殴りつける


「二人とも、避けなさい!」


夏海の声に反応し、俺とパンチホッパーを体を転がす


『FINAL ATTACK RIDE・di,di,di,DIEND』


クウガからフォーゼまでの平成主役ライダーとディエンド自身が描かれた半透明のカードが照準となって先輩を捕捉し、カードのエネルギーを込めた巨大なビームを発射する


ディメンションシュートが放たれた


そこでブザーが鳴り、試合終了


パンチホッパーは姿を消して、俺達も変身を解除する


俺は大きなため息をついた











その夜


「おいおいおいおいおい、夏海さんよぉ」


「ごめんなさい」


「どう言う事かなぁ」


「ごめんなさい」


「邪魔なんだって、自分の思い通りにならないもの全部」


「ごめんなさい」


部屋で俺は夏海に説教


正座させている


「まさか、あんな風になるとは思わなくて……」


あの後の二回戦は順調に勝てて、一応トーナメントは勝ち進んでいる


「でも、まぁ……ああいうカードもあるんだな……」


「そういうことね……」


がくっと二人で肩を落とした















後書き


黒猫です


今回からのトーナメント戦は一戦一戦を一話として投稿させていただくので短い内容になりますがご了承ください

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